消失!タップダンスシチー海賊団   作:アテル

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前回のあらすじ

謎の戦闘機、コンテナ船。遺跡のようにただそこに転がるそれらを探索する俺たち。この空間への答えが眠っている確信と、どんな魔物が潜んでいるか予想もできない恐怖を抱きながら俺は…船内の探索に行く


Drop down~夢の世界へ~

 トレーナーに置いてかれちゃった…。まったく…すぐ一人で背負うんだから…。ま、だからタップとお似合いなんだけどさ。

 

「にしても…トレーナーも意外とこういうの好きなんだな~。ほっ、はっ!」

 

 トレーナーに渡されたナイフを、記憶の中にあるアクション映画の真似して振ってみる。意外と様になって気分がいい。そしてナイフの刃の部分回転させると他の機能が出てきた。のこぎり、ドライバー、これは…なんだろ?なんか引っかける返しがついてるやつ。

 これは…確かに男の子が好きそうだ。色んな機能がある奴、確かにカッコいい。

 

「そろそろちゃんと調査しないと怒られちゃうよね」

 

 ナイフを堪能するのもそこそこに、乱雑に広げられたコンテナ群の調査を始めた。ここに来るのに相当振り回されたのか、あちこちにコンテナが飛び散ったりぶつけられたりしていくつかコンテナの形が歪んでしまっているのもあった。

 とりあえず適当な一つを選びコンテナの中に入っていく。

 

「中身は入ったまんまなんだ~」

 

 コンテナが頑丈なお陰か中の荷物はしっかり入っていた。一つの木箱に目をつけ、箱の中に手を入れる。硬い。なめらかで硬く、そして冷たい。金属だろうか。しかしカチャカチャという音もする。メカニックな何か、そう予感させる音だった。

 少し背伸びして手を入れているせいで取り出さないと何が入っているかわからない。手先に感覚を集中させながら取り出してみるとそれは随分立派で武骨なものだった。まさに銃。コンテナの外から来る光を反射し鈍く光る銃だった。 

 

「えっこれ本物?!いやいや日本だしおもちゃ?ええ?!」

 

 出てきたのは拳銃。それもリボルバーのようなタイプではなくオートマチックピストルだ。銀色の本体のみ、カートリッジに何か入っているわけではない。しかしそこには確かな重みがありヘアバンドが思わず跳ね上がる。

 恐る恐る銃の本体と恐らく球が入っているであろう物を回収しコンテナを後にする。背徳的な好奇心には抗えなかった。見れば見るほど魔性のキラメキを放つそれに、どこか心を奪われている気分だ。

 

「あとは…これ…お菓子?」

 

 別のコンテナに入るとそこには変わらず積まれた木箱の山が。丁度一つが山から崩れ落ち中身をぶちまけていたため拾って確認する。パッケージに大きく写されたポテトチップ、少し色がくすんでしまっているが本来の色は容易に想像できる。

 

「カラフル~。これ…外国のお菓子かな」

 

 パッケージの他の部分に着目するとアルファベットで書かれたポテチの名前や、ビビッドカラー(だっただろう)のキャラクターが印刷されていた。英語はからっきしなあーしだけど流石にこれくらいは読める。POTATO CHIPS、ポテチということだ。…それだけだ。

 パッケージを回しあちこち確認する。頭が痛くなりそうな英単語の羅列に思わず目を逸らしてしまう。

 

「とりあえず後でトレーナーさんに読んどいてもらお…」

 

 銃にポテチにナイフ、なんとも奇妙な組み合わせとなってしまった持ち物たち。あーしは今それらを裸で抱きかかえている。…すっごく持ちにくい。

 

「なんか袋とかないかな~」

 

 残り僅かな未探索のコンテナを覗く。例によって荷物が積み上げられていたのだが一つ、違う点があった。荷物を大きな白い布が覆っていたのだ。フックに紐で括り付け荷物が動かないようにするために使われた布、それを見た時ティンとひらめいた。

 そのひらめきに従いその布を回収する。手前のフックにかかった紐はすぐに取れたが、奥のフックに引っかかった布がどうしても取れない。力づくで引っ張りフックに括り付けられた紐を引きちぎるのを試み、無事成功した。十平方メートルはありそうな大きな布をコンテナの外で丁寧に折りたたんでいく。

 

「これをこうして…あ、コンテナの中身見とかなきゃね~」

 

 コンテナの中には大きな段ボールがたくさん積まれていた。両手で抱えなければ運べそうにないほど大きな段ボールがぎっしりと詰められていた。箱に大きな傷がなく相当ちゃんとした箱詰めされていたのが分かる。

 

「こりゃ運べそうにないかな~」

 

 コンテナの高さは3m弱、そのてっぺんまでぎっしりと箱が詰められている。手を伸ばして届く訳でもなく、踏み台になるものが近くにある訳でもない。段ボールの拝借は諦めて元居た場所へ戻る。

 布を丁寧に折り小さくしていく。そして、厚みのせいで苦戦しながらも風呂敷の要領でお菓子と銃を包み背負う。うん!これなら運びやすい。あーしやる~♪

 

 

______

 

 

 

 ヘアバンドと別れ船内を走り回る。時折ぐちゃぐちゃな部屋があったが大半は綺麗に整頓されていた。人が直したのだ。ぐちゃぐちゃになった後、誰かが直したのだ。人がいた証拠だ。

 地に足が着いたような安心感を抱き、すぐに船長室か航海士室を探し始める。日誌が今、欲しい。

 

「キャプテンズルーム!ここか!!」

 

 少し歪んだ英字の看板を見つけ部屋に突入する。所々穴が開いた壁が目立つが構わない。部屋の隅に丁寧に置かれている業務用の机があるのだから。

 乱暴に引き出しを漁る。海図や生物図鑑など様々な書物が出てくる中、三段目の引き出し、その一番上に目的のものは置かれていた。

 

「ダイアリー…これだ!」

 

 金色の文字でdiaryと書かれていた。いかにも高級品だ。赤と黒で彩られた重厚な冊子を広げ最新ページを探していく。ぺら、ぺらという音が徐々に乱雑に、速くなっていく。

 空白のページを見つけた。ここから先には何も書かれていない。数ページ分前に戻り、読んでいく。筆記体の英語でつづられた文章に目を通し読み解いていく。

 

「『10月23日。荒れてしまった船内の整理と修復を行った。幸いここや船員室はそこまで荒れていなかったが、調理室はとてもひどかった。陶器類はもう完全に使い物にならないようだ。何があったらこうなるんだ!』『10月24日。朝に探検へマイクとヘリーが向かっていったが返ってくることはなかった。無線も使い物にならない。今日も仕方がなくコンテナ内の食料をむさぼる。母の料理が恋しい』…もうここに来た後か。もう少し前から読みたいな」

 

 さらに数ページ遡る。

 

「『10月6日。フランスから航海が始まった。目的地はベトナム。正義のための荷物運搬だ。アフリカの方を回っていくのもやむを得ない。クリスマスまでには祖国に帰りたい』…欧州?」

 

 ベトナム?フランスからアフリカ経由でベトナム?その途中でここに来たのか…。なんの因果でここに呼び寄せられたのか全く掴めない。情報はこんなに転がっているのにどうしても繋がりが見えてこない。額の汗が一滴、日誌に垂れ落ちた。

 その後何日か読み進めた。が順調に航路を進んでいる。インドを超えもう少しでベトナム、そんな時に事件は起きた。

 

「『10月22日だろうか。ここはどこなんだ?船員もほとんどいなくなってしまった。積み荷もほとんどなくなっている。他の船とも連絡が付かない。近くの復讐者に行くも乗組員はいない。何の手がかりもない』…これはさっきの戦闘機か」

 

 この日に、ここに来たようだ。だろうか、というのは恐らく気絶していて正確な時間が分からないのだろう。計器類もダメになっていることが容易に想像できる。

 そういわれると俺も今の日付があっているか不安になってくる。丸一日…もっと気絶していた可能性も捨てきれないな。

 

「『10月23日』…で、ここで追いつく訳か」

 

 日誌の中に出てくるマイクとヘリーがどうにも今の俺たちに重なる。ヘンゼルとグレーテル式の迷子対策はしてきた。彼らの二の舞にならないことを願うが…胸の中には嫌な予感と不安がくすぶる。迷子で帰ってこれなくなった、それだけじゃない理由がある気がして仕方がない。

 この空間にはそう思わせる不気味さが、ある。

 

「『10月25日。次はサリーが消えた。アイツ…俺に勝手で船を抜け出しやがって…』…これで終わりか。このサリーの行方不明が何かのきっかけに?いや…予兆か?」

 

 日誌はこの日で途絶えていた。この日が船長最期の日…というという考えでいいだろう。俺はそっと手を合わせ日記を元に戻した。

 忽然と消えた船員たちの安否を悟った俺は、甲板で探索しているであろうヘアバンドの方へ走る。

 

 

______

 

 

 

 ナイフで切り裂いた白い壁から走って逃げること5分ほど、タップはようやくあたしを下ろした。ウマ娘、それもG1級の我が船長の足はとんでもな速さで、タップの視力では向こうに小さくあたしらの船が見えるとこまで来ていた。タップの視力には流石に劣るので、あたしは視認できないけど。

 

「ありがとね」

「NO Problem.ふぅ…」

 

 息を整えたタップと歩き出す。もう少しで帰れる。そう思うと足取りが軽くなっていく気がする。そういえば、ふと思い出したようにタップに質問した。

 

「タップ、結局さっき何が見えたの?」

「『空』さ」

「空?」

 

 空って、あの青い?言葉からイメージを膨らませていると、タップが言っている意味がようやく分かった。確かにトレーナーさんの言うとおりだ。

 

「じゃ、あたしたちって本当に富士山より高いとこ来たってこと?!」

「多分そういうことさ。海だけじゃなく空まで冒険するなんて、アタシたちもすごい海賊団になっちまたなぁ!」

「これが空島編かぁ~」

 

 顔を豪快に抑えながらタップがバカ笑いする。そんな様子を見てるとなんだかあたしも楽しくなってきた。昔父さんから借りて読んだ有名漫画を思い出してしまった。あれは黄金があったけど、ここにはあるのだろうか。…欲しいかも。黄金をゲットしたら何を買おうか。ブランドバッグを持ってみたいしもっとかわいい服も着てみたい。それとも彼と豪華なデート?ロマンティック~。

 

「ん?」

 

 その時、足元から背後から白い靄のようなものが立ち込めてきた。

 

「くっなんだよこれ…」

「タップ~!助けて~!!」

「アタシだって今…余裕が…っ!」

 

 怖がり足がすくんでいると靄はあたしの体を這い上るように上ってくる。たちまち全身すっぽり覆われてしまった。タップも同じように全身包まれてしまってもう見えない。

 

「くそっ!なんだこれ…」

 

 向こうで叫び声だけが聞こえる。あたしも声を出さなきゃ。そう必死に思っても体が言うことを聞かない。のども腕も足も…頭も。瞬時に意識が薄れていく。抵抗するまもなく、白い靄の視界は黒く染まった。

 

「ツインテ!ツインテ!」

 

 

______

 

 

 

 甲板に向かっている途中、ふと窓に目をやると違和感を感じた。白い。いや、元々白いのだが白さが迫っている。窓が曇っていっているのだ。何かが、来ている。その何か、全容どころか概要さえつかめていないが何か思い当たる節があった。この船の船員が忽然と消えた原因、それだろうと。

 鬼が出るか蛇が出るか…こんなトンデモ事象ならそれすら生ぬるいかもな。立ち止まり窓を眺める。白い何か、靄か雲か、ふわふわもくもくしたそれは真っすぐこっちに向かっている。…意思がある。雪崩のような光景から明確な『意』を感じ取った。

 

「早く向かってやらなきゃ」

 

 決意を胸にヘアバンドの方へ走っていく。…行こうとした。目の前から靄が立ちこんでくる。あの方向は甲板がある。ヘアバンドはもう飲み込まれてしまったのだろうか。…行かなきゃ。

 めげずに靄の中へ突っ込む。極力靄を吸わないように自然と鼻と口を右腕で塞ぎながら。見えない。先が見えない。左腕の感覚を頼りに進む。濃い靄を誤って吸っては咳で吐き出して、ドアノブに思わず触れては誤って開いてバランスを崩して。

 それでも結局靄全部は遮断できなくて、俺は強烈な眠気に襲われていた。

 

「くっそ…これ質わりぃ…眠気でどうにかしようかってのかよ」

 

 寝たら終わり。本能的に悟って必死で眠気と戦う。足取りが重い。でも目だけはギンギンに開かせる。それこそ痛い位に。一歩また一歩足を進めていくと甲板への出入り口に着いた。その時ふと見えた。武骨で機械的な顔を覆う装備、ガスマスクが乱雑に投げ捨てられているのが。

 

「これ…」

 

 時を超えた贈り物。それを掴み取ろうと腕を伸ばした時限界が来た。手は、体は乱暴に床に叩きつけられた。




いい加減投稿ペースを上げたい

プロパガンダを込めるつもりはないけどやたらそっち系の内容に走ってく…。どうして…


ツインテちゃんはシニア正月イベで好きな子いるのが明言されてるから今回はもう恋が成就してる想定で書いてます(オタク特有の早口)。ツインテちゃん彼氏とタプトレが仲良くしてるとか妄想しちゃう
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