シャングリラ・フロンティア〜死にゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜   作:マンデラカタログ

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時間効率悪いとめっちゃイライラするアレ

 

 いやしかし、夏休みになった当日にこのゲームを買えて本当に良かった。なにせ夏休みシーズンと言えば大体の業界で稼ぎ時だ。当然現在進行形で神ゲーまっしぐらなシャンフロが夏休みシーズンに売り上げ記録を更新するのは自明の理、きっとこれから先は最初の街は新規プレイヤーで埋まることになるだろう。

そうなれば素材集め競争が始まるのも時間の問題だろう。

 

 

 

 

 

「おうい、鉱石集めてきたけどこれで作れる?」

 

「見せてみな……ほう、中々集めてきたじゃねえか。待ってろ、今リストを出してやる。」

 

沼柱一本掘り尽くせば武器は作れる、これなら余程のことがない限りは少数のプレイヤーが沼柱を掘り続ける必要性は薄いってことか。まぁ掘るが。

 

「って、おいおい「沼棺の化石」があるじゃねぇか!こりゃ珍しい。」

 

「へぇー、レアアイテムだったのかそれ。」

 

「だったらコイツが作れるぞ。」

 

どれどれ………見た感じ気になるのはこの二つだな。

 

・湖沼の直剣

10,000マーニ

 

・湖沼の大剣

10,000マーニ

 

 

 

 

「まぁ気になるだけで買うのは決まってるケド、湖沼の直剣を作ってくれ。」

 

「あいよ、すぐに作ってやるから適当に時間潰してから来くれ。」

 

へぇ、材料と金を渡してはい完成、とはいかないようだな。

そんじゃこのマッドフロッグ皮を売った後、レベリングでもしに行くか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 というわけで戻ってきました四駆八駆の沼荒野。さっき道具屋に寄っていろいろなアイテムを買ったせいでもうお金がカツカツだ。

 

 意外に良い値段で売れるマッドフロッグを武器にもなるツルハシで乱獲していると甲高い鳴き声が頭上から響く。

見上げれば、最初にここにきた時にちらっと見かけたハゲタカみたいなモンスターがまさに俺に襲いかからんと降下してきていた。

 

「わざわざ自分から降りて来てくれるとはありがたい。」

 

俺の頭に鋭い爪による蹴りを食らわせようとしているハゲタカを一歩横にステップして避けつつ、アイアンソードに武器を変え、ハゲタカの脚に叩きつけて見る。

 

「ギャエエ!!?」

 

「うわっ!脚硬った!?」

 

一方は激痛に、一方は硬さに悲鳴を上げる。コレは脚以外を攻撃した方が良さそうだな……

 

「オラッ!」

 

「ギャエッ!?」

 

ゴブリンの手斧を持ち、飛び立ったハゲタカの片翼に命中させる。地面に落ちた衝撃でかなりダメージを受けたようで動きが鈍くなっているので今のうちに肉薄する。

 

「頭!頭!頭そしてもっかい頭ぁ!!」

 

頭をひたすらアイアンソードで切っていたら、ハゲタカは羽を残してポリゴンに変換され爆ぜた。

 

「コイツかなり面倒なエネミーだったな……ドロップアイテムは……」

 

 

・盗賊禿鷹の羽

バンディットバルチャーの羽毛の一枚。

文字通りただの羽であり盗賊組合の証として用いられる以外に価値はない。

だが故にこそ、かつてはただ罪人としてしか扱われなかった者達の証なのだ。

 

 

「………何が、「かつてはただ罪人としてしか扱われなかった者達の証なのだ」……だ!!無価値だってことには変わりねぇだろ……!!時間返せ!!」

 

労力の対価としては低すぎる価値に思わず悲鳴をあげた後、ご飯休憩を兼ねてセカンディルの宿屋に戻りログアウト。食べ終わってすぐログインして武器屋の方へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっさん武器出来た?」

 

「おう来たか妙な格好のニイちゃんよう、出来てるぜ。」

 

格好への指摘は受け付けない方向で。手渡しではなく、インベントリに直接渡されたそれを確認する。

 

 

 

・湖沼の直剣

澱めど輝きの欠片を見せる直剣。

沼荒野の良質な鉱石から作られたそれは戦士の長き友となるであろう。

この剣に輝きを宿せるかは使い手次第。

クリティカル攻撃に成功時、一定時間耐久値の減少が半分になる。

 

 

 

「パーフェクトだおっさん……」

 

「お、おう……」

 

長く使う、という点でこれ以上に適切な武器は現状ないだろう。

大剣の方も多分同じ効果だろうから、俺が脳筋ビルドならコレを作ってもらっただろう。

 

「ああそうだ、聞きたいんだけど。」

 

「何だ?」

 

「武器の耐久を回復する手段ってある?」

 

「あー、そういう質問する奴多いんだよなぁ。シロートが武器をどうこうなんて出来るわけねぇだろ?大人しく俺たち鍛冶屋の世話になるんだな。俺たちゃ武器を作り武器を育てる鍛冶屋だぜ?武器に関しちゃ任せてくれりゃ十全に仕上げてやるよ。」

 

「やっぱり武器は育てるって言うんだな。」

 

「おぉ知ってたのか!俺らみてぇな鍛造魔法を使える奴は武器を作るだけじゃなくてより強く強化することができるんだよ。鍛冶屋にとっちゃ武器は子供みてぇなもんだ、強化なんて味気ねぇ言葉じゃなくて育てる、って言うんだが、開拓者にも知ってる奴がいるなんてな。」

 

「まぁな。」

 

ダクマシリーズの鍛冶屋のおっさん達も同じこと言ってたし、武器をいろんな派生にするときはかなり印象深いからな。そういえば、武器が進化して強くなるやつもあったな……シャンフロにもあるかな?

 

「あぁそうだ…忠告なんだが今の時間帯に間違っても街の外には出ないようにな。」

 

「なんでだ?」

 

「なんでって……夜行性のモンスターは危険な奴が多いからに決まってるだろ。」

 

ほう、危険な奴ねぇ……

 

「了解、気を付けるよ。」

 

「おう、またな。」

 

 

 

 

さて、その危険な奴がどれだけ危険なのか気になるし、なにより新調した武器の試し斬りもしたいからな。行くとするか。

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