リングへと上がるキラ
(さっきのラウンドではフェイントが上手く刺さった…今回も出来るか?いやさっきは意識外だったから出来たんだ…意識外…?!これだ!)
「レディ、ファイ!!」
速攻を仕掛けるミゲル
「さっきの攻撃を受け流せたのは良かったぜ、だがそれじゃあ上手くバランスが取れないだろ!」
「ぐっ!確かにバランスは取れないけど僕は諦めない!」
キラはガードよりも躱すことを優先する
「まぁガードはリスクあるよなぁ!」
「はあッ!」
「バランスが悪いからどうしても大振りになっちまうよな!」
キラは前ラウンドで左肩を強打されておりそれを庇う形でパンチをするためどうしても重心が右によってしまうのだ
「それじゃあ軌道が丸わかりだ!」
「がァ?!」
ミゲルはキラの右ストレートを躱しワンツーを決める
「はぁ…!はぁ……!」
「お前本当にタフだな」
「負けられないんです!みんなと…約束したから!」
「他人のために闘うか…それも悪くは無いんだろうけどね!」
カンカーン
キラはその後も最低限のダメージでラウンド3を乗り切る
(よし…これで今の僕には左手が使えないということをすりこんだ!後は相手の攻撃を誘ってのカウンターを狙う、ようやく…勝利への糸口が掴めてきた!)
「キラ!早くお水飲んで!」
「え?フレイどうしたの?」
「あんた自分で気づいてないの?!口から血が出てるのよ?!」
キラはさっきのワンツー攻撃で口の中を切っていた
「ほ、本当だ……」
「ねぇキラ!もうやめましょうよ!これ以上傷ついたって勝てっこない!」
「ううん、それはできない」
「なんで?!」
「トールやみんなに…約束したから」
「約束…?」
「うん、全力でやるって…それにまだ僕には手がある」
「そんなの通用するかもわかんないじゃない!」
「それでも僕は今やれる全てを出し切る」
「キラ…」
「ごめん、もう行くよ」
「あんた…バカよ……」
ミゲルはジャブを放ちながらレーザーストレートを打つ隙を伺う
(やっぱりミゲルさんの決め手はさっきのストレート!少し危険な賭けだけどやるしかない!)
「おいおい、集中力が切れてきたか?動きが雑になってきてるぜ!」
「うわっ?!」
「もらったァ!!」
「!」
(来た!隙を見せれば必ず打ってくる!)
「ここだァ!!!」
「なに?!」
「はああああ!!」
キラは左肩を庇いながら打てる最高の一撃を模索した…その中で唯一半身を隠すことができ、そして尚且つ強力な一撃を放てる技それは……フックである!
「ぐぁぁあ!」
「これで決める!!」
キラは今まで温存していた左腕を使いアッパーする
「がはっ!!」
「ダウン!ワン!ツー!スリー!フォー!ファイブ!シックス!」
ザフト高校のメンツは驚愕していた
「ミゲルーッ!!」
「そんな?!ミゲルさんが!」
「おいおい、まじかよ」
「どういう事だアスラン!あいつは初心者じゃないのか!」
「いや…キラは俺といた時は何もしてなかったはずだ……」
「でもあの身体付きは鍛えているようには見えませんでしたよ」
「一体…どうなっているんだ……!!」
その頃ミゲルは倒れながら混乱していた
(どういう事だ?なんで俺が倒れてる…か、身体が動かない……!)
「セブン!エイト!ナイン!テン!10カウント!勝者キラ・ヤマト!!」
「や、やった!」
歓声が部室中に轟く
「すげーぞアイツ!ザフト高校に勝っちまったぞ!!」
「信じられねぇよ!」
「俺ら今伝説を見てるんだ!」
観客が口々に感想を述べる中キラはミゲルを起こしていた
「大丈夫ですか?」
「はっはっは!お前すげぇな!まさか俺に勝っちまうとはよ!」
「いえ、たまたま作戦が……」
「馬鹿野郎、相手選手の賛美はちゃんと受け取るもんなんだよ」
「あ、ありがとう…ございます」
「よし、それでいい!」
ミゲルはリングを降りるとイザークに詰め寄られていた
「貴様!何を負けているんだ!!」
「いやぁ悪い悪い」
「何をヘラヘラしている!貴様、ザフト高校の顔に泥を塗ったも同然なんだぞ!」
「落ち着けよイザーク、にしてもあいつボクシングをやるのは初めてなんだろ?すげぇ才能じゃねぇか」
「それは僕も同意します 彼、きっとすごい選手になりますよ」
「……」
キラの方はムウとフレイに抱きつかれていた
「キラ!アンタ凄いじゃない!」
「よくやったぞ〜!キラ!」
「ありがとうございます!」
「ほんと、よく頑張ってたわ」
「にしてもすごいな、あの土壇場だ『ブーメランフック』が打てるなんてよ」
「ブーメランフック?」
フレイがムウに尋ねる
「ああ、通常のフックっていうのは横向きに打って横から頭を揺らすっていう技なんだがブーメランフックっていうのは下から抉りとるように放つ技なんだ」
「へぇ!そんなすごい技をキラが…」
「どうだキラ、お前選手にならないか?」
「いえ、僕は選手にはなりませんよ」
「そうなの?」
「もったいねぇな〜こんなに才能があるのに」
「僕は人を傷つけたくありませんから」
「キラくん」
不意にキラへ声がかかる
「クルーゼさん!」
「キラくん、ザフト高校に入ってみないかい?」
「え?!」
「おいクルーゼ、どういう事だ!」
「君に話していないぞムウ」
クルーゼはキラへと向き直る
「君の才能はこんなことろで腐らせていいものじゃない
もっと良い場所でより最先端のトレーニング器具を使って才能を伸ばすべきだ」
「そ、そんな…でも僕は!」
「アスランくんも君を推薦してくれるそうだ」
「アスランが?!」
「赤服からの推薦はほぼほぼの確率で赤服になれる どうだい?君もザフト高校で新たに才能を開花させないか?」
「ダメ!」
クルーゼの言葉をフレイが遮る
「キラをあんたの好き勝手にさせないから!」
「ふむ、君はボクシングについての興味はもともとなかったのだろう?そんな君がなぜキラくんを気にかけるのかな?」
「そ、それは……」
「キラくん、これは私の名刺だ」
クルーゼは胸元から名刺を取りだしキラへと渡す
「もし興味があるなら連絡をくれたまえ、よき返事を期待しているよ」
クルーゼはザフト高校のメンバーを連れて部室をでようとする
「あ!そうだキラ!」
ミゲルが携帯をもってキラの元へと行く
「連絡先、交換してないだろ」
「え?」
「これ、俺とアスランの連絡先な 何かあれば連絡してくれ」
「いいんですか?」
「せっかく再会できたのにまた音信不通は嫌だろ?」
「そうですね」
キラはニコリと笑う
「俺の連絡先はついでだ、せっかく逸材を見つけたんだ逃すのは損ってもんだ」
「は、はぁ……」
「暇な時なら練習相手にもなってやるからな、トールってやつにも言ってやってくれ」
「おいミゲル!なにをやってる!!早く来い!」
「うは〜イザークのやつそんな怒らんでも…」
ミゲルは走ってイザークの元へと行く
「あの、ミゲルさん!今日はありがとうございました!!」
ミゲルは後ろ姿で手を振って出ていった
「キラ…ザフト高校の件……どうするの?」
「もう少し考えてみるよ」
「ねぇキラ」
「ん?」
「私…ボクシング部に入る!」
「ええ?!」
キラはクルーゼよりザフトへの推薦状を貰う
果たしてキラはどのような選択をするのか?フレイの入部の行方は?
次回『選択』
その拳で勝利を掴め!!!
いかがでしたか?
ブーメランフック…懐かしいですね
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