転生主人公が非戦闘員なHUNTER×HUNTER   作:ネモ

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活動=復讐

××月××日

 

あれから十年は私の時間の全てを研究に(つい)やしてきた。

だが、毎度クカンユ国の方針によってそれらは、私ではない別の男の研究者に()(さら)われる。

 

過去、これほどまで男でないことを悔しく思ったことはないだろう。以前も日記に書いたが、女である私へのクカンユ国の労働基準はとても過酷だ。ただでさえ女であるからと悪質な仕事ばかり回され、徹夜はもはや習慣化してしまった。

 

かつて私と共に研究者見習いをしていた者からの嫌がらせが多いが、一部の上司と同期以外は私が女であることを知らないのが唯一の救いだ。今も女であることを勘付かれないように髪を短くし、服は体格が分からないダボっとしたものを二、三着重ね着して隠蔽(いんぺい)している。

 

それにしても、ありがたいことに私の胸はほぼまな板状態のままで成長しなかった為、私と初対面の人が男だと思うレベルで擬態できているらしい。まあ、逆に妙な女性ファンが出来て嫉妬をされたりも増えたが。それはこの国が男尊女卑が強いのが悪い。

 

 

 

 

××月××日

 

私は大して派閥などに関わらない研究者として、今まで国に貢献(こうけん)してきたつもりだ。

だが、なんだこの仕打ちは。とてもじゃないが、あり得ていいとは思えない。ハンター達と違い、研究職は自衛のすべを持っていない。もしもそれを承知した上でこの愚行を行なっているとするならば、私は国を恨むだろう。

 

何が暗黒大陸だ。何が希望(リターン)だ。

結局それに恐れて研究者の一人を犠牲にし、実験台とするなど非人道的だ。

 

確かに私は独り身だし、研究者として誇る程の目立った功績は成していない。

何せ流星街からの成り上がりだ。恨まれたり(さげす)まれたりは慣れていても、まさかここまで明確に死ねと示されるとは。私は成り上がるべき国を間違えたのかもしれない。

 

とにかく、今日の夜ですら生きれるか分からない。

ずっと戦闘とは遠い身の上だった私に、この地獄の如く生物が喰らい喰らわれる大地では生きていけない。せめて明日の朝、生きていたらまた日記を書くことにしよう。

 

 

 

 

××月××日

 

生きていた。

一瞬神が私を見守ってでもいるのかと思ったが、本当に見守っているならばこんな地獄に放置する訳が無いだろう。それに生きてはいるが、無傷という訳には流石にいかなかったようだ。

 

精神的安定の効果を期待して日記を平然と書いてはいるが、今こうしている間にも私の左足は表面皮膚が変色し始めている。何が原因なのか推測できるだけの冷静さはもう既にない。ただ虫の類でありそうな感じはしている。そこから何かしらもらった線が高そうだ。

 

どの道、この異変が発生したことから私はもう内陸に戻ることはできないだろう。できたとしても、それは私としてきっと扱われない。私という自我が残っているかも怪しい。

 

今でも精一杯自我を保たせているのに、これ以上自身の身に異変が起きて正気でいられる自信がない。かつて、ここまでテレビで娯楽を見て安心したい気持ちはなかっただろう。

 

このままただで死ぬつもりはあるかと言われたら、全くない。国への恨みだって未だ胸の奥で燃えているのだ。復讐する機会があるかないかくらい、死に際に試してみたい。

 

それにとても眠たい。きっと私の体調は悪化していく一方しか考えられないのだ。餓死でも何でも死因がどうなろうと、復讐の余地を探しに行こう。

 

 

 

 

 

 

 

 

××月××日

 

あれからどれくらいの時間がすぎたのか分からない。

以前、日記に書いたことは実行できなかった。その翌日から今にいたるまでずっと、私はじめんとそいねしていた。あんのじょう、ひふのい変は下半身まで広がっている。

 

そのせいか、下半身のかんかくが少ししびれたようにかんじる。たいかん時間では、すでににかげつはけいかしている。あまりにもくうふくがひどいので、にどと歩けないかくごで左足を食べた。

 

とりあえず、おいしくはなかった。火をたくよゆうもない私は、吐き気とげきつうとたたかいながら足を食べた。思ったよりひふのいへんは早いらしく、完全に変色した左足は少し強めにひっぱっただけでちぎれた。

 

そういえば出血がそこまでしていなかった。今はちぎったかしょを衣服をちぎった布で止血していて見えないが、出血は大して多くなかった上にとてもドス黒かった。

 

それに私が何かしらの病をわずらっていることを周囲の生き物も気付いているらしく、ケモノに生きたまま食われるとかは一応まだない。あったらごうきゅうものだ。

 

今日も早めに寝る。

 

 

 

 

 

 

 

 

××月××日?

 

私は、とんでもない病をわずらったかもしれない。

左足を食べてからおそらく二十年たつが、今朝になってちぎったはずの左足がゆっくりと生えていることに気付いた。すでに全身のひふが変色し、孤立させられた初期はだいぶもがき苦しんだ。

 

だが、時間と共にあるていどのたいせいは得たらしく、暗黒大陸に来る前の私では考えられない身体のうりょくを得た。まあ、そのせいでなぞの全裸どもに追いかけられるハメになったが。

 

しかし、損失(そんしつ)ばかりではない。ただでは転ばないと日記に記したように、私はそんな追いかけてきた全裸どもの細胞を獲得できた。正確には片腕だが。

 

こんな状況に置かれていなかったら私の研究者精神は興奮の一途だっただろうが、生憎そんなことをしていて一度あの緑頭たちにぼこぼこにされたからな。

 

それに_いや、何を書こうとしていたんだっけか。何かとても興奮する_あぁ、そうだ。あの緑頭たちの再生能力は異常の一言以外に何も言えることはないだろう。

 

おそらく暗黒大陸における植物系らしく、再生時は大小様々なツルが人間のような皮膚を再現しながら再生する。およそ一分未満で行われるだけの再生能力は、植物でなければ医療機関にも役立ちそうだ。

 

暗黒大陸に来る前よりも肉体的強度が折角増したのだ。復讐ついでに暗黒大陸の生物を利用した人口生命体でも作ってやろうか。この感じであればそう長くこの命も持たない。それならばもぎ取れそうな希望は全て摘み取ってから死のうじゃないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

××月××日?

 

暗黒大陸に来てから変わったことは多いが、特に最近のデメリットとしては極端に物忘れが発生することだ。現に以前の記入から三十年は経過しているのに、復讐ついでの実験が終盤に至るまでまた日記のことを思い出せなかった。

 

地味に単語もいくつか忘れているらしく、今も文章に使う言語がパッと出てこなくて時間がかかっている。何だったら一回この日記を落として失くす始末だ。現に多分北へ遠征した際の記述(きじゅつ)は全くない。

 

以前に緑頭のことを言及しているのも、何とか帰り道で日記の存在を思い出してからだろう。本当はもう少し北に滞在したかったが、あまりにもあの緑頭がしつこいから仕方ない。こちらに反撃手段もない以上、逃げの一択しかないのだ。

 

ちなみに今私が拠点としているのは恐らく暗黒大陸の南の辺りだ。正確な位置が分からないので大雑把な位置把握しかできないが、とりあえず謎のガス状の生命体?と妙な蛇がいる辺りだと私は記憶している。

 

というか、ガス状の生命体?に関しては一体だけ今も追跡してくる個体がいる。他の個体は大抵途中で諦めてどこかへ消えるのだが、例の個体は今も私の近くにいる。特に危害を与えてくる訳でもないので、一旦様子見をしている。

 

そもそもガス状であるが故に口がない筈が、人間の言語における母音のみは発音できるのがまた奇妙である。それに一個体の大きさは大してなく、基本的に人間の幼稚園児から小学生低学年ていどの大きさまでしか存在しないようだ。

 

同様に知能性も少なからずあるらしく、カラスほどではないがある程度教えてやれば幼児のように言うことを聞く。…まあこの個体が特殊なのかもしれないが。観察している限り、この生命体は人間のような知的生命体に大して愛情などの情を要求する傾向があるようだ。

 

特殊個体、仮称フォグと呼ぶ。この個体は主にボディタッチを主にしたものを要求することが多い。私もうっかりすれば情が湧いてしまいそうで恐ろしい。だが、フォグはともかく私はいずれ死ぬ身。それはやめておいた方がいいだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

××月××日?

 

ついに。ついに、私の復讐が原型を成した。そのために足やら腕やらをフォグの横でちぎるハメになったが、結果よければまあいいだろう。フォグがどう思っているかは知らないが。

 

暗黒大陸に来てすぐに死ぬと思っていたが、案外長生

 

フォグ、どうし

 

そうだなお腹すいたな

 

これ、フォグのだろう

 

さあ

 

私の

 

 

 

あ_

 

 

 

 

××月××日?

 

どうして。しんだ。まだ。いっしょ。いる。いった。

ねえ。また。なでて。さびしい。あいして。

 

また。ふぉぐ。よんで。わらって。ごはん。たべて。どうして。どうして。

うごいて。いきて。しぬな。いきて。いきて。しなないで。

 

ひとり。しないで。

おいて。いかないで。

 

こんど。まもる。から。だから。

あいして。




とりあえずゾバエ病の発症者がガス生命体アイ、あとブリオンをごっちゃしたら謎のグロ生命体作れそうだったから書いた。後悔はしてない。
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