(仮)フロンティア・コンフリクト   作:真夜中都市屋

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第1話 昔?昔?あるところに。

 

 

 

 闇夜に包まれた山奥。

 

 孤高な修行者、鬼ヶ島強慈郎(おにがしまきょうじろう)は、岩を砕き、滝に打たれ、獣を殺し、厳しい修行を続けていた。

 

 薄れゆく夕陽。彼の姿は瞑目し、心は静寂に満たされている。

 

 鬼ヶ島の家系は代々、武術の修練者として知られ、強慈郎もその血脈を受け継ぎ、長い間、自然の中で自己を磨くことに専念してきた。

 

 山の中で修行に明け暮れる彼のもとに、突如として異変が訪れた。

 

 

「なんだ……?」

 

 

 彼の修行を妨げるべく、天空から巨大な隕石達が眩い光と共に降り注いだのだ。隕石が地上に落ちる瞬間、その衝撃が響き渡り、その轟音は山々を震撼させ、木々や獣たちを驚かせた。

 

 しかし、鬼ヶ島 強慈郎はその迫りくる危機を冷静に受け止めた。彼の身体は鋼のように硬く、精神は鋭利な刃のように鋭く研ぎ澄まされていた。

 

 一際大きい隕石が接近するにつれ、眼には決然とした光が宿る。

 

 深く息を吸い、正拳突きの構えを取る。彼は自らの技を以て、その隕石と対峙した。

 

 

岩石粉砕拳(がんせきふんさいけん)……ッ!」

 

 

 漆黒の闇をも切り裂く鋭い動き、放たれた拳が隕石との接触を受け止める。

 

 その瞬間、時間が止まったかの様に周囲の景色がゆっくりと流れ始める。強慈郎は修行の果てへと近づいていくのを感じた。

 

 

(砕けん……!?ならば……ッ!)

 

 

 コンマ数秒。彼の決断は迅速で、その行動は果敢だった。拳が押し戻され、隕石が(おの)が身体に接触する瞬間、強慈郎はその衝撃を柔軟に受け流し、引いていた左手を添え、()()()()()()()()

 

 

「ぬおぉぉぉぉ……ッ!まッわッれぇぇぇ………ッ!!」

 

 

 彼の技は見事であり、

 それはまるで嵐のように猛々しく。

 

 それは魂の奥深くから湧き上がる真の力の表れ。

 

 手に宿る力は、自然の力と共鳴し、光り輝いていた。

 

 

 周囲の木々を巻き込みながら隕石が彼の両腕の中に落ち着く。

 

 

「はァッ……はァッ……はァッ……」

 

 

 荒い呼吸を立て、次第に静かに。ゆっくりと呼吸を整える。

 

 落ち着いた強慈郎は改めて、その隕石を見る。彼はその大きさに圧倒された。

 

 

「でっけぇな……」

 

 

 尻餅をつきながら、自らの倍近くありそう巨石を下ろす。

 

 しばらく、眺めて考える。

 

 

「こんなクソ硬い岩、初めて見たな」

 

 

 すると、何か思い至ったのか。辺りを見渡し、かつてこの辺りの村で、崇め奉られたご神木が倒木しているのを見つけた。

 

 のそりと起き上がると、御神木に巻かれていたはずの御神木に巻かれていたはずの(ちょうどいい)縄を拾い上げた。そして、罰当たりにもそれを使い落ちてきた岩石を縛り上げる。

 

 

「よし!」

 

 

 何も良くはないのだが縄を担ぎ、巨石を引きずる。

 

 鬼ヶ島 強慈郎は、この岩を持ち帰り、岩砕きの修行のために用いることを決断した。

 

 強慈郎は無宗教者だ。神罰など微塵も気にせず、その心には新たな試練に対する渇望と、未知の力への探求心が燃え盛っていた。

 

 山の中で孤独に修行を積み重ねてきたが、今回の出来事は彼の運命を変える契機となるだろう。

 

 大きな岩を引き連れ、十数分。山を下り切りひらけた場所へ出た。簡素な平屋。広々とし、荒れている庭があり、ど真ん中に向けて祀られているかのような巨石を遠心力で放り投げる。

 

 この場所は、この大男の寝床である。

 

 御座(ござ)に寝ころび、自身の両手を突き上げ、それを見つめ、物思いに(ふけ)る。

 

 

(あの力は一体なんだったんだ?……正直、死を覚悟していた。……だが、火傷した様子もない)

 

 

 長き修行をしてきた中、強慈郎が初めて得た感覚。

 

 

(まるで、自然と一体になるような……)

 

 

 疑問に思いながらも、朦朧とする。

 

 

(流石に疲れたか……)

 

 

 ぶつりと、強慈郎の意識は途絶えた。

 

 

 

 







簡単な登場人物紹介

・鬼ヶ島強慈郎
 つよい



―――
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