警視庁捜査一課 窓際部署の事件簿   作:神楽 舞

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邂逅

 結局、現場行くしかないから来たけど。

 

(しっかしまあ…ここまで都合良く行かないもんかねえ)

 

 現場に倒れている仏さんの前で手を合わせつい、ため息を漏らしてしまった。

 どう考えても普通の死に方じゃないもんなコレ。

 未詳の案件確定だ。

 

「?なんすか」

「何でもない、それで?被害者の身元は」

「まだ聴いてないです、捜査一課の人間が担当なんですが普段出てこない奴らが出てきたって少し警戒されてますね」

 

(だからチラチラこっち見てきてるのか、おー!目暮警部に高木くんだ!確か…巡査部長だったか。仲良くはしたいけどこっちも仕事だしなあ、近すぎても色々巻き込まれそうだし程々にしないと)

 

「一課の方ですよね、警視庁刑事部捜査一課未詳事件特別対策係、警部の西島です」

「同じく警部補の戸田です」

 

 身分証の名前決めるのは結構楽しかったな、俺は前世から憧れの人の苗字にしたし。当麻はほら…ね?これしかないじゃん。

 

「警視庁刑事部捜査一課強行犯捜査三係、警部の目暮だ」

「お、同じく巡査部長の高木です!」

 

 ははぁ高木くんは緊張してる、慣れてないね

 

「あーー本件を引継ぎに来た訳では無いので仲良くいきましょうよ。ひとまず、我々の目的は現場検証の立ち合い、調査です。よろしければ判明している情報の共有をお願いしたいのですが如何でしょうか」

 

(こうやって見ると結構ガタイ良いんだな目暮警部。奥さんも美人だし人生勝ち組だよなあ…羨ましい)

 

「うーむ聞かん部署だな?未詳と言ったか、起きたばかりの本件に詳細もないだろうに……まあいいだろう。高木くん、説明頼むよ」

「はい!ええっと本日18時から政治家、山本伸弘さんの当選記念パーティーが開催予定だったんですが隣接しているビルの間にある路地に遺体が遺棄されているのを会場担当のスタッフが発見、通報。という形です」

「身元は?」

「現在確認中です。お二人とも既に確認されたとは思いますが、遺体がミイラ状になってまして外見での判断は難しいそうで。DNA鑑定にまわしているので早ければもうすぐ結果が出るはずです」

 

 今回は随分と大人しいな当麻のやつ。

 

(ーー 訂正、そうでもないわ。後ろでそわそわするな、聞きたいことがあるなら直接聞けよ)

 

「遺留品の確認って私達も同席できます?」

 

 ぬるっと前に出てきて話すなよ…高木くん困惑してるじゃん。

 

「え?はい、出来ますけど」

「じゃ私、同席してくるんで。先輩現場お願いします」

 

 ええ…?(ドン引き)

 我、一応先輩ぞ?そんな雑に扱うなよ。

 

 やるけどさ

 

「んん”!では目暮警部、現場確認を急ぎましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(さっきも見たけど、こりゃまた随分見事なミイラ遺体で……)

 

 目の前にあるのは必死の形相をした遺体。

 彫刻像として発表されれば臨場感のあるって評論されそうだな。

 

(不謹慎すぎて口には出来ないけどな)

 

 焦りと絶望の中で死んだって感じの顔に服は風化にしては劣化が薄い。

 遺留品にはカメラとレンズの入ったバッグ、まあ妥当に行きゃマスコミのカメラマンってとこか…。

 

「あー少しいいかね西島君。すまないが未詳というのは?」

 

 興味とちょっとした不信感ってとこかなあ。

 普段余り動かないトコが来たら気になるよな、分かる。

 

「ハハハ…いわゆる窓際部署ってやつですよ。主には未解決事件だったり自殺処理されている事件、事故などの再調査ですね」

 

 本当のこと言ったら物理的に飛びかねないしね。

 

「…それで聞き覚えがなかったのか、未詳。覚えておこう」

「助かります」

 

 まあ色々見てみたが現状得られる情報はもう無いな。

 

「警部!DNA鑑定の結果、身元判明しました!警視庁のデータでもヒット。前科ありで、職業フリーライターの鈴木浩司さん36歳。恐喝紛いの行き過ぎた取材方法で以前警察に通報されたことがあったようです」

 

 ほお前科持ちか

 

「先輩戻りました〜」

 

(おけーり、先輩ほぼ何にもしてないよ。ごめんね)

 

「…おう、で?」

「…遺留品の風化加減は軽微です。あとさっき聞こえたんですが最後の目撃情報、一昨日の夕方が最後だそうです」

 

 さすがIQ200越え、何も言って無いのにこの理解力よ

 

「二日でミイラって作れるのか?」

「んーーー、相当無茶すれば出来なくは無いですけど足が付きますね。それ以外となると」

「……ホルダーか」

「はい」

「どう思う」

「無理です、時間も経ち過ぎてるし戻ってくる望みも薄いっすね」

 

 遺体発生から既に2時間、確保は無理か。

 …撤収だな。

 

「引き上げるか。あとの事は上に申請を出しておく、許可が下り次第行動開始としよう」

「りょーかいです」

 

 なんて言って撤収するか…

 

(あっちょうど良いとこに)

 

「高木くん、俺ら撤収するから。目暮警部によろしく」

「え?はい!お疲れ様でした」

 

 いいよいいよ敬礼しなくて

 

 

 わあ……見覚えのある青い服の男の子だぁ(白目)

 事件が起きれば絶対居合わせるって噂だしさっきまで居なかったの奇跡だよな。

 

 

 できれば今後も一生触れないで欲しいな‼︎‼︎

 

 

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