ヘスティア・ファミリアのエセシスター   作:カラスガラス

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今回は少し長めです。




暴れる:人造迷宮(クノッソス)崩壊編

 

 

 クノッソスへ入るには、ダイダロス通りを経由するのが一番早い。が、ダイダロス通りには【ロキ・ファミリア】が張っている。今は余計な接触をすべきではない。

 私たちにはギルドからの許しがあるため、堂々とダンジョンに入る事が出来た。

 そして上層にある出入りからクノッソスへ侵入する。

 

「それじゃあ、みんな作戦通りに決めておいた出入り口の見張りをお願いね。それ以外は私とユイで使えないようにしておくから」

「おう、気を付けて行ってこい」

 

 代表して送り出してくれたライラに手を振りつつ、私とアリーゼは透明ローブを纏い、そして鍵を使って扉を開けた。

 

「行こう」

「ええ」

 

 足を踏み入れ、内側から扉を閉じる。

 ここからは時間勝負だ。

 

 そこから近い、封鎖すると決めていた扉へ向かう。

 

 すぐにたどり着いた外と繋がっている扉に最も近い扉を下ろす。

 クノッソスの扉は基本的に2種類。両開きの扉とシャッターのように上から下りてくるタイプの扉。外と繋がっている扉以外は基本的に後者だ。そして、後者の扉はシャッターとは違って1枚の板となっている。それは構造上、上下にのみ動くようになっている。なら、横方向に強い力を加えればどうなるか。

 

「らあぁッ!!」

 

 内側から、シャッタータイプの扉に思い切り前蹴りを叩き込む。

 私のステイタスはLv.7、しかもランクアップは常にカンストさせてからだった。今の私なら、単純な、スキルなどによる影響を除いた純粋なパワーであれば、あの猪男にだって劣りはしない。

 

 鍵を使って開けようとしても、扉は上がらなくなった。

 出入り口の1つ、閉鎖完了。

 

「うん、いけそう」

「よし、じゃあまずは分かれて封鎖しまくるわよ」

 

 これこそが、大人数を使わなくても闇派閥(イヴィルス)を逃さない作戦である。

 

 透明ローブを纏って駆ける。目指すは外と繋がる通路。

 一匹たりとも逃さない。闇派閥(イヴィルス)はこの地下に閉じ込める。

 

 アリーゼと手分けし、外で【アストレア・ファミリア】のメンバーが見張っているもの以外の全ての外と繋がる通路を遮断するのにそれほど時間は掛からなかった。ここまで大胆に動けば何か異常が起こっている事は知られているだろうが、外に逃していない以上、問題はない。

 

 封鎖を完了し、アリーゼと合流した。

 私は集中すればアリーゼがどこにいるのか大体分かるため、合流するのも難しくなかった。

 

 ここからだ。透明ローブを脱ぐ。

 そして四次元ポーチから二振りの魔剣を取り出した。

 

「『聖火の守人(ウェスタリス)』だと!?」

「なぜここに!?」

 

 特徴的なローブに見を包んだ闇派閥(イヴィルス)の下っ端構成員。

 

 片方の魔剣を振れば、冷気が走り、通路の突き当りまで凍りついた。

 続いてもう片方の魔剣を振れば、通路の奥まで電撃が突き抜けた。

 

 私が攻撃を始めたのを見て、アリーゼも透明ローブを脱いだ。

 

 どれだけの数がいるか分からない闇派閥(イヴィルス)の対策に打ってきた、壊れない魔剣だ。氷で動きを止め、電撃で意識を奪う。

 正直、地上では使えない手だ。街中では一帯を氷漬けにする事がそもそもダメだし、仮にそれが良いとしても、氷は範囲こそ広いが、私が通路を通れるように全身を覆うような大きなものではない。電撃で失神した敵がいつ復活するか分からない。こいつらは隙があれば自爆しようとしてくる。だから、殺さないのであれば手足を折って意識が復活しても何も出来ないようにするのが望ましい。

 しかし、今この場にいるのは私とアリーゼ、そして闇派閥(イヴィルス)のみ。もちろん自爆させないのが一番ではあるが数が多いし、最悪自爆されても私とアリーゼなら問題ない。

 

 食人花が当たり前のように襲ってくるが、威力を抑えた魔剣では倒すのに威力が足りないため、そちらはアリーゼが斬った。

 

 そして、前回の探索で見つけた精霊モドキの元へ足を進めていると、前方から赤髪の女が歩いて来た。

 

「【ロキ・ファミリア】ではないな。何者だ」

 

 ここにいるからには闇派閥(イヴィルス)に違いはないのだろう。しかし、格好は末端のものとはまるで違う戦闘衣(バトルクロス)、そして何よりこの気配。比べ物にはならない強者。

 

「まあ良い。随分と暴れてくれたようだな」

 

 厳つい大剣を持って、斬りかかってきた。

 

「……!」

 

 アリーゼが剣で受け止めた。

 アリーゼの反応を見ると、相手の『力』が相当に強いのか。Lv.7並みの身体能力があるのだろうか。

 

「強いな」

 

 7年前と同じ。あの時も闇派閥(イヴィルス)にLv.7の実力者がいた。

 違うのは、私もLv.7になったということ。そして、目の前にいるのは過去の英雄ではないということ。

 

「あの人、Lv.7ぐらいの力があるわ」

「やっぱり?」

 

 四次元ポーチに魔剣をしまいつつ、黒鍵を取り出す。

 

「精霊モドキの場所は?」

「モドキとは、随分な言い様だ。あれは正真正銘の精霊。その分体だ」

 

 問い掛けてみれば、少し気になった答えが帰って来たが、さらに踏み込んだ事を聞く前に赤髪の女が斬り掛かってきた。

 

「あんまり手荒な事はしたくないけど、仕方ないわね!」

 

 アリーゼが応戦し、私は黒鍵を構える。

 

 あの赤髪の女はただの人間ではない。モンスターのような気配がする。普通じゃない。

 ただ、言ってしまえばそれだけで、強さという点で言えば苦戦するほどではなかった。

 

「ぐっ」

 

 アリーゼの背後から投擲した黒鍵が赤髪の女の足に突き刺さる。

 私とアリーゼの連携技だ。アリーゼが前衛につき、私が黒鍵で援護する。相手にとっての死角から黒鍵が飛んでくるのだ。私のような直感持ちか、私たちよりもよほどレベルが上だというような相手でなければ防げないだろう。

 

「チィッ!」

「その武器、呪詛(カーズ)が込められてるっぽいから気を付けてね」

「ええ!」

 

 アリーゼが剣で打ち合っていると、周囲の通路から食人花が飛び出してくる。

 

「【ルクレエ】、告げる(セット)

 

 周囲に黒鍵を複製し、食人花へ飛ばす。

 

爆破(バン)

 

 他の闇派閥(イヴィルス)が割り込んでくる事はなさそうだし、モンスターはどうとでもなる。

 

 剣と剣がぶつかり合うところへ黒鍵を投擲する。

 

「ぐっ!」

 

 これで両足に黒鍵が突き刺さった。

 

 女が膝をつく。

 対してアリーゼは無傷。

 

 さて、どうするか。

 仮にもLv.7並みの身体能力。今持っている程度の魔剣の威力では拘束しておく事も気絶させておく事も難しい。

 何より、見ていて分かったが、この女はただの人間ではない。身体の中にモンスターの要素を取り込んだ、人間とモンスターのハーフのような存在だ。放置しておくのも気が引ける。

 魔法のように劇的ではないにしても、自然に傷が回復していっているのも確認出来た。

 

 異端児(ゼノス)の例があるため何とも言えないが、むこうが結構友好的だったのに対してこちらは闇派閥(イヴィルス)などと行動を共にしている。置かれた環境云々はあるかもしれないが。

 とりあえず四肢を串刺しにして、自力で動けないようにしておくぐらいはしておいた方が良いかもしれない。

 

「アリーゼ跳んで!」

 

 次の瞬間、床が開いた。

 私は直前に上に跳んでいたが、女とそしてアリーゼがそのまま下層へ落ちていく。

 

「アリーゼ!?」

「追い掛けるわ! 後で合流しましょう! そっちは任せる!」

 

 普段なら私の声に合わせて避けられただろうが、アリーゼなら大丈夫だろう。鍵だって持ってる。

 ポーチから鍵を取り出し、開いた床を閉じる。

 

 このクノッソスの扉は鍵で開閉出来るが、複数の鍵からの命令が相反するものだった場合、後から送られた命令を優先するようになっている。そのため、あらかじめ閉じる命令を送っていたとしても、後から開く命令を送れば扉は開く。

 また、この扉は1度開く命令を受けると、直後に閉じる命令を受けても完全に開いてからでなければ閉じない。

 普通に使う分には開閉スピードもかなり速いために気にならないだろうが、こういうときに面倒だ。

 

 通路の方を見れば新たな食人花、そしてその上には仮面を付けた見るからに怪しすぎる人物が乗っていた。その手には鍵が握られている。

 さっきの女もそうだが、この仮面の人物も食人花を操っている。格好も末端の闇派閥(イヴィルス)ではない。さっきの女は強さから考えると最低でも幹部ではありそうだ。

 

「【ルクレエ】」

 

 複製した黒鍵を握り、投擲。

 牽制ではあるが、仮面と両肩の3ヶ所へ向け、どう動くか見てみれば、避けるでも防ぐでもなく、両肩には被弾、仮面は割れた。

 そして、仮面の下にあった顔は予想外のものだった。

 

「『白巫女(マイナデス)』……」

 

 闇派閥(イヴィルス)に所属しているような人間に知った顔などそういない。ただ、どういう人間がいるかを知っておくに越した事はない。そういう意味で顔を確認しておく意図があったのだが、その顔を私は知っていた。

白巫女(マイナデス)』フィルヴィス・シャリア。【ディオニュソス・ファミリア】の団長であるLv.3の冒険者だ。

【ディオニュソス・ファミリア】が闇派閥(イヴィルス)と関わりがあったなんて話は今までなかった。むしろ、逆。特に『白巫女(マイナデス)』は27階層の悪夢という闇派閥(イヴィルス)の被害を受けた側だ。

 

白巫女(マイナデス)』が通路の奥へ逃げていくのを横目に、ポーチから水晶板を取り出す。

 

「もしもし、輝夜? もしもし? 聞こえてる、輝夜?」

『何度も呼ばなくても聞こえている。何だ、急に』

 

 水晶板へ話し掛ける。

 これは【アポロン・ファミリア】との戦争遊戯(ウォーゲーム)のルール決めのときにヘスティア様に渡した遠距離通話が出来る魔道具(マジック・アイテム)を改良したものだ。あらかじめ水晶板を渡しておけば、前世の携帯電話やスマホのように離れた場所で話す事が出来る。今回、アリーゼはもちろんライラやリオンたちにも渡している。

 

 輝夜は1人別働隊として地上に残っていた。万が一地上に闇派閥(イヴィルス)が出た場合や【ロキ・ファミリア】などが予想外の動きをした場合に素早く動けるように。

 

闇派閥(イヴィルス)の中に【ディオニュソス・ファミリア】の『白巫女(マイナデス)』がいたんだけど」

『何? どういう事だ』

「こっちもまだよく分からないけど、変装とか認識変換とかではなさそうだから、そっちでちょっと【ディオニュソス・ファミリア】あたってくれない?」

 

 走りながら輝夜と話す。

 直感を持つ私は追跡にも強い。物理的に追い付けない速度で逃げられない限り、私が撒かれる事はない。

 

『分かった。【ロキ・ファミリア】から目を離すが良いな?』

「出入り口は封鎖したから大丈夫」

『了解だ。何か分かれば連絡する』

「お願い」

 

白巫女(マイナデス)』が逃げた方向から芋虫型のモンスターが湧き出てくる。

【ロキ・ファミリア】との遠征でも遭遇したモンスターだ。あまり良い印象がない。まぁ、モンスターで良い印象のやつなんていないが。

 毒は効かないし、使い捨て武器の残量が無限の私からすればまだやりやすい相手ではある。風船みたいだから倒すのに手間もない。周囲が毒で汚染されるのだけが難点だ。毒に侵されないというだけで普通に汚れる。

 

 黒鍵を投擲すると、芋虫型は爆散し、毒液を撒き散らした。

 毒液もそれ単体で壁になるのだから、逃げようとするときには使いやすいだろう。

 

「【ルクレエ】──熾天覆う七つの円環(ローアイアス)

 

 面倒だ。

 聖剣の一撃を押し返すように、熾天覆う七つの円環(ローアイアス)でモンスターも毒液も全て向こう側まで押し出してやる。

 

 しばらくそのまま進み、そして途中で止まる。

白巫女(マイナデス)』はこのまま進んでもその先にはいない。

 いるのは。

 

「こっちか」

 

 壁を殴りつけると、そこは明らかに他の壁とは違う感触。大抵の壁の中は超硬金属(アダマンタイト)でできているのだ。継ぎ目だとしてもこんなに柔らかくはない。

 壁の中が超硬金属(アダマンタイト)である事はさっき知ったばかりだし、それでもぶち破ろうと思えば全然出来るが。

 

 隠し扉だ。こういうのを探させたら私はオラリオでも随一だろう。宝探し大会などがあったら負ける気はしない。

 

「滅茶苦茶な……」

 

 隠し部屋と思われる場所には、負傷した『白巫女(マイナデス)』が逃げ込んでいた。

 

 ◆◇◆◇◆◇

 

 赤髪の女を追い掛けるように落下するアリーゼだったが、途中で落ちる先が壁で仕切られて2つに分かれているのに気が付いた。アリーゼが一方、相手はもう一方へ落下する軌道だった。

 アリーゼには空を飛ぶ手段がない。同じ方に行けるように空中で軌道をなんとか修整したが届かず、別々の場所へ落ちる事になった。

 しかし、仕切りとなった壁は剣を伸ばせばギリギリ届くほどの距離にあった。

 

「よっと!」

 

 剣を伸ばし、壁に突き刺す。そうする事で落下の勢いを殺し、全身のバネを使って上へ跳んだ。

 まるで棒高跳びのように仕切りとなった壁を飛び越え、赤髪の女が逃げた先へ向かう。しかし、既にその陰はなかった。

 

「うーん、あんな事を言って分かれた手前、逃げられましたじゃ格好悪すぎるわよね……」

 

 このまま収穫なしで戻るのは色々と良くない。右も左も分からないが、アリーゼはひとまず進む事にした。

 

「きっとこっちね! たぶん! そんな気がしないでもないわ!」

 

 ◆◇◆◇◆◇

 

「【終わる幻想、還る魂──引き裂けぬ貴女(きずな)】」

 

 正直なところ、その詠唱を中断させようと思えばいつでも出来た。

 しかし私は、知られたからには、とか、ここで消えてもらう、とかそういう悪役のテンプレのような台詞の直後に行われたその詠唱を止めなかった。

 理由としては3つ。

 1つは闇派閥(イヴィルス)の幹部かそれに類する立場にいると見られる相手の手の内は知っておきたいということ。

 1つは魔法そのものに脅威を感じられなかったということ。付与(エンチャント)か治癒か、あるいは強化か。詳しくは分からないが、その魔法そのものは砲撃のようなものではないという事を直感で感じ取った。

 最後の1つは単純に私が気になったから。

 

「──【エインセル】」

 

 詠唱の完了と共に、『白巫女(マイナデス)』の姿が変わる。

 身体の表面が茨のようなもので覆われており、もはや隠す事をやめたのか、身体のラインを隠していたローブの正面が開き、胸には極彩色の魔石があらわになっていた。

 その姿はモンスター、あるいは怪人だった。

 

「【一掃せよ、破邪の聖杖(いかずち)】」

 

 続いて詠唱を始めた。

 これは知っている。短文詠唱の雷魔法だ。

 

「【ディオ・テュルソス】」

 

 私は片手を前に突き出した。

 直後、視界が雷の色に染まる。

 

 少しだけ、手先が痺れた。

 この感じ、Lv.7並みの威力はある。私の修道服型戦闘服(バトルクロス)は魔法耐性が高く、そこに私の素の『耐久』が加われば、よっぽどのものでなければLv.6以下の人間の魔法は効かない。

 とはいえ、短文詠唱。そこまで威力はない。

 

「……化け物か」

 

 これはツッコんだ方が良いのだろうか。私と今の『白巫女(マイナデス)』、どちらの方が化け物かと聞かれれば後者だろう。

 

「その魔石を砕いたら死ぬとか、そういうのはあります?」

 

 ポーチから黒鍵を取り出しつつ、声を掛ける。

 どう見ても重要人物。元より殺すつもりではないが、そんな剥き出しの部分があからさまな弱点出れば気を付ける必要がある。

 

「【盾となれ、破邪の聖杖(せいはい)】──【ディオ・グレイル】!」

 

 返答は盾の魔法。

 私はそれに対して黒鍵を投擲した。

 

 盾が砕ける。少し軌道をズラして投げたため、『白巫女(マイナデス)』には当たらなかったが、背後の壁には深く突き刺さった。

 そもそもの話、黒鍵にはこうして魔法で防がれないようにデフォルトで魔法に対する特効がある。そうでなくても私の黒鍵投擲はスキルなども合わせてLv.8並みの威力が出るためそうそう防がれる事もないが、魔法では防げない。

 

「【一掃せよ、破邪の聖杖(いかずち)】!」

 

 再び詠唱。

 私は片手を前に突き出して受けの体勢をとる。

 

「【ディオ・テュルソス】!」

 

 再び雷の魔法を受ける。

 

 こんなときに、『耐久』のステイタスを伸ばすのに良いかも、なんて考えが浮かぶ。

 予想外の事が起こって思考がまとまっていないのかもしれない。

 

「く……ッ!」

 

白巫女(マイナデス)』が懐から何かを取り出す。

 見覚えがあった。あれは闇派閥(イヴィルス)が自爆のためによく使用する火炎石の爆弾だった。

 

 随分と苦い思い出がある。まだ闇派閥(イヴィルス)が暴れていた頃の私にとってはまだ脅威だった。

 が、今の私にとってはただの煙幕も同然。

 

白巫女(マイナデス)』もそれは分かっているのだろう。火炎石をただの目くらましにして、隠し部屋から出ていこうとしている。

 

「【ルクレエ】」

 

 複製した黒鍵を手に、投擲する。

 狙いは両足。逃げさせないというのもそうだが、あまり胴体に近い部分を狙って魔石を割ってしまわないように。

 

 煙が晴れると、そこには両太ももを黒鍵に貫かれて地に伏せている『白巫女(マイナデス)』がいた。そう上手くいくかは分からなかったが、人間の構造上、そこを断ち切られると動かせなくなるという部位はいくつもある。『幸運』のなす技か、上手くそこへ突き刺さってくれたようだ。

 私はそこへ近付く。

 

 当たり前のように手を使っていた辺り、先ほど黒鍵で貫いた両肩の傷は治ったか治りかけているらしい。赤髪の女と同じく傷の治癒が早いのだろう。あちらは胸元に魔石など見えなかったが、内部には同じように魔石があるのだろうか。

 

 そんな事を考えながら、私はもう2本の黒鍵を複製し、それぞれ神経を断ち切るように上腕に刺した。

 さらに『白巫女(マイナデス)』の上にマウントをとるように乗り、無理矢理口を開かせる。

 

「ぐっ……なに、を」

「【ルクレエ】」

 

白巫女(マイナデス)』の顔の上に複製した液体が重力に従って落下し、顔面全体に降り注ぐ。それと同時に手で口を塞ぐ。

 複製した液体は自白剤、その原液だ。Lv.7の『神秘』やその他を総動員して作製したもの。1番効き目が早く出るのは経口ではなく静脈注射だが、これは経口でもすぐに効果が出る。むしろ、やり過ぎ感があるぐらいのものなので、静注で量を誤ったらLv.7級の『耐異常』があっても廃人になってしまう可能性がある。まぁ、最悪廃人になっても私なら治せるだろうが。

 

「あ……ぇ……」

 

 正直、半分モンスターみたいな存在に対しても効果があるかは分からなかったが、しっかり効いているようである。

 

 自白剤を使った理由の1つは単純に無力化するため。もう1つは先にメインの拠点として使用しているであろう本部のような場所を押さえようと考えたからだ。監視カメラのような魔道具(マジックアイテム)が至る所に配置されているからには、それらの映像が集まる本部のような場所があるはずだ。そこを押さえられれば色々と探す手間が省ける。

 水晶板を通してアリーゼに一報入れ、私は『白巫女(マイナデス)』を俵抱きにして隠し部屋を出た。

 今さらながら、さっきの赤髪の女にも使えば良かったかな、と思ったが、過ぎた事は仕方ない。

 

 

 

 途中、1つの階層が丸々崩落するというハプニングもあったが、敵の拠点に辿り着いた。

 

「あっちゃー。こうなっちゃったか……ここに来るとしたら【ロキ・ファミリア】だと思ってたんだけどなぁ」

 

 ここにくるまでに散々闇派閥(イヴィルス)の末端構成員を倒してきた。最奥に残っていたのは男神と人間の1人ずつ。

 

「大人しくしてもらえますか? このクノッソス内を掃除し終わったら重要参考人として同行してもらいます」

「全くの予想外だったよ。こういうのは化かし合いとか、盤上のゲームみたいに進めていくものだと思ってたからね。まさか、ただただ純粋な暴力にしてやられるとは、思ってもみなかった」

 

 男神が語る。

 横目に黙っている人間の男を見れば、その片目は奇形であり、まるでクノッソスよ鍵のようだった。確かにあの鍵は眼球と同じ球体だったが、何か関係があるのだろうか。目を真似て鍵を作ったのか、あるいは。

 

「ただねぇ、『聖火の守人(ウェスタリス)』。ヘスティアも連れずに子供1人でここに来るのは不用心だと思わないかい?」

 

 男神が歩いて近付いてくる。纏う神威を強くしながら。

 他の人間ならそれが通用したかもしれない。しかし、根本がこの世界の人間ではない私には、何か神々しいの出してるなーという程度にしか感じられない。

 

「1つ言っておきますが」

 

 ここまで引きずってきた朦朧とした状態の『白巫女(マイナデス)』をその場に置き、私も近付く。

 

「あれ……?」

 

 手を伸ばせば届くほどの距離まで来て、止まる。

 

「ヘスティア様曰く、私は価値観がズレているようで。そんなに神威を解放されても、ふーんとしか思いません」

 

 そう言って、私は片手の人差し指の先で目の前の男神の額に触れた。

 

「他の人たちと違って、私は神を天界に送還するのに特別な忌避感とかもありません。それがそうするに相応しい邪神ならなおさら」

「じょ、冗談だよね……?」

「分かるでしょう? 神なら」

「こっわ!? 何この子こっわ!」

 

 まぁ、この神を送還するつもりはないが。

 

 指を離して黙っている男の方を見る。

 

「あなたも大人しくしていれば手荒な真似はしない……と言っても無駄か」

 

 複製した4本の黒鍵を投擲。

 怪しい動きをしようとした男の両手足を封じておく。

 

「名前は?」

「……タナトスだよ。タナトス」

「そうですか。ならここで大人しくしておいてください。まぁ、逃げようとしても外と繋がる扉は全部歪ませたので出られませんが」

「えぇ……色々言いたい事はあるけど、やり方が脳筋過ぎない?」

「それが一番手っ取り早いでしょう?」

「限度があると思うんだけどなぁ」

 

 改めて神タナトスの方へ向いた。

 

「ちなみに聞いておきますが、そこで転がってる『白巫女(マイナデス)』と赤髪の女以外でLv.7級の人間かモンスターはいますか?」

「うーん、どうだろうねぇ。というか、エインちゃんて『白巫女(マイナデス)』だったんだ。結構関わってたのに全然知らなかったや。という事はエニュオの正体は……」

「エニュオ?」

「都市の破壊者を意味する言葉さ。色々と企んでいたみたいだけど、全然正体も掴めなくてさ。そこのエインちゃんを介してやり取りしてたんだけどね」

 

 ここにきて新たな情報だ。都市の破壊者とは穏やかではない。神タナトスの同志、つまりは神で、しかもメッセンジャーに『白巫女(マイナデス)』を使っているとなれば、神ディオニュソスが怪しい。

 というか、十中八九黒だろう。ここに来るまでにも『白巫女(マイナデス)』はうわ言のように神ディオニュソスの名前を何度か呟いていた。

 

「協力者の神はそのエニュオだけですか?」

「さぁ。どうだと思う?」

「……まぁ、いいです。とりあえずここで大人しくしといてください」

 

 神がこちらとまともなやり取りをしない事などザラにある。ひとまず放置していても何も出来ないだろう。

 と、クノッソス中の映像が集まっているモニターでもないかと探していると、カツカツと足音が聞こえてきた。

 

「レヴィスちゃん、無事だったんだ」

 

 赤髪の女だ。傷は完治していないらしいが、ある程度持ち直してきたらしい。

 さっき連絡したときは、アリーゼは探している途中と言っていたのでアリーゼに見つかる前に来たのだろうか。

 

「随分な有様だな。たったの1人にしてやられたか」

「そんな事言って、レヴィスちゃんだってやられてたじゃん」

「…………」

 

 ただ、元の人間のような姿ではなく、腕など一部がモンスターのように変異していた。さらに両手に剣を持った二刀流となっていた。

 

「【ルクレエ】」

 

 黒鍵を複製し、両手の指の間に挟む。

 

 飛びかかってきた赤髪の女、レヴィスの剣を受ける。一部がモンスターに変異した影響か、パワーが強くなっている。とはいえ対処出来ないほどではない。一応この女がここに来た時点で、アリーゼを倒してきたという可能性もないわけではなかったが、この様子だとない。きっとアリーゼがおドジを発揮してしまったのだろう。

 

 ところで、ではあるが、黒鍵は左右それぞれ3本ずつ指の間に挟む方法が主流だ。主流とはいっても使っているのがほぼ私しかいないというのはおいといて、これにはいくつか理由がある。

 1番大きいのは、原典において黒鍵がこういう使い方をされていたということ。いくつかとは言いつつも、理由のほとんどはこれだ。

 あとは、3本握っているので単純に手数というか攻撃力というか、その辺りが3倍になる。その分『力』が要求されるが、ステイタスが上がりやすいという利点もある。

 そしてもう1つは、剣同士の斬り合いになったときに、ただ受けるのではなく、絡め取るような使い方を出来るということ。

 

「よっ、と」

 

 レヴィスの両手の剣にそれぞれ私の黒鍵を絡めさせて止める。

 そしてがら空きになった正面へ、黒鍵で引っ掛けた剣を引く勢いもつけて下腹部の辺りへ前蹴りをお見舞いした。あまり上を狙うと魔石が砕けてしまうかもしれないから。

 

「ぐ、ぅ……」

 

 黒鍵の隙間に残った剣を捨て、レヴィスが立ち上がる前に跳躍。空中から黒鍵を投擲し、レヴィスの両腕を地面ごと貫いて床に縫い付けた。『白巫女(マイナデス)』のように腕だけ貫いてもよかったが、モンスター化した腕に有効か分からなかったのだ。

 

 そして、『白巫女(マイナデス)』のように自白剤で無力化しようかと思った瞬間、レヴィスは口を開いた。

 

「ここ、までか……これ以上、破壊されても困る。仕方ない」

 

 諦めたような台詞。しかし、レヴィスは大きく空気を吸い込んだ。

 

「アアァァ────ッッッッ!!!!」

「うるさっ」

 

 思わず耳を塞ぐような叫び声。

 ヤケを起こしたのかとも思ったが、それ以降は沈黙した。暴れる様子もない。

 

 だが、何か来る。

 

 今のレヴィスの叫び声によって、何かが発動した。

 

 少しの間を置いて、この広間唯一の出入口となっている通路の向こう側から緑色の何かが濁流のように迫って来た。

 即座に鍵を使って広間の出入口にある扉を閉じた。

 

「あーあ……そりゃないよ、レヴィスちゃん」

 

 あれが何かを聞く前に、神タナトスは天を仰いでいた。

 

「確かにこのままじゃ、設置してる精霊の分身(デミ・スピリット)も潰されるかもしれないけどさ……こうする以外の方法もあったんじゃないかなぁ」

「あれは何ですか」

精霊の分身(デミ・スピリット)、君たちは穢れた精霊なんて呼び方もしていたかな? それの触手みたいなものさ。栄養を集めるんだ。君でも飲み込まれたら養分にされるだろうね。もう一人の、『紅の正花(スカーレット・ハーネル)』はもう駄目じゃないかな」

 

 アリーゼならこの程度問題ない。

 そして、穢れた精霊。恐らく精霊モドキの事だろう。

 しかし、こんな事になるとは思わなかった。

 2人で乗り込んできて良かった。アリーゼだけならまだしも、【ロキ・ファミリア】のように大勢で攻め込んでいたらどうなっていたか分からない。

 

「どうするかなぁ……互いの目的が合致していたとはいえ、こうして捨て石みたいにされるのも癪だし。このまま『聖火の守人(ウェスタリス)』1人葬っても、って感じだし」

「何か考えでも?」

「いーや? この広間の出口は1ヶ所、さっき君が閉じた所だけ。その向こうには緑肉で溢れかえってる。扉の向こう側どころか、今頃はもうクノッソス中に緑肉が埋め尽くされているだろうね。詰み。その言葉が1番似合うのは今じゃないかな?」

「あれに神が取り込まれたらどうなるんですか?」

「さぁ? 養分にされた後に天界に送還されるかもね」

 

 詰みだなんだとと言っているが、何やら隠しているものがありそうな言い方だ。

 

「何かあるんですか? 隠し玉的なのが」

「あると言えばあるかな」

 

 そう言って、神タナトスは短剣を取り出した。

 

「こうして闇派閥(イヴィルス)としてやってきたとはいえ、俺にだって眷族に対する愛情ぐらいあるんだぜ? まぁ、今回のは災害に巻き込まれたような感じだけどね。エニュオ……ディオニュソスかな? あいつのやり方には気に食わないところもあったんだ。だから、これは仕返しさ。どうせ送還されるなら、最後の仕返し。逃してあげるよ『聖火の守人(ウェスタリス)』」

 

 なんとなくそうではないかと思ったが、やっぱりそうらしい。

 確かに神の送還はあらゆる障害物を貫いて行われる。このクノッソスにも天まで一本道を作る事が出来るだろう。

 

 私は自害しようと自分へ向けて短剣を向ける神タナトスの腕に手を掛けて、それを止めた。

 

「なにするんだ。せっかく君をここから逃してあげようとしてるのに」

「そんな事する必要はありません。私のために行動してくれるなら、ここから出た後に色々と協力してくれればそれで良いです」

「ここから出た後って……それが出来たら苦労しないでしょ?」

 

 一旦自害を止めてくれたので私も手を離し、修道服を脱ぐ。

 

「ちょっと、ちょっと。何やってるの」

 

 そして魔法を発動した。

 

「【ルクレエ】」

 

 複製したのは、黒聖剣と黒いドレスアーマー。共にLv.7のステイタスに合わせて作ったもの。

 

「そんな事しなくても出られます」

 

 とはいっても、百聞は一見に如かずである。

 私は鍵を使って扉を開けた。

 

「ちょっと!?」

 

 向こう側から緑肉が溢れ出てくる。

 私は聖剣の剣先を通路の方へ向け、そしてそのままの体勢で精神力(マインド)を込めた。

 直後、聖剣から黒い魔力ビームが放たれた。魔力はそのまま通路を突き抜けていき、正面に見えるだけの緑肉は残らず焼き払った。

 すぐ後に他の通路から再び緑肉が溢れてきたが、最初ほどの速度ではなかった。

 

「こうやって出口まで掘り進めれば普通に出られます。アリーゼだって、この程度でやられたりしない」

「えぇ……マジ……?」

「行きますよ。協力的になるなら守ってあげます」

「分かった、分かった。ついて行くよ」

「残りのデミ・スピリットとやらを破壊してから地上へ向かいます」

「アグレッシブだねぇ……」

 

 これ以上余計な事をされないようにレヴィスを自白剤で漬けてから、私と神タナトスは広間から出た。

 

 

 

 精霊の分身(デミ・スピリット)とやらは円を描くように等間隔に8体、その円の中心に1体配置されていた。

 クノッソスの壁から魔法を放ってくるし、本体も一気に3つの魔法をぶっ放してきたし、59階層のときのものより厄介だった。とはいえ、神タナトスを守るのが少し面倒だっただけで、私の火力であれば消し飛ばすのはそう難しくなかった。

 

「置いてきたのを回収して地上へ戻りますよ」

「ここまでくると、なんか俺がしてた事って何だったんだろうって馬鹿らしくなってくるよね……」

「馬鹿らしいじゃなくて馬鹿なのよ」

「辛辣〜」

 

 全て倒せば魔法も飛んでこなくなったし、緑肉ももはや残骸しか残っていない。途中でアリーゼも合流し、もはや何も脅威とはならなかった。

 

白巫女(マイナデス)』とレヴィスを両肩に抱えて地上を目指す。目が奇形の男は何を思ったのか、手足に黒鍵が突き刺さったままの状態で暴れて死んでいた。レヴィスのように自白剤漬けにしておいた方が良かったかもしれない。

 大体の扉は予め開けておいたが、一部閉じている部分もあったたため、そこはアリーゼが持っている鍵で開けてもらった。

 

「あれ? 開かないわね」

「ああ、そこ私が歪ませたとこ」

「本当に歪ませてたんだ……『聖火の守人(ウェスタリス)』怖。今さらだけど」

「仕方ないし、ぶち破りましょうか」

 

 そう言ってアリーゼは剣を抜いた。

 

「【花開け(アルガ)】──【アガリス・アルヴェシンス】」

 

 そして炎を纏い、剣を振りかぶった。

 直後、轟音。

 

「えぇ……その扉、最硬精製金属(オリハルコン)なんだけど……『紅の正花(スカーレット・ハーネル)』怖」

「当然。なにせ、アリーゼは私が知る限り局所的瞬間最高火力はオラリオでも随一のポテンシャルがあるんですから。炎ゴリラなんて呼ばれる事も……まぁ、そんな事言う人にはちゃんとオハナシしたんですが」

 

 ただ形を加工しただけの最硬精製金属(オリハルコン)程度、アリーゼの前にはただの鉄くずも当然。

 そして、歪ませて開かないようにしていたのは外へ繋がる扉のすぐ近くのものだ。つまり、地上の出口はすぐそこだという事である。

 

 

 

 地上へ出ると輝夜から神ディオニュソスを任意同行という形で確保し、【ガネーシャ・ファミリア】に隔離したという旨の連絡が入り、それを連れてきてもらう形で神タナトスと共にギルドに連行。

 

 ベルが向かった異端児(ゼノス)関連に関しては、仲間が人間に傷付け殺されたという理由で武装蜂起していたらしいが、私から闇派閥(イヴィルス)関連の話を聞いていたベルはその下手人を闇派閥(イヴィルス)の人間だとあたりを付け、そして私と【アストレア・ファミリア】が殲滅しに行っているという事を交えて交渉し、異端児(ゼノス)たちを一旦引き下がらせたらしい。今回は結構良い仕事をしてくれた。黙ってウィーネを地上に連れてきた事はマイナスだが、今回の功績でチャラしてあげても良い。結果論だが、ウィーネ関連では騒ぎになるような事もなかったし。

 

 神の処遇は面倒なのでウラノス様に任せるとして、闇派閥(イヴィルス)の人間は緑肉のせいで『白巫女(マイナデス)』とレヴィスの半怪人しかいない。しかもどちらもLv.7相当の能力があるため、半端な牢では簡単に逃げられてしまう。ひとまずの処置として点滴で薬漬けにしておくという事になった。

 情報を得るという点で見れば神タナトスが色々と話してくれそうなので、それほど重要度は高くなさそうだが、ギルドも今立て込んでいるため、処遇を決めるのも追々になるらしい。

 

 ともかく、ようやく片付いたと考えても良いだろう。まだどこかに潜んでいるのもいるかもしれないが、さすがにクノッソスと同等の何かが残っているという事はないだろう。

 

 やっと落ち着ける。

 しばらくは平和に過ごせそうだ。

 





○主人公
・実はかなり脳筋なところがある
・クノッソス関連をアリーゼと2人で終わらせた
・犠牲は減ったが、本来【ロキ・ファミリア】などに入るはずだった経験値を根こそぎ持っていった
・薬で敵を行動不能に出来るが、その前に黒鍵で四肢を串刺しにしてくる
・魔法で治せるという前提があるため、たまにえげつない事をしだす
・タナトスや【ガネーシャ・ファミリア】で隔離されていたディオニュソスを含めて諸々の後処理はウラノスへ丸投げした

○ベル
・宿敵との再会がなかった(ニアミス)

異端児(ゼノス)
・地上には出て行かなかった

○ロキ・ファミリア
・幹部3人はランクアップする機会を逃した
・フィンは『本物の英雄』になる決意をする機会を逃した
・アイズとレヴィスの決着はなくなった
・レフィーヤは何の前触れもなくフィルヴィスと別れる事となった
異端児(ゼノス)との接点はなくなった
・クノッソスへのリベンジの機会を失った
・進むために必要だった大きな一歩を踏み損なった


次回から少しの間、アストレア・レコード編を挟みます。
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