シャングリラ・フロンティア〜死にゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜 作:マンデラカタログ
「うーん……改めて騎士の直剣の耐久値確認してみたけど……次ぐらいで多分壊れるな。」
そんなことを考えていると視線の先、遠目に見える人工物の連なりは、二つ目の街「セカンディル」で間違いない。
この森とセカンディルへの道を断ち切る渓谷には吊り橋が一つ掛けられている。そして吊り橋の前に門番が如く立ち塞がる……いや、蜷局とぐろ塞がるとでも言うべきな一頭の大蛇が舌をチロチロ出しながら、さながら次の街へ向かうプレイヤーを待ち構えるようにそこにいた。
「なるほど、所謂エリアボスってやつか。」
マルチ推奨って書いてあるけど……推奨人数が3人だからな、死ぬ気でやれば勝てるだろう。
「蛇型モンスターだからな……攻撃手段は巻きつく、噛み付く、丸呑み、毒だろうが……あの尻尾の毛が気がかりだな、警戒しておこう。」
少なくとも「プレイヤーの予想の斜め上行けば面白いだろう」と自爆攻撃でもしない限りプレイヤースキルでどうにかなる。
「確かエリアボスに挑戦するソロプレイヤーなりパーティなりが戦闘を始めた時点で他プレイヤーやモンスターは干渉できなくなるんだったか。」
正直飛び入り乱入!とかは死にゲーの醍醐味でもあるから嫌いではないんだが、不意打ちの心配なくボスとタイマンを張ることが出来るのはありがたい。初めてのボス戦にワクワクしつつ草むらからこっそり出た俺は「跳梁跋扈の森」エリアボス、貪食の大蛇へと挑む。
「先手必勝!……そぉい!!」
「シャアアァァァァァ!!?!」
初心者用のボスだからという理由で俺はスキルやアイテムを出し惜しんだりはしない。会っていきなりアルミラージがドロップした角を大蛇の右目目掛け投擲、見事に命中し潰すことに成功する。怯んでいる隙にインペイルスラストを横っ腹に放ったが騎士の直剣が砕けてしまった。だが、そのおかげで体に傷をつけることができた。すぐさま
「シャアアァアァアァァァァァァ!?!!」
「どうだ貪食の大蛇さんよお!片目が潰された上にクリティカルを喰らいまくってる今の気分はよお!次はもう片方も潰してやるよ!!」
左目を攻撃するため死角になった右から頭に飛び乗ろうとしたが……あの尻尾……なんかこっち向いてね……?
「うおっ!?……っと、あっぶねぇ……!?タップステップで回避バフしといて良かったーーッ。これだからボスは油断ならん……!!」
「シャアアァァァァァ!!」
どうやらこの貪食の大蛇というボス、一定体力になるまで削るとさっきの毒発射攻撃をノーモーションでしてくるみたいだな……警戒していて正解だったよ。
片目を奪われた上、毒発射攻撃も避けられたせいかめちゃくちゃキレている貪食の大蛇が連続で噛みついてきたり、尻尾を叩きつけたりしてくる。そしてふとさっきつけた傷口からまだ赤いポリゴンが出ているのを見つけた。
「へぇ〜思ったより深く刺さってたみたいだな、まだ治ってないなんて……なら!!」
「シャオオォオォオォ!!」
大蛇の噛みつきをフラッシュカウンターでいなして、傷口という無理やり作り出した急所にループスラッシュを叩き込んだ事で連続でクリティカルが発生、耐え切れずに貪食の大蛇は仰け反りモーションを取り、その隙に大ダメージが出るスキルを叩き込む。
「インペイルスラスト!!」
「オオォォォォ………」
弾けるように貪食の大蛇の傷口からポリゴンが飛び散り、心なしか致命の鋸剣が光ったような気がした。
そしてポリゴンの爆発が貪食の大蛇の全身へと広がり、その巨体が爆ぜる。
「よっしゃぁあ……!初見ノーダメでボス撃破、達成じゃぁああ……!!」
いやぁ……あんなにあったスタミナがもう無くなってしまった。疲労モーションって、マジで疲労感を感じるんだなぁ……
それじゃお待ちかねのドロップアイテムは何かな……?
「どれどれ……「貪食の牙」に「喰蛇の白髪」、「喰蛇の鱗」か、3つもドロップするとは流石エリアボス。」
LEVEL UP
13>15
おっレベルアップ。さっきのボス戦で実感したが……このゲームはアバターの速度がなかなかに大事だな。ポイントは全部敏捷に振って……っと。
————————————
PN:アラジオ
LV:15
JOB:騎士(片手剣)
9,000マーニ
HP(体力):40
MP(魔力):10
STM (スタミナ):30
STR(筋力):20
DEX(器用):15
AGI(敏捷):10→20
TEC(技量):20
VIT(耐久力):5(2)
LUC(幸運):50
スキル
・インペイルスラスト
・アニマルロア
・ループスラッシュLv.1
・タップステップ
・キャットウォーク
・フラッシュカウンター
装備
右左:
頭:壺の兜(VIT+2)
胴:無し
腰:無し
足:無し
アクセサリー:無し
————————————
「よしっ、スタミナも全回復したし、忘れ物もないな?では、いざ行かん…!セカンディルへ……!!」
一方その頃、サンラクは