アンヘルス/アンラック   作:二次創作オンリー

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完全な趣味。
二次創作に義務感は生まれないだろうけど


不健全と不運(アンヘルスアンラック)

 私の名前は出雲 風子(いずもふうこ)、とっても運が悪くて、何ならその不運は他人に感染してしまうという厄介な体質を持つ元・引きこもりの女子高生です。

 この体質のせいで、私の人生めちゃくちゃです。

 冗談でも軽く話せる話ではないんですけど、この体質のせいで家族みんな死んじゃうし、飛行機は落ちるし、船は沈むしでもう大変です。

 

 そんな私は学校に来るのも居るのも一苦労。私の髪に触れただけで他人に迷惑かけちゃうし、手と手が触れるなんてもう論外。生まれてこの方両親以外と触れあったことなんて一度もありません。

 だからずっと引きこもってた、こんな体じゃ学校に行ってもつらいだけだと思ったから。

 

 そんな私がこうして高校生最後の年、学校に登校しているのには主に二つ理由があります。

 

 一つは学校側が『虚弱体質』や『精神病』などの『例外な理由』で、校則に反した服装で登校することを許されている。

 キャップで長い髪をまとめたり、手袋をつけたりスカートの代わりにズボンをはいたり、みんなが制服で登校している中こんな服装では目立ってしょうがない。

 

 そしてそこまで目立っても学校に来ているのは『二つの理由』うち最後の一つ、学校で唯一の『友達』の存在です。

 その名も伏惰裸(ふしだら)(からむ)、本人も了承済みなほど奇妙な名前。そもそも苗字からしておかしいし。

 この名前を聞いたときは正直ぽかんとした、むやみに触れてもいいものなのか、そもそも本名かどうかも怪しいしかったから。

 

 まぁ本人曰く本当に本名だったみたいだけど。

 ()は正直まともではありません、まずそもそも触れた人間に不運を呼ぶ私の体質を気にせず友達になってくれたのは彼だけです。

 

 それから、自慢じゃありませんが、私の友達である伏惰裸(ふしだら)君はとても顔がいいです。

 まぁチープな表現になってしまいますが、イケメンなんです。

 それでいて言葉がうまくて、いろんな女子と仲が良く、その名前の通りふしだらで、淫らな男の子。それが私の友達である伏惰裸絡(ふしだらからむ)君です。

 

 私も最初はその毒牙にかかりそうになりましたが、この体質のことを伝えると何とか身を引いてくれました。そのおかげというべきか、彼とはある意味対等な関係を築けています。

 

 「って、そう思うとなんだか少女漫画みたいな設定だ」

 

 教室の片隅で、そう独り言をごちる。

 キャップを深くかぶって両腕を枕代わりに顔を埋めてバカみたいなことを考える。

 それが教室での私。

 

 みんな私の『噂』を知っているからか、誰も私の机の周りに来ようとしないし目を合わせようともしない、関わろうとしない。

 

 最初学校に通うことになった日は、「私の少女漫画みたいな恋ができるかな」とか、「もしかしたら普通の友達ができるかな」とか、いろいろ夢を見ていたけれど、現実はそうはいかなかった。

 

 登校初日こそ私に興味をもって話しかけてくれた人はいた、だけど私の体質(表向きには精神病)のことを聞いた日からは誰とも関わらなくなってしまった。

 そう、彼を除いて

 

 「どうしたの、風子ちゃん。具合でも悪かったりする?」

 

 伏惰裸絡(ふしだらからむ)という不思議な名前を持つ目元のほくろがチャーミーな茶髪の好青年がその色気たっぷりの声で私に話しかけてくる。

 言葉だけ見れば、まるで私を心配しているようだが顔を見ればいつものように目を細めて微笑んでいる。

 いつも楽しそうに話しかけてくれる彼と喋るのは、やっぱり楽しいし、こっちまでなんだかうれしくなってしまう。

 

 「いやぁ、なんと来週推しの漫画の最終回が発売するみたいでさぁ、憂鬱なんだ色々と」

 

 「へぇ、推しの漫画って、あの少女漫画だよね『君に伝われ』ってやつ」

 「そう!読んでくれた!?」

 

 「まぁ、あれだけ進められたらね、とりあえず10巻までは読んだよ」

 「そっかぁ、いいね、まだあと91巻も楽しみがあって」

 

 「今って何巻まででてるの?、これ」

 「100巻、次巻が101巻で最終回」

 

 ふぅん、とあまり実感がない様子の絡君が妙に苛立たしい。

 ふんッ、あんたもハマれば私の気持ちがわかるさ!

 

 「それでその最終巻はいつ出るの?」

 「来週の月曜日午前十時から!だから悪いけど月曜日は学校休むから」

 「悪くないよ、僕、別に友達いるし」

 

 グサッ、やっぱりこいつはモラルを知らない!

 友達のいない私の前でそんなことを言うなんて、なんでこんな奴に友達がいて私にはいないんだろう。神は残酷だよ、本当に。

 

 そんなこんなで、残りの学校生活を適当に過ごして下校する。

 放課後、知らない女子と一緒に下校する伏惰裸を見かけたが、いつものことなのでスルーする。

 

 まったく、学生の内からあんな爛れた生活を送るなんてきっと将来ロクな目に合わないだろう。

 

 金曜日の学校も終わり、土曜日がやってくる。

 普通の生徒は一週間ぶりの休日を楽しみにしているが、私はいつもと変わらない、他人に迷惑かけないように家に引きこもるだけだ。

 

 

 

 

 土曜日になった

 絡君からLINEがきた

 

 

 伏惰裸絡「昼間暇なんだけど、どこか遊びに行かない?」8:15 既読

 

 

 

 『()()()』この小さな言葉に込められた意味は「夜は忙しい」ということ、穿った見方だと思うかもしれないが3年も付き合えばこのくらいはわかってしまう。それが伏惰裸絡という人間だ

 

 まあでも、私も暇だったし?別に暇ってんなら一緒に遊んでやってもいいけど?

 ふふふふ、はぁ、こんなでも舞い上がってしまうって友達がいないと大変だ。

 

 

 出雲風子「ちょうど私も暇だったしいいよ。いつどこで集合? 」8:18 既読

 

 

 あ、すぐに既読がついた。こいつ~私の答えをずっと待っていたのか。

 3分間も!スマホの前で!ふふふ、案外かわいいとこあるんだな~こいつも!

 

 この日は絡君と本屋に行って新しくハマれる漫画を一緒に探した。

 

 

 日曜日、普通の学生は明日の月曜日を想い憂鬱な休日を過ごすらしい。

 

 今日は絡君からの誘いは来なかったので、昨日買った漫画をもう一周し、明日発売される『君に伝われ』の復習をしているだけで一日が終わった。

 明日が楽しみとても楽しみだ、それと同時にすこし寂しいが。

 

 

 

 

 月曜日になった、最終巻を買って、読んで、気が緩んでいたのだろう。

 歩道橋の上を通る老人と素肌が触れてしまった。

 

 今日また、私は殺人を犯してしまった。

 決して裁かれることのない殺人を。




 伏惰裸君の声優は緒方奈美さんを意識しています。
 人によっては不快なキャラだと思いますので心の準備だけしておいてください。
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