ACVD ヴェニデの剣豪 REvolution   作:D-delta

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今回は短め
さっと読めるよ


第十九話 狂気との再会

 死神が用意したUNACとの戦いは終わり、霧山たちは移送隊10から報酬を受け取りに補給基地へと来ていた。

 

「ありがとう、元特務隊の傭兵たち。君たちのおかげでなんとか補給物資の全損は避けられたよ。今からでもヴェニデに入り直さないか?」

「やめておく。ちょっと指揮官絡みで色々あったから、何回言われても入り直す気にはなれないかも」

 

 何本もの装甲列車が留まる補給基地でのやり取り。

 移送隊10からの誘いは、アルスは代表して断る。

 

「そういえば行方不明のバーンズの指揮下にいたんだったな、君たち。アイツは変な奴だったよ。強さばかり語るんだ。結局どんな強い奴でも腹が空けば動けないのにさ」

 

 そう言っている間に移送隊10は報酬を準備。

 少ししてAuがぎっしり詰まったアタッシュケースが二つ持ってこられる。

 

「報酬はどれくらい?」

「150000Auだ。早速この金でなにか買っていくか?」

「え、ここで買えるの?」

「本来こんなことはしないんだが、余っているパーツが在庫にいくつかあるんだ。腐らせておくにはもったいないから特別に格安で売るよ」

 

 格安で売ってくれるということにアルスは「やったー!」と大喜び。早速ボーっとしている霧山とフレイドを引き連れてパーツを選びに行く。

 

  ※

 

 数時間後、霧山たちは買い漁ったパーツなど積んだ移送隊10の大型ヘリを連れて自分たちの家へ帰還していく。

 

「フレイド、どう?」

「感触はかなりいいよ。前の機体より重いけど、そんなに変わらずに動ける」

 

 そんな中でフレイドは新しい機体を動かす。

 機体は前と同じ重量二脚。ただし機体性能と見た目の印象は違う。

 頭部と脚部を新しいパーツに替え、腕部は改造されて前よりも堅牢な見た目となり、見た目に違わぬ高い防御性能を手に入れている。

 

「良かった。パパッと組んだ割りにはちゃんと動かせているみたいで!」

 

 しかもパイロットであるフレイドは問題なく動かせる。

 そのことにアルスは安心して、フレイド機から自分たちの家である基地に視線を移した。

 もう少しで着く距離。

 その時に――

 

≪おかえり、君たち≫

 

 全員の通信にノイズ混じりの声が届いた。

 

「ちょっとぉ、この声って……」

「まさか!」

 

 アルスにもフレイドにも聞き覚えのある声。

 声の主は中量二脚型ACの姿で基地に居座っている。

 

「行方不明だって聞いたけど、生きていたんだ?」

≪生きていた訳じゃない。私は生まれ変わったのだ。バーンズ・コールドから死神という存在に!≫

 

 霧山も知っている人物。声の主はバーンズ・コールドだ。

 言葉通りに基地に居座る中量二脚型ACは赤と黒の死神と同じ塗装をしている。

 

「死神の仲間になってどういうつもり?」

≪簡単な話だ、霧山。私は力に憧れを抱き、そして君に惚れた。でも君は力の体現者にはなってくれなかった。だから私自身が力の体現者になることにした≫

 

 霧山の質問にバーンズは死神になった理由を答える。

 

「それで、どうするつもりなの?」

 

 もう一度の質問。今度は刃を煌めかせ、殺意を抱きながらバーンズ機を睨む。

 

≪君たちを殺す。私が力の体現者となるために!≫

「あ、そう……じゃあこっちもお前を殺す」

 

――AMS作動 メインシステム 戦闘モード起動

 

 そして殺すつもりで戦闘モードを起動。

 込み上げる殺意をバーンズに向ける。

 

≪しかし力の体現者となる日は今日じゃない。後日、私は君たちに依頼する。どちらが体現者として相応しいか。それまではしっかり準備しているが良い≫

 

 それだけ言うと、死神となったバーンズは撤退。霧山たちの家から離れていく。

 

「次、か……それなら次は斬る」

 

――AMS停止 メインシステム 通常モードへ移行

 

 斬り損ねてシステムを通常モードに移行。

 システムによって引き上げられた殺意は落ち着いていくが、殺すべき相手として見定めたバーンズに対しての殺意は消えない。

 

「力の体現者がどうだか言って帰って行きやがったな、バーンズ指揮官」

「まぁバーンズの野郎が依頼で対決を申し込んでくるなら、やることは一つっしょ」

 

 フレイドもアルスも次にやることは分かる。

 

「準備……しよう」

 

 再会した狂気。

 予定された次なる戦いに備えて霧山たちは準備に取り掛かる。

 

  ※

 

 日が沈む荒野。

 死神たちは自らの出元――遺物が残る場所、タワーへと戻り行く。

 

≪A≫

≪Jか、互いにタワーにいるとはな≫

 

 死神たちの会話。別のタワーにいる死神から通信が届く。

 

≪他の三人は?≫

≪全員撃破された。たった一人の傭兵にな≫

≪フ、可能性のある候補者を見つけたか≫

≪そうだ。これからもう一人の候補者とぶつけて二人の内どちらが本物かを決める≫

 

 設備に自動で補充、調整される機体たち。

 死神たちの準備も始まる。

 

≪そして本物を私が殺す≫

≪我々は死神だから≫

 

 タワーの奥深くで眠る遺物。かつて世界を破滅させた力も目を覚まし始める。

 死神が死を与える時は来た。

 

≪楽しみだ。ようやく彼、熟した彼の取り巻きと理想の戦いを繰り広げられる≫

 

 見つけた本物と戦うため、そして殺すため、死神たちは最後の準備に入る。




この回は時系列的にゲーム本編だとマギーと戦う直前くらいのイメージ
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