ヘスティア・ファミリアのエセシスター 作:カラスガラス
「本当に助かったよ。改めて礼を言わせてほしい」
「いえ、
「後方にも現れた
「あれは
遠征からの帰り道。私は現在、フィンさんと話しながら歩いていた。
少し前に、私たち遠征部隊は新型芋虫の
そうなればもう、私が戦うしかないわけで。
地形的に戦いにくかったのもあって、結構な人数が芋虫の毒にやられてしまった。私の魔法で治療出来る毒だったため大事には至らなかったが、結局いっぱい毒にやられたという前線にも駆り出されて。
疲れました。それは、それはとても。身体的にも精神的にも。
で、18階層ぐらいまで誰か背負って行ってくれないかなー、という事をリヴェリアさんに伝えると、周りのエルフに不敬だなんだと騒がれた。ちょっとふざけただけだというのに。
「18階層で少し休んでから地上に向かう予定だけど、何か希望はあるかい?」
「そうですねー、ゴライアス復活してたら譲ってもらっても良いですか?」
「ゴライアスを?」
「ほら、あのデカブツをボコボコにしたらスッキリするじゃないですか。ストレス解消的な」
「あぁ……まあ、それぐらいなら構わないよ。僕の方からみんなに言っておこう」
「ありがとうございます」
それから少しして、私たちは18階層に到着した。
【ロキ・ファミリア】の人がゴライアスが復活しているか確認してきてくれるというので仮眠を取る。正直
それから【ロキ・ファミリア】の人が起こしにきてくれたが、あと5分と二度寝し、あと10分と三度寝し、そして四度寝しようとしたところでリヴェリアさんに叩き起こされた私は17階層へ繋がる連絡路へ向かった。
「さて……と?」
周囲に誰がいるわけでもないし、ルームもある程度広いし、という事で聖剣ぶっぱでスッキリしようと素振りしていたのだが、連絡路の前に見覚えのある人物が倒れていた。
「仲間を……助けて、ください……」
ベルだった。
ベルのそばにはリリとヘファイストス様のところで見た覚えのある青年。
全員Lv.1のはずなのに、Lv.1の3人でここまで来たのだろうか。いや、いくらなんでも冒険しすぎでは?
私は3人を抱えて一旦【ロキ・ファミリア】のキャンプまで戻った。
私にあてがわれたテントに3人を寝かせ、私はフィンさんにあの3人について説明して、一時的に滞在させる許可を貰った。
「それと、申し訳ないんですけど……遠征の同行、ここまでという事にしてもらっても良いですか?」
「確かに君としては彼らを放っておく事は出来ないね。かといって僕たちと共に地上に向かうのは休息の時間的に厳しい。分かった。ここまでついてきてくれて本当に助かったよ。また機会があればお願いしても良いかな?」
「ホント、すみません。もちろんです」
「同行依頼の報酬に関しては、また後日詰めよう」
「はい……」
それから、流石に放置しているわけにもいかないため、3人を寝かせているテントに戻った。
傷や体力自体は魔法で回復させているが、精神的な疲労があるのだろう。未だ眠り続けている。
仕方がないので私も寝る事にした。
「ここは……え、ユイさん!? どうしてここに!?」
ベルが目を覚ましたらしい。
「ここは【ロキ・ファミリア】に借りてるテント。17階層との連絡路前に倒れてたから運んだの。3人とも治療したから、あと2人ももう少ししたら目を覚ますかな」
私は答える。目を閉じたまま。
起きていても目を閉じているだけで脳を休ませている気になれるのだ。
「そうだ、リリとヴェルフ! よかった……」
「というか、ベル。全員Lv.1だよね? 冒険を否定しないとは言ったけど、冒険しすぎじゃない?」
「あっ、僕はLv.2に上がりました」
「え、まだ冒険者になって一ヶ月半ぐらいだよね?」
「はい」
「ランクアップにかかる時間って、知ってる限り今までの最速が私の5ヶ月だったんだけど……マジか」
「マジです……」
これには思わず開眼。確かにミノタウロスをソロで倒していたから偉業も問題ないだろうけど。
やっぱり例のスキルの早熟効果か。にしても、と思わなくはないが。それだけリオンへの想いが強いのだろうか。
「まぁ、とりあえず。あとの2人が起きたら街の宿に移動するからそのつもりでね」
「ダンジョンに街があるんですか!?」
「頻繁に潰れてるみたいだけど、結構便利だよ。地上より色々と高いけどね」
私が【ロキ・ファミリア】に同行するのはこの18階層までという事に変更された。彼らは明日の朝にはここを発つ予定なので、早めに宿を取っておく必要がある。
「じゃあ、すぐに戻ってくるから、もし2人が起きたら説明しておいてね」
「何か用事ですか?」
「用事といえば用事かな? ちょっとゴライアスをシバいてくるから」
「えっ」
先ほどは出鼻をくじかれてしまったが、今度こそあのデカブツを転がす。
そう意気込んで白聖剣を素振りしながら17階層への連絡路へ向かっていると、戦闘音が聞こえてきた。誰かがゴライアスと戦っている。いや、この魔力は……。
「アリーゼ?」
私が嘆きの大壁に到着したときにはゴライアスは倒れていた。そして、その前には見慣れた人たち。
「さて、魔石を回収……あら? ユイじゃない。なんだか久しぶりね!」
「久しぶり。感動的な再会をしたいんだけど、その前に聞いていい?」
「いいわよ?」
「なぁんで、ヘスティア様が、ここに、いるんですかね?」
「ビクッ」
アリーゼやライラらリオンがいるのは良い。普通にダンジョン探索をしようとすればここを通るからだ。アスフィがいるのも良い。一応冒険者なのだから、ダンジョンに潜るのは普通の事だ。見知らぬ人物もいるが、見たところ冒険者だろう。
問題は残りの2人、というより2柱。
ヘスティア様とヘルメス様。
「この状況分かってます? 神がダンジョンに潜るとか何考えてるんですか。しかもなんでアリーゼたちと? 何か変な事してないでしょうね。答えによっては主神といえど……」
「ちょ、怖い怖い。嘘がないから余計に怖いよ。そんな、アリーゼ君に変な事なんてするわけないじゃないか。まぁ、ちょっと迷惑は掛けたかもだけど」
「…………」
「せ、説明するから! 落ち着いておくれ!」
そしてヘスティア様から語られたのは、ベルたちがこの場にいる私の知らない冒険者たちに
「でも、ヘスティア様がついてくる必要なかったですよね?」
「だってぇ! ベル君が心配だったんだよぉ!」
「…………」
「ま、結構前にも同じような事あったしな。あのときはアストレア様もいたし。眷族の事を想ってくれる良い神様じゃねぇか」
ヘスティア様にライラが助け舟を出した。
「それは分かってるけど……だって、これがバレたら絶対私もギルドから怒られるし……」
「あー、それは、まぁ……うん。仕方ないな」
ヘスティア様が個人的にどうこう言われるのはべつに良いが、それに私まで巻き込まれるのは勘弁してほしい。
「はぁ……もう来てしまったのは仕方ないから良いですけど。神威は抑えてくださいよ」
私は言いながらポーチから大きめのズタ袋を2枚取り出した。
「これ、アスフィにも貸してあげる」
「……助かります」
「えっと、あの、ユイ君? その袋は一体……」
有無を言わせずヘスティア様をズタ袋に放り込んだ。
だって、他の人たちに見られたら困るし。特に【ロキ・ファミリア】の人たちとか。
それから、ベルと残りの2人が目を覚ましたためフィンさんたちにお礼を言って宿に移動する事になった。その間、ヘスティア様はずっとズタ袋の中にいた。ヘルメス様もアスフィの持つズタ袋の中にいた。
「でね。59階層は極寒のごの字もなくて、奥には変なのがいたし。精霊とかなんとか」
「精霊、ですか」
「詳しくは聞いてないんだけどね。【ロキ・ファミリア】の人が言ってた。でも、魔法とかぶっ放してきたし、雰囲気的にも明らかに話に聞く精霊とは違うんだよねぇ」
「で、ソイツ倒したらダンジョンは極寒に戻ったのか?」
「私が見た限りでは戻ってなかったかな。まあ、アレ倒してすぐに上に向かったから、今頃は戻ってるかもしれないけどね」
「それじゃあ、今度の遠征で確かめに行きましょう! 一度そこまで行ったユイもいる事だし、何なら60階層まで行って最高到達階層を更新よ!」
「それ良いね。行こ行こ」
「良くねぇよ。飛ばしすぎだろ、アホ共」
現在、私とアリーゼ、ライラ、リオンの4人はリヴィラの街にあるとある酒場にて食事をしていた。
他の者は宿に置いてきた。置いてきた、というよりは私たちの方が出てきたという方が正しいが。
ベルたちは今、被害者と加害者の立場で
「明日はどうする? ベルたちにも休息はいるだろうし、アリーゼたちももう少しここにいる?」
「そうね、明日はちょっと遊ぼうかしら。2人はどうするの?」
「ベル・クラネルを救出するっつー目的自体は達成したようなもんだしな。アタシは明日適当に帰るわ。後はお前ら2人で楽しめよ」
「アストレア様に心配を掛けてはいけないので、私はこの後帰ります」
その後、ベルたちの話し合いが終わった頃を見計らって宿に戻った。
どうやら和解した様子で、リオンを除いてみんな宿に泊まる事になった。ベルたちのために来てくれたので、捜索隊として来てくれたみんなの分の宿代は私が出しておいた。
ちなみに部屋割りは1部屋目がベル、リリ、ヘスティア様、ヘファイストス様のところのヴェルフ君。2部屋目が【タケミカヅチ・ファミリア】の子たちで3部屋目がアスフィとヘルメス様。4部屋目が私とアリーゼ、ライラとなった。
真ん中にライラを挟んで川の字になって寝た。
○アリーゼの装備
武器
剣
・銘は『クリムゾン・ローヴェル』
・火属性の魔法威力を底上げする特殊効果が付与されている
・熱を溜め込む性質があり、任意のタイミングで放出出来る
・アリーゼが使用した場合のみ100%の効果が発揮される
・
・100万ヴァリス
防具
・銘は『至高のアリーゼ・シリーズVer.6』
・全身赤を基調としたバトルドレスに赤い金属製の籠手や赤いバトルブーツなどがある
・火属性の魔法を流すと『力』、『耐久』、『敏捷』に補正が掛かる特殊効果が付与されている
・アリーゼが使用した場合のみ100%の効果が発揮される
・
・まとめて100万ヴァリス
○ライラの装備
武器
ニ槍
・銘は『ライ・ボルクⅠ』と『ライ・ボルクⅡ』
・Ⅰは装備すると『敏捷』に補正が掛かる特殊効果、Ⅱは投げると手元に戻ってくる特殊効果が付与されている
・
・100万ヴァリスずつ
ニ対のブーメラン
・銘は『ブーメライラー』
・投擲時の照準補助と投げると手元に戻ってくる特殊効果が付与されている
・
・セットで100万ヴァリス
防具
・銘は『会心の出来ライラ・シリーズVer.4』
・金属が使われていない、機動性を重視した軽装の冒険者衣装
・『敏捷』に補正が掛かる特殊効果が付与されている
・まとめて100万ヴァリス
○リューの装備
武器
木刀
・銘は新生ルミナス・リオーン『アルヴス・ルミナVer.2』
・故郷の大聖樹の枝を素材として【ゴブニュ・ファミリア】に作ってもらった『アルヴス・ルミナ』がかつての遠征中に壊れてしまい、その欠片を素材として主人公が作製した
・『敏捷』に補正が掛かる特殊効果が付与されている
・
・100万ヴァリス
防具
・銘は『最速のリオン・シリーズVer.3』
・ライラと同じく機動性を重視した軽装の冒険者衣装
・『敏捷』に補正が掛かる特殊効果が付与されている
・
・まとめて100万ヴァリス
○輝夜の装備
武器
刀
・銘はなよ竹『鬼神一門・血閃』
・切れ味に重きを置いた刀
・どれだけ斬っても劣化しにくい特殊効果が付与されている
・
・100万ヴァリス
ニ対の小太刀
・銘は双竹『鬼神一門・双閃』
・切れ味に重きを置いた小太刀
・どれだけ斬っても劣化しにくい特殊効果が付与されている
・
・セットで100万ヴァリス
防具
・主人公作ではない
○主人公
・何でもかんでも
・【アストレア・ファミリア】と【ヘスティア・ファミリア】の者以外に装備を作り売るつもりはないので、値段設定は適当
・ネーミングは大体そのときのノリであり、意味よりも語感を優先する事もある(その場で相手に却下される事もある)
・
○主人公のランクアップに要した時間とランクアップ時期
・Lv.1→Lv.2 1年(9年前)
・Lv.2→Lv.3 5ヶ月(約8.5年前)
・Lv.3→Lv.4 7ヶ月(8年前)
・Lv.4→Lv.5 1年(7年前)
・Lv.5→Lv.6 3年(4年前)
・全て、アビリティオールS999でのランクアップ