シャングリラ・フロンティア〜死にゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜 作:マンデラカタログ
「くぁあ……!」
ベッドから身体を起こしつつ大欠伸をする。昨日は色々過密スケジュールだったな、と目を擦って部屋を出る。
あの後テンションがちょっと暴走的方向にハイになったペンシルゴンに引っ張られるように徹夜で魚釣りを敢行したり。
俺とサンラクがライブスタイド・レイクサーペントよりもレベルが高くなったことで忌々しい呪いの効果によって鰻が出現しても逃走し始め、レベリングがストップして2人からネチネチ文句を言われたり。
離れた場所に隔離され、キレた俺らが釣りをしまくっていたらレアモンスター「ライブスタイド・デストロブスター」なるレベル80のモンスターを呼び寄せてしまったり。
本格的に強過ぎてダブリュアでも歯が立たなかったので後ろで釣りをしていたサンラクとエムルを巻き込もうとしたが、サンラクがまさかのロブスター2尾目とエンカしやがったせいで地獄絵図になったり。
正直よく死なずに済んだとは思う、だが2尾のロブスターを倒した事で俺はレベル53、サンラクはレベル51にまで成長していた。レベリングを驚異的速度で完了した俺らは、
登り始めた朝日を窓越しに眺めつつ俺は、今日の予定を考える。
「とりあえずスキルだ、新しく覚えられるスキルがあるならそれに越した事はないし……後いくつか新しい素材もあるし、先ずはラビッツに特技剪定所があるかどうかの確認をして、ビィラックにあのザリガニの素材で武器を新調してもらって……」
ブツブツと呟きながら朝食の準備をしていた時、ふと机の上に置かれた雑誌に気づく。
どうやら我が姉、荒滝
その人物の本性を文字通り痛感していなければ、素直に凄い人だと思うだけであっただろう。つい先程まで一緒にゲームをしていたその人物をしげしげと眺めていると、横から伸びた手が雑誌を掠めとる。
「ん?」
「何珍しいね。縁治があのKのページを気にするなんて、あの時のリベンジでもしたいの?」
「それはどちらかと言うと姉さんの方が、だろ?」
「ぐ……」
どうやら図星のようだ。俺としては「いつまで引きずるんだ」と言ってやりたいところだが、言うと癇癪起こして泣きだすから言わないでおく。
「
「ソデスカ」
「ていうか、あのとき格ゲー初見だった緑治が一番善戦してたっていうのが一番腹立つ!」
「おいコラ」
我が姉ははっきり言って負けず嫌いだ。だからこうして「打倒魚臣慧」を掲げて頑張っている。
どうやら言いたいことを全て吐き出せたらしく少し落ち着いた様子だ。
「……はぁー、スッキリした」
「それは何より。ところで、姉さんが今やってるゲームにロボ武者みたいな奴って居る?」
「うーん…武者とロボットみたいな奴ならいるけど……どうして?」
「いや気にしないでこっちの話だから………それと姉さん、目の周りがパンダみたいになってるからとりあえず寝なさい。次の大会に支障がでるぞ」
「…………はい」
朝食を済ませた俺は姉さんにそう言った後、自分の部屋へと戻る。
うーん……姉さんがやってるゲームで練習でもしようと思ったけど、それなら仕方ない。
「対ウェザエモン戦にピッタリなゲームだと………あのロボゲーかな?」
かなり久々だからな……気を引き締めてやるとしますか。