虹色イリス   作:青紫

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ババア死す

 今日も今日とて私はババアから躾という名の虐待を受けていた。

 虐待の内容は育児放棄(ネグレクト)家庭内暴力(ドメスティック・バイオレンス)、その他諸々のフルコンボだドン!

 どんな扱いを受けるかはその時のババアの気分次第、虫の居所が悪い日は人間やめてサンドバックになる事が決定する。

 圧倒的弱者である私に拒否権は無い。

 

 だが、今日の私はひと味違う。

 先日読破した『ザコでもわかる護身術』のテクニックを試すなら今だ。

 いつまでもやられてばかりの私じゃないってところを見せてやるわ!

 しゃあ!かかってこいやぁー!

 

 ・・・・・・やるんじゃなかった。

 

 結果として、いつも以上に苛烈な暴力に晒されてしまった。

 

「……ぅ…」

「ちっ」

 

 うずくまる私を見て苛立たし気に舌打ちしたババアはアルコールの摂取作業に戻った。

 毎日毎日飽きもせずグビグビ飲んでいるが、そんなに美味しいのだろうか?

 私がこの世で最も軽蔑する生物の主食、それが酒という液体だ。

 どうせ碌なもんじゃねぇ。

 私は味も知らぬうちから酒というものに強烈な忌避感を抱くのだった。

 

 ババアが部屋の奥に引っ込んだのを確認してから立ち上がる。

 ズキズキと痛む箇所を確認すると案の定痣になっていた。

 以前やられた分もまだ癒えていないのに新たな痣の追加にげんなりする。

 

 良かれと思って本から得た知識を実践したらこの始末。

 ババアの放つ一発目の拳を咄嗟にガード成功したのが大層お気に召さなかったらしい。

 激昂したババアは無防備な私の腹を思いっきり蹴り上げやがった。

 

 名無しの主人公ちゃんふっとばされた!

 

 ボールじゃないつーの。血の通ったお前の子供だとわかってんのかね?

 当然吐いたわ。しばらくゲホゲホえずきが止まらんかったわ。

 やれやれ、貴重な栄養分を胃液と共に吐き出してしまったじゃないか。

 このゲロ誰が掃除すんの?

 はいはい、私ですよねー。わかってまーす。クソがっ!

 

 司祭様の趣味なのか、教会の蔵書は幅広いジャンルに富んでいて飽きが来ない。

 打倒ババアを掲げた私は格闘技や武術の心得を記した本も読むようにしている。

 今日のことでよく理解した。知識があるだけではダメ。マジで全然ダメ。

 頭でわかっていても、思うように体が動かないと意味がない。

 ババア如きの蹴りを防げないようでは先が思いやられる。

 先があればの話だけど、なんて悲しいことは考えちゃいかん。

 

 自分のこの体はあまりにも脆弱すぎる。

 一刻も早く大きくて丈夫な体を構築してババアに反撃する力を得るのだ。

 そのために必要な栄養が著しく欠乏している今の状況は非常によろしくない。

 この分だとずっとチビでガリガリのまま、略してチビガリのままだ。

 不健康で見た目もよろしくない。食料の確保は早急に改善すべき問題だ。

 

 食べ物を求めて私は行動を開始する。

 教会に行けば何かしら恵んでくれるだろう。

 お世話になりっぱなしで少々気が引けるが、空腹には逆らえないのであった。

 

 教会でパンとスープを恵んでもらい少しだけ元気が出た。

 私がやって来る事を想定して準備されているであろう食事は冷めていても温かさを感じる。

 味が薄いとか、物足りないとか思っても口には出さない。食べ物があるだけ感謝するべきだ。

 

 この世界の神様、空の女神とやらは何もしてくれない。

 実際に行動し私に手を差し伸べてくれたのは司祭様とシスターだ。

 彼らの方がよっぽど神である。

 

 平身低頭で感謝を告げた後は教会の掃除や雑務を手伝う。

 小さな教会だけど人員が司祭様とシスターの二人だけでは大変だろう。

 猫の手よりは役立つはずの私を使ってくれたまえ。

 やられたらやり返すが私のモットーだ。恩には恩で返すのだ。

 もう少し大きくなればできる事も増えるだろうし、どこかでバイトぐらいは可能になるかも。

 そうなったらお世話になった分、寄付金という形で何倍にもして返してあげたい。

 今は出世払いでオナシャス!

 

「ありがとうございました。本当に、いつもいつもすみません」

「気にしなくていい。道中気を付けて帰るんだよ」

「はい。おやすみなさい」

「おやすみ。女神の加護があらんことを」 

 

 『泊まって行くかい?』という、優しい司祭様の提案を辞退して私は帰宅することにした。

 時はすでに夕刻。この時間ならババアの機嫌も直っているだろう。

 酔いつぶれて寝ているかもしれない。

 

 ババアは私を放任する癖に、長時間姿が見えないのも気に入らないらしい。

 目障りなら孤児院にでも捨ててくれていいのに、頑としてババアはそうしない。

 私の生命を危惧したシスターが施設への入所を提案した事も一度や二度ではない、その度にババアがヒスを起こすので私は劣悪な環境から解放されていない。

 不要だと思っていても自分の物を誰かに取られるのは嫌なんだろうな。めんどくせえ奴。

 それとも私にはサンドバッグ以外の利用価値みたいなもんがあるのか?

 うーん。アル中ババアの考えは私にはわかんねぇっス。

 

 ○

 

 自宅でアルボロアパートの前に到着したが、何かがおかしい。

 この辺では見かけない形のトラックがアパートの前に停車しているのだ。

 あの無骨な外見は軍用車両か?なんでこんな場所に?

 不穏な空気を感じ取った私は物陰に身を隠して様子を見ることにした。

 どれどれ~ふむふむ。ちょうど今、カタギではない感じの男たちが我が家のドアを蹴破って突入したところみたいだねー。

 

 え!?どういうこと?

 押し込み強盗?ヤバくない???

 

 この近辺は治安がいいとは言い難いけど、金があるように見えない我が家を襲う理由なんだ?

 考えるまでもない、ババアが何かやらかしたに決まってる。

 借金を踏み倒した報復かな?あり得すぎて困る。

 

 金か、金と言えば私はババアがどうやって生計を立てているのか詳しく知らない。

 聞いても『お前には関係ない』と怒鳴られ殴られて終わりだったし。

 以前は夜の店で働いていたらしいが、私が物心つく頃には外出する姿を殆ど見なくなったと思う。

 ババアは月に数回、フラッと何処かに出かけては上機嫌で帰って来る日があるのだ。

 私を放置して、外で豪遊でもしているんだろう。お土産が貴金属や札束だったこともある。

 まともな手段で得た金ではないのが丸わかりだ。

 

 金の出所に思いをはせていると、部屋の中から争うような物音と声がした。

 どうやら動きがあったようだ、ババアがヒスを起こして叫んでいるっぽい。

 いつ聞いても耳障りだな。

 私は見つからないよう、コッソリ窓から部屋の中を確認することにした。

 

「アンタたち突然何なのよ!」

「お前ひとりか?子供はどうした」

「フン、その辺で野垂れ死んでんじゃないの?」

「隠すとためにならんぞ」

「そう…あの人の差し金なのね。そうなんでしょ!」

「だったらどうする。どの道、お前はおしまいだ」

「ふざけんじゃないわよ!ガキまで産んでやった私を今更見捨てるの?ちょっと金持っているからって調子に乗って」

「調子に乗っていたのはそっちだろ。全部身から出た錆だ」

 

 なるほどー。賢い私は理解したぞ。

 やっちまったなあババアww

 

 この状況はズバリ!

 私の父親にあたる人物をババアが強請(ゆす)って金銭を巻き上げていた結果起こった事だ。

 

 ここからは推測になるけど、

 父は割と身分の高い金持ちで『水商売の女と隠し子作りました』なんて醜聞が表沙汰になるのはマズい立場の人間っぽい。

 ババアはその弱みに付け込んで長年に渡り金を要求していたのだろう。

 終わらない強請り行為に業を煮やした父はついにババアとその子供の排除を決めましたとさ。

 こんな感じでだいたい合っていると思う。

 

 未だにギャーギャー騒いでいるババアと殺し屋さんの会話から全部察したわ。 

 

 私はここからどう動くべきか?

 ババアはもう終わりだろう。とても嬉しい!

 だけど、顔も知らぬパパ上は私のことも消す気だ。とても悲しい!

 と、とにかくだ。

 今やるべき事は一つ!憎きババアの最後をこの目で見届けるのだ。

 自分で手を下せないのはこの際我慢する。

 さあ、殺し屋さん。早いとこやっちまってください。

 なんだかオラ、ワクワクすっぞw

 

「いくらで雇われたの?」

「それなりの金額だと言っておこう」

「ふーん。相談なんだけど、もう少し稼ぐ気はあるかしら?」

「金を出すから見逃せと?いいぜ、俺たちはお前ら親子の排除を任されたが、殺して死体を持って来いとは命令されてないんでね」

「フフ…あなたが紳士でよかったわ」

 

 おおい!ちょっとちょっと!

 大人二人で二ヤリ顔決めないでくれる?交渉成立じゃねーよ。

 殺し屋!てめぇそれでもプロか?

 スラム上がりのチンピラでも、もう少しましな仕事するぞ。

 それはダメだよぉ。そんなんじゃ出世できないよ。

 ババアと手を組んだら人類の最底辺に堕ちたも同義だぞ!

 ランク的には私の一個下ぐらいだよ。

 

「そこの棚、裏に紙幣が隠してある。もっと必要ならあいつのへそくりが」

「へー、って!何だこりゃ、小銭ばっかじゃねーか」

 

 床下の隙間から男はジャムの空き瓶を取り出した。

 その中にはこの世界の通貨ミラの小銭がギッシリ詰め込まれている。

 待てやコラ。

 それは私が酒代をやりくりしてようやく貯めた隠し財産だぞ。

 場所を知られていたのもムカつくが、私の苦労を嘲笑うかのようなババアの所業に怒髪天!

 おのれ!おのれ!オ・ノーレ!!ババアァァッ!

 空の女神よ。エイドス様よ。

 今までの非礼は詫びる。これから毎日感謝とお祈りも欠かしません。

 だから、どうか、私の願いを聞き届けた前~。

 あのクソババアに、天罰をお与えください!!

 

 くすんだ窓ガラスからババアを射殺さんばかりに睨みつける。

 男の方は我が家の隠し財産漁りに夢中のようだ。

 あ、今私のへそくりをそっと床下に戻してくれた?

 ちょっとぉ、なんなのその優しさは?殺し屋さん、本物の紳士かもしれない。

 

「他には無いのか?」

「鏡台の引き出しに貴金属、それで最後よ」

「……こんなところか。ありがたくもらっとくぜ」

「もういいでしょ!用が済んだら出てってくれる?そろそろあいつが戻って…」

「わかった。引き上げるとしよう。じゃ、さよならだ」

「はいはい。早くい…」

 

 不意にババアは言葉が途切れた。

 私には一瞬何が起こったのか解らなかった。ババア自身もそうだろう。

 さよならと言った男が何の前触れもなく自然な動作で発砲したのだと、

 ババアの鮮血が飛び散るまで気付けなかった。

 殺し屋は依頼通り仕事を完遂したのだ。

 プロはやはりプロでしたね。

 

 バカな・・・

 か・・・簡単すぎる・・・

 あっけなさすぎる・・・・・・

 

 私は確かに天罰を願った。願ったんだけど。

 いざ、叶ってしまうとなんだかなあ。

 

 ゆっくりと崩れる落ちるババア。

 ババアの最後を見届けんとする私の感覚は限界まで研ぎ澄まされ、目に映る全てがスローに見えた。

 ババアが不意にこちらを見た。

 倒れゆく体が意図せずこちらを向いただけかもしれない、でも確かに、バッチリ私と目が合ったように思う。

 

 お別れだな。

 別段に寂しくも悲しくもない。

 私の胸に去来するのは言い知れぬ虚しさだけだ。

 

 そっちはどうだ?最後だぞ?

 くだらない人生のフィナーレに何か思うところとかないのか?

 

「あ゛」

 

 何だ?

 そりゃあ何の真似だ?

 

 ババアは笑っていた。

 私を認識して口の端を吊り上げ笑いやがったのだ。

 

 あれはイイ感じに酔いが回ったときの不愉快な表情だ。

 大嫌いなババアの顔だ。

 その顔の時だけ極々稀に優しくしてくるのも嫌い。

 抱き着いてきて『ごめんね』なんて言うのも嫌い。

 謝るぐらいなら普段から優しくしろよ。

 

 いつもいつも酷い事をする癖に、本当は深い事情があるのでは?とか、

 ババアは実は良い人なんじゃないかって勘違いしそうになって、その度に裏切られて・・・

 

 知ってるよ。全部知ってる。

 本気で酔っている時だけの母親ごっこだよね。

 『本当の私は優しい理想のお母さん』だと思い込んで、自分を憐れみたいだけでしょ?

 自分、自分、自分。アンタはいつもそうだ。

 我が子の事なんて二の次なんだ。そういう女なんだよアンタは!

 

 ああもう、やめろ笑うな。吐き気がする。

 私が一番嫌いなババアの、そんな顔で逝くのかよ。

 もっと無様に泣き叫んだり、後悔したり絶望した感じで逝けよ!

 最後の最後まで私が嫌がる事ばかりして、何なんだよ!お前は!

 

「何なんだよぉ!お前はァァァ!!!」

 

 私は窓を乱暴に開け放ちババアに向かって大声で叫んでいた。

 殺し屋の男がギョッとしているが知ったことではない。

 割れた窓ガラスで手に痛みが走る、久しぶりの大声で喉を傷めた、どうでもいい。

 確認しなければならない。

 もう一度確認して、さっきのは見間違いだったと証明しないと。

 ババアは全てに絶望して惨めに死んでくれないと、そうじゃないと私の気が済まない。

 

 『好き放題やって最後に我が子の顔を見て満足して死にました』だと?

 

 は?はぁ?はぁぁぁぁ???

 そんな終わり方、許せるわけないだろう。

 ババアには上等すぎんだろうがよ!!

 

「何だお前は、何して!」

「離せ!おいババア!こっち見ろ」

「ちっ、一体何だってんだ。おいガキ暴れるな」

「いつまでも見下して!笑うなクソババアァァぁ―ーーッ!」

 

 男に取り押さえられても私は力の限り叫んだ。

 薄暗い部屋の中、倒れて床に突っ伏したババアの顔は最後まで確認できなかった。

 あーマジで最悪だ。

 

 〇

 

 見慣れた建物が炎に包まれていく。

 いろんな物が焼ける鼻をつく臭い、燃え落ちて崩れて何かが壊れる音の連続、そして炎の熱を感じた。

 煙に混じって夜空を舞う火の粉が綺麗だな~。

 しばらくボーっとしていると、そんなことを考えられるぐらいには気分が落ち着いた。

 ついさっきまでの取り乱した私は何だったのか?

 認めたくないが、やっぱり肉親の死にショックを受けたってヤツなのかね?

 済んだことはさっさと忘れて前を向きたい。

 

 ババアの死に顔を確認できなかった私は男に捕らえられトラックに積み込まれた。

 一応手枷らしき物体を嵌められているがサイズがまるで合ってない。

 コレすぐ外れるわ、というか外れてるよ。

 指摘するのが面倒なのでそのままにしておく。

 

 自分の住処だった建物が焼け落ちていく様を観察していると、寂しさよりもムズムズと爽快感が湧いて来た。

 『これから毎日家を焼こうぜ?』とか思っちゃダメかな。

 

 空室だらけのボロアパート、住人はババアと私の他にあと二人いたはず。

 我が家の隣のその隣に住んでいたのはババアと同類の酒浸りでギャンブル中毒のクズ。

 人を見ると誰彼構わず唾を吐いてニヤニヤするキモ男だった。

 二階の角部屋に住んでいたのは犯罪自慢でマウントを取ろうとする虚言癖のあるゴミ。

 『俺はマフィアの幹部だった、人を殺しすぎて仲間からも狙われている』とかほざいて自分を強く見せようとしていたけど、実際はご近所への嫌がらせと万引きが関の山の超がつく小悪党だった。

 どちらも町の人たちからは蛇蝎の如く嫌われていた。

 例え逃げ遅れて火災に巻き込まれても誰も気にしないだろう。

 

 うん、二人とも逝ってよし!

 お空のエイドスさん(女神)もそう言っているはずだ。

 

「フハハハハ!燃えろ、全て焼き尽くしてしまえ」

「なんでそんなに元気なんだよ」

「目的が達成されたのにいまいちスッキリしないので、妙なテンションになり果てた次第です」

「そうか。母親が死んで心が壊れちまったか」

「失礼な!私はずっと前から壊れてますよ」

「あーわかったわかった。飴やるから大人しくしとけ、な?」

「わーい。いただきまーす」

「調子狂うな……おい、出発だ。車を出せ」

「へーい。出発進行~」

 

 なんか飴もらった。

 甘じょっぱい味が口いっぱいに広がる~幸せ。

 甘味は数ヶ月に1回くらいしか食べられない贅沢品なので余計に美味い!

 う~ん、甘い物はやはり素晴らしい、人類の生み出した奇跡の産物である。

 私の頭は『飴が美味い!>>>>ババアの死』に即行で切り替わった。

 

 殺し屋さんは二人組の男性だった。

 運転手の若い男とババアを殺した実行犯の中年男だ。

 どちらも黒い装甲服を身に付けていて、ライフルや大きなナイフで武装している。

 この人たち、本で読んだ猟兵団というやつかな?

 金で雇われて何でもすると聞いたが、私とババアの処分をいくらで請け負ったのかちょっと気になる。

 

「ババアが無理心中を謀り、放火をしたというシナリオですか?」 

「そんなところだ。ガキの死体が無いからといって必死で探すような奴もいないだろう」

「でしょうね。私含めた町のゴミが一掃できてラッキー!ぐらいには思われそうですが」

 

 司祭様とシスター、店で買い物することを許してくれた人たち・・・

 一瞬だけ彼らの顔がよぎったが、口には出さない。

 私を心配する人がいると知れば男たちが何をするかわからないからだ。

 『ついでに()っとくか?』なんて気を起こされたら堪らないからな。

 この町に恩人たちなどいない、そういう態度を貫くことにする。

 

「お前……妙に落ち着いてるな。俺たちが怖くないのか?」

「別に。獲物を横取りされて悔しい気持ちと、よくぞやってくれたと感謝したい気持ちで、今は胸がいっぱい」

「俺はお前の母親を殺した。お前が憎むべき仇だぞ?」

「あざーすww」

 

 ヘラヘラした顔でお礼を言う私に、男が心底嫌そうな視線を向けた。

 

「こいつ、イカれてやがる」

「それほどでも///」

「なぜ照れる!?」

 

 ババアの死を実感すると気分がドンドン高揚して来た。

 やっぱり奴の存在がストレスの大元だったんだと思う。

 心なしか舌がよく回るようになった。

 ババアの前では無口キャラを貫き通していた分、これからは饒舌に生きていきたいな。

 

 司祭様とシスター、ちょっとだけ優しさをくれた町の人たち・・・

 急な話ですが、私はここではないどこかへ行く事になりました。

 直接お別れを言えないのはとても残念ですが、どうかお元気で。

 空の女神様、あなたの敬虔な信徒である、あの人たちにどうか祝福を・・・

 ちょっと感傷に浸ってしまった。

 

「私これからどうなるんでしょう?殺さなくてよかったんですか?」

「排除しろとは言われたが方法まで指定されていない」

「ああ、そんなこと言ってましたね」

「お前でもう一稼ぎさせてもらう。悪く思うなよ」

「ほう。チビガリの私なんぞに価値を見出されたと?ふしあなか!見る目無しですか!」

「うるせえよ。世の中にはお前みたいな奴でも欲しがる物好きはいるんだ」

「くっ!どうせ変態に飼われるなら金持ちのイケメンに、せめて最低限の清潔感は保ってる方じゃないとご主人様とは呼べません」

「無駄に覚悟決まってんな」

  

 地獄に落ちたババア様へ 

 

 私はあなたの死を振り切って元気にドナドナされている最中です。

 きっと、私は奴隷として売られイヤーンな調教をされることでしょう。

 でも、あなたから受けた数々の仕打ちよりマシかと思う自分がいます。

 ご主人様ガチャでSSRが引けるよう、地獄の底から見守っていてください。

 あ、やっぱ見なくていい。虫唾が走るので見守るとか勘弁して。

 こっちは勝手にやりますので、そちらは精々楽しい地獄ライフを満喫してください。

 

 心の中で地獄宛の手紙をしたため、故郷への未練を断つのであった。

 

 ○

 

 トラックの荷台に揺られて1日が経過した。

 若者と中年は運転と私の見張りを何度か交代しながら車を走らせる。

 心配しなくても逃げたりしない、どこにも行くところないからね。

 

 道中、暇すぎたので二人の男とはいろんな話をした。

 男たちは『お前めっちゃ喋るな』と、少々面食らっていたけどお喋りには付き合ってくれた。

 二人の話はすごく興味深いものばかり、不平不満と私への暴言しか出さなかったババアの口とは大違いだ。

 景色も環境もまるで違う外国の話、見た事もない恐ろしい魔獣、最新式の武器や機甲兵という機械の巨人、あそこの名物が美味いとか、あの遊撃士はヤバいとか、結社がどうとか、話題が目白押しでドキドキワクワクしっぱなしだ。。

 

 よっしゃ!私も負けじと、溜めに溜め込んだババアの愚痴を披露しちゃうよ。

 ドン引きするなよ!苦労したんだね~と労ってちょーだいよ。

 

 目的地にはまだあと1日かかるようで、森の中に車を停めて休憩中。

 中年男は車の燃料と必要な物資の買い出しをするため町へ向かった。

 地理については勉強してこなかったので、今の現在地が私には見当もつかない。

 ここはどこ?と見張りの若い男に聞いてみたが『俺も知らねぇっス』と返された。

 こんな奴に運転任せて大丈夫なんだろうか?

 地図が頭に入ってない二人で駄弁っていると中年男が戻って来た。

 

「おい」

「何でしょう?ババアに酒瓶で後頭部を殴打された話の続きが聞きたいですか?」

「それはもういい。それより飯だ、食っとけ」

「へ?」

 

 無造作に手渡されたものに驚きを禁じ得ない。

 中年から同じものを受け取った若い男は包装紙の中のそれにさっそくかぶりついている。

 

「なんですかコレ?」

「だから飯だ。嫌いなものが入ってるとかふざけたこと言うなよ」

「そうじゃなくて、なぜ私にも?もう2日ぐらいならギリギリ持ちますよ?」

「そのギリギリで商品に死なれちゃ困る。バカ言ってないで食っとけ」

 

 私は震える手で包みを開く。

 ゴクリと自分の喉がなるのが聞こえた。

 出て来たのはパンだ。

 ただのパンではない、パンの間に色とりどりの具材を挟んで食べるアレだ。

 これはまさか・・・

 

「サンドイッチ嫌いっスか?」

「サンドイッチ!?これがサンドイッチだと……本物か?」

「その反応、食べた事がないのか?」

「ない。でも見た事はある、故郷で売られていたのはもっと地味で、しなびた葉っぱとハム欠片が」

「それはハムサンドっス。その説明だと、なんかマズそうっスね」

「何故こんなに黄色いのか?そもそもこの黄色と白は何?」

「それはタマゴサンド、ゆで卵潰して酸味のあるソースと……なぜ解説しなっきゃならん!?いいからはよ食えや!」

 

 中年の顔を見る。顎で『早く食え』と促される。

 若者の顔を見る。『美味いっスよ』と笑顔だ。

 いいんだな。本当に食っちまうぞ。

 手がプルプル震える。口内はすでに待ちきれないとばかりに唾液でいっぱい。

 見るからにメッチャ美味そう。絶対美味いだろコレ。

 こんな贅沢品、口にしたら私はどうにかなってしまうのでは?

 でも、仕方ないよね。銃を持った男が食べろと命令してくるんだから仕方ないのだ。

 よーし。食べる食べるぞ。

 

「い、いただきます」

 

 ・・・はむっ(゚д゚)!?

 ・・・モグモグムグ( ゚Д゚)・・・ゴクン・・・

 (゚∀゚)アヒャ!

 

 ごめん、美味すぎて記憶が飛んだわ。

 一部始終を目撃した男たちによると、

 私はタマゴサンドを咀嚼する度『びゃあ゛ぁ゛゛ぁうまひぃ゛ぃぃ゛ぃ゛』と繰り返し叫んでいたらしい。

 それはそれは、ものすごく気持ち悪かったんだと。

 一口食べては奇声を上げる小汚いガキはさぞ不気味だったろうなw

 

「頭を撃ち抜いて楽にしてやるか真剣に悩んだぜ」

「思い止まってくれてサンキューです」

「まだ一切れあるっスよ。食べないっスか?」

「ほええ!?二つ目いっちゃってもいいんですか!!」

「そいつはお前の分だ。遠慮せず食え、正気のままでな」

 

 こやつら聖人か?

 いや、懐の深さは人としての領域を軽く突破している。

 こんなに美味しいものを恵んでくれるなんて神の御業だ。

 食事を提供してくれる人は私にとって等しく神である。

 敬わなくては!(使命感)

 

「あ……あ、あなたが神か?」

「そんなわけあるかよ。俺は人殺しのクズだ」

「人さらいのクズでもあるっス」

「そうだな、共犯のクズ!」

 

 クズだなんてとんでもない!

 私にはあなたの正体がわかってます。

 ズバリ神でしょ。そうなんでしょ神ィィィ!

 ババアを始末してくれたのも私の手を汚させないためですよね。

 

「せめてものお礼に足の裏舐めましょうか?」

「いいからもう黙って食え」

「仰せのままに!」

 

 タマゴサンド二つ目、神に感謝していただきます。

 うまい。うまい!うまい!!うますぎる!!!

 くあぁ~マジでめっちゃうまい!

 美味という情報の洪水で頭がパンクしそうだ。

 油断しているとまた記憶が飛びそう。

 口中の幸せが全身に広がっていく。活力が湧いてくる。

 満たされる。お腹も心も満たされていく。

 人類の三大欲求、そのひとつが満たされるとは、こんなにも幸せなの事なのだと私は今日理解した。

 

 私の食事が終わるのを男たちは律儀に待ってくれた。

 飲み物まで頂いちゃって至れり尽くせりだ。しかも、缶に入ったジュースだよ!

 人生初の缶ジュース(ソーダ水というらしい)はなんかシュワシュワしていてむせた。

 中身が腐って変質したわけではなく、炭酸というのはそういう飲み物なのだそうだ。

 慣れるとこのシュワシュワが癖になるかもね。

 ソーダをチビチビ飲んでいるとトラックは再び出発した。

 なんかめっちゃゲップ出たわwww

 これも炭酸の醍醐味らしい。

 

 ごちそうさまでした。あー生きててよかった。

 

 腹が満たされると今度は眠たくなる。

 普段ならババアの折檻と空腹で気絶するように眠っていたが、良質の食事を得た後の睡眠はとても魅力的に思えた。

 トラックの適度な揺れも心地よく、余計に眠気を誘って来る。

 我慢していたけど瞼は何度も下がって来るし、先程からずっと欠伸も止まらない。

 

「……ふぁ……おっと、すみません」

「眠いなら寝てろ。到着したら起こす」

 

 若者と運転を交代した中年は寝落ち寸前の私を見張りながら銃の手入れをしている。

 

「途中で捨てないでくださいよ」

「大事な商品だ。それまでは丁重に扱うさ」

「神かよ」

「違うと言っているだろ」

「じゃあ……本物の神様はどこにいるんですか?」

「さあな、俺が教えてほしいぐらいだ」

 

 へぇ…『いない』とは言わないのか。

 てっきり『いるわけねぇだろ』みたいな反応をすると思いきや、意外な答えが返って来た。

 まあ、悪党でも信仰の自由ぐらいはありますよね。

 好きにしたらいいと思う。

 

「あなたが神を信じるに足る理由は?」

「今この瞬間俺が生きている」

「どういうこと?」

「神の慈悲でもなけりゃとっくの昔にくたばってるよ。俺みたいなクズも、お前にみたいな弱者もな…」

「はーん。なるほどね~」

 

 中年男の回答に妙に納得してしまった。

 素敵な虐待生活で私がギリギリ死ななかったのは、神の慈悲あってこそらしい。

 私を生かして何がしたい?

 ご存知でしょうが、私は無力で無価値な虐待児童ですけど?

 

 会話は途切れ私は睡魔に身を任せた。

 銃の部品を弄る音が止まり、男が立ち上がった気配を感じる。

 そして、何か柔らかい布状の物が私の体にそっと掛けられた。

 雑巾!?なわけないか、これは…きっと毛布だ。

 私が寝冷えしないように毛布をかけてくれたみたい。

 やはり神じゃなか!

 誰が何と言おうとあなたの優しさは神様クラスだと保証します。

 あったかいなぁ、これならぐっすり眠れそう。

 

 〇

 

 サンドイッチという人生初の激ウマご飯、あったか毛布でたっぷりの睡眠、何よりストレスの大元であるババアがいない。

 これほどまでに清々しい目覚めは久しぶりで感動した。

 

「よく眠れたか?」

「はい。おかげさまで」

「もう少しで到着だ。心の準備だけはしておけ」

「お任せください。少しでも高値で売れるよう、従順で飼育しやすいところをアピールします」

「ふん。奴隷としての心構えは問題ないな」

「ある程度信頼関係を気付いたところで寝首を掻けばいいんですよね?」

「暗殺者としての心構えは問題大ありだな!」

 

 ご主人様が生理的に無理!だった場合は下剋上も視野に入れておこう。

 

 山を越え谷を越え深い森を突き進んだ先に、そのあばら家はあった。

 ふ~、長旅の末にやっと到着・・・は???

 ボロボロの小屋しか見えないんですけど?

 焼け落ちた実家のアパートよりボロいんですけど?

 人が住んでいるようには思えない、やだぁ廃墟だこれ。

 殺し屋二人と売り物の私はトラックを降りて廃墟の前に立った。

 

「場所を間違えていませんか?」

「ここで合ってるっスよ」

「敷地面積が異常な豪邸と金持ちで優しい私のご主人様はどこ?」

「バカな夢見てるんじゃねえ。現実なんてこんなもんだ」

「辛すぎる!夢ぐらい見させてくださいよ」

「おや、時間通りだね。感心感心」

 

 廃墟の中から見知らぬ男が現れた。

 痩せた体つきに不健康な顔色、そして丸っこい眼鏡を装着している。

 なんだが目つきが怪しい男だ。まともな人種とは思えない。

 服装は皺だらけシャツに何故か白衣を羽織っていて場違いだ。

 医者?それとも学者?この廃墟の住人?

 どちらにしろこんな山奥にいるのが不自然すぎる謎の男に不安しかない。

 

「そっちの子が商品か、どれどれ」

「先に支払を済ませてもらおうか」

「おっと、これは失礼した」

 

 私の購入は決定事項だったらしく怪しい男は素直に金を払う。

 ほう、現金でお支払いですか?

 買われた。買われてしまった。

 うわーん。ご主人様ガチャ見事にはずれた~。ハハッ笑えよ。

 こんな山奥の引きこもり男が私のご主人様だってさ。

 つれーわートホホ。

 

 札束を渡された殺し屋さんは慣れた手つきで枚数を確認している。

 お札の数が結構多い気がする。

 自分の値段が気になるので聞いてみよう。

 

「お、おいくらでしたか?」

「うーん。タマゴサンド2000個分ぐらいっスかねえ」

「すげぇ!私すごくないですか?」

「はしゃぐなバカ。相場より若干多いぐらいで普通だ普通」

「若干でもいいじゃないですか。お二人の財布が多少なりとも潤ったなら私も本望です」

「「……」」

 

 私は『やったぜ!』てな気分だったのに、二人は複雑そうな顔で黙ってしまった。

 あれれ?おかしなこと言っちゃったかな。

 

「君たちの納品は実に正確でこちらも助かっている。次回もよろしく頼むよ」

「次は無い、取引は今回で最後だ」

「そいつは残念。ま、いいさ。取引相手は君らだけではないからね」

「ああ、そうしてくれ」

 

 お仕事完了したみたいだ。

 ここまで連れて来てくれた二人とはお別れだ。

 

「あの、お世話にな━━」

「礼なんか言うな」

「俺らは君を助けた訳じゃないっス。むしろ酷い事をしてるっスよ」

「そんなのわかってます」

 

 わかっている。

 あなたたちはババア(母)を殺し、私を売り飛ばした悪党だって。

 

 でも、初めてだったのだ。

 見ず知らずの人にこんなに優しくされたのは。

 何より嬉しかった。

 町の外に出たのも、トラック乗ったのも、どうでもいい話で盛り上がったのも、

 サンドイッチを食べたのも、毛布をかけてもらったのも、全部が全部嬉しかった。

 

 まだ、生きていてもいいよって、許された気がして・・・

 なんだ、やっぱり助けてもらっているじゃないか。

 ここでお礼のひとつも言えないのは私のスタンスに反する行いだ。

 

「二人がどう思っていても、事実私は救われました」

 

 聞きたくなかったら耳を塞いでくれ。

 勝手に言わせていもらうから。

 

「お世話になりました。短い旅でしたけど、とっても嬉しかったです」

 

 男たちに向かってペコリと頭を下げる。

 こうするとただでさえチビな私がもっと小さくなる。

 『ありがとう』なんて口に出すとまた呆れられそうなので『嬉しかった』に留めて置いた。

 どうかな?感謝の気持ちがちょっとでも伝わればいいんだけど。

 

「はぁ~……やっぱお前イカれてるぜ」

「とか言いつつ。満更でもなさそうっス」

「うるせぇ。仕事は終わったんだ、さっさと移動するぞ」

「へーい。次はどこに行くっスかね~」 

 

 私の頭に一回だけポンと手を置いて男たちは背を向けて歩き出す。

 今の・・・撫でられた?最後の最後でデレた?

 

「もういいかな」

「あ、はい。お待たせしました」

 

 白衣の男は空気を読んで待ってくれていた。

 いいね。そういうさりげない行動で好感度アップするよ。

 やだ、私ってばチョロすぎ。

 

「変わってるね~。自分を売った連中に礼を言う子は初めてだ」

「これも私なりのケジメってやつですよ」

「受け答えもしっかりしているし度胸がある。これはいい買い物だったかな」

「タマゴサンド2000個分は頑張りますよ」

 

 やる気をアピールすると白衣の男は愉快そうに笑った。

 

「さあさあ、遠慮せず入りたまえ。この中で君の新しい人生が始まるんだ」

「まあ、なんて素敵なオンボロハウス。感動で泣けてきました」

 

 私の人生未だ前途多難じゃい!

 

 ●

 

 たった今、自分たちが売り飛ばした商品が廃墟に入って行くのを見た。

 これから先、あの子がどんな運命を辿るかはわからない。

 わからないが、幸福とは程遠い場所に身を置くことになるのは間違いない。

 猟兵崩れの自分たちは誰がどう見ても最低のクズなのだ。

 今まで好き放題やらかしてきた。

 はした金のために奪って騙して殺してを繰り返して、子供を売り飛ばすのだって今回が初めてじゃない。

 そんなクズに礼をいうバカがいるとは思わなかった。

 

「こんな事言えた義理じゃないっスけど…」

「なんだ?」

「俺、あの子には死んでほしくねぇっス」

「そう…だな。俺もそう思うよ」

 

 地獄に突き落としておいて随分な言い草だと自嘲する。

 名前も知らない子供相手に、なぜこんなにも心乱されるのかわからない。

 モヤモヤした気持ちのままトラックまで戻った二人は無言で車を走らせた。

 どうせ宿無し根無し草だ。当面の行き先なんて決まっていない。

 

「腹減ったな」

「そうっスね」

「でも、がっつり肉が食いたいって気分でもないんだよな」

「自分もっス。こう、ちょっと小腹が満たされるぐらいで丁度いい感じの…」

 

 そういえば昨日、パン切れ一つで狂ったように喜んでいた奴がいたっけな。

 なんか気持ち悪い声で吠えていたし、小さな両手で大事そうに持ったそれをニコニコしながらゆっくり食べていた。

 ほんの数日間一緒にいただけ、薄汚れた小さな子供、ただの商品でしかなかったはずの子供、

 とても愛嬌があって不覚にも『かわいい』と思ってしまった不思議な存在。

 

 商品に感情移入するなどあってはならない。

 自分たちはすでに手遅れだ。

 アレに情が湧いた時点で、子供を商品として扱うことはこの先もう不可能だろう。

 この商売潮時かもなと思いながら、何を食べるか決めた。

 

「あー……タマゴサンドにするか」

「言うと思ったっス」

 

 裏家業から足を洗った二人組がキッチンカーで商売を始める事になるのは、また別のお話。

 提供する品は見た目も華やかな色とりどりのサンドウィッチ、

 売れ筋の看板商品はタマゴサンドだったという・・・

 

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