リミックス・ヒーローズ! 作:日立インスパイアザネクス人@妄想厨
今日はツイてる、と口元を緩ませた。
ガラスが散乱したコンビニに侵入し店内を物色した所、未開封のお菓子や缶詰を見つけたからだ。
リュックサックに詰めれるだけ詰め込み終えて立ち上がろうとしたところで、雑誌本コーナーにキャラクターの表紙が描かれた雑誌が目に入る。
おもむろに手に取ってテープを剥がし、適当にページをめくり――続きは拠点で読むと決めてその雑誌もリュックに入れた。
もうこの場所に用は無く、リュックサックを背負いなおし、床のガラスを避けながら外へ出た。
コンビニの外も荒れ果てた風景。元は都会だったここには人の気配は無い。真夏の太陽にさらされるアスファルトは全面に渡ってひび割れて、その隙間には雨水や雑草で埋まっている。向かいの建物の壁は事故か災害を受けたように破損し、当然のようにこの街のインフラは完全に止まっている。
人類がいなくなった後の街を一人歩む。
そこらで見つけたいい感じの木の枝で進む方向を決めて、日が落ちるか体力の続く限り歩いていく。
真夏の暑さで汗が止まらず、Tシャツの襟で汗を拭ったその時、
頭上を巨大な機械が高速で飛行した。
高速で過ぎ去ったその物体を見て一拍、一目散に駆け出した。
遮蔽物の無い通りから見通しの悪い路地へ。扉があれば鍵が閉まってないか確認しながら駆け回り、たまたま鍵が開いていた扉があればその建物に侵入し、息を潜める。
何事もなく時間が過ぎてほしい。そんな願いは外の轟音によってかき消された。
建物全体が揺れるほどの地響きがなり、急いで窓から外を確認する。
窓から見えるのは立ち込める砂ぼこりだけで、隣にあった建物が消えてなくなったことだけがわかった。
そう理解してからの行動は速かった。
潜んだ建物の中を駆け回って、三階にあった冷蔵庫の中身を全部出して代わりに自分が冷蔵庫に収まってから扉を閉めた。
閉めた直後だ。脳を振るわせるほどの衝撃が走ったのは。
恐らく隣の建物と同じく、この建物も攻撃された。
冷蔵庫の中で頭を抱えて身を縮こませる。
何度も天地がひっくり返る感覚に襲われながら、耳と頭が使い物にならなくなったところで強烈な一撃。
何時間経ったかわからなくなり、静寂が辺りを支配した所でようやく外に出ようと思いつく。
幸運なことか、冷蔵庫の扉は軽く開けることが出来た。瓦礫に埋もれてたり扉が地面を向いていたらおしまいだった。
冷蔵庫の外は崩れた建物の隙間らしい。また幸運に恵まれて建物の外へのルートは人ひとり分の隙間が出来ていて外に出れる。日に当たる前に建物を壊した機械を警戒して慎重に辺りを見回してみると、爆音を立てて離れていくのが見えて、ようやく安心して身を乗り出した。
這い出て辺りを見回すと、隠れていた建物の周囲全ての建築物が瓦礫の山となり、というより街の一角はもはや社会の痕跡を残していない。
騒音発生源が飛んで行ったのもこれだけの破壊をすれば人も居なくなると踏んでのことだろう。何とか生き残ったことに、何処かに居る神様に感謝した。
もう一息吐いて、これからのことを考える。
自分は北の方からこの街に来たのだが、元々今居る街から出ようと考えていたところだ。そんな時にちょうどあの飛行機が飛んできて爆撃を加えてきたのだから、もしかしたら飛行機の仲間がこの街を調べに向かってくるかもしれない。すぐに街を出ていかないと。もちろん飛行機の向かった西へ歩いていくのはダメだろう。
今の二つを除けば南か東。
地図を持たない旅をしてる身だ。どっちに人の居る街があるのかわからない。
どうしようか? 首を傾げて空を見上げた。
そんな時だ。
真夏の空を裂くように、流れ星が大地に落ちたのは。
キラキラと尾を引く流星は想像とは違う色彩で心を奪われて、音も無く地面に落ちたとわかった時今見たのは夢ではないかと思った。
肉眼で初めて見た流れ星というものは時間を忘れて魅入ってしまうほど美しい光景だった。
けど、あれはただの流れ星じゃない、そう断言できる。
――目指す先は決まった。
あれが何かはわからないし、あんな何処からでも目立つものだからあれを目指す人が他にもいるかもしれない。当然さっきの飛行機が来るかもしれない。危険がいっぱいだ。
悪い想像をたくさんした上で、それでもその方向に足を向ける。
元より、他に目指す場所も無い。だったら危険を承知であの場所を目指すのもいいかもしれない。
もしかしたら悪い想像は起きないかもしれない。物事はポジティブに考えた方がきっと上手くいく! なんて誰かが言っていたような気がする。
そして何より、
「~♪」
どんなワクワクが待っているのかとても楽しみだから!