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誰かいい感じに絵に起こしてくれませんか?チラッ
『血のバレンタイン』
コズミックイラ70年2月11日。地球連合がプラントへ宣戦布告し、月面プトレマイオス基地より宇宙艦隊を派遣した。同年2月14日、地球連合軍部隊をザフトのMS部隊が迎撃し、これを殲滅する。
が、地球連合軍のMAの一機が放った核ミサイルがプラントの農業用プラントであるユニウスセブンに命中した。これにより24万3721人が犠牲となり、強硬派のコーディネーターの怒りと憎悪は頂点に達し、オペレーション・ウロボロスを決行。地球全土にニュートロンジャマーが撃ち込まれた。
ニュートロンジャマーにより、中性子の活動が抑制され核分裂は事実上使用不能となり、核兵器だけでなく核エンジンや原子力発電も使用不可能となり世界全土で深刻なエネルギー不足が引き起こされた。それによって地球上に住む10億人が餓死・失業等含めて亡くなったとされている。
以降、地球連合軍とザフトの戦争は地球圏全土を巻き込む大戦へと拡大する事になった。
協議の末、ユニウスセブンから凍りついた水を補給し弾薬等の補給物資は残骸となった戦艦などから調達することとなった。何十万人もの犠牲者が出た地での活動に誰もがいい気持ちはしない。だが、やらなければ生き延びられない。皆が複雑な思いを抱えながら作業を行っていた。
「あと、どのくらい?」
「四時間ってところですかね。弾薬の方はあと一往復で終了ですが」
ラミアス艦長から進捗の確認があった。水の切り出し運搬にはかなり時間が取られている。というのもジンDPを組み上げたこともあって、宙域を漂うジンのジャンクパーツの回収を行いせっかく増えたMSもそちらの作業に掛かり切りとなっていた。
一段落したところでストライクとジンDPは一度帰投した後、武装し再出撃している。ストライクはエールストライカーの装備をジンDPはデュエルの対ビームシールドと重突撃銃を装備した。
「民間船? 撃沈されたのか、これ?」
「キラ君、どうした」
ストライクが注視している方向をズームすると、明らかに辺りを漂う残骸物とは違って真新しい船があった。艦の形状から察するにプラント籍のものと思われる。
なぜ、こんなところに漂流して……。二人がそう思った次の瞬間、レーダーに反応がありコクピット内にアラート音が鳴り響いた。難破船の影から黒いジンが姿を現した。二人は咄嗟にそして静かにデブリの影に身を隠す。
「強硬偵察型、複座のジン……!」
「どうしてこんなところに……。あの船を探していたのか?」
「アークエンジェルが見つかって応援が呼ばれたらアウトだ……!」
ストライクはビームライフルでいつでも狙撃できるように構える。が、しかし彼は狙撃をしなかった。銃口の先にジンを捉えてはいるが、見つからなければ見逃す算段なのかもしれない。
彼の判断は甘い。だからといってこちらもこのレンジで仕掛けることでき、かつ確実に撃破できる装備ではない。キラの判断に委ねる他なかった。
強硬偵察型ジンは周囲を調べ終えると宙域を離脱していく。二人が安堵の息を吐いた。
しかし、巡りあわせが悪かった。
アークエンジェルの作業機が開けた場所を通り、強硬偵察型ジンがそれに気付いてしまう。
「馬鹿野郎! なんで気付くんだよ!」
ジンは一直線に作業機に近付いてくる。そして、ライフルを発砲した。
「くそぉぉぉ!」
リカルドは物陰から飛び出すと作業機を庇うように盾を構え強硬偵察型ジンに立ちはだかる。敵の射撃が何度も盾に当たり強い衝撃が機体を襲う。
「くっ、当たれぇ!」
ジンDPは防御態勢を取りながら重突撃銃で反撃する。その一撃は敵の左腕を奪った。しかし、撃破には至らない。それに敵は動きを止めることなく射撃を続けながら接近を続ける。
これ以上近寄られたら……! 戦闘機動にはまだ不慣れなリカルドはMS同士の白兵戦を望んでいない。敵にも大した白兵戦の武装はないが近寄られれば練度の差でこちらが不利になることは否めない。
「ストライク! 援護を!」
焦りながらストライクへの援護の声を上げると同時に、ジンDPの横を掠めてビームライフルの閃光が通り抜けていった。その光は一撃で強硬偵察型ジンのコクピットを撃ち抜き、破壊した。
「キラ君、助かった。ありがとう」
「ありがとう、キラ……」
「マジ死ぬかと思ったぜ……」
リカルドを含め各々がキラに礼を言う中、ストライクは通信回線を切り呆然としたように停止している。彼の様子がおかしい。元々兆候はあったが度重なる戦闘行為によるPTSD(心的外傷後ストレス障害)かもしれない。
フォローしなければと直接回線を開こうとストライクに近付こうとすると、ストライクが急に動き出した。その先には宇宙を漂う一機の救命ポッドがあった。ストライクはそれを保護するとアークエンジェルへ向かう。
リカルドはそれを追いながら独り呟く。
「キラ君にはそのつもりはないのだろうが……。命を奪った代わりに目の前の命を救う。目に見える形で代償行為を示すことで心の均衡を保っているのかもしれないな……」
キラ・ヤマトのその行いが、歌姫との運命の出会いを手繰り寄せこの世界に大きな変革をもたらすことをまだ誰も知らない。
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