プリンセスコネクト:Daybreak   作:五十嵐レイト

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ep:3 崩壊した過去

「全てが・・・滅びた?」

 

「う~ん、説明が難しいんだけど、この世界ってのは1つじゃないんだ。誰がどこで何をするのか、その数だけ無数に世界は存在する」

 

「例えばだけど、コッコロちゃんが弟君と出会わなかった世界もあるし、コッコロちゃんが槍じゃなくて剣を使ってた世界もあるって感じだね」

 

ラビリスタの説明が上手く飲み込めず、目を白黒させているコッコロに後ろからシズルが補足の説明を入れる。

 

「まあ細かい事はともかく、色んな世界があって、その世界にはそれぞれ少年やコッコロちゃん、君の知ってる皆がいるって事だけ覚えてくれれば良いよ」

 

「かしこまりました、それで全てが滅びたと言うのは?」

 

「うん、私達はマナとの最終決戦で見事に勝利して世界を平和にする事が出来たでしょ?けど、彼の元いた世界はそうはならなかったみたいなんだ」

 

「つまり・・・その世界で我々は敗北してしまった・・・ということですか?」

 

暗い表情のラビリスタに向かってコッコロが尋ねる。それに対して彼女は重々しいため息を吐きながら頷いた。

 

「そういうこと、彼が言うには力を暴走させたマナが、見境なく辺り一面を壊し尽くしていったらしい・・・」

 

 

 

そう語りながらラビリスタは、ユースとあった後にアメスの元に赴いた事を思い出していた。

 

「ありえない、そんな世界があるなんてこっちじゃ関知してないわよ!!」

 

「ああ、私としても想定外だ。少年が死んでしまった場合、この世界で起こった事はリセットされ、彼とコッコロちゃんが出会ったところまで時間が戻され新しい世界が始まる。2つの世界が存在するなんてあり得ないはずなのに」

 

動揺から声を荒げるアメスにラビリスタは頷きながらそう呟く。

 

「そのもう一人のユウキが偽物ってことはないの?」

 

「それもない、彼は私のプリンセスナイトの力を持ってた。しかも、今までの繰り返しの中の記憶も全部保持してるみたいだった」

 

「じゃあどうして・・・」

 

「この世界が起こしたバグなのか、彼がだけが生き残った世界が記録から抹消された新しい世界が構築されたってことだろう 崩壊した世界と・・・彼一人を残して」

 

 

 

「まったく、迫ってる脅威より目の前の仲間か・・・変わらないなぁ」

 

笑いながらどこか呆れたようにそう呟く少年、その背中をペコリーヌは影から覗いていた。

 

(とりあえず、キャルちゃんの所にむかうわけではなさそうですね)

 

彼の言動を見てひとまず安心してため息をつくペコリーヌ、その様子を少年は横目で眺めていた。

 

「さて、彼女の元に急ぐか」

 

「ま、待ってください!!って、あれ?」

 

不意に彼がそう呟いた事で、慌てて影から飛び出してそれを止めようとするが、少年はまるで待っていたかのようにペコリーヌの方をしっかりと向いて腕を組んで立っていた。

 

「盗み聞きとは感心しないなぁ」

 

「あらぁ~もしかしてずっとばれてました?」

 

苦笑しながらそう呟く少年に、ペコリーヌが表情を歪めながらそう尋ねる。それに頷く代わりにため息をつくと、少年は彼女の元に歩み寄ってきた。

 

「まあ、バレバレだったからね」

 

「・・・ですよね、人相手にこういうことするのは慣れてなくて」

 

「だと思ったよ、君は優しくて誠実そうな人だったからね。・・・・だからキャルちゃんの事が心配で僕についてきたんだろ?」

 

「ええ、まぁ、もしかしたら一人で向かったんじゃないかと思って」

 

思っていた事を全て話され、バツが悪そうに少しうつむいて仕方無くペコリーヌは白状する。それを見た少年は再びため息を吐きながら頭を掻くと仕方がないと言った雰囲気を醸し出しながら口を開いた。

 

「まぁ、はじめはそうしようかとも思いましたけど、誰も傷つかないならそっちの方がいいかなって 頭を冷やしました」

 

「そうですか!良かったぁ~」

 

彼の言葉を聞いて顔をほころばせて安堵のため息をつくペコリーヌを、少年はまるで自分の妹を見るような目で優しく見つめる。

しかし、すぐに険しい顔に戻ると彼女に向かって厳しい言葉を投げかけた。

 

「ただ、何かあったらあの子の命は諦める。それの条件は呑んで貰えるかな?」

 

「それは・・・できません」

 

「・・・理由を聞いてもいいかな?」

 

キッパリと断るペコリーヌに驚いて目を見開くが、少年は穏やかな雰囲気と口調を崩さずにそう尋ねる。

それに対してペコリーヌは決意の籠もった目を彼に向けて口を開いた。

 

「私は、仲間一人助けられないなら他の皆も救えないと思ってます。だから、他の被害も出させないし、キャルちゃんも絶対に見捨てたくありません」

 

「そうか・・・相変わらずだね、ペコさんは」

 

「えっ?んぐっ!!」

 

笑顔と共に彼に肩を叩かれ、まるでユウキのような言葉を言われて目を見開いて戸惑うペコリーヌ、その時、彼女の首元に強い衝撃が走り、次いで視界がぐらんっ!と揺らぎ全身から力が抜けてその場に倒れてしまう。

 

「あ、が、どう・・・して」

 

表情を歪めながらペコリーヌが少年の方を見上げると、先程とはまるで人が違っているような冷ややかな2つの瞳が彼女を見下ろしていた。

 

「脅威になり得る存在は絶対に排除する、誰であろうと」

 

そう言いながら少年は倒れたペコリーヌを放置してその場を去って行く、それ止めよとペコリーヌは手を伸ばすが、少年はそれをすり抜けて行ってしまった。

 

「まっ・・・て」

 

視界と意識が徐々にぼやけていく中、ペコリーヌか細い声でそう呟くことしか出来なかった。

 

 

 

ラビリスタからユースと名乗っていた少年の正体と、彼の過去を知ったコッコロはその先を知るのが恐ろしくもあったが、どうしても気になって尋ねた。

 

「それで、その後は・・・・」

 

別の世界とは言え自分の主がどのような運命をたどったのか、敗北した自分や仲間はどのような結末を迎えたのか

 

いい末路ではなかったのは容易に予測できるが、最後に自分は主に対して何かを残してあげられたのか、どうしても知りたかったのだ。

鼓動が早まる音を聞きながら、コッコロは両手を握ってラビリスタから答えが返ってくるのを待った。

 

しかし、彼女の口から出たのはコッコロが望んでいた答えではなかった。

 

「残念だけど彼もあまり深くは教えてくれなかったんだ。最終的マナの事は彼が処理したらしい。その後は、彼の世界に突然現われた魔物達がこちらの世界に影響を与えないようにするために、戦ってるらしい」

 

「そう・・・ですか」

 

彼の口から語られなかったと言うことは、つまりはそう言う事なのだろう。

分かってはいたものの実際突きつけられると来るものがあるな、そうコッコロが思っていると後ろから扉が開く音が聞こえた。

 

「そう、だったんだ」

 

「主様っ!!」 「弟くん!!」 「お兄ちゃん!!」

 

体を壁で支え何とか立っているユウキをコッコロ達が支えに入る。彼の様子を見たラビリスタは少し表情を曇らせながら彼に駆け寄った。

 

「少年、聞いちゃったよね?」

 

「うん、元々何であんな所にいるのか、彼のやるべき事がなんなのかずっと気になってたから・・・話を聞いて納得したよ」

 

「そうか・・・」

 

ユウキの言葉を聞いて、ラビリスタは申し訳なさそうにそう呟く。ユウキは支えられながらそんな彼女に歩み寄る。

そして、彼女の肩に優しく手を置くと優しく、それでいてしっかりとした決意を込めた目で彼女を見つめて口を開いた。

 

「もう、これ以上彼を苦しませるわけにはいかない。助けよう、キャルちゃんも彼に事も」

 

「あぁ・・・あぁ!!」

 

その言葉を聞いてラビリスタはユウキの腕をしっかりと掴むと強く頷く。

 

「となると、早くキャル様を見つけなければなりませんね」

 

「そうだね、おっと?」

 

コッコロの言葉に頷こうとしたラビリスタが、何かに気がついたように動きを止める。

そして、右手を動かして空中に魔法陣のようなものを出現させそれを注意深く眺めると

、不敵にほくそ笑んだ。

 

「マスター?」

 

「どうかしたんですか?」

 

「うん、多分キャルちゃんのいる場所が分かりそうだ」

 

 

 

 

 

 

「ここか・・・」

自分が元いた世界に少しに似た廃墟にたどり着いた少年は少し複雑そうな表情をしながら中に入って行く。

 

廃墟の中は至って静かでホコリまみれだった。

そんな中で、まるで何かを引きずったようにホコリが途切れている箇所を少年は見つめてその後を追ってみる。

暫くすると、建物の影から猫のような耳と尻尾が揺れているのが目に入った。

 

「あそこか」

 

小さくため息を吐きながらそう呟くと共に、少年は攻撃を食らわないよう警戒しながら彼女の方に向かった

 

 




申し訳ありませんが次回の投稿は未定です
できるだけ早く投稿しよう思っているのでお待ちいただければ幸いです
それではまた!!

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