悪食龍人   作:うんこ

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第1話

ぐぅぎゅるぎゅるぎゅるぐー

 

 私のお腹からなる地鳴りの様な音で私は覚醒した。

 

 目が覚めたら見知らぬ洞窟、そこの海から流れる水路に横たわっていた。

 

水路を鏡代わりにして自分の姿を確認して見る

 

 

 

私は人間のようだったが腕には鱗、お尻にはガリガリの肉体に似つかわしくない緑色の尻尾、ついでに手には出刃包丁、そして記憶には靄がかかったかのよう、一般常識以外の知識が失われている。

 

 しかし問題なのはそんな事はどうでも良いと思える程の空腹。

 

 とにかく何かお腹に入れないと、どっかに食べ物はないかしら

 

 そう思って周りを見渡すと水路には蛸が泳いでいた。

 

 どうやらこの洞窟は海に面しているおかげで海産物が流れてくるらしい。

 

 そう思いながら丸々と太った蛸を手づかみで持ち上げ口の前に持っていく。

 

 いた☆だき☆ます!

 

 蛸の腕にかぶりついて力任せに引きちぎる。ブチンブチンと小気味よい音を立てて蛸の腕が噛みちぎられる。

 

 ブチンブチンゴクン、ブチンブチンゴクン。ブチンブチンゴクン、ブチンブチンゴクン。ブチンブチンゴックン。

 

 足の方のお味は合格点ね

 さて本体のお味は…

 足が無くなった蛸をぎゅむぎゅむと口に押し込んで飲み込むと耳元から子供の様な声が聞こえた。

 

【蛸を完食しました、強化値+11】

【強化値を得るほど貴方のステータスは強化されます。】

 

 はあ?何こいつ?喰えるのかしら?

 

 声の主を捕まえようとめちゃくちゃに手を振り回すが手は空を切る。

 

【このまま北東に進み森丘に向かう事をオススメします。暴力と狂騒が支配する地獄ですがあなたにとっては生きやすい場所です】

 

だからうるさいっての

 

 クソが、喰えもしない癖して一丁前に私に気を取らせやがって。

 

 姿を表したら刺し身にして喰ってやる。

 

 

 しかし…

 わかっちゃいた事だけど蛸一匹じゃ腹の足しにもならないわね

 お腹からは相変わらずぐぅぐぅと地鳴りの様な音がなっているし

 

 もっとでかい獲物をたくさん、たくさん、たーくさん食べないと腹ペコで狂いそうだわ

 

 そう思った私の横を通り過ぎようとした鼠を口に放り込んでぐちゃぐちゃのペーストになるまで噛み潰してミンチにして飲み込んだ。ごくり。

 

〝鼠を完食しました+3〟

 

 よく噛んで食べれば食欲が抑えられるとか言うお話を信じてよく噛んで見たけど全くの迷信ね、むしろ咀嚼に使ったエネルギーで余計にお腹が空いてきた。

 

 クソみたいな迷信を振りまいた馬鹿はどこのどいつよ、丸焼きにして喰ってやりたいわ

 

 イライラしながらも水路の生物に片っ端から手を伸ばし、つかみ、噛みつき、咀嚼し、嚥下する

 

〝ヤドカリを完食しました+4〟

【サシミウオを完食しました+32】

〝ヤドカリを完食しました+4〟

〝蛸を完食しました+26〟

〝烏賊を完食しました+32〟

【鰆を完食しました+41】

【蛸を完食しました+31】

【サシミウオを完食しました+97】

【キレアジを完食しました+1】

【サシミウオを完食しました+23】

【キレアジを完食しました+19】

【オ■ト■■ア(幼体)を完食しました+59】

 

 さて次の餌は…

 

 そう思って辺りを見渡すと周囲には生物の姿が無くなっていた。

 

 は?これで終わり?少なすぎない?

 

 まだ小腹すら満ちてないのに、むしろ中途半端に胃に物を入れたせいで余計にお腹が減って大変なのに…

 

 

 

 

 

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