スーパー・バンタム級ボクサー キラ・ヤマト   作:道草屋

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僕がボクサー?! キラ・ヤマト

 

 

ミゲルからの急な試合の申し入れにキラは動揺を隠せないでいた

 

「ど、どうして僕と…」

 

「お前、俺の手加減を見抜いていただろ?どうして分かった?」

 

「ほ、本気で闘ってる人には独特の雰囲気があるんです…でもあの時のあなたにはそれが感じられなかったので……」

 

まさかの回答にミゲルたちは目を見開く

 

「はっはっは!なるほど…お前はセンスがあるな!闘いのセンスが」

 

「僕は闘いたくなんかありません!そもそも人を傷つけたくないからマネージャーになったのに…」

 

「だがそれは君の才能が許さない」

 

クルーゼがキラの肩に手を置く

 

「正直私も驚いている

私も何回か大会に出ているから分かるが君の言う通りだ本当に強い選手は独特の闘志が滲み出ている、そしてそれを感じ取ることが出来るのもまた強い選手のみなのだ」

 

「そ、そんな…僕は……」

 

「キラ・ヤマト、やっぱり俺と試合をしよう」

 

ミゲルは再度試合を申し出る

 

「…」

 

「キラ」

 

「アスラン…」

 

「お前の才能はこんな所で無くしていいものじゃない、1度でいいやってみるんだ」

 

「じゃあ1度だけ…今回だけやってみます」

 

「よろしい、では試合をセッティングする」

 

 

 

キラは保健室へと向かっていた、理由は試合のことを伝えるためだ

ガラリと扉をあけ中に入る

 

「キラ!平気だったか?」

 

「トール!」

 

「悪いな、負けちまってよ」

 

「ううん、全然大丈夫だよ」

 

2人で話しているとサイが現れる

 

「おっキラも来たのか」

 

「うん、トールが心配だったからね、あれ?カズイは?」

 

「今日は刺激が強すぎたから帰るってよ」

 

キラはカズイらしいなと思いながらトールの話に耳を傾ける

 

「ミリィに泣かれちまったよ、心配かけさせやがって〜って」

 

4人で笑っているとキラが話を切り出す

 

「ははは…それでさ、その……」

 

「ん?どうした?」

 

「実は…僕も試合することになっちゃって……」

 

「ええ?!キラが?!」

 

「おいおい、平気なのかよ?」

 

「正直怖い…トールもさっきはこんな感じだったんだね」

 

キラは試合前にトールが緊張していたことを思い出す

 

「確かに緊張するけどよ、いざ試合になると緊張する間もないんだぜ?それにあの時はキラとミリィが励ましてくれたからな、今度は俺の番だ!キラ!お前なら行ける、全力を出し切れ!」

 

「下手かよ」

 

サイにツッコまれるトールそれを見たキラは少し緊張が解けたようだ

 

「ありがとう2人とも…僕、頑張ってみるよ!」

 

「「おう!」」

 

 

 

 

 

 

部室では既に試合の準備ができていた、今度の審判はムウのようだ

 

「よ!もう済んだのか?」

 

「はい、僕だってやってみせます!」

 

キラはボクサーパンツとグローブをはめる

ミゲルはキラの身体をみるがその身体はあまり鍛えているとは思えない姿であった、筋肉を感じさせることのない体つきだった

 

「意外にほそっちぃのな」

 

「まぁ、あまり身体を鍛えるとかはしなかったので…」

 

「手加減はしておいてやるよ、しないと骨が折れそうだもんな」

 

「いえ、それにはおよばないです」

 

「ほう?」

 

「もし手加減でもされたら親友との約束と僕の心を裏切ることになります」

 

「いいね、その感じ好きだぜ」

 

「2人とも、指定の位置に着いてくれ!」

 

両者ともに位置に着く

 

「 赤コーナー、ミゲル・アイマン!青コーナー、キラ・ヤマト!レディ…ファイ!!」

 

 

「オラオラァ!」

 

カーンと開始の合図がなると同時にミゲルは攻撃を仕掛けるがキラは紙一重で避ける

 

(やっぱり!トールとの試合の時の何倍も早いし鋭い!)

 

「やるなぁ!流石俺に全力でやれと言うだけの男だ!」

 

ミゲルは早速ワンツー攻撃を仕掛ける

 

「一発目は防げても二発目はどうかな?」

 

「うっ?!」

 

「すげぇなお前!体幹が並のやつ以上だ!!」

 

キラは二発目を受けるも後ろに下がる事で威力を減らしすぐに攻撃態勢に入る

 

「はあッ!」

 

「早さはそこそこって感じか?初めてにしちゃ上出来だぜ!」

 

「くっ!」

 

(やっぱり避けられる…!威力を多少犠牲にしてでも当てることを重視する!)

 

「お?さっきより早くなったかぁ?」

 

(たしかにさっきよりは当たる!けどあまり効果がないのか?)

 

「威力はお話にならないな!まぁジャブとしてならなきにしもあらずってとこだな」

 

「まだまだぁ!」

 

「流石にずっとは食らわないぜ?」

 

ミゲルはキラからの拳を躱し反撃する

キラのアゴにグローブがかすりキラはふらふらとしだす

 

「がっ?!」

 

 

 

フレイはなぜキラがふらついているのかわからない

 

「なんで?!キラは顔にパンチを貰ったわけじゃないのに!」

 

「ん?君は知らないのか?」

 

「ク、クルーゼさん…」

 

「そんなに私が怖いかね?」

 

「あっ…いえ、えと……」

 

「教えておくと、格闘技においてアゴへの攻撃というのは有効打になることが多いんだ」

 

「どうして?」

 

「顎先に攻撃を貰うとテコの原理で脳が揺らぐ、すると食らった方は軽い脳震盪状態になるんだ」

 

「へぇ…それでキラがあんなに……」

 

「君もボクシングに興味が湧いてきたかね?」

 

「まぁ…何も知らない時よりかは……それに友達もやってるので」

 

「興味を持つことはいい事だ、こんど友人にでも聞いてみなさい」

 

「は、はい」

 

 

 

その頃リング上ではキラが苦戦していた

 

(くっ!これが本で読んだ脳震盪…視界がぐらついて上手く敵が見えない!)

 

「そら落ちろ!」

 

ミゲルのストレートが右頬へとヒットし倒れるキラ

 

「ぐぁ!」

 

「ダウン!ワン!ツー!スリー!」

 

(よ、よし…!少しずつ平衡感覚が戻ってきた!)

 

「まだ立つか、根性あるなぁお前!」

 

「自分で挑発しておいて1ラウンド落ちは嫌ですからね…!」

 

 

 

カンカーン!

ここで1ラウンド目が終わりインターバルが挟まる

 

「はいキラ、お水」

 

「フレイ?どうして…」

 

「ミリアリアはトールの所行っちゃったから」

 

「ありがとう」

 

「いいのよ、別に」

 

キラは水を飲みながら考える

 

(顎先への打撃は効果的…ただ狙うには相手選手のガードを剥がさないといけない、そのためには強い攻撃をして突破口を開くしかない…でもすると拳が大振りになって避けられるリスクが……)

 

「どうなの?勝てそう?」

 

「え?あっ…まぁ確率は低いね、でもゼロじゃないよ」

 

「そう…頑張ってね」

 

「うん」

 

 

 

 

 

ザフト高校ではミゲルが笑みを浮かべていた

 

「やっぱあいつセンスあるぜ?」

 

「キラは…面倒臭がりなだけで多才なんです」

 

「アスランのお墨付きですね」

 

「ふん、あんなひょろひょろの身体のやつが?センスだけでやってけるほどボクシングは甘くない」

 

「俺もそこはイザークに賛成だぜ〜」

 

「流石に俺が勝たせてもらうぜ」

 

「そこはミゲルを信頼してるからな」

 

「よし!そろそろ時間だ、行くぜ!!」

 

 

カーンと2ラウンドが始まる

 

(今の僕には具体的な攻撃手段が少ない…模索しながら闘うしかない!)

 

「考え事しながらで戦えるのか?」

 

「あっ…!」

 

「オラオラオラァ!」

 

「ぐっ!」

 

キラはミゲルからの拳を何とかして防ぐもよろける

 

「お?流石にこの威力で殴ればよろけるか」

 

「まだ負けれない!」

 

キラはすぐにバックステップし距離をとるそして大振りの拳を振る

 

「はあッ!」

 

「大振りは隙の元だぜ!」

 

「これなら!」

 

「フェイント?!」

 

大振りすると見せかけてのフェイント

 

(フェイントの時はなるべく相手の注意を引きつける!そして出来た穴を…突くッ!!)

 

そこでようやくまともな攻撃が入る

 

「ぐおッ!?」

 

「まだまだァ!」

 

更に攻撃を畳み掛ける、軽い拳を放ったあとのワンツー攻撃

 

「がっ?!くっそぉ!」

 

「これで!」

 

キラの渾身のストレートを放つ

 

「うがっ!」

 

「ダウン!ワン!ツー!」

 

ミゲルはダウンするもすぐに立ち上がる

 

「なんだぁ?さっきと随分動きが違うな…!」

 

「さっきの一戦で学んだんですよ」

 

「つくづく…センスがあるねぇ!」

 

今度はミゲルが攻勢にまわる

ミゲルが得意とするフリッカージャブで相手の集中を乱す

 

「そらぁ!」

 

「くっ!」

 

(まずい!このままだと押し切られる!)

 

 

ミゲルはストレート放つ

しかし、ただのストレートではない『レーザーストレート』ミゲルの技の中でも最も強力な技でありこれはコークスクリューブローをミゲルが独自に改造した技である

 

「?!ガードが…!」

 

「もらったァ!!」

 

キラはわざと軸をずらし当たる場所を変える

 

「がぁッ?!」

 

「当たる場所をずらした?!そんなのいつ覚えたんだよ」

 

 

 

カンカーン

2ラウンド目が終了する

しかしダメージの差が全く違う上にキラは肩に拳を食らったことで左側の肩がうまく上がらなくなっている

 

「キラ!」

 

「ごめんフレイ、氷をちょうだい」

 

「はいこれ」

 

キラは肩を冷やしながら考える

 

(さっきの技…2度目を食らうと確定でKOされる……なにか突破口はないのか?)

 

「キラ、お水は?」

 

「ありがとう、貰うよ」

 

「キラ!そろそろ時間だぜ」

 

ムウがキラに声をかける

 

「分かりました、行ってくるね」

 

「キラ……」

 

 

 

 

ミゲルとの闘いに苦戦するキラ

キラは勝利の糸口を見つけることが出来るのか?!

次回『突破口』

その拳に勝利を掴め!




いかがだしたか?
長くなりそうだったので前後編に分けようと思います
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