シャングリラ・フロンティア〜死にゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜   作:マンデラカタログ

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ナイトレインのゲーム紹介トレーラー記念


刹那に思いを込めて 其の十七

 

「さぁ、「必殺の策」をぶち込みに行こう!」

 

 最後の一つとなったMP回復のポーションを一気飲みしたオイカッツォは何度目かも分からない自己強化を行い、ペンシルゴンは残りの槍のストックを確認し、その中から一本を取り出す。

 

「もう槍が二本しかない……ああ勿体無い勿体無い、これ一本作るのにどれだけのお金がいるのやら……」

 

「今更葛藤してる場合じゃないでしょ!!」

 

「君は拳だから減らなくていいよね……ふぅ…よし!」

 

 そして最後の作戦が開始される。ミサイルとレーザーによって荒れ果てた地面、黒い月が白い夜空を照らしている中でも漆黒を維持している騏驎甲冑の影。その持ち主の大きさと同じく巨大なそれに投擲された槍が突き立てられる。

 

「汝、縫い留めしもの。我、繋ぎ止めしもの。万象に寄り添い、しかして相容れぬ万有の黒を穿つ。【黒楔の槍(シャドウ・ウェッジ)】!」

 

「フル詠唱だと威力に補正入るんだっけ?」

 

「普段はやらないけど、今回は一%でも確率が欲しいからね……!」

 

 ブロークン・シェルと同様に武器そのものの耐久度を消費する魔法である黒楔の槍(シャドウ・ウェッジ)、その効果は敵の影に刺すという制限こそあれど、影の持ち主の動きを文字通り完全に封じる、というものだ。

 とはいえ、実装当初はゴブリンだろうがワイバーンだろうが問答無用で縛る効果があまりにも強力であったために弱体化が施されたという過去もある。

 

「騏驎のサイズだと、保って5秒! チャンスはこの一度だけ!」

 

 騏驎甲冑の狂奔が完全に停止した数秒、2人は同じ目的のために異なる動きを取る。オイカッツォは騏驎甲冑へと肉薄し、ペンシルゴンは逆に距離を離す。

 

「行くよ、最後の一本…「巨人殺し(ジャイアントキリング)串刺し(スキューア)」!!」

 

 ペンシルゴンのインベントリに残った最後の槍、必要素材の全てがプレイヤーよりも巨大なモンスター由来という銘通りの素材を要求する異なる武器種なれど同じ名を持つシリーズの一つ……その名も「巨人殺し(ジャイアントキリング)串刺し(スキューア)」。

 名前の通り、プレイヤーよりも巨大な身体を持つモンスターに対してダメージに補正の入る槍である。

 

「騏驎甲冑デカブツにはお誂え向きでしょ!行くよカッツォ君!!」

 

「オーケー!外すなよ……ッ!?ペンシルゴン!!」

 

「ッ!?しまった!」

 

 ペンシルゴンが腹部に狙いを定めていると行動を封じる前に発射していた騏驎甲冑のミサイルに被弾しペンシルゴンの周りに黒煙が上がる。

 

「クッ!!」

 

 それを見たオイカッツォはペンシルゴンが死亡したと思い、大急ぎでインベントリから「再誕の涙珠」を取り出しペンシルゴンを蘇生しようとするが…

 

「問題…無い!!」

 

 その言葉にオイカッツォはビタッ、と蘇生アイテムを振りかぶりペンシルゴンにぶつけようとするのを止める。

 そして煙が晴れる。するとそこには、片腕がポリゴン状になっているペンシルゴンが「巨人殺し(ジャイアントキリング)串刺し(スキューア)」を振りかぶっていた。

 

「槍使いが片腕で戦えるわけないって言ったの…あれ撤回するよ。騏驎甲冑!アンタは片腕で十分だ…!!」

 

 狙うは騏驎甲冑の露出した腹部砲塔。

 

「行けぇ……!!巨人殺し(ジャイアントキリング)!!「乾坤一擲」!!」

 

 それはまさしくペンシルゴンの今の心情そのものであり、投擲スキルの名前でもある。持ちうるすべての力を込めてペンシルゴンが放った重厚な槍がエフェクトの尾を引きながら空を裂き、騏驎甲冑へと飛翔する。

 そして投げ放たれた巨人殺し(ジャイアントキリング)串刺し(スキューア)の穂先が着弾する寸前、それに追随する影一つ。

 

「後は頼んだよ、カッツォ君!」

 

「赤、青、黄……三色混合【拳気・過重黒衝】!」

 

 まず、最初に黒楔の槍(シャドウ・ウェッジ)に用いられた槍が砕け散り、騏驎甲冑の拘束が解ける。

 次に拘束が解除され、攻撃に転じようとした騏驎甲冑に投げた槍が命中。しかしながらその攻撃は決定打には至らない。

 そして槍の着弾とほぼ同時、オイカッツォが持ちうる最高火力が巨人殺しの石突きを殴りつける。

 

「いい加減沈め、伽藍堂……!!人力パイルバンカー!!」

 

 本来はペンシルゴンのSTRを参照し、貫通力を得る筈の槍はオイカッツォという2段目のブーストを受けてさらに奥へ奥へと騏驎甲冑を穿つ。無理な運用、装甲ほどではないにしろ堅牢な騏驎甲冑の体内を進む負荷に槍全体に亀裂が走る。しかしながら確かに巨人殺しはその名の通りの結果を遂行した。

 

 騏驎甲冑の背よりひび割れた穂先が顔を覗かせ、騏驎甲冑の動きが停止する。そして爆発。巨人殺しは砕け散るが、明らかに許容できるレベルではない爆発に、2、3度痙攣するかのように身体を震わせた騏驎甲冑は最期に手を伸ばし……オイカッツォを巻き込んで崩れ落ちた。

 

「カッツォ君!」

 

 巻き込まれて死亡したのではないかとペンシルゴンはオイカッツォを探していると。

 

「は…はは……」

 

「!」

 

 倒れた騏驎甲冑の近くから笑い声が聞こえてきた。ペンシルゴンはその方向を見る。

 

「無事…」

 

 幸いにも、騏驎甲冑が倒れたところが隙間だったため無事だったオイカッツォを確認した。すると、倒れた騏驎甲冑の身体の周りがどんどん薄くなっていき、遂にポリゴンとなって爆散する。

 

 それを見て安堵したオイカッツォは地面にへたり込み、大きく息を吐いた。ペンシルゴンもまた息を吐いて地面に座り込んだ。

 

「はぁあぁぁ……疲れたぁぁ…あれで倒せてなかったら詰んでたよ」

 

「ぬ〜…「過重黒衝」の反動で身体が全然動かない……」

 

「スタミナ切れだね。少し休めばすぐに……そうだ!2人は…!?」

 

 未だ本命は終わっていないことを思い出したペンシルゴンは表情を引き締めて視線をサンラクとアラジオの方へ向ける。

 

 そこには間断なく猛攻を仕掛ける墓守のウェザエモン、そしてそれを避ける……否、逃げて(・・・)いるサンラクとアラジオが見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 騏驎甲冑が倒された同時刻、ウェザエモンとの決着が着々と近づいてきた。

 

「よし!「餓狼の闘志(ハンガーウルフ)」、「クライマックスブースト」共に再使用時間リキャストタイム終了…!!「兎月」合体ゲージ「MAX」…!!アラジオお前は?」

 

「問題無し!「戦鳥の勇志(ブレイブバード)」、「マキシマムブースト」の再使用時間リキャストタイム終了…!!兎鳥のゲージも一定ラインを超えた…!!」

 

 カッコつけていこう。命潮蝲蛄の円盾を再びインベントリに仕舞い、剣を構え直す。俺とサンラク、両方とも準備は整った。先程のセルフ蘇生で俺の蘇生アイテムは残り一つだが、サンラクの蘇生アイテムは恐らく尽きている筈だ。仮にサンラクが失敗しやがった場合、これで蘇生することができるが、またスキルのクールタイムが挟まれてしまう。つまり、実質的にこれが最後………ラストチャレンジだ。

 

「さぁ行くぜ!墓守のウェザエモン!!」

 

「ここからが正真正銘クライマックスだ!!」




遅れて申し訳ないm(_ _)m

まぁそれは置いといて公のフレイディア復活おめでとう!!
ソラールさんの装備もあったし本当楽しみ!!
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