さて、今回は主人公視点だとなかなか戦闘描写が見られないのでナタル・バジル―ル視点です。初期アークエンジェルクルーで深堀するならこの人かなと思ってます。
主人公も戦闘に関わってくる予定ですが、物語の構造上どうしてもアルテミス戦後になりそうです。
「後方より接近する熱源3、距離67。MSです!」
「対MS戦闘、用意! ミサイル発射管13番から24番コリントス装填。リニアカノン"バリアント"両舷起動。目標データ入力、急げ!」
前方のナスカ級からイージスが1機、更に後方よりMS3機。ナタルの指示のもとアークエンジェルは臨戦態勢となる。賽はすでに投げられている。ここからは冷静かつ的確な判断が生死を分けることになるだろう。
「機種特定。これは……Xナンバー、デュエル・バスター・ブリッツです!」
「なに!?」
「え・……、奪ったGをすべて投入してきたというの!」
ブリッジが一時騒然となる。ザフトがGのOSを書き換え戦場に投入してきた、そこから見えるコーディネーターの能力の高さとそれに立ち向かわなければならないという意識が、艦内の士気を下げてしまう。だが、こちらもすでにストライクでコーディネーターの驚異的な能力を身近で見ているので、与えられた衝撃は軽微で済んだ。
「敵MS群、散開!」
「迎撃開始! CIC! 何をしてるの!」
ラミアス艦長の叱責により、ハッとする。呆けている暇はない。私が艦の士気を保たねばならない、とナタルは今一度気を引き締めた。
「レーザー照準、いいか!」
「はい!」
「ミサイル発射管13番から18番……撃てーっ!」
アークエンジェルから迎撃のためのミサイルが発射される。ナタルは矢継ぎ早に指示を告げる。
「7番から12番、スレッジハマー装填。19番から24番、コリントス撃てぇー!」
ミサイルの雨が後方のG3機に対して降り注ぐ、しかし3機はミサイルを的確に撃ち落としこちらに接近してくる。
「イーゲルシュテルン起動! 敵を取りつかせるな! ……バリアント撃てーッ!」
バリアント、イーゲルシュテルン、コリントス、スレッジハマーどれも実弾兵器で直撃してもG相手には致命打とはならない。まったく厄介なものだ。しかし、フェイズシフト装甲といえど無敵ではない。被弾するたびに少なくない電力を消費する。MSのエネルギー切れにさせれば、敵はビーム兵器が使用不可となりフェイズシフト装甲の機能はダウンする。
だから、実弾だろうと弾幕を張りMSへのプレッシャーを途絶えさせてないことが重要だ。
――デュエルが抜けてイージスと合流。ストライクとは1対1に……。だが、こちらも残りの二機で手一杯だ。
「アンチビーム爆雷発射! イーゲルシュテルン、敵を艦に近付けるな! ヘルダートは自動発射にセットしろ」
激しい弾幕がブリッツを襲い、一時距離を離させる。しかし、隙をついたバスターの砲撃がアンチビーム爆雷の間を縫って、艦に直撃する。艦内に強い衝撃が走る。
「くっ……。だが、ラミネート装甲ならこの程度は」
1発のビームではアークエンジェルのラミネート装甲を貫通させることはできない。だが、初めて被弾で実戦慣れしていないクルーに動揺が走る。
「落ち着け! この程度で本艦はやられん!」
ハリネズミのような火線にアークエンジェルからの上部から仕掛けてきていたバスターとブリッツは艦底部に回り込む。
「底部イーゲルシュテルン、迎撃開始!」
「ゴッドフリートを使う! 左ロール角30、取り舵20!」
「左ロール角30、取り舵20」
ラミアス艦長の指示でアークエンジェルは艦の向きを変える。アークエンジェルの主砲であるビーム兵器ゴッドフリートの射線を通す為だ。
強力な一撃がGの動きを阻害する。これが直撃すればGといえど一撃だ。敵の動きを抑制する一手となる。大量の実弾兵器と一撃必殺の主砲によってバスター・ブリッツとの戦闘は膠着状態に入りつつあった。
だが、それはいつまでも続かない。
「前方ナスカ級よりレーザー照射感あり! 本艦に照準! ロックされます!」
「艦長!」
ラミアス艦長は逡巡する。決断を急ぐべきだ。膠着状態の今、ナスカ級からの砲撃が加わればこちらは一気に追い込まれてしまう。
「ローエングリン発射準備!」
「待って! 大尉のゼロが接近中です、回避行動を!」
「危険です! 撃たなければ撃たれる!」
「くっ……」
「後方ローラシア級、急速接近!」
艦長と副長で意見が割れる。そんな空隙の中、G四機がストライクを囲む動きを見せる。まずい、戦力的に不利なこちらは先手を取り続けなければいけないのに…は。
戦局がザフト側に傾きかける、その瞬間。
「フラガ大尉より入電! 作戦成功! これより帰投する!」
色んな人の目に触れたくて初動はかなりの投稿頻度でやってきましたが、この辺りから少しだけペースダウンして無理なくやっていきます。
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