にわか管理人が職員に転生した   作:パッチワーカー

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16日目〜
善人気取りと偽善者と教祖


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 16日目(死んだ蝶の葬儀を収容)をアンバーと共闘することによって一回で抜けられた。事あるごとに俺の脳天めがけてパンチを繰り出してくるのを避けつつ、空いた時間はアンバーの愛着作業するといった俺のサイクルが完成した。

 今日初心者管理人でも一回で来れてるのは、素直に彼女の協力が大きい。WAWの殲滅力は伊達ではない。

 

 が、こんなに簡単に突破できるのは明日か明後日くらいまでだろう。

 簡単に抜けられているのは、収容されているアブノーマリティが全てWAW以下というのが効いてる。まだそこらへんのヤツらはなんとかなる。

 

 育成という観点で見ると俺以外の進歩はほぼないし、俺も口出しはしてないからどこかで詰まることは明白だ。

 

 ──それに明日17日目くらいからはアレが来る。

 

 今の俺では到底太刀打ちできないようなALEPH(バケモン)が。

 

 現実を直視したくないからいつもより早くに目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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壊れたものたちから世の中で一番美しい演奏が始まる。

 

けれど人間の時のような音は出なかった。

 

やがて星となって再会しよう

 

 

 ···上2つは音関連だ。真ん中は人間のときがあったことが見て取れ、リスクレベルが低そうだと思う。

 

 ──いつもなら2つ目を取るが、最近貪欲の王と彼しかまともな戦力がいないことを痛感した。リスクレベルが高そうなのを取り、ハイリターンを求めないと業務が詰む可能性をひしひしと感じる。

 

 ···安定思考の自分がこんな思考するなんて笑ってしまうが、今のままではダメなことくらいは「初心者っ!!」と彼に罵倒されていたが分かる。

 

 ──だから、僕が取る選択は···

 

「         」

 

 

 その選択したのを、アンジェラは目を細めながら少し微笑んでいたと思う。表情筋死んでるから確証はないけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 17日目。

 目を覚まし、アンジェラに頼み作らせた認知フィルター付きのコンタクトをつけ出勤の準備をする。

 

 ···最近、認知フィルター付きのコンタクトが前ほどの効力がなくなっている。つけててもつけてなくとも変わらず、ただただリアルな世界が俺の視界には映し出されている。

 

 オフィサーがアリのように簡単に死んでいく光景ですら、俺のメンタルを削ってくる。

 認知フィルター付きのコンタクトがちゃんと効果を発揮していれば、お人形劇程度に映るため何にも思わない。

 しかし、今は普通に人が無惨に殺されている光景がはっきりと見えるため助けたくなるし、気分が悪くなるが、「使い捨てのオフィサーなんて助ける価値ねぇだろ。敵か生贄でしかねぇんだから」と管理人時代の名残りでなんとか無視できてる。

 

 ──だが、ゲームでやってた管理人時代と認知フィルター越しに見てたゲーム画面とほぼ同等な視界で感覚麻痺ってたことがよく分かった。

 

 毎日補充されるオフィサーとはいえ、人は人。

 このディストピアの世界でも倫理観を捨ててはならない。

 人は簡単に死んでいいわけがないし、見捨てるなんてもってのほかだろう。

 

 

 そういうことを考えれば考えるほど、余計に自分の無力さや冷酷さを痛感するしメンタルにくる。

 

 ···オフィサーも全員生き残らすなんてことが夢物語でしかないことを頭では理解してしまっているし、むしろ自分が進んで殺す未来もあることが分かってしまっている。

 

 しかも、魔弾の射手がいるおかげ(せい)で処刑弾が打て、邪魔なヤツらを排除できる。

 

 ──この先、オフィサーの死に反応するアブノマが出たとき、俺は管理人に絶対こう言わなければならない。

 

「···くっそ気分悪いなあ···」

 

 処刑弾でオフィサーどもを消し去れ。アイツらは敵でしかない、と。

 

「···さて、今日のアブノマは有能であってくれよ」

 

 吐きそうな気分を治め、支度を済まし、職員やオフィサー(死亡予定者)が待つ職場へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レイ、O-03-93を観察してくれ」

 

「分かった」

「ま、また話聞いてくださいね!」

「···はい」

 

 全体で軽くミーティングをしてから各々の部門に別れた。今の俺は教育チームに配属されているため、一応上司はホド*1ということになる。

 

 ホドのありがたいお言葉を貰ってる最中に、管理人からいつものように新しいアブノマの管理指示がきた。

 いつもはめんどくせぇと思うが、ホドのうざったい話を聞くよりかは百倍マシなのですぐ受けた。

 

 ──セフィラたちは基本的に女性陣の方が重く、めんどくさい。特にホドはめんどくさく相性最悪だ。

 

 ホドは朗らかで献身的な性格をしていて、非常に心優しく、常に職員たちの身を案じている「良いセフィラ」だ。

 

 なんて思うのは最初だけ。

 

 誰も頼んでないカウンセリングなど、いいセフィラだと認めてもらいたい欲求が強く俺にはうざく感じる。

 

 ···「いい人になりたい」なんてこの世界で願うのはイカれてる。それも償いのため、偽善でそう思ってるお前と話す価値は一切ないんだよ。

 

 

 

 まあ本気で全員を救いたいと願う聖人と話すよりかはマシか。

 

 さて、HE、WAW、ALEPHどれでもいいが、戦力になるヤツきてくれよ。

 

 そう思いながら、俺はO-03-93の管理室のドアを開けた。

 

 ──そこには、無数の灰色足が融合し、蒼く光り輝く黒いハートを囲っているアブノーマリティがいた。

 

 ALEPH 。リスクレベル最大のヤツがそこに悠然と存在していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
セフィラの一人で教育チームの責任者。

 茶色のロングヘアーで、幾つかに分けた前髪を2つのヘアピンで留めている。瞳の色は暗い青色。彼女は黒いビジネススーツとオレンジ色のネクタイを着用している。メインカラーはオレンジ色。






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