ループ経験してそうな少し痛くて不思議ちゃんなキャラで……あれ?なんか…皆の反応、変じゃないです?   作:クレナイハルハ

7 / 7
第7話

朝、微睡み布団から抜け出したく無い私をい(・)つ(・)も(・)通(・)り(・)彼女が起こしにきた。

 

「お嬢様、朝ですよ」

 

「ふぇえ、はーちゃんはもう少し寝て居たいのですよぉ」

 

「朝食も出来上がっておりますし、お義母様も起きておりますよ?」

 

「ぶー、朝から完璧すぎるのですよレ(・)ナ(・)は」

 

「お嬢様のメイドですから」

 

そういいながら体を起こし目を擦る私の髪をレナがいつの間にか取り出した櫛ですいてくれた。

レナ、彼女はラノベやアニメの物語に登場するような流浪の野良メイドであり、理想のご主人様を探し各地を回り旅していた人だ。

そんな中、私のお母さんの妹であるお姉さんが私の負担を少しでも軽減したいと感じ住み込みでの家政婦の募集をしていたのを見つけ、応募してくれたのだ。

何がお眼鏡に叶ったのかは分からないけど、レナは何故かお姉さんではなく私を主と認め、私の側で支える事になってしまったのである。

そんな事を思(・)い(・)出(・)し(・)て(・)いると家の飼い猫であるホムラちゃんが首輪の鈴をチリン♪とならしながら部屋に入って来た。

 

「マーオ……!?」

 

「ふぁー、あホムホムちゃんおはよーなのですー……?」

 

私の足元まで歩いてきたホムラちゃんだったが、髪をすいてくれているレナを見ると、何故か驚いた様子で私とレナの顔を交互に見始める。

どうかしたのでしょうか?

レナがこの家で働き始めても(・)う(・)1(・)ヶ(・)月(・)近(・)く(・)になるというのに、まだ馴れないのでしょうか?

 

「シャーッ!」

 

何故か警戒した様子のホムラちゃんに不思議に思いつつ、私は制服に着替えて朝食を食べに自分の部屋から出た。

 

「今日のご飯は何なのです?」

 

「本日は、洋風でフレンチトーストを用意してみました。お口に合うと良いのですが」

 

「じゃあ、レナがお茶をいれて欲しいのです」

 

「へ?」

 

「レナの淹れてくれるお茶は本当に美味しいのです、レナが来てからの毎日の楽しみなのですよー?」

 

「はいっ、喜んで!」

 

「?」

 

何処か嬉しそうな、はりきった様子のレナに私は首をかしげる。

そんな私たちをホムラが戸惑った様子で見つめていることに気が付かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

町の外れ、夢乃家から近くにある空き地に三匹の黒猫が集まっていた。

 

「ミャーオ、|マーオマーオミャーオマーオニャー(あのさ急に家に他人がいて、しかも最初からここで暮らしてたみたいにみんなが接してるの。これって変じゃない?)」

 

「にゃあ!?にゃにゃー!?(はぁ!?なにそれ!?)」

 

「シャー……(変なの……)」

 

自分の家の様相と今日起こったその異変について説明するホムラは、二匹の反応からやはり今朝の状況は普通じゃない事に安堵する。

だが、そんなことをどうやって彼女に伝えたものかと思案する。

私はあくまでも普通の飼い猫という設(・)定(・)だ、あの人間?が怪しいことを説明するなんて、会話も文章も無しに直接伝えることは出来ない

力量差的に言えば奴の正体を暴くのは簡単だが、あくまでただの猫である私がまさか堂々と奴の首を掻き落とすわけにはいかない。

自発的に正体に気づかせる為にはその確たる証拠を見せなくてはならないが、『確たる証拠』を見せるためには最低でも背中の羽を露呈させるくらいにダメージを入れなくてはならない、それは普通の猫には到底成し得ない“ありえない”現象だ。

 

それに今のところは彼女や回りの人々に害は与えていないし、取りあえず様子見だろうか。

 

「ニャア、ミャーミャ?(二人は、最近どう?)」

 

「シャーシシャ(特に変わらないわ)」

 

「にゃにゃあ(こっちもね)」

 

「シャー(相変わらず良く奢ってくれるおじさんのおかげね)」

 

「にゃ?!にゃーーっ!(なによ!あんなヤツなんかただのメシヅルなんだから!)

 

「シャ、シャーシャー(お騒がせね、少しは静かにしたら?)

 

「ミャア〜(喧嘩はしないの)ニャニャニャァ(それじゃ、私は行くわ)」

 

そういいながら三匹の黒猫は太陽を浴びながら丸くなる、お昼寝を始める二匹だったがホムラだけは即座にその場から移動をし始めた。

 

「問題はあり、ただし実害はなし……どう対処するべきか、難題ね」

 

私にとって、今お世話になっている家の女の子……夢乃儚那は目が離せない子供だ。

猫は、9回生まれ変わるという噂があるが、今の私は正に生9回の猫生を歩んでいる。

9回も生きていたら、それなりに様々な経験をして来た。

そんな9回の中の一回、そこで儚那と似た雰囲気を持つ女の子と過ごした記憶があった。

幼く生まれた私と生まれたての彼女は共に沢山の時間を過ごした。

彼女がハイハイから立ち上がるのも見たし、小学校へ通うのも見ていた。

楽しかった、これまでの猫生とはまた違った生き方で彼女が笑えば自分も笑い、彼女が親から叱られ悲しめば寄り添った。

いつまでも温かいこの生活が続くと、そう思っていた。

あの日、私は小さな彼女の腕に抱かれて町を散歩していた。

 

「ふんふふーん♪今日も良いお天気なのですー!」

 

そんな彼女の言葉にあくびをしながら、温かい太陽の光を浴び襲ってくる眠気に身を委ねたくなるのを我慢する。

私にとってこの子と散歩する時間は楽しみでもあったから、昼寝するより共に様々な景色を眺めたい。

 

「そういえば◯◯ちゃん、しってるのですー?来週、学校で二分の一成人式があるのですよ!楽しみなのです!」

 

二分の一成人式、それは10歳の節目を祝う風習であり昨今の学校ではあまり見られないイベントだ。

そんなのやってる学校がまだあったにゃんねぇ……。

 

「家族も来れるって先生たちが話してたのです、当然○○ちゃんも来るのですよー?だって大切な家族なのですからねー!」

 

いや無理でしょ、猫が学校のイベントなんて参加できる訳が……。

そんな事を考えていると、横断歩道の上にある信号が変わり誘導音が周りに鳴り響く。

その音が少し苦手で、私は両手で耳を覆った。

次の瞬間だった。

 

「○○ちゃん!」

 

私の事を呼ぶ女の子の声と共に先程まで体全体で感じていた彼女の温もりが消える、そして感じる浮遊感に私は驚きながらどうにか着地する。

流石に飼い主とはいえ、ペットを投げるのは子供とはいえ許せない。

少しの間は撫でさせないし、何を見せられても無視して痛い目を見せてやろう。

そう思いながら振り替えろうとした、次の瞬間。

背後からドン!という何かと何かがぶつかる音と共にビチャッと何か液体のような物が落ちた音が聞こえ、何事かと振り向いた先にあった光景に私は固まってしまった。

斜めに停車したトラックから少し離れた場所で、あの子が、地面に横たわっていた。

倒れた場所からは赤い何かが広がっていき、回りの人間たちが大きな悲鳴を上げる。

あの優しい瞳は光を失い何処か虚ろで、近寄る私に何の反応も示さない。

近寄り、彼女の頬に肉球を押し付ける。

 

『はぁー、○○ちゃんの肉球は癒されるのですー』

 

ほら、今なら好きなだけ触っていいから……。

 

『アハハ!くすぐったいのですよぉー!もう!』

 

彼女の頬をなめる、何度も舐めてもどれだけ肉球を押し付けても彼女は笑わない。

身動きすることも何か言うこともない。

ねぇ、何でなにも言わないの?喜んでよ、撫でてよ、笑ってよ……ねぇ、起きてよ。

 

『来週、学校で二分の一成人式があるのですよ!楽しみなのです!』

 

『当然○○ちゃんも来るのですよー?だって大切な家族なのですからねー!』

 

来週、二分の一成人式なんでしょ?楽しみなんでしょ?私もいって上げるから、こっそり車に乗り込んででもいくから、だから起きてよ……。

彼女の頬に顔を擦り付ける、何の反応もない。

普通、私なんじゃないの?

私が死んで、貴方が私を看取るんじゃないの?

ねぇ、起きてよ……。

この日、私の家族が一人亡くなった。

飲酒運転をしていたトラックに跳ねられ、彼女は私より先に死んだ。

だから、私は彼女から目を離せない。

白音を探すのは諦めてない、でも今は……せめて彼女が大人になるまでは側で見守りたい。

儚那は本当にあの子によく似てる、あの子みたいに笑う。

あの子みたいに私を抱いて散歩してくれる。

まるであの子の生まれ変わりみたいだから、だから彼女を絶対に交通事故や他人の脅威から守る。

この子は本当に優しい、でも儚くて……目を離したら死んでしまうと思えてしまう。

だから、だからせめて彼女が成人するまでは私が側で守りたい。

 

 




【交通事故】二分の一成人式叶わず
×月×日、◯◯県某所にて飲酒運転をしていたトラックに引かれ、小学4年生の少女が亡くなりました。
運転をしていた50代男性は容疑を認めています。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

愛に飢えた女の子に「無償の愛」を注いだ結果(作者:鰻重特上)(オリジナル:現代/恋愛)

 押し倒される女の子の話(愛に飢えた女の子視点)。


総合評価:2034/評価:8.95/短編:3話/更新日時:2026年04月05日(日) 19:00 小説情報

マスター、このままだとメス堕ちキャンセラーが壊れちゃいますよ~(作者:あまぐりムリーパー)(オリジナル:現代/コメディ)

客がろくに来ないような喫茶店を経営していると、バイトのJKに「このままだとお店潰れちゃいますよ~」って言うノリで、ひたすら変な概念をぶつけられ続ける話▼催眠アプリ会社とかメス堕ちキャンセラーってなんだよ▼マルチ投稿します


総合評価:2242/評価:8.62/連載:21話/更新日時:2026年09月28日(月) 07:03 小説情報

虚飾の権能を持ってTS転生した上で英霊として召喚されましたが、マスターが可愛いので満足です(作者:プラチナムウィッチ)(原作:Fate/)

ところでマスター?私に肉弾戦をやらせようとするのはやめませんか?見てください。この細腕と細脚を。


総合評価:10619/評価:8.56/連載:8話/更新日時:2026年09月06日(日) 12:00 小説情報

TS転生した元おじさん一般村娘。将来結婚相手になるだろうからと優しく接していた幼馴染が村を出た。そして十年後、立派になりすぎて帰ってきた。(作者:パンデュ郞)(オリジナル:ファンタジー/ノンジャンル)

やあ、おじさんは村娘に転生したよ。▼どうやら村長の一人娘みたいだから、将来子供を産んで村を存続させるのが役割なんだ。▼最初は受け入れがたかったけれど、まあ人生って諦めと妥協の産物だよねってことで受け入れたよ。▼せめて結婚相手は仲良い相手がいいなぁ、と思って幼馴染と親しくしようとしたけれど、あんまりうまくいかなくって。▼その子は村を出ちゃったんだ。▼しょうがな…


総合評価:12597/評価:7.97/連載:38話/更新日時:2026年06月25日(木) 06:03 小説情報

TS上位存在(作者:甘朔八夏)(オリジナル:現代/ノンジャンル)

「全部あなたのせいだ」▼「お前ら苦しみたいのか?俺みたいに」▼「消えろ!!あんたの事なんか認めない!!天使は悪じゃないといけないんだ!!!」▼「あなたに守られたからあなたを傷つけてしまったから、ぼくの人生はめちゃくちゃだ」▼「そんなにやさしく、『近づくな』って言わないでほしいな」▼「……私は1人じゃないといけないから(人間さんエッッッッロ…………)」


総合評価:3758/評価:8.77/短編:9話/更新日時:2026年07月03日(金) 14:51 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>