シャングリラ・フロンティア〜死にゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜   作:マンデラカタログ

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恐竜ってカッコいいよね(白目)

 

 なんとかヴァッシュ師匠の説得に成功した俺はダブリュアの案内でヴォーパルコロッセオなる場所に向かっていた。

 

「まさか、ついこの前にジークヴルムという最強種に挑んだアラジオ殿が、こんなに早くもう1体の最強種に挑むなんて……驚きであります…!」

 

「そうだなぁ、あいつからウェザエモンの話を聞かされたときは俺も驚いたよ」

 

 鉛筆が所属している阿修羅会なるクランが何度も挑んでいるユニークモンスター……

 

 はっきり言って、鉛筆は俺やサンラク、カッツォと比べるとプレイヤースキルは低い。だが、状況と状態を組み合わせて戦うあいつは明らかに強者であることは確かだ。阿修羅会の奴らは知らんけど。

 

「アラジオ殿、到着したであります!ここが我輩達が修練、それも実戦的な戦闘訓練をする時に使う闘技場……兎呼んで「ヴォーパルコロッセオ」であります!」

 

「へー、ここが」

 

 中々に広い闘技場に足を踏み入れ、俺は辺りを見回す。広さ的には直径2、30メートルくらいの円形のコロシアムは特に障害物があったりはしない、オーソドックスな戦闘フィールドのようだ。

 

「さっきおと……こほん!オカシラが言ってたでありますが、アラジオ殿にはここで10体のモンスターと戦ってもらうであります!」

 

「オーケー、武器は致命の鋸剣だけであってるか?」

 

「その通りであります!それでは、早速挑戦するでありますか?」

 

「おう……それじゃあ1体目を頼む」

 

「了解であります!」

 

 修行タイプのユニークシナリオであることは分かっていたが、モンスターと戦う実戦的なものだったか。この首輪の効果から考えて、高レベルのモンスターが出てくる可能性が高い。1発で10体抜きできるのが理想的だが、トライアンドエラーでモンスターの行動パターンを覚え、て、確実、に………

 

 

 

 

 

「カロロロロ………」

 

 それは、古代の生物を彷彿とさせる灰色の鱗を持つ爬虫類。毛……というよりは羽毛と言うべきだろうか? 恐竜特有のワイルドさもありながら軍隊のような統率感を感じさせる一糸乱れぬ動きは、それが単体ではなく個の集まり、群体であることを如実に示している。

 

「あー………聞きたいんだが……」

 

「なんでありますか?」

 

「………1体目?」

 

「はいであります!」

 

なるほど……………

 

「キュアァァァァァァァァ!!」

 

「ギャウッ!ギャウッ!」

 

「シャァァァァ…!シャァァァァァ…!」

 

 殺到する灰色の恐竜……その数ざっと3体。明らかに集団戦を得意としているラプトルに動きを封じられてHPをゴリゴリ削られながら俺が思ったことはただ1つ。

 

「せめて1戦目って言ってく……あばぁ!!」

 

 実戦的訓練1体目。

「トゥリーラプトル」必ず3体以上で出現

……平均レベル70。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4度目の挑戦。

 

「今度こそ勝ってやるよトカゲ共!!」

 

「アラジオ殿ー!頑張るでありますー!!」

 

 闘技場では「デスペナルティ」が無効なのが唯一の救いだが……

 

「キュアァァァァァ!」

 

「ギャウッ!ギュアァァァァ!」

 

「ギャウッ!ギャウッ!ギャウッ!」

 

 コイツらが厄介なのは数やレベルじゃなく……

 

「あっぶ……!?」

 

 このコミュニケーションによる連携…!!

 戦っていて分かったことだが、コイツらにはリーダーという統率する者が存在しない。その代わり、会話という手段によって決して乱れないコンビネーションを実現している。はっきり言って無理ゲーに近い。

 

 ……だが!

 

「吠えるとき、少しだが隙ができるよなぁ!!」

 

 どうやら俺の予想は的中していたようで、1体が吠えようとしたとき他の奴らはそれを聞くためか少し動きが遅くなる。

 話に夢中になってよそ見をするのは人間もそうだがかなり致命的だ。

 レベルの差による時間効率は如何ともしがたいものの、アイスピックでも叩きつけるようにガツガツと致命の鋸剣で攻撃とクリティカルの回数を重ねていけばいつかは限界を迎える。

 

「残念ながら死んで覚えるは誰よりも得意なんでな!」

 

 死に覚えによる攻略が可能な時点で俺の勝利は確定している。

 

 

 

 

 

 

 

「よっしゃオラァ!」

 

 最後の一匹がポリゴンとなって爆散し、俺は達成感に歓声を上げる。

 体力が比較的少ないタイプの敵Mobだったとはいえ、40近いレベルの開きがあれば一体倒すにしても時間がかかる。攻略方法が確立したとはいえ、そもそも個でも強かったから撃破するにはそれなりに疲れた。

 こういう時、頭悪いくらいSTRに極振りした脳筋戦士とかが少しだけ羨ましく感じる。

 

「お疲れ様でありましたアラジオ殿!」

 

「おう、出来れば次は単体のモンスターが嬉しいんだが………」

 

 1体目(数体)は正直疲れる。

 

「ご安心を!次はちゃんと1体でありますから!」

 

「助かる、そんじゃ次はどんなやつが…………」

 

 

 

 

 

 

 2体目、現れたのは首が3つに分かれた、いかにも毒がありそうな紫色の大蛇………

 

実戦的訓練2体目。

「ミツマタヒュドラ」

 

「体感複数体じゃねぇかよ!!」

 

 畜生、こうなったらヤケクソだ!その首全部刎ねて首無しにしてやるよ!!!





 ミツマタヒュドラの見た目は妖怪ウォッチのミツマタノズチと防振りのヒュドラから着想を得ています。
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