「これより、実施訓練を開始する。オルコットと凰の二人は前に出ろ。」
場所は第二アリーナ、そこで俺のいる1組は2組と合同でISを乗りこなす為の実施訓練が始まろうとしていた
因みに俺の事は織斑先生に話を付けているからまだ只のセカンドイレギュラーとしているよ。と言っても近いうちに自分からネタばらしするけどね
「わたくし、こういう事はあまり好きではないのですが」
「ふあ〜…」
そして二人は気が乗らない様子、鈴に至っては欠伸をしている
「ほう、私の前であくびとは…随分と余裕があるな?凰」
「はっ!?」
バシンッ!!
「〜〜〜〜〜〜ッ!!」
出席簿をくらい、その場でしばらく転がる鈴…
しかし1分も経たないうちに再び立ち上がり、気の引き締まった目つきになる
「気は引き締まったか?」
「はい、先程はすみませんでした」
「よろしい、では今から模擬戦を開始する
凰とオルコットはそのままタッグを組め、相手はーーー」
と言いかけた所で千冬は空を見上げ、俺も生徒達もそれに釣られて見上げた。すると…
『うわあああ!ど、どいてくださーーーーーーい!!!』
物凄いスピードで『ラファール・リヴァイヴ』を身に纏った山田先生が急降下してくるのがわかる……って
「避けろ!一夏!」
「へ?」
警告するも時既に遅く、一夏は動作もできずにそのまま山田先生と衝突した
「「「一夏(さん)!?」」」
俺やラウラを除いたこの場にいる生徒全員が驚愕する
そして当人(一夏)はというとーーーーー
「あ、あのう…織斑くん……ひゃんっ!?」
ーーーーー山田先生のソルディオスを鷲掴みにしていた
「なるほど、ラッキースケベか」
「ちょっ、違っーーー」
バシュンッ!
ズガァンッ!
瞬間、一夏の左右を二つの何かが通り過ぎる
「オホホ、外してしまいましたわ」
一つはセシリアが持つ『ブルー・ティアーズ』のスターライトmk.Ⅲ
「あんたはアタシを怒らせた…」
そしてもう一つは鈴音の持つ『甲龍』の衝撃砲によるものだ
「はぁ、まったく血の気の多い…凰、オルコット!」
どうしてこうなったと言わんばかりに千冬は思わず頭を抱え、二人を呼び止める
「お前達の相手は山田先生が務める。ちょうど良い機会だ、甘く見ればどうなるかを体験すると良い」
「「…………。」」
数秒の無音…そして二人は真耶を睨み、高々く飛び上がった
「では…行きます」
続いて真耶も飛び上がり、定位置に着いて対面するような形となる
「2対1…なんだか罪悪感を感じますわね」
「油断しないの、織斑先生が言ってたでしょ?」
『全員準備は良いな?これより模擬戦を開始する』
そして千冬の合図によって試合は開始された
ーーーーーーーーーーーー
「デュノア、山田先生が使っているISの解説をしろ」
「あっはい…山田先生が使用されている機体はデュノア社の代表とする『ラファール・リヴァイヴ』です。第二世代最後期の産物ですが、そのスペックは初期の第三世代型にも引けを取らないもので安定した性能と高い汎用性、そしてもっとも豊富な後付武装(イコライザ)が特徴のISです」
「あぁそこまでで良い、…そろそろ決まる頃だ」
キリの良いところで説明を止めた千冬は上空で戦闘を行っている三人を見つめる
ーーーーーーーーーーーー
「……ッ!当ててくるの!?」
「隙が無い…まさか背中に目が付いてるわけじゃありませんよね…!?」
「……。」ニヤッ
アサルトライフルで弾幕を張る真耶は回避し続ける二人を見て静かに笑みを浮かべ、グレネードを展開する
そしてそれが何を意味するのかを気付いていない二人は…
ガツンッ!!
「ちょっと鈴さん!?」
「ッ!誘い込まれた!?」
お互い背中合わせになり、一塊になる。それは真耶は見逃す筈もなく
「終わりです!」
あらかじめ展開したグレネードを二人に投げつけた
ドガァァァァンッ!!
凄まじい轟音と共に二人は一夏の前に落下する
「セシリア!鈴!!」
「痛っつつ…完敗ね、さすがにこれは大恥だわ」
「うぅ、全く歯が立ちませんでしたわ…」
「当たり前だ、山田先生はこれでも日本の代表候補生だったからな。」
「せ、先輩!?煽て過ぎですよ!それに結局私は代表候補止まりでしたし!!」
そして千冬によるネタばらしで二人は『納得…』と言って改めて自分の実力を見直した
ーーーーーーーーーーーー
その後…ISを用いての歩行訓練が開始され、生徒は番号順にそれぞれのグループに分かれる事になる
「・・で、俺が一夏と同じ班か」
「番号順だから仕方ないだろ?」
「まぁそうなんだがな・・あ、俺は最後でいいぞ」
「そうか」
愚痴り混じりな会話を切り上げ、一夏はグループメンバーの一人である相川さんのサポートに回る
「………。」チラッ
そこで俺はふと箒に視線を向けると……
「…………………。」
絶☆賛ご立腹のようです。しかもめっちゃぐぬぬ顔(笑)
「りおりお〜」
そうニヤついていると一組のマスコットこと布仏本音ちゃんが話し掛けてきた
※俺の事は楯無を通して理解済み
「りおりお?…あぁ、俺のことか」
「そうだよ〜、莉音だからりおりおなのだ〜」
「…そーなのかー」
「それとりおりお、次は君の番だよ」
「ん、そうか………ゑ?」
俺の番?俺は最後のはずだが…
「…マジで?」
とりあえず一夏に聞いてみる
「あぁ、あとは莉音だけだぜ」
バカなっ!?早すぎる!!……とまぁ、ふざけるのはここまでにしよう(後ろにいる剣姫が恐いし)
「……って おい、何でIS(打鉄)を立たせたままなんだ?」
「あー、その…流れるままにしてたら」
「やったね、りおりお!お姫様だっこされるよ!」
「おいやめろ」
野郎が野郎にお姫様だっこされるとか誰得?
「織斑くんが如月くんをお姫様だっこ!?」
「これをきっかけに二人は禁断の…!」
「如月くんは容姿的にも問題ない!いける!」
「薄い本が厚くなるわね!!」
あっ………(察し)
「えっと…抱くか?」
「俺はノーマルだ、ホモ野郎……面倒くせぇからしゃがめ」
「?あぁ………ぐぇっ!?」
俺はしゃがんでくれた一夏の背中に足を乗せ(踏んづけ)て打鉄に乗り込み、各システムのチェックをする
そして一夏を目的地として歩行を始めるが…
「………ん?」
歩行の途中で俺は打鉄の右足に違和感を感じた
「どうしたんだ?莉音」
「なに、少し歩きづらいだけだ」
とりあえずこの場ははぐらかして、あとで報告する事にしよう。幸い俺が最後だからな
ーーーーーーーーーーーーーー
「なに?打鉄の右足に不具合だと?」
今日の授業が終わって放課後となり、俺は職員室から千冬さんを呼んで廊下にて今回の件を伝えた
「えぇ。そこでと言ってはなんですが、その機体をしばらくの間貸してくれませんか?」
「…理由を聞こうか」
「此処に来る前にお話しした通り、今の俺はリンクスではなく只のイレギュラーとして居るんです。なので相棒をそうホイホイと使う訳にはいかないんですよ」
「代わり…か。わかった、あとで整備士に伝えておく。明日の放課後には渡せるだろう」
「ありがとうございます。では、これで」
こうして千冬さんと別れて俺は寮に向かう…そこでふと俺のケータイが鳴った。一夏からだ
『莉音』
「どうした?一夏」
『すまん、早急に俺の部屋に来てくれ』
どうやら俺に降りかかる面倒事はまだ終わってはいないらしい