ループ経験してそうな少し痛くて不思議ちゃんなキャラで……あれ?なんか…皆の反応、変じゃないです?   作:クレナイハルハ

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第4話

 

兵藤先輩がオカルト研究部に入った次の日、私は学校終わりに食べログで気になっていたファミレスへ行くことにしました。

食べログによると「フードメニューもデザートメニューもおいしい」「パフェが少し高いけど、値段に相応しい山盛りと美味しさ」「店員さんの接客がいい」「イベントは絶対に行った方がいい、いつもの2倍は楽しめる」「駒王町でご飯もデザートもファミレスに食べに行くならここしかない。あと店員が可愛い」など、とても興味がわく言葉ばかりでした。

早速そのファミレスに入り、空いているテーブル席に案内され、早速座る。学校終わりという時間帯だからか、席に座っている人は少ない。

テーブルに置かれたメニューを手に取り、早速デザートメニューに目を通す。

食べログの通り、写真に撮られたパフェはスイーツがふんだんに使われていて、どれも美味しそうに見える。

特にチョコとフルーツパフェを一皿にしたデラックスパフェ、チョコレートソースにするかストロベリーソースにするか凄く悩みます。

ふと、そういえば見てなかったと値段を見つめると、デラックスパフェは結構な値段に見える。

一応、払える値段ではあるのですけどやはりこの値段を目にすると少し迷ってしまいます。

これを食べれば、恐らくは明日買おうと思っていた羊羹は我慢することになりそうです……。

 

「ご注文はお決まりなのです?」

 

聞こえてきた声にメニュー表から顔を上げると、何処かで見たことのある気がする女の人が首をかしげて立っていた。

 

「あ……いいえ、まだです」

 

「ふふふ、うちのデザートメニューはどれも美味しいから迷う気持ちはわかるのです」

 

そう答えれば、ファミレスの制服を身に纏ったウェイトレスの女の人は笑顔でそう答える。その笑顔は何処か「わかるよー」と感じているのが分かる表情でした。

不思議にしか思えず、首をかしげながら相槌をうった。

 

「は、はぁ?」

 

「ふふふ、先輩からいつも頑張ってる後輩ちゃんへのプレゼントなのです」

 

チラリと周りを見たあと、ウェイトレスさんは片手で人差し指をたて口元に当てるともう片方の手で服のポケットから二枚の紙を取り出して私の前に出した。

まるで、子供が秘密を共有しようとする時のような動きをするウェイトレスさんに食べログの店員さんが可愛いという投稿に納得する。

確かにこのような人がいるなら、あのような評価がつけられても可笑しくはない。

テーブルに置かれた紙には手書きで五百円引き券と書いてありそれが二枚も置かれていた。

手書きなのが少し怪しいですが、さっきの発言を聞くに、もしかしてこの人は駒王学園の人なのでしょうか?

それにしても、もしこの割引券が使えるならデラックスパフェを注文しても会計を少額で押さえられます。

ですが、初対面であるこの人から受け取ってもよいものか不安になりウェイトレスさんと割引券を何度か見ていると女の人がクスリと笑いながら口を開いた。

 

「ふふふ、しろちゃん。どうか…いっちゃんを、兵藤一誠くんを助けて欲しいのです。」

 

いきなり「しろちゃん」と、そう呼ばれいつもならこの人への警戒が先にくる筈でした。

何故、兵藤先輩の事を知っているのか?なぜ、見ず知らずの筈である自分に助けて欲しいと話すのか、何か兵藤先輩の身にあったのか?

そんな戸惑いが、恐らくは警戒心を薄めてしまったのでしょう。

でも、何故でしょうか?

その笑顔が、何処かで見たような気がするのは……今日、恐らくは初めてあった筈なのにその笑顔を見ていると、目を離したら消えそうな気がして不安になります。

 

「兵藤先輩を、ですか?なんで……」

 

「あのね、いっちゃんは大変なおバカさんで変態さんなのです。でも、他にも良いところがたくさんあるのですよ?」

 

その言葉と共にすっと私の頭へとウェイトレスさんの手が伸びてくる、普通なら拒絶する。

今日初めて会った相手から撫でられるなんて、まずやろうとも思わないであろう行動をとるウェイトレスさんに、何故か懐かしさを感じた。

 

懐かしい?なんで?

 

「いっちゃんは、何かあって困ったら相談に乗ってくれたり、助けようと動いてくれる。そんな凄く頼りになる人なのですよ」

 

あぁ…優しくて力加減が丁度いい。

()()()()、この人は私を分かってくれている。

あの人のようにしつこく撫でてきたりせず、丁度よい距離を持ってくれて、甘えたい時に撫でてくれる。

気がつけば私は彼女の撫でる手を掴んで、彼女の手を頬へ、顎へと持っていく。

だが、途中で手が引かれ撫でる手が止まる。

 

なんで?

()()()()()()に撫でてくれないんですか?

 

思わず首をかしげながらウェイトレスさんを見つめると、ウェイトレスさんも戸惑った様子で私を見つめていた。

 

「あの、ボーッとしてますが何処か体調でも…」

 

戸惑った様子のウェイトレスさんにそう言われ、初めて自分が何をしていたのか自覚した次の瞬間、羞恥心に顔が熱くなるのを感じて気がつけば謝罪を口にしていた。

 

「っ!?す、すいません。あとこの券はありがたく使わせて貰います、先輩。」

 

そう言いながら誤魔化すようにメニュー表のデラックスパフェを注文した、パフェは美味しかったのですがあのウェイトレスさん。

恐らくは学園の先輩と思われるあの人に対する私の反応と感じた懐かしさに疑問ばかりが浮かんでしまう。

疲れているのだろうか?今日は早めに休んだ方が良さそうだ。

 

「ごめんね、急に頼んじゃって」

 

「いいよいいよ!急な出張じゃあ仕方ない、それに家はペットオーケーだから」

 

家へと帰路を歩いていると通りすぎようとしていたアパートからの会話が聞こえてきて足が止まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ごめんハナ、急に頼んで。出張にしろちゃん連れてけないから……お願いしていい?うぅ……しろちゃ~ん……』

 

『相変わらず猫好き拗らせてるのです。家のアパートペット可なので預かるから安心して出張にいってらっしゃいなのです。』

 

そう言って持ち運び出来るペット用のケージケースから見える()()()()()がさっきのウェイトレスさんらしき眼鏡をかけた女性と話しているのが聞こえる。

思い出したのは、自身の体験した事のないボンやりとした記憶。

もし、それを表すのなら前世だろうか?

私は普通の飼い猫だった、そしてあのウェイトレスさん……たしか名前はハナだったでしょうか?

彼女は飼い主の友人で、飼い主が仕事の出張でよく私を預けていた相手でした。

平日でもずっと家にいて、本を読むかノートパソコンを叩いているかで、時々かかってきた電話で話していた内容を思い出すに、確か小説家だったと思います。

預かってくれている間は飼い主のようにずっと構ってきたりすることはなく、丁度よい距離を持って甘えたい時に撫でてくれる。

そんな、一緒の空間にいて苦しくなくてとてもリラックス出来る人だった。

夜も、何故か初日から飼い主と同じように布団に一緒に入って眠ったのを覚えている。

 

「だから」

 

だから、あの人に撫でられて懐かしいと感じたんだ。  

そう考えた時、ふとあの日の事を思い出した。

確かハナさんの元に預けられていた頃、夜中に目が覚めた私はハナさんが天井を向いたまま話している独り言らしき声を聞いた。

 

聞いて、しまった。

 

『私、なんで生きてるのでしょうか。知ってること、全部放り出して……誤魔化して、逃げて……なんで生きてるのでしょうか。何か伝えられたら助けられたのでしょうか、かかわらずに生きる選択は、間違えなのでしょうか。罪なのでしょうか?この苦しさは、罰なのでしょうか?』

 

首を動かせば、額に片方の手の甲を当てて涙を頬へ垂らしていたハナさんがいた。いつも浮かべている笑顔とはかけ離れた、悲しそうな苦しそうな表情で泣いていた。

 

何かに苦しむように、悲しむように

 

謝るような声で。

 

『あぁ、しろちゃん。起こしてしまったのですね』

 

その時、私は猫だったのでどうすれば良いか分からず、取りあえず彼女により近付いて体を丸めて眠る体勢を取ったことは覚えている。

すると、ハナさんは私を撫でた。

 

『しろちゃん、私は────』

 

心地よさにすぐに眠けが来て寝てしまったのか、私はハナさんが最後になんと言っていたのか覚えていません。

さっき見たウェイトレス姿のハナさんからは、想像も出来ない姿だった。

思い出した記憶でハナさんは、この深夜以外はずっと笑っていた。

きっと、無理していたんだと思う。

じゃないと、溜め込まないとあのような表情にはならない筈だから。

せめて、せめて今目の前にいるハナさんにはいつも笑顔で笑って過ごせるようになって欲しい。

どうすれば、ハナさんとの繋がりをもてるだろうか?

そうだ、悪魔のチラシを渡して使って貰って私と契約すればいいんだ。確かハナさんは兵藤先輩のことを知っていましたし、きっと学園の生徒の筈。

なぜ兵藤先輩を助けて欲しいと話してきたのかは分かりませんが私に出来ることですし可能な限り、兵藤先輩を見ておくことにします。

 

ハナさん、いやハナ先輩。

 

私が、あんな風に溜め込まなくても済むように少しでも癒しになって見せます。猫の恩返しとは言いがたいですけど……悪魔ですし。

 

そう考えて、私は止めていた足を再び動かす、帰路から駒王学園へ。

部長に頼んで悪魔契約のチラシと、知っているのならハナさんについて教えて貰うために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

塔城小猫さんが帰っていったのを確認する。

 

「ふふふ、今日は出来ないかと思っていましたがまさかロール出来るなんてはーちゃん感激です」

 

いつもの不思議ちゃんロールが出来たことに満足感を感じていると、店内に扉についたベルの鳴る音が響く。

お客さんが来たので挨拶をしようといつもの笑顔を浮かべながら入り口で立っている男性の元へと向かう。

それにしても結構個性的な髪してますね?金髪と黒髪の混じった感じ、まるで堕天使総督の──。

 

「いらっしゃいませなのです、お疲れ様でよろしいですか?」

 

なんとか噛まず、普通の対応をすることが出来た。なんか、間違えたような気がしたけど気のせいなのです、あったとしても些細なものに決まってるのです。

こうして対応できたのも、ここでアルバイトを始めて経験を積んできたお陰なのです。

不思議ちゃんロールの為に鍛えたポーカーフェイス、泣けるアニメや鬱アニメ、タイムリープ物のアニメを見てのメンタルトレーニングがここで生きたのです。

 

「お前……」

 

ところであの、なんで堕天使総督のアザゼルさんがこんな場所にいらっしゃるのです?

 

 




・兵藤一誠→夢乃 儚那
禍の団に殺されてしまった家族であり、妹。
死ぬ寸前、愛していると告げて死んでいった為に
今度こそ、何がなんでも守り抜きたいと考えている。

・赤龍帝ドライグ→夢乃 儚那
自身を信仰していた巫女の生まれ変わり。
ある日、自身の体へと落ちてきた不思議な人間の幼子(十歳ぐらい)。フラりと消えまた現れる事を繰り返していた為、自身を信仰する巫女の危険を察知できなかった。
ただ、今世を生きて欲しい。
あとあの花のついた簪か、簪に似た何かを渡して巫女服になった姿をもう一度だけみたい。

・塔城小猫→夢乃 儚那
前世の飼い主の知り合い。
前世らしきボヤけた記憶の中で、飼い主が出張の時に彼女に似た人物へよく預けていた。
しつこく構ってくる飼い主とは違い、適度に構ってくれたり、放っていてくれるため懐いていた。
ある日、泣いているハナの様子を思い出し今世では前世のように泣いたりしないよう癒したいと考えている。
泣かないで欲しい。


・アザゼル
ある日、????になった??。



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