シャングリラ・フロンティア〜死にゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜   作:マンデラカタログ

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 ガンブレ4が楽しくてやめられない。


刹那に思いを込めて 其の七の一

 

「いやー、本当に久々にやるなこのゲーム」

 

 俺が今やろうとしているゲームの名は「ネフィリム・ホロウ」

 カテゴリとしてはロボットアクションゲーム。

舞台は「突如空から巨人が落ちてきて、なんだかんだあって文明が半壊したパラレルな地球」というもの。

 プレイヤー達はかつて空から堕ちてきた巨人を乗りこなし、3勢力と時に争い時に協力する……というどちらかというと硝煙臭いタイプのゲームで個人的評価としてはかなりの良ゲーだ。

 何故俺がこのゲームを持っているのか、それはこのゲームが姉に強制参加させられた大会のことに関係している。

 

 大会のゲーム「Bloody gadget」という格ゲーだ。

 この格ゲーは兎に角頭を酷使しなければならないため、慣れる必要があったのだ。そしてその慣れのために姉に買わされたゲームこそがこの「ネフィリム・ホロウ」なのだ。

 姉からは「これ極めれば一人でボーカル、ギター、ベース、キーボード、ドラムをこなせるようになるよ」と言われたが確かにその例えは間違いではなかった。作中におけるロボこと、目を閉じた巨人と融合することで操作する機衣人(ネフィリム)搭乗席(コクピット)に乗り込んで操作するタイプではなく、文字通り機体と融合一体化するタイプなのだが、それが原因で兎にも角にも操作が忙しすぎるのだ。

 

 少なくともゲーム内ランキング戦で上を狙うのならばマニュアル操作で高速機動しながら偏差射撃で当てるくらいの技量が必須であり、成る程確かにゲーム評価サイトで見かけた「多重人格者向けゲーム」というのもむべなるかな。

 

「とはいえ慣れたプレイヤーなら問題なく操作できるし、ストーリーもゲームバランスも普通に良いんだよねぇ」

 

 総評を言うのなら、プレイヤーとして参加するハードルが娯楽ゲームとは思えないほど高いものの、見ている分には楽しい良ゲーと言える。

 

 なにより、ペンシルゴンが集めた墓守のウェザエモンの情報によると超速フレーム攻撃、即死、範囲攻撃のオンパレードをしてくるらしいからな、このゲームはいい練習になる。

 

「このゲームなんのキャラでプレイしてたんだったか……まぁいいや、見りゃ分かるし」

 

 久しぶりにゲームをプレイする時の感覚はニューゲームとはまた違うワクワク感があるな。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー、そうだそうだ、ミイラマンだったなそういえば」

 

 ログインし、久しぶりにネフィリム・ホロウに於ける「アラジオ」となった俺は、自身の機衣人ネフィリムが格納された倉庫を訪れていた。

シャンフロ程に狂った現実再現度のゲームではない故にそんなものはないが、しばらくの間やってないゲームだったから、機体にも埃が積もっていそうだ。

 

「久しぶり、「グレイバード」……うん、いつ見ても灰と黒の素晴らしい組み合わせだ」

 

 それは俺がこのゲームをプレイしていた当時、ふと「加速ブッパにして武装はアサルトライフルとミサイル、あとはブレードとかの近接武器持たせたらめちゃくちゃカッコいいだろ!」と最高に男の子な理論で組んだ機衣人(ネフィリム)こそがグレイバードだ。

 

 天から堕ちた巨人、ネフィリムの中でもその身体を折りたたむ事が可能な可変型骨格をベースに装甲を出来るだけ削り軽量化、そして足や腰にクイックブースターを搭載したことで瞬時に肉薄でき、敵機の攻撃も避けれる。

 その性質上、稼働時間10分という燃費の悪さと、常に頭を動かさないと上手く操作出来ないという弱点を抱えた暴れ馬みたいな機体ではあるのだが、つまり10分間常に頭を動かしながら相手を倒せばいいのだ。

 

「よくよく考えたらパワードスーツとロボットって微妙にと言うか全然違う気がするが……なんでもいいか」

 

 大事なのは人型の機衣人(ネフィリム)を扱うプレイヤーを見つけ、その動きを覚えることだ。根本的な解決はしてない気がするがそこはご愛嬌という事で。

 そんなわけで、俺は早速対人環境……ゲーム内に於ける所属組織「ネフィリム・カンパニー」のエントランスへと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーん、一通り戦ってみたけど……やっぱり鈍ってるな……旋回が甘い、リココンが雑、フェイントがシンプル……」

 

  自分を企業と言い張る一般異常者やら、自分をエリートだと思い込んでる一般ポンコツやらを撃墜した俺は、今の試合を振り返って自身の動きが鈍っていることにため息をつく。

 最後にプレイしたのは確か9ヶ月くらい前、あの時は今の実力を試してみるか的なテンションでかなり環境を暴れ回っていたが、大会が近づいてきていたので結局このゲームのランキング1位と戦うことはできなかった。

 

「確か…ルストだったか?」

 

「彼女なら今頃こちらに向かって来ていると思うぞ?」

 

「……ん?」

 

 ふと俺の独り言に返事が返ってくる。

 誰だと思い振り返るとそこにいたのは、氷のような瞳に空色の髪を携えた美少女。

 

操り手(パイロット)「Luna」が貴方に決闘デュエルを申し込みました。受諾しますか?』

 

「おっ!お前か、久しぶりだなLuna」

 

「あぁ、久しぶりだなアラジオ」

 

 叩きつけられた挑戦状に書かれたLunaの文字、それはかつてのランキング戦で悪戦苦闘したランキング3位のプレイヤーのもの。

 あの技とドレスパーツに配置した追加ブースターによって、宙を華麗に舞う蝶のような動きを可能とする青い機体に俺は大苦戦した。結果としては勝利したが、体感敗北のようなものだ。

 

「できればもう少しリハビリしたいところだったが……一期一会に千載一遇、断るわけにはいかないだろう……!」

 

「フフフ…お前らしい」

 

 俺は迷うことなく承諾する。そして暫くして、あの日見た青い機体が俺の前に姿を現わす。

 あの日見た時と比べて、塗装が派手になっている事といくつか武装が違う事を除けば、そのデザインは間違いなくランキング3位プレイヤーLunaの機体「ラブラドライト」だ。

 月光の如き輝く青白い塗装が施されたラブラドライトに対して、灰を被ったような地味な色のグレイバード、というのも中々にドラマティックだが、俺もLunaも求めているのは雰囲気ではない。

 

「よっし……そんじゃまた倒させてもらうぜ!」

 

「前と同じだとは思わぬようにな!」

 

 荒廃した都市に、月と灰の機械が飛翔する。





 グレイバードはナイトフォールに、ラブラドライトはスティールヘイズ・オルトゥスに似た見た目をしています。
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