機動戦士ガンダムSEED 白夜の守護者   作:椎名伊織

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PHASE-08:目覚める刃②

 ザフトは大天使に休む間を与えない。第八艦隊との合流直前というところでアークエンジェルはローラシア級に捕捉された。

 デュエル・バスター・ブリッツの三機も確認されている。

 

「ムウ・ラ・フラガ、出る」

「キラ・ヤマト、行きます!」

「リカルド・ヨハンソン発進します!」

 

 アークエンジェルからも三機が発進。ストライクとメビウス・ゼロが前衛となり、ジンDPはアークエンジェルの直衛と二機の援護をする形だ。

 

「第八艦隊もこちらに向かっているわ。持ち堪えて」

 

 迎撃体制を整えるアークエンジェル。しかし、敵ローラシア級は三機のGで射線を隠した主砲による先制攻撃を加えた。アークエンジェルを掠めて衝撃を与えた。

 アークエンジェルの回避アルゴリズムを解析されているようだ。初弾から至近弾だ。これまでの戦闘データを研究されているらしい。この短期間でデータ解析もお手のもの、コーディネーターというのは厄介なものだ。

 そうこうしている間に三機と接敵する。メビウス・ゼロは砲撃で敵を散らすとバスターを相手取る。火力は一番強いが機動性では他の二機に劣るバスターならば、機動性を活かして翻弄しやすいと踏んだのだろう。

 一方、デュエルはストライクをアークエンジェルが引き離すような戦闘機動を取り、猛攻を加える。

 マークを外れたブリッツがアークエンジェルへ接近する。

 

「やらせるか!」

 

 リカルドは弾幕を張り、ブリッツを近付けさせまいとする。が、PS装甲で覆われたブリッツにはさしたる脅威とはならない。ニコルはジンDPの姿を認めると冷静に分析する。

 

「新手! ジンの鹵獲改修機・・・? イザークの機体のパーツを流用しているようにも見えますね。ですが!」

 

 ブリッツは弾幕を容易く回避すると、素早い動きで翻弄しながらビームを連射する。ブリッツのビーム兵器なら当たりどころが悪ければジンDPではひとたまりもない。

 リカルドはシールドの影に機体の大半を隠しなんとか応戦する。

 

「くっ・・・。Gとジンじゃ性能が違い過ぎる! それにパイロットの腕も段違いだ!」

 

 ブリッツはジンDPを激しい攻勢で追い返し、アークエンジェルからの援護の砲撃も躱す。

 そして、ミラージュコロイドを展開し宇宙の闇と同化した。レーダーからもブリッツの反応が消失する。

 

「消えた・・・、だが!」

 

 アルテミス要塞でも苦しめられたミラージュコロイド。それの対策は事前に練ってある! 消えたブリッツとの直前の位置と予想進路のデータをアークエンジェルへリンクする。

 アークエンジェルはアンチビーム爆雷を発射し、ビームを弾く粒子を展開する。消えたブリッツからの射撃は粒子に弾かれ、艦にダメージを与えることは出来なかった。

 そして、今のビーム角からブリッツの位置を予測。アークエンジェルから拡散榴散弾頭を積んだミサイルが発射された。

 目標エリア目掛けて飛翔すると、ミサイルが開き無数の榴散弾頭が撒き散らされる。点ではなく面で敵を捕らえに掛かった。

 すると、これには堪らずブリッツはミラージュコロイドを解除。PS装甲を展開し防御態勢を取ることで、致命的なダメージを避けた。

 

「元々そちらのものでしたね・・・! 弱点もよくご存知だ!」

 

 ブリッツは再度ミラージュコロイドを展開し接近を試みるもアークエンジェルの対空砲火の激しさに近寄れず、断念する。ブリッツの奇襲はひとまず封じ込めた形だ。

 一方でストライクとメビウス・ゼロも他二機と激しい戦いを繰り広げる。ブリッツが接近を諦めたことにより、ローラシア級からも援護の砲撃が開始される。

 アークエンジェルは艦砲射撃に応戦するも徐々に船体へのダメージが重なっていく。

 ビームの直撃を何度も受けて熱されたラミネート装甲は排熱が徐々に追いつかなくなっていく。

 ジリジリ追いやられる中、態勢を立て直そうと艦を回頭しようとした隙を突いてブリッツがアークエンジェルへ急接近していく。

 

「これ以上は好き勝手させるわけには・・・!」

 

 リカルドはミサイルポッドを全弾一斉射し、更に重突撃銃の弾幕を張る。だが、ブリッツはミサイルを迎撃し、弾幕もひらりと躱す。勢いのままにジンDPへ急接近すると、すれ違いざまにビームサーベルでジンDPの右腕を切り裂いた。

 

「ちぃぃぃ!」

 

 右腕を失い、その爆発の勢いで吹き飛ばされていくジンDP。直衛を失ったアークエンジェルにブリッツが取り付いた。

 

「これで!」

 

 ブリッツは対空砲火の抜け穴に入り込むとアークエンジェルにビームを連射する。ラミネート装甲の限界を超え艦体が赤熱していく。

 その様子を目にしたストライクは突如見違えるような動きを見せた。デュエルとの接近戦を制し、敵のコクピット部横をビームサーベルを切り裂く。ダメージで一瞬動きを止めたデュエルを振り切ると、アークエンジェルへ全速力で向かっていった。

 デュエルは慌ててその後ろを追撃するも、ストライクはデュエルからのビームを振り返りもせず、驚異的な動きで全て躱した。アークエンジェルへ向かうスピードを少しも緩めることなく。

 

「やめろぉぉぉ!!」

 

 キラは咆哮を上げながらアークエンジェルに取り付くブリッツへビームサーベルを振り下ろす。ブリッツは間一髪で気付いて回避するも、アークエンジェルの甲板を蹴ったストライクはその勢いのままブリッツに膝蹴りを加えてアークエンジェルから引き剥がした。

 

「もらったぁぁぁ!」

 

 格闘戦で動きを止めたストライクにデュエルはビームサーベルを構え、急速接近する。

 しかし、ストライクはデュエルのその動きを完全に見切っていた。腰からアーマーシュナイダーを抜くと、先程傷付けたコクピット部へ向けて強く突き立てた。

 デュエルは激しいスパークを上げ、宇宙を漂う。それをブリッツはキャッチし、引き上げていく。

 ストライクの鬼気迫る活躍により、アークエンジェルはまたも生き残った。

 

「なんて強さだ・・・」

 

 キラとストライクの恐るべき強さに唖然とするリカルドの後ろに無数の光が上がる。――信号弾だ。アークエンジェルの元にとうとう第八艦隊が合流したのだった。




 流石に赤服相手にタイマンは厳しい・・・。それでも、やれることをやる。この経験値は後に生きていく筈です。

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