それから、今回からアンケートを掲載しました。もしよろしければご回答の程よろしくお願いします!
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それから暫くして、すっかり日も落ち夜が更けてきた頃、青々とした野菜が生い茂る畑を木陰で見守りながらカスミは身を潜めていた。
ここは昼に訪問したところの近くにあるまだ被害が出ていない畑の1つだ。
カスミが嫌がっていた「あの手」というのは張り込みのこと、昔は探偵らしいという事からモチベーションを高く保って行えていたが、何度も繰り返してくうちに嫌になってしまった。
そもそも退屈で時間がかかる上に対象から音を立てずに目を離してはいけないので体の疲労感が凄い、それでいて何の成果も得られないこともざらなのでどうにもいやになってしまうのだ。
(手がかりがない以上、方法はこれしかないんだけどさ)
この場所は昼の訪問した畑から少し離れた場所、ギルドで働いている知り合いの情報から彼らが張り込んでいない場所の情報を教えてもらい今に至る。
(不味い、眠くなってきた)
この場所で張り込みを始めてから体感三時間ほど経過している。辛いのはここからだと覚悟を決めつつ、カスミは水筒に入れておいたコーヒーを口に含んだ。
カフェインによって無理矢理脳を覚醒させ護身用の杖を握って犯人の登場を今か今かと待ち望んでいたその時
「ギギッ」「ギギギッ」
「っ!?」
どこか遠くから明らかに異質な鳴き声が複数聞こえてきた。
心臓がドクンッと跳ね上がる中、杖をしっかり握って落ち着いて周囲の音に注意を向ける。
獣人の聴覚は他の種族よりも鋭い、意識を集中させれば自分と音を出してるものがどう動いているのか自分と相手の距離感はどの程度なのかもおおよそ推測することが出来るのだ。
だからこそカスミは気がついた、こちらに向かってきている何かがもうそこまで迫ってきていることに
「まずいっ!!がはっ!!」
それに気がついたカスミが慌てて振り返ろうとするが、突然凄いスピードで何ものかに突き飛ばされてしまった。
「ギギギッ」
「ギゴガァァ」
「ごはっ!!はぁ、はぁ、何なんだこいつら」
地面に突き飛ばされたカスミが何とか起き上がると、そこにいたのは彼女が集めた情報どおりの姿をした、ハイエナのような顔を持った二足歩行の魔物達だった。
「ギギッ!」
「くっ!!」
飛びかかってくる魔物に対して杖から魔法を放って応戦しようとするが、目にもとまらぬスピードで躱されて後ろに回り込まれてしまう。
「何!?きゃっ!うわっ!!」
振り返ろうとするが、その前に魔物によって蹴り飛ばされ、飛ばされた先でも待ち構えていた魔物に殴られて地面に崩れ落ちてしまう。
「しまっ、うぐっ!」
杖を落としてしまいなんとか拾おうとするが、その前に魔物体を踏みつけられて動けなくなってしまった。
「ギギギッ!!」「ギギッ!」
踏みつけられたカスミの周りで魔物達が彼女をあざ笑うように唸りながら鋭い爪を月光に反射させている。
そんな魔物達を見ながら、カスミの心は恐怖に支配されていた。
逃げようにも踏みつけられており、反撃しようにも杖には手が届かない。
「はぁ、はぁ」
もはや助けを呼ぶことも出来ず、カスミはただ耳元でうるさく鳴り響く心音に共振するように呼吸を荒げて震えることしか出来なかった。
(誰か・・・助けて)
半ば無駄だと諦めつつ、心の中で叫ばずにはいられない。
そして、魔物の一体が右手を構えて彼女の体を貫こうと差し向けてきた。
その時
「ゴガァ!!」
「っ!?」
魔物の胸に突如どこかで見たような剣が突き刺さる。
「ギギッ!?」「ゴガギガァ!?」
「おらぁっ!!」
魔物達が混乱する中、突如野太い雄叫びが聞こえてきたと思うと、カスミの体が途端に軽くなった。
「間に合った」
どこかで聞き覚えがある声と共に、ボロボロのコートを着た少年がカスミの前に着地する。
それと同士に彼女を踏みつけていたであろう魔物が少し離れたところで頭から地面に激突した。
「ギガァ!!」「ゴバァッ!!」
少年の姿を見た魔物達が、怒りの雄叫びを上げながら彼に飛びかかっていく。
「ふっ、はっ!!」
だが少年は魔物達の攻撃を慣れた手つきでいなして、怯ませると魔物に刺さっていた剣を引き抜くと剣を大きく振って魔物達を大きく後退させた。
剣を引き抜かれた魔物は、黒い粒子状に分解されて煙のように消えていった。
「あな・・・たは?」
カスミは何とか立ち上がりながら、少年に向かってそう問いかける。
「話は後、一旦引くよ」
カスミの質問に対して答える代わりにそう返した彼は、地面に落ちていた杖を拾い上げるとカスミの体を支えて剣を構えた。
「ふっ!!」
かけ声と共に彼の剣から光の刃が地面に放たれて、土煙を巻き上げる。
「ちょっとごめんね」
「きゃっ!!」
魔物達の目をくらませている間に、少年はカスミを抱き抱えると、素早くその場から離脱する。
「助手・・・くん?」
薄れゆく意識の中、少年の顔を近くで見たカスミがそう呟く。
「・・・もう大丈夫だよ」
少し気まずそうな顔をした後、少年は優しい笑顔を向けながらカスミにそう言った。
「ぅん」
君は一体誰なのか?そう聞こうとしたカスミだったが、彼の言葉を聞いて緊張の糸が切れてしまったのか、カスミの意識は暗闇に沈んでいった。
次回の投稿は明日23日の23時を予定しています。
それではまた!!
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