コズミックアーカイブ(仮面ライダーフォーゼ×ブルーアーカイブ)   作:炙り中トロ

3 / 18
さぁ始まります3話!
ぶっちゃけると、対策委員会編に入るまでの3話〜5話でかなり賛否が分かれると思ってます……!特に5話

それと、最初は「」の前に名前をつけてて
ユウカ「先生!」
みたいな感じにしてたんですけど、この話をやるにあたって、モブ生徒には
ミレニアム生徒A「………」
みたいにしないといけない事に気づいて、何か味気ないなぁと思ったので「」の前の名前表記をなくしました。
1話と2話も修正しましたので、よろしくお願いします。


第3話 学・園・挨・拶

仮面ライダーフォーゼこと如月弦太朗がキヴォトスのシャーレに赴任した。

 

そして、早速仕事に移ろう!というところなのだが……

「やってやるぜ!…とは言ったものの、何からしようか……」

「やることが多すぎる……」

「そうですねぇ……」

 

話しているのは、手をつける仕事の話。

普通なら先生は生徒に授業をするのが普通。だが、このキヴォトスでは授業は全てブルーレイで行われるため、教師という概念がないのだ。

だからこそ山積みになっている書類をどうにかするのが役目なのだが……如何せん量が異次元すぎる。

 

「うーん……まずは、昨日お世話になった皆さんに挨拶をしに行くというのはどうでしょうか?」

「え?」

「ほら、今朝話してくれたじゃないですか。昨日サンクトゥムタワーに来ていた生徒さんにお世話になったって。それで是非うちの学校にも来てみてくださいって言われたんですから、まずはそこに行って、この世界の事を知ることから始めればいいと思います!」

「おぉ!なるほどな!」

 

アロナの提案に、弦太朗は秒で乗り、早速身支度を始めた。

そして、色々と荷物を持って出てくる。

 

「それじゃあダチになるための第一歩!ミレニアムに出発だぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

そして、弦太朗はシャーレのオフィスを出て駐車場に向かおうとするのだが……。

 

「あやっべ…飲み物忘れた……」

 

しかし、飲み物を忘れたことに気付く。早速第一歩目を踏み外した弦太朗は辺りに自販機でもないかと見回していると、コンビニらしきものを見つけた。

 

「おっ、丁度いいな。寄ってくか。」

 

そして弦太朗は『エンジェル24』と書かれたコンビニに入っていった。

 

 

 

 

 

 

「い、いらっしゃいませ、エンジェル24です!」

 

弦太朗がコンビニに入ると、小柄な黄色髪の少女が弦太朗を出迎えた。

 

「え、大人の人……?も、もしかして噂の先生ですか?」

「え?あ、おう!昨日シャーレに赴任してきた如月弦太朗だ!よろしくな!」

 

弦太朗は少女に手を差し出す。しかし、少女は少し警戒気味だ。

人見知りというやつである。

いや、それ以上の警戒心があるような……

 

(こ、この人があの連邦生徒会の人たちが頻繁に出入りしていると噂される怪しい建物の先生……!万が一この人に嫌われたら私、もしかして大変なことに………!?)

 

色々考えた結果生命の危機を感じた少女は、取り敢えず弦太朗に向き直る。

足は少し震えているが、カウンターのお陰で弦太朗には見えていない。

 

「わ、私はソラです。このコンビニでアルバイトしてます!よろしくお願いします!」

「おう!よろしくな!今日からお前も俺のダチだ!」

「は、はい!」

(良かった…嫌われずに済んだ……)

 

こうして、また弦太朗にダチが増えた。弦太朗は飲み物とついでに弁当をレジに置く。

 

「こいつを頼む。」

「あ、はい。」

「……一つ気になることがあんだけどさ。」

「?なんでしょうか?」

「この店、えらく荒れてるけど大丈夫なのか?」

 

弦太朗の言うことはもっともだ。

コンビニの壁、床、天井は舗装した跡や傷があり、穴が空いている場所や焦げている場所まである。

 

「実は……」

「このコンビニ、場所が場所なので結構な頻度で襲撃に会うんです…大体昼過ぎに来るんですけど、戦車が突っ込んで来たりしたことも……」

「………」

「まぁでも、あなたの噂は聞いてますし、そんなあなたがいるオフィスが目の前にあるなら、流石に襲撃の頻度は減ると思いますけどね…」

「あ、お会計終わりました。お値段は513円ですね。」

 

ソラにそう言われ、弦太朗はクレジットカードで支払いを済ませた。

 

「ソラ!」

「はい?」

 

弦太朗は店を出る直前にソラに話しかける。

 

「なんかあったら、すぐ呼べよ!」

 

襲撃なんてされている中、見捨てるわけにもいかない。弦太朗は言い残し、コンビニを出ていった。

 

 

 

 

 

 

その後、弦太朗はマシンマッシグラーを走らせ、早瀬ユウカがいる、ミレニアムサイエンススクールにやってきた。

 

「うおぉぉぉっ!すっげえぇぇぇぇっ!」

 

着くや否や、弦太朗は興奮する。それもそのはず。ミレニアムサイエンススクールはキヴォトスに存在する学園の中で一番最先端な技術を扱っているからだ。そこはまるで未来の世界。

この学校だけでも、天高の何千倍も凄いだろう。ただ……

 

「これ、どこ行きゃ良いんだ……?」

 

あまりの広さ故に、初めて来た人はまず迷うのである。

 

「んーっと……」

 

弦太朗はどうするべきか分からないまま、歩き出そうとする。その時だった。

 

「あっ、如月先生!」

「お?」

 

後ろから聞き覚えのある声がし、弦太朗は後ろを向く。そこには、ユウカが立っていた。

手を振りながら近づいてくるユウカ。

 

「先生!来てくれたんですね!」

「おう。色々と世話になったし、学校のことも知りたくてな。」

「そうなんですね。なら、私がこの辺りを案内します。」

 

ユウカはそう言うと、弦太朗の手を掴んで歩き出した。そして主要施設間を移動するためにモノレールに乗り込んだ。

 

 

 

 

 

 

モノレールの中で、ユウカは弦太朗にミレニアムの説明をしていた。

 

「このミレニアムサイエンススクールは、トリニティ総合学園、ゲヘナ学園と並んでキヴォトスの三大学園と呼ばれている学校です。通称はミレニアム。この学校の自慢は、やはりその影響力でしょうか?」

「校風は『合理と技術』で、その名の通り科学の研究や技術の発達に重きを置いていて、優秀な理系の生徒が集まっています。」

「へぇ…」

(賢吾だったらここで毎日なんか研究するんだろうなぁ……)

「この学校はかなり広くて、移動にはモノレールを使うんです。色々と最新鋭の施設があって、キヴォトスの最新鋭や最先端の機器はその殆どがミレニアムから生まれてるんですよ?」

「えっと…高校生……だよな………?」

 

弦太朗は感心を通り越して驚嘆していた。話のレベルが高すぎるし、しかもこれを全て高校生の手で再現しているというのだ。

「そして私はここの生徒会……セミナーの会計です。今このモノレールは、そのセミナーの本部があるミレニアムタワーへ向かっています。なので次は、セミナーの中を案内しますね。」

説明が終わった丁度にモノレールが停車した。ミレニアムタワーに着いたらしい。

 

「あ、私としたことが喋りすぎてましたね、じゃあ降りましょうか。」

「おう……」

ユウカに手を引かれ、弦太朗はモノレールから降りていった。

 

 

 

 

 

膨大なミレニアムを運営している組織なだけあり、セミナーの本部は衛生面はもちろんのこと、システムやテクノロジーも凄まじかった。

 

「このセミナーはミレニアムの運営もありますが、千年難題と呼ばれるまだ一つしか解明されていない難題を解くことがメインで……」

 

そして相変わらず、ユウカのミレニアムうんちくは続いていた。

そんな本部に入って暫く歩いていると、昨日ユウカと通話をしていた少女、『生塩ノア』が二人を出迎えた。

 

「ユウカちゃん、お帰りなさい。」

「あ、ノア、ただいま。」

「おや?そこの人は?」

 

ノアはユウカの後ろにいる見知らぬ男性に疑問を抱く。

 

「あぁ、この方はシャーレの如月弦太朗先生。今朝話したでしょ?」

「あぁ〜!この方が!」

 

ノアはそう言うと、少し早足で弦太朗に駆け寄ってくる。

 

「昨日は親友のユウカちゃんを助けていただき、本当にありがとうございました。」

 

ユウカとノアは親友関係らしい。ノアはそう言いながら、深々と頭を下げる。

 

「気にすんなって。それよりさ。」

ノアに手を差し出す弦太朗。ノアは首を傾げて不思議な顔をしているが……

 

「……?」

「お前も俺のダチになろうぜ!」

「ダチって…まだ初めて会ってから1分26秒でお互いのことを何も知らないのに、気が早いですね……」

 

いきなりすぎる弦太朗の誘いに、ノアは驚きと、興味深さが籠もった視線を弦太朗に飛ばした。

 

「今分かんなくても良いんだ。」

「ほう?」

「今はまだ分かんなくても、ダチになってからお互い分かり合っていきゃ良い。分かり合って、助け合うために、ダチになるんだ。もしそれで黒いとこがあったとしても、俺は受け入れる。」

「……なるほど。それが先生なんですね。」

 

ノアはそう納得すると、弦太朗に手を差し出す。

そして二人は、『友情のシルシ』という、弦太朗と友達になった証を交わした。

ニコニコな二人だが、ユウカだけは何やら釈然としていないようだった。

 

「はぁ…。先生?」

「?」

 

ユウカが弦太朗とノアの間に割って入る。しかも、ノアを弦太朗から引き剥がして、だ。

 

「私たちは生徒で、あなたは先生はですよ?友達だとか、そういう関係じゃないってことを理解してもらわないと……ノアもそんなすぐ友達になんて…」

「いや、ダチになるのに先生も生徒も年齢も関係…」

「あります。」

「え?」

「いいですか?友達というのは仲のいい同等の相手のことを指します。そして、先生とは生徒の上に立って生徒を指導し、導いていく存在。そんな存在である先生が、私たちと同じ立場の友達だなんて、有り得ません。」

 

ユウカは弦太朗の反論を遮り、そうバッサリと切り捨てた。そう。ユウカに弦太朗と友達になるつもりなどない。昨日、「今日からお前も俺のダチだ!」と言われた時も、友達になった気分など微塵もなかったのだ。

 

「いや、違うな!」

「……はい?」

「友情ってのは、そんな立場だけで左右されるもんじゃねぇ!絶対に俺が証明してやる!」

「そうですか……なら精々頑張ってみてください。」

「二人共……」

 

弦太朗とユウカはお互い睨み合い、その場に不穏な空気が流れるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、ミレニアムの裏門では、ゲヘナ学園の方にいるはずの六人程の不良集団がミレニアムに押し入って来ていた。

そして、とあるミレニアム生と揉めている。

 

「オラオラァ!インテリぶってんじゃねぇぞ!」

「ミレニアムはアタイらが乗っ取る!」

「あ~もううるさいなぁ!」

 

そんなスケバン集団と言い争いをしているのは、猫耳付きヘッドホンを付けた緩い服装の少女、『才羽モモイ』。ミレニアムの部活の一つ、ゲーム開発部の生徒である。

 

「普段ゲヘナのとこで集まってる不良集団がうちに何の用なのさ!」

「お、お姉ちゃん、あんまり言い争わないほうが……」

 

スケバン集団に食って掛かるモモイを止めようとしているモモイのピンク色のところ全てを緑色に変えた姿をしている少女は『才羽ミドリ』。モモイの妹である。

 

「言ってんだろ。この学園乗っ取んだよ。」

「分かったらさっさとどけ!殺されてぇのか!?」

「は?殺す?プークスクスwwwいつもゲヘナで問題起こしては『風紀委員』にボコボコにされてトリニティで問題起こしたら正義実現委員に蹴散らされて、ここに来ても『C&C』に滅茶苦茶にされるような連中が?無理無理無理wwwww」

「てめぇ舐めてんのか!」

「舐めるも何も事実じゃんwwwね、ミドリ?」

「それは、確かに……」

「てめぇらアァッ!」

 

モモイの物凄い煽りと、追い打ちにそれに少し納得してしまったミドリに対し、不良のリーダーはとうとうブチギレた。

そして、ポケットから何かを取り出す。それは、ゾディアーツスイッチだった。

 

「……ん?」

「何それ?」

「てめぇら、許さねぇ………!」

 

不良のリーダーはそう言いながら、ゾディアーツスイッチを押した。

すると、不良のリーダーは暗黒スモークに包まれ、ハウンドゾディアーツに変貌した。

 

「う、うわああぁぁぁぁぁ!?」

「か、怪物!?」

 

突然あらわれたハウンドゾディアーツに、モモイとミドリは驚愕する。

 

「ケケケッ……この力で、蹴散らしてやる!」

 

ハウンドゾディアーツはそう言うと、針状のエネルギー弾を飛ばす。そしてそれが命中した建物に風穴が空いた。

 

「に…逃げろおぉぉーーーっ!」

 

このままでは殺されると確信したモモイは、その場から走り出す。

 

「お、お姉ちゃん!?置いてかないでよおぉーー!?」

そしてそれに続き、ミドリもその場から逃げ出した。

 

 

 

 

 

 

 

「今日でミレニアムは終わりだァ!」

 

ハウンドゾディアーツは辺りを手当たり次第攻撃し、学校を破壊していく。生徒たちは逃げ惑い、一部銃で応戦する者もいるが、銃撃が効かず、結局逃げていく。

 

「う、うわああぁぁぁぁぁ!」

「化け物だあぁぁーーっ!」

「し、C&Cはまだ来ないの!?」

「それが…今は任務でレッドウィンターの方にいるらしくて……!」

 

更に後ろからは他のスケバンの攻撃に、戦車まである。本気でミレニアム学園を壊滅させるつもりのようだ。

 

「待て!」

「あ?」

 

そこに、騒ぎを聞きつけた弦太朗とユウカとノアが走って来る。

 

「やめろ!」

「……っ!あれが噂の怪物……!?」

「あぁ…ミレニアムが滅茶苦茶に……修理費の支出とかバカにならないのに……」

 

ゾディアーツを初めて見たノアはゾディアーツの異様な姿に驚き、弦太朗は真正面から睨みつけ、ユウカは後々来るであろうお金の計算に頭を抱える。

 

「何だてめぇら?殺されてぇのか?」

「そうはいくか!」

 

弦太朗はフォーゼドライバーを取り出し、腰に装着する。

 

「変身!」

 

そしてスイッチを押してレバーを引き、弦太朗はフォーゼに変身する。

 

「宇宙キターッ!」

「あぁ!?」

「なるほど…あれが噂の……」

 

フォーゼの出現に、ハウンドは驚き、ユウカからその存在を知らされていたノアは驚嘆した。

 

「ノア、私たちはあの不良生徒と戦車を!」

「あ、はい!」

 

ユウカとノアはフォーゼの邪魔はさせまいと銃を構え、不良生徒と戦車に向かって走って行った。

 

「仮面ライダーフォーゼ!タイマン張らせてもらうぜ!」

 

フォーゼはハウンドに向かって突っ込み、連続で殴る。

更に頭突きをし、転ばせたところを蹴り飛ばす。

 

「こいつでいくぜ!」

 

フォーゼはそう言うと、ドライバーにジャイアントフットスイッチを装填する。

 

『ジャイアントフットオン』

「踏み潰してやるぜ!」

 

フォーゼはジャイアントフットモジュールが付いた右足で地面を踏む。

 

「!ヤベッ!?」

 

フォーゼが地面を踏むと同時にハウンドの上空に巨大な足のエネルギーが出現する。

そしてそれはハウンドに降ってくるが、ハウンドはそれを転がって躱す。

 

「この野郎……!」

 

ハウンドはフォーゼを睨み、身体に付いている鎖でフォーゼを攻撃する。

その威力はフォーゼにまぁまぁのダメージを与える。

その上すばしっこく、フォーゼの攻撃は当たらない。

 

「フンッ!」

「うわっ!?」

 

ハウンドは鎖を思いっきり打ち付け、フォーゼは地面を転がる。鎖といえど、コズミックエナジーを秘めたその威力は銃より高い。

 

「そんなもんか、噂の仮面ライダーも大したことねぇな!」

「甘く見んなよ!本番はここからだぜ!」

 

フォーゼはスモークスイッチを取り出し、装填した。

 

『スモークオン』

 

そしてフォーゼはスモークモジュールから煙を放出した。フォーゼは煙の中に姿を消す。

 

「なに!?」

 

突然の煙。視界が制限された煙の中は、妙に広く感じられ、ハウンドは戸惑う。

 

「ぐわっ!?」

 

更に煙の中から棘がついた鉄球のチェーンアレイモジュールが飛んできて、ハウンドを攻撃した。

更に更に、シザースモジュールとスパイクモジュールを装着したフォーゼがシザースでハウンドを斬り、スパイクの棘でハウンドを蹴り飛ばした。

 

「形勢逆転だぜ!」

「チッ……」

 

このままでは負けると読み取ったハウンドは、飛び上がって逃げようとする。

「させるかよ!」

 

『マジックハンドオン』

 

「ハァッ!」

「うおっ!?」

 

フォーゼはすかさずマジックハンドモジュールを起動し、ハウンドを捕まえて地面に落とした。

 

「トドメだ!」

 

そしてフォーゼはスパイクとシザースのリミットブレイクでハウンドを倒すべく、レバーを引こうとする。

その時、フォーゼの足元を銃弾が襲った。

 

「何!?」

「!おめぇら!一旦引くぞ!」

 

ハウンドはそう言うと飛び上がり、今度こそその場から逃げて行った。

 

「!待ちなさい!」

 

そして、生き残った不良生徒と戦車も撤退していく。

「逃したか……」

 

フォーゼはハウンドたちの気配が完全になくなったのを確認すると、変身を解いた。

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

フォーゼが戦っていたエリアの近くにあるミレニアムの建物の屋上で、黒いスーツを着た男が立っていた。

それだけの情報なら普通の人間に思えるが、その男は顔まで黒く、目や口は稲妻のようにバチバチと迸っていた。そしてその手には拳銃を持っている。

 

「あれがシャーレの先生ですか……」

 

異質な見た目の謎の男はそう呟き、ハンカチで拳銃の指紋を取ると、その場に投げ捨て、そこから去っていった。

 

 

 

 

 

 

「あいつらどこに行きやがった…?早く探さねぇと……」

 

変身を解いた弦太朗は逃げたハウンドを探そうと、駐車場に向かおうとする。

 

「しっかりして!」

「?」

「………!」

 

その時、後ろからユウカの声が響き、弦太朗はユウカの方を見る。そこには、不良集団の攻撃をまともに受け、傷つき倒れた生徒たちと、そんな生徒たちを必死に助けようとするユウカとノアがいた。

 

「今医務室まで運びますから……!」

「負傷者が多すぎる……助けを求めようにも、皆逃げてどっか行っちゃったし……」

 

二人は全員を助けようと救出に必死だが、どう考えても人手が足りない。

二人の曇った心を表すように、雲がかかって雨が降り出した。

 

「私たちだけでどうにかするしか……!」

「次は……」

 

ユウカとノアは戦いと搬送で疲れた身体に鞭打ちながら次の生徒を運ぼうとする。

だが、そんな次の生徒を持ち上げる人物がいた。

その人物は……

 

「………先生?」

 

その人物は弦太朗だった。弦太朗は真剣で優しい目でユウカを見る。

 

「……俺も手伝う。早く運ぶぞ。」

「!……はい、お願いします。」

「あぁ。」

 

弦太朗は二人を手伝って生徒たちを次々と医務室に運び、なんとか全員をベッドに寝かせることができた。

 

 

 

 

 

 

 

そこから数十分後、3人はミレニアムタワーのセミナー室で話し合いをしていた。

 

「……さて、話し合うべきは、ミレニアムの修理についてとあの不良生徒たちの対処についてですね……今は会長もいませんし、私たちだけでどうにかしないと……」

「ええ。今度いつどこから攻めてくるかも分らないし、先生にずっとミレニアムに居てもらうのも申し訳が………」

「……いや、あいつらをどうにかするまで、俺はここに居る。」

「え?」

 

弦太朗の返答は二人にとって予想外だった。それもそのはず。弦太朗のシャーレの先生という立場上、仕事は山のようにあるはずなのだから。

ノアはそれを口に出す。

 

「先生には仕事が沢山あるはずでは?」

「……ダチだからだ。ダチがピンチだってんなら、助けるまでここにいてやる。」

 

弦太朗はニコッと優しく笑いながらそう言う。

 

「ですから……!」

「私たちは友達だとか、そういう関係にはなれません。」

「いや、絶対になる!」

「はぁ……どうしてそんなに友達に拘るんです?」

「理由なんかねぇ。ただ、一つ言えんのは、ダチになったら、もっと互いのことが分かって、助け合えるような仲になるってことだ。俺はただの先生と生徒ってだけじゃなくて、もっとお前と仲良くなりてぇんだ。」

「ですからそれは立場が……!」

「立場なんか関係ねぇ!ダチに……誰かと仲良くなるのに年齢も立場もねぇんだ!だからお前ともダチになる!」

「だから……!」

「もういいです!とにかく、私にその気はありませんから!」

 

ユウカはそのまま、立ち上がり、部屋から出て行ってしまった。

 

「ユウカ!」

「………」

 

弦太朗はユウカを追いかけようと、席を立つ。

 

「待ってください。」

 

そんな弦太朗を、ノアが引き止める。

 

「今話すべきは、あの不良生徒たちをどうするかです。ユウカちゃんには後で説明しておきますから……。」

「………分かった。」

 

弦太朗は飲み込めない表情のまま、席に座り直した。

 

「今ある情報を話しますね。」

 

ノアはそう言うと、端末に記録されているデータを映し出す。

 

「あの集団は普段ゲヘナ学園の外れにたむろしている不良生徒集団の一部です。普段の行動を調べてみたところ、最近になって様々な学校を襲っているらしいです。ただ、一つ気になることがありまして……」

「?」

「昼過ぎ辺りに学校がその集団に襲われた事はほぼないらしいです。どうやら、外郭地区の方に行くらしいのですが……」

「昼過ぎ…昼過ぎ……あっ!」

 

シャーレがある外郭地区に、昼過ぎというワードに聞き覚えがあった弦太朗はしばらく考えた後、あることを思い出した。

 

 

『このコンビニ、場所が場所なので結構な頻度で襲撃に会うんです……大体昼過ぎに来るんですけど…以前は戦車が突っ込んで来たりして…』

 

 

「!先生、何か心当たりが?」

「あぁ。実は……」

 

弦太朗はノアに今朝のコンビニでの会話を伝える。

 

「なるほど…それなら昼過ぎにだけ襲撃が来ないのも頷けますね……あそこのコンビニを狙ったのは、あそこならどの学園からも目をつけられないからといったところでしょうか……あそこを管轄している連邦生徒会も強盗に構ってる余裕はないでしょうし…」

「それで今時間は……」

ノアはそう言いながら、腕時計を確認する。

「!12時17分49秒……!もうお昼過ぎです!」

「!俺、行ってくるわ!」

 

時間を聞いた弦太朗は部屋から飛び出し、駐車場に向かっていった。

 

 

 

 

 

 

「クククッ……」

 

不良のリーダーは手下を引き連れてエンジェル24の前に来ていた。

 

「ここはキヴォトスの主要な学校全てから管轄外の場所……ここなら金も飯も手に入り放題だ…丁度苛ついてるから八つ当たりも込めてな……!」

「行くぞてめぇらぁっ!」

「押忍!」

 

彼女の合図とともに、不良生徒集団はコンビニに突入しようとする。

その時、マシンマッシグラーに乗った弦太朗がスケバン集団とコンビニの間に現れた。

 

「またてめぇか……」

「ここから先には、ぜってぇ通さねぇ!」

「てめぇ……!」

「どけっ!」

「うわっ!?」

 

弦太朗の姿を見た不良のリーダーは手下を乱暴に押し退け、前に出た。

 

「お前はハウンドの…そのスイッチを渡せ!」

「誰が渡すかよ……!てめぇのせいでイライラしてんだ……!ここで憂さ晴らしだぁっ!」

 

不良のリーダーがそう言うと同時に、彼女が手に持っているゾディアーツスイッチから膨大な闇のエネルギーが放出された。

 

『ラストワン』

「!」

 

そして、ゾディアーツスイッチはラストワンと呼ばれる物に変わった。

 

「ふぅん…これ、こんな風に変わるんだ……」

「やめろ!そいつを押したら、身体も心も完全にゾディアーツになっちまうぞ!」

「ケケケッ……圧倒的な力が手に入るってなら、それも良いかもなッ!」

 

不良のリーダーはそう言いながら、ゾディアーツスイッチを押した。

すると、闇のコズミックエナジーに包まれ、姿がゾディアーツに変わる……普通ならそのはずだった。

だが、ラストワン形態に到達したゾディアーツは違う。

闇のコズミックエナジーの中からハウンドゾディアーツが出現すると同時に、不良のリーダーの身体が繭状でハウンドから排出される。

 

「ひぃっ!?」

「リ…リーダー……?」

 

今の彼女の肉体はもう抜け殻同然だ。今の彼女の精神は、ハウンドゾディアーツに宿った状態になっている。こうなると自力では元の人間に戻れない。が、その代わりに戦闘力は桁違いに上がる。

 

「へぇ…こいつがさっきスイッチが言ってたラストワンって奴の力か……これでお前を叩き潰してやるよ。」

「クソッ……!やるしかねぇ!」

「変身!」

 

弦太朗は覚悟を決め、フォーゼに変身する。

 

「宇宙キターッ!」

 

フォーゼは決め台詞を放つと、ハウンドに向かって走って行った。

 

 

 

 

 

 

「全く…あの人は本当に……」

 

一方その頃、ユウカはセミナー室の外にある廊下で考え事をしていた。

 

「先生が生徒と友達になろうだなんて、無理に決まってる………」

 

立場という壁は絶対に超えられない。友達になんてなれない。ユウカはそう思っていた。だが……

 

「少し、言い過ぎちゃったかな…」

 

弦太朗がユウカと友達になろうとしたのは明らかに善意のはずだ。

だが、ユウカはそれを冷たく突っ撥ねた。その罪悪感がユウカを襲う。だが同時に、やはり先生と生徒の友情はおかしいという思いもまだある。

 

「ユウカちゃん、こんな所にいたんですね。」

「!ノア……」

 

そんなことを考えていると、そこにノアがやって来た。

 

「辛辣ですね〜。先生、多分気にしてますよ?友達、ならないんですか?」

「…やっぱり、先生と生徒が友達っていうのは変かなって……」

「本当にそうでしょうか?」

「え?」

「私は、友達というのは一概に立場だけで決めれるものではないと思います。」

「……先生は今、一人でゾディアーツと戦いに行っています。」

「!?」

 

ノアからの衝撃のカミングアウトに、ユウカは驚愕する。

自分が今こうしている間にも、弦太朗は戦っているのだと……

 

「まだ会ってからまだ僅かな時間しか経っていないのに、先生は私たちを守ろうと戦ってくれてるんです。それに、シャーレの先生としての仕事は、連邦生徒会に届いた書類を捌くこと。別にミレニアムで起きた問題なんて放置しても良かったんです。でも、先生は私たちを見捨てなかった。それどころか、命を賭けて戦ってくれている……」

「勿論、今ユウカちゃんが言いたいことも分かります。それは友達としてではなくて先生としてだろうって。」

「でも、先生はこう言ってましたよね。『分かり合って助け合うためにダチになる』って。それは、先生と生徒の立場の壁を超えた、友達だからこそ出来ることだと思うんです。そして、分かり合って助け合う。つまり友達になる。それをするのに、年齢や立場なんて関係ない。かと言ってただ仲が良いだけでもない。先生はそう言いたいんだって、私は思いました。」

「それに、別に友達なったら先生として見れないってわけでもなくないですか?」

「え?」

「ユウカちゃんが先生を先生として見たいなら、私は咎めません。でも、どちらか一方しか取れないなんてことはないと思います。友達として接しながらも、先生と生徒という関係も忘れない。別にそんなんでも良いんじゃないですかね。」

「………」

 

ノアの話を聞いたユウカは目を瞑り、その場で少しだけ考える。

そして数秒後、目を開き、口を開く。

 

「ノア、先生は今どこにいるの?」

「……その言葉、待ってました!」

 

ユウカのその言葉に、ノアはニッコリした。

 

 

 

 

 

 

 

「喰らえぇぇっ!」

「うわぁっ!」

 

一方のフォーゼは、ハウンドの攻撃で吹っ飛ばされ、車に当たった。

更にハウンドの後ろにある戦車の砲撃がフォーゼを襲い、車は破壊され、フォーゼは吹っ飛ぶ。

 

「おいおいどうした?こんなもんか?」

「クソッ…こうなったら……」

 

追い詰められたフォーゼは、あるスイッチを取り出そうとする。しかし……

 

(ない!?)

 

探しているスイッチはなかった。フォーゼはあちこちを探し回る。

 

(ねぇ…!?『エレキ』も『ファイヤー』も、『マグネット』も『コズミック』も……どうなってんだ……!?)

「どうした?よそ見してる場合か?」

「くっ……」

 

強化アイテムが全てなくなっており、フォーゼは動揺するが、ハウンドはそんなこと関係なしに攻撃して来る。フォーゼは迎え撃とうとするが、フォーゼへの憎しみでパワーアップしたハウンドゾディアーツ相手に、フォーゼは終始劣勢である。

スモークも、煙の中に満遍なく鎖を放つ戦法で突破されてしまった。

遂に、フォーゼはまともに攻撃を受け、地面に叩き伏せられた。

そして起き上がろうとするが、そんなフォーゼの目の前には針状のエネルギーをいくつも出したハウンドがいた。

 

「これで終わりだあぁぁっ!」

 

ハウンドはそう言いながら、針状のエネルギーでフォーゼをズタズタにしようとする。

その時だった。

 

「うっ!?ぐおっ!?」

「!?」

 

突然、銃弾がハウンドを襲い、ハウンドは後退する。

 

「誰だ!?」

 

ハウンドはそう叫び、辺りを乱暴に見る。フォーゼは呆然と周辺を見回す。その時……

 

「!お前……」

 

銃弾を放った人物はフォーゼの前に現れ、手を伸ばし、言葉を放つ。

 

「ダチはお互い分かり合って助け合うためにあるんですよね?先生。」

フォーゼを助け、手を伸ばしたのは、ユウカだった。

「ユウカ……!?」

「先生、私、色々と考えたんです。」

「私たちはあくまで先生と生徒という関係と立場。それは変わりません。」

「けど…」

「……?」

「でも、先生は私たちのためにこうして戦ってくれたし、手伝ってくれた。理解し合い、助け合おうとしてくれた。それは、ただ先生と生徒というだけでは、片付けられないことだって気付いたんです!」

「だから私決めました!先生と生徒という壁は決して崩れません……でも、壁なんて関係ありません!先生と生徒という関係は変わりませんが、私は先生と友達になります!」

「ユウカ…。」

「あぁ、よろしくな!」

 

フォーゼはユウカの手を借りて立ち上がり、その場で友情のシルシを交わした。

そしてお互いニコリと微笑む。同時に、降っていた雨が止んだ。

 

「クソが!てめぇらイチャイチャしやがって!」

そこにハウンドがやってきて、二人を睨みつける。その後ろには、十人程のスケバンと、一台の戦車があった。

「あの不良生徒と戦車は私に任せて、先生はゾディアーツをお願いします!」

「それと!イチャイチャなんてしてないから!」

「おう!任せろ!」

「仮面ライダーフォーゼ!タイマン張らせてもらうぜ!」

「それは今言わなくてもいいと思います!」

 

フォーゼとユウカは構えを取り、同時に走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

「ミレニアムのセミナーとはいえ、相手は一人だ!とっととぶちのめしてやる!」

「やっちまえー!」

 

スケバン集団は一斉にユウカに襲いかかり、銃を乱射する。

 

「……合理と理性は無慈悲よ。」

 

ユウカがそう呟いた瞬間、ユウカの周りにバリアが展開される。そして、スケバン集団の銃弾を全て弾き返してしまった。

 

「何!?」

「1つ言っておく。」

「あぁ?」

「あなたたちの攻撃が私に命中する確率は極めて低いし、私の勝率はかなり高い。覚悟してもらうわよ。」

「舐めやがって……!殺れッ!」

 

不良の一人がそう叫ぶと、四人のスケバンがユウカに迫る。

だが、ユウカは銃とバリアを駆使した戦法で、四人のスケバンをあっという間に制圧してしまった。

 

「勝利を、証明するわ!」

 

ユウカは決め台詞を言い、残るスケバン集団に突っ込んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「行くぜ!リターンマッチだ!」

「フン、私に手も足も出ない奴が何したって無駄さ!」

 

ハウンドはそう言いながらフォーゼに挑みかかる。そしてそのスピードを生かした体当たりを喰らわせるが、フォーゼはなんとそれを真正面から受け止めた。

 

「なっ!?」

 

更にハウンドを蹴って牽制すると、ストレート、ジャブ、アッパー、ジャブ、頭突き、ヤクザ蹴りを繰り出し、格闘戦でハウンドをボコボコにしてしまった。

 

「馬鹿な…どこからそんな力が来んだよ!?」

 

先程までは圧倒していた敵がいきなり自分を圧倒しだしたことが信じられず、ハウンドは動揺する。

 

「ダチだ!」

「あぁ!?」

「心と心がぶつかって、その末にようやくダチになれた奴と一緒に戦えば、パワーは何百倍にも何千倍にも何万倍にも強くなるんだよ!」

「ふざけんな!」

 

ハウンドはフォーゼの返事に対してそう叫ぶと、鎖と針状のエネルギーをフォーゼに向かって飛ばす。

フォーゼはそれを転がって躱しながらステルススイッチをセットし、起動する。

 

『ステルスオン』

 

フォーゼはステルスモジュールを起動した。

 

「何をしようが無駄さ!」

 

ハウンドはそう言いながら、フォーゼを攻撃する。

その直前に、フォーゼはステルスを起動した。

 

「な、なに!?」

 

その瞬間、フォーゼの姿は消える。

 

「どこだ!?どこに消えた!?」

「ここだ!」

 

そして5秒後、フォーゼはハウンドの目の前に現れた。ステルスモジュールは、光学迷彩により、フォーゼの姿を5秒だけ消すことが出来るのだ。その手には、フォーゼのスイッチの中でもトップレベルの破壊力を持つハンマーモジュールが装着されている。

 

「なに!?」

「オラァッ!」

「ぐぎゃあぁっ!?」

 

フォーゼはハンマーでハウンドを吹っ飛ばし、ハウンドは壁に激突する。

 

「次はこれだ!」

 

フォーゼはハンマーモジュールはそのままに、ステルススイッチをオフにし、ホッピングスイッチを起動する。

 

『ホッピングオン』

 

「また手首足首変えやがって…!いい加減にしろ!」

 

ハウンドはそう言いながらフォーゼに突っ込むが、フォーゼはそんなハウンドの頭を掴んで止める。

 

「それがフォーゼだ。文句あるか。」

 

フォーゼはそう言うと、右足でハウンドを蹴り飛ばす。

そしてホッピングモジュールの力で高く飛び上がった。

 

「この連続攻撃に耐えられるか!」

 

フォーゼはホッピングのバネを利用し、飛び上がっては攻撃、飛び上がっては攻撃を繰り返し、ハウンドにダメージを与える。しかも変則的に飛ぶため、ハウンドの攻撃は当たらない。

 

 

 

 

 

 

 

「ハァッ!」 

 

一方のユウカは、一人で不良生徒を全員倒し、残りは戦車を残すのみとなった。

 

「さぁ、そろそろ終わらせるわよ。」

 

ユウカはそう言いながら、戦車に向かって突撃する。

戦車はユウカに向かって砲撃を発射した。そしてそれはユウカに命中し、爆発を起こす。

しかし、ユウカはバリアを貼り、砲撃を完全にシャットアウトしていた。

 

「なに!?」

 

これが信じられない乗組員は思わず声を出す。

だが、ユウカはそんなこと気にせず、戦車の上に乗る。

 

「これで最後よ!」

 

ユウカはそう言いながら、戦車に銃弾を撃ち込んだ。すると途端に、戦車は動かなくなり、数秒後に爆発を起こす。

だが、バリアに覆われているユウカは無傷である。

 

「計算通り。完璧〜。」

 

そう。ユウカは戦車の弱点位置を即座に見極め、そこに銃弾を撃ち込んだのだ。

かくして、ユウカ一人の手により、ハウンド以外のスケバン集団は壊滅したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「ぐわぁっ!?」

 

フォーゼはホッピングのバネで跳び上がる瞬間にハンマーモジュールでハウンドを下からぶん殴り、空中に吹っ飛ばした。

 

「うし!決めてやるぜ!」

 

フォーゼはそう言いながら、ドライバーのレバーを引く。

 

『ホッピング・ハンマー リミットブレイク!』

 

音声がなると同時に、ホッピングモジュールに凄まじいエネルギーが込められる。

そしてフォーゼは大ジャンプし、ハウンドの遥か上まで跳んだ。

 

「喰らえ!ライダージャンピングハンマークラッシャーーーーー!」

 

フォーゼはハンマーモジュールをハウンドに叩きつけ、そのまま地面へ落下させてハンマーでの一撃と地面の落下の衝撃を同時に喰らわせた。

 

「ぐわあぁぁ……」

 

ハウンドゾディアーツはその一撃に耐えきれずに爆発した。

爆炎の中からゾディアーツスイッチが転がってくる。

 

「もうゾディアーツにはさせねぇぞ!」

 

フォーゼはそのスイッチを拾い、スイッチを押す。すると、ゾディアーツスイッチは跡形もなく消滅した。

 

 

 

 

 

 

 

「フム…」

 

ここまでの一部始終を、謎の男は物陰から見ていた。

 

「シャーレの如月弦太朗先生…あれは敵に回したくはないものですね。」

「まぁ、その結論を出すのはもう少し実験を重ねてからでも良いでしょう。」

 

謎の男はそう呟くと、その場から去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日…

不良生徒たちは即座に矯正局行きとなった。彼女たちが反省し、罪と向き合うのを望むばかりである。

リーダー曰く、謎の黒ずくめの異質な男からゾディアーツスイッチを突然渡されたそうなのだが、詳細は自分も分からないとのこと。

そして、今回の一件で弦太朗の株は更に上がり、特にミレニアムでは話題沸騰中の様だ。

 

「…それで……」

 

連邦生徒会に提出するための書類を書いている弦太朗は、ふと横を見る。

 

「なんで居んだ?当番は今日じゃないはずだけど…」

 

弦太朗は隣の席に座って様々な書類に目を通しているユウカにそう聞いた。

 

「なんですか?居たら嫌ですか?」

「いや、そうじゃないけど……」

「私たちは友達なんですし、流石に毎日は無理ですけど、これからは時々ここにもお邪魔させていただきます。作業やお仕事を手伝いますので、是非頼ってください。ノアも協力的なので。」

 

弦太朗はユウカの目を見て理解した。あの時とは違う。ユウカは本気で弦太朗を友達と認定したのだ。

弦太朗はニコッと笑う。

 

「分かった。それじゃ、これからよろしくな!」

 

弦太朗はそう言うと、ユウカはニッコリと笑い返して再び書類作成に戻ろうとする。その時だった。

 

「!?……先生!」

「?どうした?」

「…って……」

 

ユウカに名前を呼ばれ、弦太朗が横を向くと、そこには、とある紙を持ちながらプルプルと震えているユウカの姿があった。

 

「ユ…ユウカ……?」

 

弦太朗は恐る恐るユウカに話しかける。

すると次の瞬間………

 

「先生!これは一体どういうことなんですか!?」

 

怒りと驚きが混じった顔をしたユウカが弦太朗に詰め寄ってきた。その手には今月の食費的なものが書かれている。

 

「仮に先生が料理下手で仕事が忙しいとしても、この量のカップラーメンとエナジードリンクは異常ですよ!?いいですか?ちゃんと栄養を取らないと体がダメになりますし、料理出来ないにしてもデリバリーとか炊き出し貰うとかもっとあるでしょう!?もっと栄養バランスを考えてください!今後、先生の食事については私が多少管理させていただきます。」

「えぇぇーーーっ!?」

「えーじゃありません!大体先生は…!」

 

そしてその後、弦太朗はユウカに小一時間程説教された挙げ句、他にもおやつや趣味にお金を結構使ったことまでバレ、更に3時間ほど説教されるのだった。




はい、見ての通り弦ちゃんはステイツチェンジ系のアイテムを失ってしまっています。最初1〜9以外のスイッチ全部失くそうと思ってたんですけど、それやって上手くまとめる自信がなかったので…笑
何故ステイツチェンジ系のスイッチだけ失っているのかは、何故フォーゼドライバーがあるのかとも関係している(つもり)のでお楽しみに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。