「強化合宿?」
ムウから突然と言われた言葉にボクシング部のメンバーは疑問符を浮かべる
「そうだ、俺たちは非公式戦とはいえあのザフト高校に勝利している。だからこちらにもお誘いが来たって訳だ」
「へぇ〜!そりゃすげぇや!」
「ちなみにどこから声がかかったんですか?」
「う〜んそれがなぁ…ちょっと厄介なとこなんだ」
「厄介?」
「ああ、その合宿先は…『アルテミス』なんだ」
「アルテミス?」
「アルテミスって…傘の?」
「そうだ。あの傘のアルテミスだ」
アルテミスは地球連合が運営しているトレーニングジムである
ザフト高校までとは行かずとも今のヘリオポリスよりかは比較にならないほど良い器具が揃っている
しかし黒い噂も絶えず、時折強化合宿を開いては有望そうな選手を脅迫、買収、また引き抜いた選手を使っての八百長、賭博など中々にあくどいことをしている……と
未来ある選手を覆い隠してしまう事から皮肉を込めて傘のアルテミスと呼ぶ者も多い
「うへぇ〜絶対よくないじゃないですか」
「たしかにな〜所詮噂かも知れないけどSNSとかだと実際に被害にあったって書いてる人もいるみたいだし…」
「やっぱやめとくか?」
「そうですね…」ピロン
キラの携帯がなり画面を見るとミゲルからの連絡のようだ
「あれ?ミゲルさん?どうしたんだろう」
メールの内容はウチのチームのニコルがアルテミスでの強化合宿へ来ないかと連絡があったということ
「ザフト高校にも同じことを送ったらしいですよ」
「ザフト高校にも?」
「そのニコルさんは参加するのかな?」
「返信したら?」
「そうだねしてみるよ」
キラがニコルは参加するのか?という旨の返信をするとすぐに返事が返ってきた
「ザフト高校は参加するみたいです」
「ええ〜?こんな胡散臭そうな所に?」
「う〜ん逆に胡散臭そうだからじゃないか?」
ムウがそう告げる
「なんで?胡散臭そうなんだからあまり近寄らない方が良いんじゃ……」
「まぁもしアルテミスが実際に噂通りのことをしてるのなら告発すればいいし逆にしてなければ安心して合宿に参加できるんだからな」
「なるほど…」
「その黒い噂?とやらが流れてるうちは滅多なことがない限りは参加校も少ないだろうしある程度独占できるって訳だ」
「それじゃあ!もし噂が嘘なら最新鋭のトレーニング器具が俺たちで使えるかもってことですか?!」
「そういう事だな」
「うわぁ〜!それは得かもしれない!この話受けてみようよ!」
「トールはこう言ってるけどキラとカズイは?」
「僕は構わないけど…カズイは?」
「ふ、2人がそう言うなら……」
「じゃあ一応参加の旨を伝えておくぜ?合宿自体は2週間後だ。それまでに準備しておけよ?」
「「「「「はーい」」」」」
「じゃあミゲルさんにも言っとくよ」
ザフト高校 ボクシング部の部室
「お!キラ達もアルテミスの強化合宿参加するってよ!」
「キラが?!」
「へぇ…クルーゼ先生!人数指定ってありました?」
「いや、なかったはずだ。君も参加したいのかね?ディアッカくん」
「ああ、ミゲルだけだろ?あいつと闘えたの」
「そうだな」
「俺も闘ってみたいんだよ。あの才能マンと」
「いいだろう。ではこちらからはニコルとディアッカを参加させると連絡しておくぞ」
そう言ってクルーゼは部室を出ていった
「よかったんですか?」
ニコルがアスランに対して問いかける
「……なにがだ?」
「アスランとキラくんは幼馴染なんですよね?なら一緒に参加した方が……」
「いや、良いんだ。キラと会うのはリングの上だけで良い」
「何をカッコつけているんだ貴様」
合宿当日
「意外に遠いのな」
「5日間の服持ってくからバッグが重くてキツいよ…」
「そう言うなよカズイ。これも体力作りだと思えば軽いだろ?」
「あはは…意外とトールは脳筋だよね」
「あれ?ヘリオポリスの方々ですか?」
3人が話していると後ろから声がかかる
「あ、もしかしてザフト高校のニコルさん?」
「そうです!もしかしてキラくんですか?」
「うん、5日間よろしくね」
「ええ、こちらもよろしくお願いします」
「おーいニコル〜」
褐色肌に金髪、そしてノンスリーブの服を着た青年が近づいてくる
「あの人は?」
「ディアッカくんですよ」
「ディアッカっていうとワンパンKOの?」
「トールくんはご存知のようですね」
「まぁ大会で一撃KOを出してるんだから嫌でも耳に入る」
「お、なになに?俺の話?」
「そうですよ。兎に角今回はライバルとしてもありますけどなにより、同じ合宿を受ける仲間として頑張っていきましょう」
「「「「オーッ!」」」」
アルテミス ロビー
「ヘリオポリス学園ならびにザフト高校の選手の皆様、遠路はるばるお越しくださり誠にありがとうございます。私アルテミスの管理人を務めています、ジェラルド・ガルシアと申します。以後よろしくお願いします」
「「「「「よろしくお願いします!」」」」」
「では早速寮の方へ行ってもらおうかと思います。荷物をずっと持っているのは辛いでしょう」
合宿メンバーは荷物を持ち寮へと案内される
「基本的には一部屋につき4人入れるのですが今回は4人だけですので1人一部屋でも構いません」
「じゃ、俺は一人部屋にさせてもらうぜ」
ディアッカは早々と奥の部屋へ入っていった
「ぼ、僕も1人がいいな…あまり人に自分の物を見せたくないし……」
「カズイもかぁ…じゃあみんな一人一部屋にするか」
「そうですね、1人で集中したい時もあると思いますし」
結局1人一部屋で使うことになりキラも自分の部屋に入って荷物を整理しているとふと疑問に思う
「あれ?そういえばマネージャーやセコンドとかはどうなるんだろう…一応普段やってるトレーニングメニューもあるし……みんなに聞いてみようかな」
キラは部屋を出てまずはトールの部屋へ向かう
「トール?」
「どうしたんだ?キラ」
「フレイ達って今回参加するのかな?」
「さぁ?でも参加するんじゃないか?」
「ニコルくんにも聞いてみようかな」
「俺も気になるし着いてくぜ」
ニコルの部屋をノックする
「ニコルくん、聞きたいことがあるんだけど」
扉が開きニコルが顔を覗かざる
「どうしたんですか?」
「ニコルくんの所のマネージャーやセコンドって今回の合宿に参加するの?」
「一応参加しますよ、ただし2日目からですがね」
「ありがとう、助かったよ」
「じゃあミリィにも会えるかな」
「多分ね」
『ヘリオポリス学園とザフト高校の皆様、一度ロビーへとお集まりください』
「だってよ、行くか」
「そうだね」
「僕はディアッカくんに声をかけてから行きますので」
「カズイにも知らせとくか」
「そうだね、もしかしたら部屋のスピーカーが壊れてるかもしれないし」
そう言ってニコルとは別れカズイの部屋へと行く
「カズイ〜!ロビーに集まれだってさ〜先行ってるぞ〜!」
「わかった〜」
部屋から返事があったためキラとトールはロビーへと続く階段を降りる
「あ、ガルシアさんだ」
「おや、ヘリオポリス学園の選手ですな?」
「「はい!」」
「これからトレーニングルームへと案内しますので暫しお待ちください」
「遂にか〜!楽しみだなぁ!」
「そうだね」
他のメンバーも降りてきたことで移動を開始する
「一体どんな設備なんだろうな〜」
「意外にボロかったりしてな」
「失礼ですよ、ディアッカくん」
「冗談だよ」
そんな軽口を言っていると到着する
「こちらがトレーニングルームです」
扉を開けるとそこには様々な器具は置いてあった
サンドバッグにパンチングボール、ウォールターゲット 他にも縄跳びにダンベルと腹筋マシーン、そして他にも筋トレ器具がずらりと並んでおり真ん中にはリングが設置してある
「お〜、こりゃすげぇな」
「凄いぞキラ!カズイ!」
「うちには無い器具ばかりだね」
「これを5日間自由に使えるとは…素晴らしいですね」
「お褒めに預かり光栄です。ここは自由に使うことが出来ますのでいつでもご使用ください」
「分かりました」
「ただし、リングを扱う際は私に一言声をかけてくれると助かります。以前ここでトラブルが起きた際対応が遅れ怪我をされた方がいらっしゃりましたので」
「「「「「分かりました!」」」」」
「では、ごゆっくり」
そう言ってがガルシアは部屋を去っていった
いかがでしたか?
またも前後編に分けさせてもらいます
ちなみになんですがこの世界の地球連合は原作の様な軍ではなくあくまでもスポーツの世界の委員会的なものです。こっちでいう国際競技連盟のメンバーみたいなものです