ACVD ヴェニデの剣豪 REvolution   作:D-delta

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お久しぶりです、D-deltaです。
もう二次創作はやらないと思っていたものの、いつかリメイクしようと思ってた二次創作を今やっとリメイクしました。
またよろしくお願いします。


第一話 剣豪が現れた日

――ヴェニデ。力を第一としている勢力。

 シリウス・エグゼクティブとEGFに並ぶ三大勢力の一つ。

 力による勢力拡大。力による生存の維持。力による政治で統べられる人々の意思。

 力を持つ者が全て支配し、力なき者は全て奪われる。

 そして力によって成り立つ彼らは、また力を求める。タワーというパンドラの箱の蓋を開けて。

 

  ※

 

 荒れた大地。

 簡素な作りで小さな家が多く立ち並び、多くの力なき者が住んでいる場所。

 ヴェニデ下位階級の居住区にて。

 そこに轟音と共に敵が寄ってくる。

 

「見えたぞ。ここから先はヴェニデの領地だ」

 

 敵の名はエスパーダ。

 ヴェニデに対抗する反抗組織。

 

「民間人は無視していい。我々が潰すべきはヴェニデという組織だ」

「了解。全車、民間人の住宅に注意を払いつつ移動しろ」

 

 戦車四両と中量二脚のACが一機で構成された、エスパーダ部隊。

 折れて欠けた剣のエンブレムを付けたACを先頭にしてエスパーダ部隊は進む。

 

「エスパーダ部隊を確認。第23支部突撃隊の前線基地に向かっている模様」

「ACまで出してきたか。甘い見立てだが、どうやら本気のようだな」

 

 敵が来れば迎撃が出る。

 ACを吊り下げた大型ヘリが一機。ヴェニデの禍々しいエンブレムが付けられている。

 

「ACを投下。エスパーダ部隊を殲滅しろ」

 

 進攻するエスパーダ部隊に対してヴェニデ部隊は迎撃を開始。

 大型ヘリはACを投下。エスパーダ部隊に立ちはだかるのは射撃武装が一切なく、実刀ブレードであるBD-0 MURAKUMOだけを搭載した近接特化の中量二脚型ACだ。

 

――AMS作動 メインシステム 戦闘モード起動

 

 遥か昔のシステムの作動。戦闘モードになれば、そのシステムを通じてパイロットに殺意が込み上げる。

 

「斬り……殺す」

 

 そのコックピットにいるパイロット――幼さを残した顔つきの若い東洋人は殺意を言い放つ。

 

「ヴェニデのACが来たぞ」

「たかが一機だ。潰せ!」

 

 彼のACが近接武装だけに対して敵ACはライフル、バトルライフル、左肩部にKEミサイルを搭載。

 それら敵の射撃武装と戦車の砲が彼のACに向く。

 

「斬る、斬る……斬る!」

 

 ブレードの刃が矛先を向けてくる敵を映す。

 その直後、彼のACはブースターの出力を全開、グライドブーストで機体を加速。それに加えて瞬間全力噴射――ハイブーストで更に加速。

 人機一体の精密な動作で敵との距離を瞬時に詰める。

 

「速い!?」

「もう敵が目の前に――」

 

 次の瞬間には、敵戦車は真っ二つに切り裂かれていた。

 彼我の距離を詰めた一瞬の出来事。

 ブースト音と斬撃の衝撃音が敵の声を掻き消す。

 

「コイツ! 俺たちではダメだ、ACで頼む!」

 

 残る三両の敵戦車は一気に後退。敵の中量二脚型ACが彼の前に立ちはだかり、肩部のショルダーユニットを展開しながら武装の銃口を向けてくる。

 

「ヴェニデめ!」

 

 ライフルとバトルライフル、KEミサイルでの一斉射撃が彼のAC目がけて放たれる。

 しかし彼のACは再び加速。敵弾に被弾することなく、敵弾は機体の横を通り過ぎていった。

 

「クソッ! なんて奴だ!」

 

 避けられただけでなく、再び狙いさえ付けられない高速機動。

 敵ACが全力で狙いを付けようとしても彼のACを捉えられず、ブーストの閃光がずっと視界の端にあるばかり。

 

「ダメだ! クソ、クソォォォォ!」

 

 次の一瞬には彼のACが敵ACに急接近。ブレードの刃が敵ACの上半身と下半身を真っ二つに分けた。

 そこから敵ACが動くことはもうない。

 

「ACがやられたぞ!」

「撤退だ! 全力で撤退しろ!」

 

 敵ACが撃破され、残る敵戦車は慌てて撤退を開始。

 しかしそれも逃がすことはない。

 

「斬る、最後まで!」

 

 逃げる敵戦車も追いかけ、一両一両迅速で確実にブレードの刃で切り裂いていく。

 

「ヴェニデめ――」

 

 そして逃げる最後の一両を切り裂く。

 これで動ける敵戦力はもういない。全滅である。

 

「聞こえるか、ヴェニデ!」

 

 だが、敵はまだいる。撃破したACから脱出したエスパーダのパイロット。戦力にもならない非力な生身で叫ぶ。

 

「お前たちはいつか破滅する! 力だけを信条にする者はいつしか力に絶望するとな!」

 

 空で戦場を見守るヴェニデの大型ヘリにエスパーダのパイロットは訴える。

 でも彼らの心には届かない。

 力のない者の訴えは戯言でしかない。それが彼らの常識であるからだ。

 

「斬る……!」

 

 もちろんエスパーダのパイロットの訴えは彼の耳にも届く。

 そこからやることはただ斬ることのみ。非力であろうと、敵と認識した相手に殺意を向ける。

 

「覚えていろ、ヴェニデ――」

 

 次の一瞬、敵が言い残した言葉と共に敵の首は体から離れて諸共吹き飛んだ。

 吹き飛ばしたのはACのブレードによる斬撃だ。

 

「敵、全滅しました。周辺地域に敵影の情報はありません」

「分かった。作戦終了、これより基地へ帰還する」

 

――AMS停止 メインシステム 通常モードへ移行

 

「タワーから引っ張り出した旧時代の人間とAC。剣豪という訳か、あの霧山一刀というのは……」

「…………」

 

 ヴェニデの大型ヘリに乗る指揮官は告げる。

 近接武装だけのACに乗る彼――霧山一刀は戦闘中と打って変わって大人しくなり、通常モードに移行したACと同様にただじっと大型ヘリに運ばれるのを待つ。

 作戦の完了。剣豪が世界の表に立った初日は、戦いから始まる。

 

  ※

 

≪どうだ?≫

 

 遠くから霧山を見ている者たち。

 一人の男の声が周りの二人に尋ねる。

 

≪あの力、遺物は彼で間違いない。だけど、もう少し待ってみてもいい≫

≪その方が楽しいとでも言うつもりか?≫

≪もちろんだ。やり合うならば、より磨かれた刃の方がいい≫

 

 もう一人の厳しい声色の男の声に対して、リーダー格の男の声は楽しみを取っておくかのように言う。

 

≪他は既に消去対象の選別を始めている。一人だけに手間を掛けるのは効率が悪いことこの上ないのだが?≫

≪別にいいだろう。効率を良くしたところでつまらんだけだ。気にするなら、お前たちだけで効率良くしていろ≫

≪ふん……なら、勝手にさせてもらう。行くぞ、P≫

≪了解≫

 

 そうして二人の声は黒と赤のAC二機と共に離れていく。

 残ったリーダー格――ACの単眼は彼を、霧山を見続ける。

 

≪楽しませてもらおう、我々と同じタワーの遺物。デザインドの最初期モデル≫

 

 視界に捉える霧山共々ヴェニデ部隊が去っていく姿。

 それと同時にリーダー格も去っていく。いずれ死闘を繰り広げることを楽しみにしながら。

 




設定をより原作準拠に変更、それに伴って内容も多少なりとも改変しているのでリメイク前のものとはまた違うものとして読んでいただけると思います
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