Angel Beats!に転生したワイ成仏出来ず、31Aに全てを賭ける 作:万能炭酸水
今回は普通の小説です。掲示板形式に比べて評判悪りぃけどままええわ。
「これで終わりだ!」
月歌の斬撃が、自分より数倍も大きいキャンサーの胴体を一刀両断する。剣を握る手に汗と震えを感じながら、セラフの柄を強く握り締めた。今までなら苦戦している様な強敵だったが、それぞれの役割を理解して立ち回れる様になり、危なげなく撃破する事ができた。
「もしかして、私達強くなってる?」
「理不尽な敵と戦ってたから、意外と呆気なかった」
先程までの緊張感は嘘の様に、今ならカメハ○波が出るかもと気を溜め始めた東城の横で朝倉は少し物足りないといった様子で呟いた。
「落とし穴や丸太で吹っ飛ばされた甲斐がありましたね!」
「いや落とし穴やら丸太はタマしか当たってなかったやろ」
「あたしはまだお前らが躊躇無く剣で刺して来た事まだ忘れてないからな」
皆反応は様々だが、概ね成長を実感している様だった。
今のあたしたちなら次の作戦もきっと成功する。訓練を通して月歌の中にあった自信が確信に変わっていた。
「やってくれたねぇ……31A……」
声のする方を向くと、訓練を計画したイッチがいた。普段の余裕たっぷりの笑顔は消え、真っ青な顔で足を震わせている。
「死にそうやけどどうしたん?めっちゃキモイで」
「心配してくれてありがとう。まぁ、君達のせいなんだけどね……オェ」
多分ここまで走ってきたのだろう。近くの木に手をかけて、誰ともなく『たんま』と呟いた。
「しかし、こいつを危なげなく倒すとは……ロータリーモール戦の時が嘘みたいだ」
息を整えたイッチは、普段通りではあるが、驚いているのが目に見えて分かった。それがちょっとだけ嬉しく感じた。
「そりゃあたし達成長してますから!」
と月歌が胸を張った。
「いや、案外ギリギリだったぞ」
和泉が肩をすくめる。
「あの敵は31Aと31Bが協力して倒す前提で皆んなと設計してたんだけど」
「皆んな?」
月歌が首をかしげた。
「手塚司令に『死なない程度ってどのくらい?』って」(大嘘)
「そりゃ強いわけだ」
和泉が冷静に目を細めた。
「じゃあイッチ、ゴールしたからご褒美ちょうだい」
この訓練が始まる前にイッチは、1番にクリアした部隊にご褒美をあげると言っていたの覚えていた月歌はイッチに向けて飴を貰う子供のように手を出した。
「あーご褒美、ものすごくあげたいんだけど、そのーもう一戦だけ付き合ってくれないかな?」
そう言うとイッチは、某リアルな野球盤に負けた選手の様に土下座をして月歌達に、お願いしますと懇願した。
「いやなんでやねん」
「訓練の目的である皆んなで協力してラスボス倒して結束力を高めよう!が狂ってしまったので」
「じゃああの罠、全部いらんかったやん」
「えーまたあいつと戦うの?」
メンバーの反応に対して、そりゃそうだろうと和泉は思った。実際、丸太にぶん殴られ、落とし穴に落ち(大体タマ)チームメイトからナイフで刺され、変な問題に失敗したら爆弾と敵に襲われ、再生しまくる敵を倒し続けて、ようやくゴールできたのだ。いつ敵が来るのか、罠が無いかを神経を研ぎ澄ませて──。
「ご褒美予定の休日フレーバー通り全店奢りに追加で次ライブ会場の設営します」
そんなことでみんなが靡くわけないだろ……そう思いながら和泉は月歌を見た。
和泉の視線に気付いた月歌は、自分に任せろという様なジェスチャーをすると、馬鹿は即答でYESと言いやがった。
なんも分かってねーじゃねーか。
なんだって?皆んな年頃の女の子なのだ。フレーバー通りで買い物をするとそれなりにGPがかかる。それ加えて次のライブ会場の設営もしてくれる。あと、イッチ可哀想じゃんだと?
はぁ……部隊長が決めたなら仕方ない。
やめろ嘉一。その顔でそれは反則だから。月歌も一緒にやるな。なんだそのきゃるんって擬音がつきそうな顔は殺す気か?
「自分らほんま仲ええな」
タマと近くにあった岩に腰を下ろして休息を取っていためぐみは、三人の戯れと○メハメ波を練習する東城と朝倉をみて呟いた。
5分ほどの休憩と軽い作戦会議を終えた31Aは、イッチの所へ行って準備ができた事を伝えた。
じゃあ始めるよと言ったイッチの後ろから、先程自分達が倒したニードルバードが現れる。
31Aは直ぐにセラフを展開し臨戦態勢をとった。
「別に蒼井達が来る前に倒してしまっても構わんのだろ?」
「ルカ、それ死亡フラグだぞ」
「やったりましょう!」
ニードルバードの鳴き声と共に戦闘が開始された__。
先に仕掛けたのは、31Aだった。
カレン、月歌、タマが先陣を切って攻撃。ユキとつかさが遠距離で相手を揺さ振り、めぐみの重たい攻撃で相手を崩していく。
攻撃を重視した31Aの十八番だった。
背後から和泉の「全員避けろ!」という指示が聞こえると、元から決めていたかの様に月歌達は回避行動をとる。
すると数秒前に彼女らがいた地面がニードールバードが振り下ろした鎌によって抉られていた。
先程ビームばかり撃っていた個体と違い、今回のニードルバードは積極的に近接攻撃も混ぜている様だった。
「さっき倒した奴と比べて積極的に動いてますね」
國見は呟いた。
「敵はビームを撃つ時に隙ができる。そこを叩くぞ!」
月歌の指示に従い、和泉と東城の射撃を中心に各々が遊撃していく戦法に変える。
「めぐみん!」
「了解や!」
和泉と東城の攻撃の間を潜り抜ける様にめぐみの重たい一撃がニードルバードの足に当たる。AIでも痛みを感じるのか、ニードルバードは吠えながら体勢を崩した。
月歌の指示は無駄がなく、全員が彼女を信頼しているのだろう。攻撃に迷いが感じられ無い。僅かな隙をみて一撃、一撃と確実にダメージを蓄積させていく。また、和泉が31Aの頭脳として敵の情報を読み取り月歌に共有する事で、チーム全体のパフォーマンスも向上しているようだった。
その為、2回目の戦いは31A優勢の状況が続いていた。
だからだろうか。ちょこまかと動く前衛より、後衛からの攻撃を煩わしく思ったニードルバードは、後方で射撃していた二人に対してビーム攻撃の体勢に入る。
「今だ!」
この隙を見逃さなかった月歌が前衛組に対して一斉攻撃の指示を出した。
トランスポートで即座に敵の近くまで肉薄し、近接武器持ちの4人が同時に斬りかかる。
勝った──。そう思った月歌の視界が急に横ブレを起こした。脇腹に鈍い痛みが走り、息が詰まる。ニードルバードが消えた──いや、消えたように見えただけだ。彼女は歯を食いしばり、混乱の中で必死に受け身を取った。
突然の出来事に面食らった和泉と東城は、ビーム攻撃の回避が遅れてしまいDPを半分ほど消費しながら無理矢理回避行動をするしかなかった。
月歌は、脇腹を押さえながら立ち上がり、状況把握のため周囲を確認する。
めぐみん達も攻撃が当たったであろう箇所を押さえて起き上がってきた。メンバーの無事を確認したことで少し落ち着きを取り戻し、状況を整理する。
前衛に居た3人はあたしと同じ攻撃を受けている。敵の近接に当たったのか?いや、ビームを撃つ時に攻撃ができないことは一戦目で確認済みだ。仮にできたとして、奴の近接一回程度でデフレクターが割れる訳がない。
ならば、答えは一つしかない。
月歌の視線の先には、困った様に眉を顰めセラフの先をいじるイッチが居た。
「あの野郎、月歌達のデフレクターをたった一回の攻撃で削りやがった」
和泉は驚愕していた。4人が肉薄した瞬間、イッチが大玉を数個打ち、物理法則を完全に無視した軌道で月歌達に直撃させる所を目撃していたからだ。
「ゆりっぺみたいに鬼じゃないからさ、手加減はするつもりだけど、死ぬ気でかかってきた方がいい」
しれっと言うイッチに、和泉は内心で舌打ちした。前回の大規模作戦から、死んだ世界戦線の強さはセラフ部隊の方でも上位の存在だと思っていたが、ここまで差があるのか。
和泉の頬から汗がポタっと一滴落ちる。
「全員、31Bが来るまで耐えるぞ」
月歌の声が聞こえて我に返った和泉は武器を持ち直す。
今回の訓練の意図から推察するに、31Bと協力する事は必須。(何故かさっきは協力する間も無く勝ってしまったが)
ならば勝機はそこにある。
セラフを持つ手に力が入る。彼女らの闘志はまだ消えていない。
カレンちゃんだけは闘志どころか、今日一の殺意を漲らせていた。イッチの介入に、ワクワクが抑えられなかったようだ。『玉無し!ワシが直々に引導を渡してくれるわー!!』と叫び、彼女は殺意を刃に込めて突っ込んでいった。
その時、遠くからガンッと衝撃音が響き、「忘れろー!」という叫び声が轟いた──。
イッチ
死んだ世界戦線の馬鹿共に当てる感覚で撃ったら31AのDPが割れた。ガバです。蒼井!早く来てくれ!!
31A
道中のレベリングで原作3章中盤ぐらいの強さになっている。
今回の戦闘では敵に分断された事を想定して、戦闘をして欲しいとイッチに言われた。その為、31B抜きで二戦目を開始している。
別に倒してしまっても構わんのだろう?
31B
いちご
「もっと感情爆発しろよ!なんで怒らねぇんだよ!」
蒼井
「ええ……(困惑)」
ビャッコ
「お前の苦労をずっとみていたぞ」
樋口
「草」
柊木、すもも
「やべぇよやべぇよ……」