機動戦士ガンダムSEED 白夜の守護者   作:椎名伊織

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 砂漠の初戦長い……。バクゥお披露目、スーパープログラマーキラ、初種割れ、レジスタンス登場とカガリの再登場。
 そりゃ長くなるよね。
 あとストックが切れたのと出張とか色々で忙しくて更新ペースダウンします。


PHASE-10:燃える砂塵④

 

 砂地に対応したストライクはそれまでと見違えた動きを見せる。バクゥに翻弄されているだけだった先程までとは違い、むしろ戦局を支配しつつある。こうなれば敵を押し返すのも時間の問題だ。

 キラの慮外のスペックに動揺していたリカルドであったが、抒情に落ち着きを取り戻し援護射撃を続ける。バクゥを援護しようとする戦闘ヘリの一機をついに捕らえ、撃破する。

 しかし、敵はこちらが優勢に立つのを許してはくれなかった。レーダーが急速接近する熱源を感知する。戦艦クラスの主砲による砲撃だ。

 

「離床! 緊急回避!」

 

 艦長の命令とほぼ同時にアークエンジェルが浮上する。地上に落ちた大天使を狙った砲撃の多くを避けるも、一発が艦の後部に直撃する。

 砲撃位置をジンDPのレーダーが特定する。南西20Km、こちらの装備では反撃できない場所だ。

 すると、フラガ少佐からの通信が入った。

 

「俺が行ってレーザーデジネーターを照射する。それを目標にミサイルを撃ち込め!」

 

 スカイグラスパーの発進準備を行う彼に対してバジルール中尉が反論する。

 

「今から索敵しても間に合いません」

「やらなきゃならんだろうが。それまで当たるなよ!」

 

 艦長スカイグラスパーが緊急発進し南西へと向かっていく。リカルドは阻止しようと動く戦闘ヘリに牽制射撃を加え、それを妨害した。

 

「第二波接近!」

 

 敵主砲の第二波が接近する。アークエンジェルへの直撃コースだ。当たれば致命的な損傷を負いかねない。

 

「くそぉ!」

 

 リカルドはスナイパーライフルで狙撃するが高速で飛翔する弾頭に当てるのは難しい。

 

 諦めかけたその時、ストライクが動いた。

 ガトリングキャノンを地面に掃射し煙幕を形成、空中にジャンプした。

 それを見逃さず一機のバクゥが飛び掛かる。それを見越していたかのようにストライクは右ストレートでバクゥを殴り飛ばした。

 宙を舞うバクゥが飛来する弾頭の一発に直撃し爆発する。ストライクはそれに目もくれず、すぐさま狙撃態勢を取るとすり抜けた残りの弾頭を数発のアグニで薙ぎ払い、アークエンジェルを無傷で守り切って見せた。

 

「強過ぎる……」

 

 獅子奮迅の勢いを見せるストライクに畏怖を感じるリカルド。これほどの力、もはや一機で戦局を変えてしまうほどだ。まるで物語の中の英雄めいた非現実的と言いたくなるほどの存在だ。

 だが、そんなストライクも無敵ではない。

 エネルギーを馬鹿食いするアグニをあれだけ連射した為、ストライクのパワーは危険域に達していた。戦闘継続はほぼ不可能と言ってもいい。アグニを撃てば一発でパワーダウン、PS装甲を失えばストライクも蹂躙されてしまうだろう。

 それを敵も察知しているのか三機のバクゥと複数の戦闘ヘリがストライクを取り囲む。ヘリからの攻撃が直撃し、ストライクは地面に倒されてしまった。

 

 暴れ狂った獅子が遂に力尽きようとしていたその時、一発の弾頭が戦闘ヘリに直撃し爆発した。アークエンジェルも敵戦艦もいない方角から複数の戦闘車両が砂塵を巻き上げなら現れたのだ。

 

「どこの部隊だ!」

 

 両軍を混乱させる第三勢力。彼らはストライクを援護するように弾幕を形成、そのうちの一台がストライクに近寄ると直接回線で何かを伝えていた。

 そして、その車両が離れるとストライクは大きくジャンプした。敵のバクゥは遠ざかる背中に追いすがる。ストライクはそれを引き剥がしも追いつかれもしない絶妙な間隔で尚もジャンプし、敵部隊を引き付けていた。

 

「何か罠があるのか……? 信用できるのか?」

 

 だが、こちらに他の手はない。ストライクと謎の部隊の意図を感じ取りながら、回り込もうとする戦闘ヘリに向かって狙撃する。ここまで追い込んでおいて逃げられたくないという敵の意思が透けて見え、リカルドにとって敵の動きは掴みやすかった。

 これまでの狙撃データが反映され精度が増してきている。何度目かの射撃でヘリを一機撃ち落とした。僚機が撃墜されたことにより残りのヘリは全速でストライクを追うことは出来ない。

 何度目かのジャンプの後にストライクはバクゥへ向き直った。罠のポイントに辿り着いたのだろう。ストライクが遂に観念したとみたバクゥたちは一斉に飛び掛かった。罠に誘い込んだストライクはギリギリで大きくジャンプする。

 その瞬間、直前までストライクがいた周囲を囲い込むように複数の爆発が起こる。巨大な落とし穴と流砂でバクゥが絡みとられる。そして、トドメの一撃とばかりに先ほどの何倍もある巨大な爆発が巻き起こった。

 舞い上がる砂塵と落ちてくるバクゥの破片、三機のバクゥは巨大な爆発に飲まれ塵と化した。

 続いて着地したストライクはパワーダウンし、トリコロールの装甲が色を失い灰色に染まった。爆発の煙は尚も立ち込めている中、唖然とした各員に通信が入る。

 

「フラガ少佐より入電です。敵母艦を発見するも攻撃は断念。敵母艦はレセップス」

 

 危機を乗り越えたアークエンジェルに一行に届けられたのは、ザフトきっての名将『砂漠の虎』アンドリュー・バルトフェルドに狙われていたという最悪のニュースであった。




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