ACVD ヴェニデの剣豪 REvolution   作:D-delta

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第二十話 決戦

 バーンズが死神となって現れてから数日。

 死神たちと霧山たちは準備を進め、最後の戦いが始まろうとしていた。

 

「霧山、フレイド、どう?」

「ちゃんと動いてる。問題なし」

「こっちも問題ない。UNACも問題ないよ、姐さん」

 

 それぞれの修理を終え、武装を変えて、今まさに死神との戦いに向けて機体の最終調整が行われている。

 

「こちらはヴェニデ第23支部司令部、これを聞いている周辺のヴェニデ兵士及び傭兵に告ぐ」

 

 そんな最中、あらゆる周波数に呼び掛ける通信が入ってきた。

 

「我々司令部は現在、死神部隊と称される不明機による攻撃で甚大な被害を出している。至急救援に来られたし。傭兵各位には高い報酬を約束しよう」

 

 緊急性の高いばら撒きの救援依頼。

 それと同時に第23支部司令部とは別の通信がノイズ混じりに割り込んでくる。

 

≪おはよう、諸君。約束通りの依頼だ≫

 

 聞こえてくるのはノイズ混じりの声。

 霧山たちの通信に割り込んできたのは死神と化したバーンズだ。

 

≪どちらが力の体現者に相応しいか決めよう。第23支部司令部にて決着を待つ≫

 

 それだけ言うとバーンズは通信から去っていく。

 後に聞こえるものはない。

 ただ最後の戦いだけが待つ。

 

「二人共、行こう。付きまとってくる死神と決着を付けに……!」

「おう、霧山!」

「調整は数日掛けてバッチリだから目に物見せてやろう!」

 

 そうして霧山たちは出向く。

 死神が待っている場所、ヴェニデ第23支部司令部へと。

 

  ※

 

 最後の戦いの場。第23支部司令部。

 基地の規模は大きく、第23支部に属する全ての部隊を指揮、統括する司令塔。

 今まさに死神に襲われ、炎と黒煙を上げている。

 

「見えてきたよ」

 

 そこに万全な準備の霧山たちがやって来る。

 

「防御の厚い司令部相手に派手にやってるわ。バーンズの野郎、こんなに強かったっけ?」

「いや、複数の地点で戦闘が起きてる。これはバーンズの他にも死神がいるだろうし、戦略的に基地の指揮機能を破壊しようとしてるよ」

 

 三人の目に見える戦闘中の司令部。

 フレイドが言うように複数地点で戦闘が起きており、まるで指揮系統中枢である基地の中心を目指すように戦線は動いていた。

 

「死神が複数機……指揮機能を破壊される前に各個撃破する?」

「ダメ。死神は強いから。一体一になったら誰が死ぬか分からないよ」

「そうだね。指揮系統中枢への侵入を許したとしても、全員で生き残る方が大事。全員で一つずつ片付けていこう」

「分かった、フレイド」

 

 司令部への攻撃阻止を優先するなら霧山が提案した各個撃破が一番早い。

 しかし死神を倒せるかの保証がなければ、全員が生き残れるかの保証もない。

 だから三人は全員で一緒に動く、フレイドの提案に乗る。

 

「まずは手っ取り早いところから片付ける! 戦闘モード起動、全機行くぞ!」

「オッケー!」

「了解!」

 

――AMS作動 メインシステム 戦闘モード起動

 

「……っ!」

 

 AMSを通して引き出される殺意。

 

「俺は、今度こそ死神を斬る」

 

 もはやシステムに変えられていた意識を自らの意思で上書きして殺意を上手く操り、自らが見定めた敵に敵意を向ける。

 そうして全機戦闘モードで交戦中の司令部へ突入開始。

 

「傭兵だ。司令部、助けに来たぞ」

「噂の元特務隊の傭兵か! この際なんでもいい、とにかく奴らを倒してくれ!」

「了解」

 

 フレイドが通信で司令部へ味方と告げる。これで司令部は霧山たちを味方と認識、基地から攻撃されずに基地内へと突入していく。

 

「左、敵AC来るよ」

 

 突入してすぐ左。霧山は早速接近中の機影を一機捉える。だが、それは色合いからして死神の中量二脚型ACであってもバーンズのものではない。

 

「コイツはUNACか!」

 

 スキャンモードで見ればUNACの表示が出た。

 そこからやることは一つ。撃破するのみだ。

 

「俺がやる」

「よし、真っ二つに斬っちまえ!」

 

 霧山機が人機一体の素早い動きで突撃。死神のUNACが攻撃に移る間もなく一気に切り裂き、次の二撃目で稼働限界に持ち込む。

 この二撃で最初に発見した敵UNACを撃破。霧山たちは次に進もうとした時――

 

「一機目を撃破したな。すぐ違うところに――」

≪その必要はない≫

「!?」

 

 フレイドの声を遮る、全員が聞き慣れた声が通信に割り込んだ。

 

≪もう私はそこにいるからな≫

「そっちから来たかい、バーンズ!」

 

 霧山たちの頭上を駆ける機影。地上に黒い影を走らせ、飛行してやってきたバーンズ機は霧山たちの前に着地。背部に見たことのないフジツボのような突起を付けた大型武装を搭載し、死神としての姿を現す。

 

≪UNACを撃破してくれてありがとう。近くにいた君たちを見つけるのに手間がなくて助かったよ≫

「なるほど。さっきの機体は俺たちを釣る、釣り餌ってことか」

 

 UNACという釣り餌に引っかかって、すぐにバーンズと対面。

 向き合った霧山たちとバーンズは互いを敵としてシステムに認識させる。

 

≪決着を付けよう。だけど、その前に少し話をしようか≫

「話?」

≪霧山、君のことについてだ≫

「俺の……?」

 

 そうして戦いは始まらず、バーンズは話を切り出して霧山と言葉を交わし始める。

 

≪君は薄々感じていると思う。君が元々こちら側の存在であるということを……≫

「それがなに?」

≪君もタワーの遺物、かつての者たちの手によって人間をやめた強者の一人。機体の独自システムとAMSという枷と鎖に繋がれた理想の人形なんだよ≫

 

 霧山自身、死神〝P〟と戦った時に言われたことやシャワー室での一件で自分が人間でないのは分かる。

 

≪それを分かっていながら、それでも君は人間に戻る気でいるのかい?≫

「俺は別に人間であろうとなかろうとどうでもいい」

 

 しかし自らが人間じゃないところでどうでも良いこと。

 霧山にとって、そんなことは重要ではない。

 

≪なるほど。自力で人形をやめられるほど、そんなにフレイドとアルスが大事という訳か?≫

「当たり前だ」

≪大切な人と一緒にいたい、大切な人を守りたい、か? 陳腐でつまらんよ。強者である君にはそんなの似合わない≫

 

 霧山にとって重要なのはフレイドとアルス、死んだユキムラだけ。

 それに対してバーンズは否定を告げる。強者たる者は常に強く、孤高で、更なる高みへと至ることこそが正しい姿なのだから。

 

「俺はどんな風に見られてもフレイドとアルスを守り、一緒に生きるだけだ」

≪つまらんっ! やはり、どれだけ言葉を交わしても君は思い直すこともせず私の理想となってくれないんだな!≫

「そろそろ殺し合うか?」

≪いいだろう、霧山! フレイドとアルス共々ここで抹殺してやる!≫

 

 話し合いは終わった。

 後は戦うのみ。

 バーンズの下に霧山たちを模したUNACが加わり、互いに同数となって互いに殺意を向け合う。

 

「斬る!」

 

 そして霧山の機体は駆ける。

 ここに最後の戦いが始まった。




なんか色々あったけど、ようやく投稿出来た
まさかハーメルンにサイバー攻撃が来るとは思ってなかったよ
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