最終章と言うことで、気合いを入れて頑張ります!!
ep:1 彼方からの執行者
「せやっ!!」
「くっ!!あんた、一体何なのよ」
突然繰り出された少年の攻撃を、キャルは魔法でバリアを張ってなんとかはじき返した。
「・・・この世界の為に、消えて貰う」
苛立ちながらも尋ねるキャルに向かってそう告げると、 ボロボロのコートを羽織ったもう一人のユウキは空を横一文字に切り裂いて斬撃をキャルに向かって飛ばす。
「ふっ!はぁっ!!」
「きゃっ!!うぐっ!」
攻撃のスピードに対応することが出来ず、キャルは斬撃をもろに喰らって吹き飛ばされた後地面に叩きつけられてしまった。
「あんた、さっきから言ってること意味わかんないのよ!!」
「・・・君は皇帝の力を受け継いでしまった。見逃すことは出来ない」
キャルの言葉に応える代わりに、少年がそう呟く。つい先程現われたこの少年が、今キャルが行使している力の事を知っている事に驚くキャルをよそに、少年は容赦なく剣を振り下ろした。
キャルは何とか魔法陣で攻撃を防いで反撃の魔法を放つが、もう一人のユウキはキャルの放った魔法を最低限の動作で回避すると目にも止まらぬ連撃でキャルの装甲を切りつけた。
「ぐっ、うわぁっ!!」 「ふっ、ぐはっ!!」
攻撃を受けて激昂したキャルは、そう叫ぶと共に黒いオーラを周囲にまき散らし、左手の爪についていた刃を魔法で増大させてもう一人のユウキに突き出す。
それと同じタイミングでもう一人のユウキもキャルに向かって剣を突き出した。
両者の攻撃はそれぞれの体に同時に直撃し、攻撃が当った箇所から火花が散ると共に二人を突き飛ばす。
「ぐはっ!!はぁ、ハァ、ハァ、キサマァァァ!!!」
「くっ、既に力に飲み込まれ始めているか」
ついに全身がシャドウのように黒く染まり始め、徐々に獣のようなうなり声をあげ始めるキャルを見て冷静に状況を把握すると、少年は苦々しく顔を歪めた。
「キエロ!キエロ!キエロ!キエロォォォォォ!!!」
「っ!?」
再び激昂したキャルの背中から、無数の黒い触手が出現してもう一人のユウキに襲い掛かってくる。
凄まじい攻撃が周りの地形を破壊しながらもう一人のユウキに襲い掛かってくるが、彼は軽やかにその攻撃の抜け道をかいくぐってキャルの懐に入り込むと左手にエネルギーを込めてキャルに向かって突き出した。
「ふっ、せいっ、はぁぁッ!!」
「グハッ!!」
「完全に力に飲み込まれる前に、ここで倒す!!」
キャルを怯ませたもう一人のユウキは、そう言うと共に閉じていた左目を開いた。
「グッ!?ナ、ナンダ!?」
左目から放たれた赤く眩い光がキャルを怯ませる。その間にもう一人のユウキが左腕を前につきだすと、彼の掌の上に彼が元々持っていた剣と同じ形の全体がクリアブルーの剣が出現した。
「はぁぁぁぁぁ!!!」
「ウワァァァァ!!!」
もう一人のユウキが両手に持った剣から巨大な2つの斬撃を放ち、キャルの周りを爆発させる。
その衝撃でたじろぎ、地面に膝を突くキャルだったが叫び声を上げると共にすぐに立ち上がって幾つもの魔法陣を空中に生成した。
「キエロォォォォ!!!」
「っ!?不味い!!」
もう一人のユウキが魔法陣に気がついたのと同じタイミングで、生成された魔法陣から魔法の雨が彼に向かって降り注ぐ。
驚きつつも、何とか攻撃を回避していたユウキだったが無限に襲い来る魔法を躱しきる事が出来ずに魔法が地面に当った衝撃で吹き飛ばされてしまった。
「くっ、まだまだだ!!」
吹き飛ばされるが空中で体勢を立て直して着地したユウキが剣を構え直し、再びキャルに向かって接近しようとする。
だが
「待ってくれ!!」
「っ!?ラビリスタ!?そこをどけ、奴は皇帝の力を受け継いだこの世界を破壊しかねない脅威、だからここで倒す」
突如二人の前に現われたラビリスタに驚くユウキだが、苛立ち混じりにそう言って再び剣を構える。
だが、それを聞いてもラビリスタはその場から動かずユウキの前に立ち塞がった。
「キャルちゃんは犠牲には出来ない、何か彼女を助ける方法はないのか!?」
「・・・そんなものはない、結局誰かが傷つくしかないんだよ」
そう問いかけるラビリスタに、ユウキは苦しそうな表情をしながらそう答える。その言葉を聞いて、「えっ」と驚愕の表情をしながらラビリスタはたじろいだ。
「ハァ、ハァ、チィッ!」
二人が言い争っている間に、覚醒した力の影響で体力を消耗していたキャルは、本能でこれ以上戦闘をするの不味いと感じ取ったのか、舌打ちをしながら凄まじいスピードでその場から飛び立ち、姿を消した。
「しまった!!・・・くそっ!」
「あっ、いましたよお姉ちゃん!!」
「本当だっ、弟君しっかりして!!」
キャルに逃げられて表情を歪めて地面を踏みつけるユウキ、その視界の端で遠くで倒れたもう一人のユウキを見つけたリノとシズルが駆け寄ってきていた。
「少年、話してくれ、一体君が何を知っているのか」
「・・・わかりました」
普段自分が知っている少年からは想像出来ないような険しい表情をするユウキを見つめながら、ラビリスタがそう尋ねる。
それに対してユウキは、彼女を暫く睨み付けるように見つめた後、視線を逸らしながらそう頷いた。
次回の投稿は明日の23時を予定しています
それではまた!!
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