暫く、短期間連続で投稿していく所存ですのでどうぞよろしくお願い致します!!
プロローグ:NEWGATEは唐突に
今から数ヶ月前、ランドソルから離れた草原で僕は目を覚ました。
目覚めはしたけど、自分がどんな人間だったのか、今まで何をしてきたのか、まるで思い出せない。お医者さんが言うには記憶喪失という状態に僕は陥っていた。
その時,僕に手を差し伸べてくれた少女 コッコロちゃんに連れられて僕達はランドソルという町に向かうことになった。
その道中で出会ったペコさんことペコリーヌ、キャルちゃんと四人でこの世の美味しいものを探求する為にギルド、美食殿を立ち上げ皆で色々なところに行って、色々なものを食べて・・・・たまに、危ない目に遭ったりして、とにかく色々な冒険をした。
そうして、色々な人たちと知り合って冒険を続けていく中で、僕たちはクリスさんやマナさん等と対立する事になる。
奪われたペコリーヌさんの大切なもの、揺れるキャルちゃんの思い、本当に色々なものを抱えながら戦って、わかり合って、沢山傷ついたし、同じ数だけ傷つけちゃったかも知れないけど皆が笑顔になれる結末にたどり着いた。
僕はそう思ってる。
それからしばらく、王様達が元に戻って、色々とごちゃごちゃ忙しくなったけど、今はそれも落ち着いて、戦いに参加した皆も普段通りの生活に戻っていた。
「「「「頂きます!!!!」」」」
雲1つない快晴、青々とした草原の中で美食殿のメンバーは今日も今日とて討伐した魔物を料理して美味しく頂いていた。
「キャルちゃんも大分慣れてきましたね!」
「うっ、うっさいわね!あんたらと一緒にいると嫌でも体が適応しちゃうのよ!!」
ペコリーヌに指摘されたキャルがそう吠えつつ、ためらいなく料理を口に運ぶ。
「主様、お味の方は如何ですか?」
「おいひいよ!」
「痛み入ります!」
その向かいでは、料理を口いっぱいに頬張っているユウキにコッコロがかいがいしく世話を焼いていた。
そんないつもと変わらないのどかなで幸せな時間を四人は全身で謳歌していた。
だが、そんな日常を文字通り打ち破るようにどこからかガラスの割れるような音が響いた。
「ん?今なんか変な音しなかった?」
「ですよね、なんだかガラスが割れるみたいな・・・」
異変に気がついたキャルとペコリーヌが、食事の手を止めて辺りを見回し始める。
そんな中、ユウキは顔を歪めながらこめかみを押さえていた。
「主様、どうかなさいましたか?」
「うん、何だが頭痛くて」
先程妙な音が聞こえてきた時から、何故だが頭を突き刺すような痛みが襲ってくる。その上、ユウキの頭の中に見覚えのない光景が流れ始めた。
(これは、なんだ?)
荒廃した町並み、汚く曇った空に雷鳴が木霊している。見ていると何故だかとても虚しいような、悲しいような気持ちで胸がいっぱいになる。
そんな景色の中に、ぽっかりと黒い穴が空いていた。穴の中心には黒い渦巻きのようなものがゆっくりと回っており、穴の周りには割れたガラスのようにひびが入っている。
「これは・・・一体」
「主様?」
困惑した様子で呟くコッコロ、この時ユウキ自身は気付いていないが、彼は突如朦朧とした表情で立ち上がり、とぼとぼと歩き始めた。
「ん?あんたどうしたの」
ユウキの行動を不自然に思ったキャルが立ち上がって近づこうとしたその時、ガシャァァァ!!!という耳を劈くような破裂音が響き渡り、次いでユウキ達の前に彼が脳内で見たのと同じような黒い穴と、その中から巨大な手が出現した。
「っ!?危ないっ!!」
「きゃっ!!」
巨大な手は穴からどんどん伸びていき、キャルの方に向かっていく。そこで、我に返ってキャルのピンチに気がついたユウキが彼女を押し飛ばすが、そのせいでユウキ自身が大きな手に突き飛ばされてしまった。
「うわぁ!!!!」
「っ!!?ユウキ君!!!」
驚きながら立ち上がったペコリーヌ達がユウキを助けようと駆け寄ろうとするが
「ゴギガァァァ!!!」
うなり声と共に黒い渦から這い出してきた人型の巨大な魔物の姿を見て、驚きで固まってしまった。
「っ!?なんだこれ ってうわっ!!」
振り返ったユウキも驚きで声を上げるが、魔物の振り上げられた腕を見てすぐにその場から飛び退いた。
どごぉ!!という地響きと共に、先程までユウキがいた場所に強大なくぼみが出来ていた。
「主様っ!!お怪我はありませんか!?」
「うん、大丈夫」
駆け寄ってきてくれたコッコロを安心させるように、ユウキは彼女に向き合いながら優しい声で頷く。
「なんなのよこいつ、急に現われて」
「分かりません、けど友好的ではなさそうですね」
「ええ、こういうのはとっととぶっ潰すに限るわね、ユウキ、お願い!!」
ユウキを庇うように前に立ちながら、ペコリーヌとキャルが会話をしつつ武器を構える。
そして、キャルはユウキが立ち上がったのを横目に見て彼に向かってそう叫んだ。
「うん、皆行こう!!」
「えぇ!!」「「はい!!」」
それに答えるように、ユウキは剣を構えて自身の力を解放した。
ユウキの体が光輝き、次いで他の三人の体にも光が灯る。これがユウキの能力、周りの仲間の力を、何倍にも強化する事が出来る力だ。
「グラァァ!!!」
「行きます!!」
戦闘態勢を取ったユウキ達に叫び声を上げながら、魔物は彼らに向かって突進してくるが、ペコリーヌは一人でその巨体をがっしりと受け止めた。
「ほっ、せいっ!!」
「ゴガッ!?」
軽いかけ声と共に、ペコリーヌが魔物の巨体を押し返す。自身よりも華奢な存在に力負けしたことで驚きの声を上げる魔物だが、すぐに体勢を立て直して再び攻撃を仕掛けようとする。
しかし
「そうはいきません」
いつの間にかコッコロが魔法によって周りに張り巡らされてた翡翠色の鎖によって、魔物の体は拘束されてしまった。
「グ、グガァァ!!!」
拘束されてもなお、魔物は動こうともがき、鎖を維持してるコッコロに向かって手を伸ばし始めた。
「させないっ!」
しかし、その手を魔物とコッコロの間に飛び込んできたユウキが自身の剣を使ってはねのける。
「キャルちゃん、お願い!!」
「任せなさい!!」
ユウキの言葉に拘束された魔物に杖を構え、その杖先に紫色のエネルギーをため込んだキャルがそう叫ぶ。
「全力チャージ完了!!さあ、ぶっ飛びなさい、グリムバーストォォォォォ!!!」
キャルの咆哮と共に、杖から放たれた巨大な光線が、眩い閃光とともに魔物の上半身を吹き飛ばした。
「ふぅ~いっちょ上がりね」
「流石でキャルちゃん!!」
「うわっ、こらあほリーヌ!!くっつくな!」
大技を決め、ため息をついたキャルに満面の笑みでペコリーヌが抱きつく。
「主様、守っていただきありがとうございました」
「ううん、僕だっていつまでも皆の背中ばかり見てられないからね」
そんな二人のじゃれ合う様子を見ながら、お礼を言ってくるコッコロにユウキは得意げに返した。
「さて、ん?」
一段落してペコリーヌ達のもとに戻ろうとしたユウキだったが、魔物方を見て何か違和感があることに気がついた。
「なんだ・・・あれ」
よく見ると、吹き飛ばされた上半身から黒い触手のようなものが生えてきたいた。
そして、触手達は凄まじいスピードでどんどん伸びていき、やがて魔物の上半身ほどの長さになってユウキ達に襲い掛かってきた。
「きゃっ!さっきからなんなのよこいつ!!」
「これは、ちょっとヤバいです!!」
魔物のあまりの異常な状態に、ペコリーヌ達が驚きの声を上げる。魔物は、触手の攻撃で辺りを蹂躙しながらゆっくりと黒い渦の元に戻っていく。
そして、魔物が黒い渦の目の前まで差し掛かったその時
「っ!?」
「危ない!!うわぁっ!!」
触手の一本凄いスピードでがコッコロに向かって伸びてくる。彼女を庇おうと前に出たユウキ、だが触手によって体が絡め取られてしまい魔物の方に引き寄せられてしまった。
「主様っ!!!」
「っ!ユウキッ!?」「ユウキ君!!」
驚きながらも、その光景を見たペコリーヌ達は彼を助けようと魔物の方に向かっていくが
「うわぁぁぁぁぁぁ」
魔物はユウキと共に出現した黒い渦の中に凄まじいスピードで吸い込まれて行ってしまった。
次話の投稿は本日17時を予定しています。もしよろしければまたいらして下さい!
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