『パワプロ成長』で球詠   作:コンスタンチノープル

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別の作品の執筆と投稿に時間を割いていたので遅くなりました。別の作品も野球を題材にした作品となっているので興味を持っていただいた方は読んでいただければと思います。

URLはこの作品には関係ないので前書き・後書きには貼らないことをご了承ください。


第1球

私は、5歳を前に前世の、正確には前の命と今の命の間に起きたことを思い出した。今の世とそこに生きる私に与えられた運命からして、野球をしなければいけないんだけど……

 

「マルちゃーん。この前やるって返事した映画の撮影、次の月曜日から始まるからねー」

 

「はーい」

 

マルティナ・ホセフィーナ・ブレット・ラドクリフ5歳、女神殿から授かった絶世の美女、可愛いの権化が働きまくって現在映画、ドラマにCM、モデルに引っ張りだこの超売れっ子子役として大活躍中。

 

「役者として活躍出来ているのは『センス○』の影響も大きいわね」

 

「うわっ!? 女神殿!?」

 

「みんなには視えていないからあんまり大きな反応しないでね」

 

面倒そうな顔をして女神殿が現れた。

 

「ていうか野球しなさいよ」

 

「面目ありません……」

 

「今のあんたの母親なら今からでも野球やらせてくれると思うから、ちゃんと言いなさいよ?」

 

今の私のママはもう引退してしまったけど野球選手だった。それがアメリカ人の私が日本に住んでいる理由で、ママは日本の独立リーグで長年プレーした外国人選手だった。選手として日本のプロ野球やメジャーでプレーすることは叶わなかったが引退後、埼玉に本拠地を置くプロ野球チームに通訳として採用されたので日本で生活しているのである。

 

「せっかく野球の才能を与えたんだから。活かしなさいよ?」

 

「はい……」

 

そう私が答えると女神殿は「したっけバイビー」といって姿を消した。

 

縁里(マネージャー)さん、このあとママとお話ししたいことがあるんで縁里さんも一緒してください」

 

「え? うん、分かったわ」

 

その日の夜、母とマネージャーの縁里(ゆかり)さんと早速話すことにした。

 

「ティナ、縁里さんから聞いたけど話って何?」

 

「ママ、縁里さん。私、野球がやりたい」

 

「え!?」

 

縁里さんは驚きの、ママは「きたか……」というような表情を浮かべた。

 

「マルちゃん、もしかして現場で何か嫌なことあった?」

 

「いえ、そうじゃないんです」

 

「ティナ、もしかしてママが野球選手だったから自分も野球しなきゃいけないとか考えた?」

 

「ううん、それも違う。とにかく野球がしたいの」

 

詳しいことは言えないが一つの使命であることは間違いない。

 

「もしティナがお芝居やモデルやるのが辛いっていうんなら止めないけど、飽きたからやりたくないっていうんだったらママ怒るわよ」

 

「そうだよ。マルちゃんはまだ分からないかもしれないけど。お芝居やモデルはやりたくてもさせてもらえないって人、沢山いるんだよ?」

 

二人の言うことは尤もであるしその通りだ。だけど私には野球をしなければいけないという使命がある。

 

「でも、野球選手もだよね? それに、野球やってたけど今はお芝居やってるって人とは一緒にお芝居したことあるけど、お芝居やってたけど今は野球選手っていう人はいないでしょ?」

 

「それはそうだけど……ねえ縁里さん、私この娘のママとして、なるべくああしなさいこうしなさいじゃなくてこの娘に自分で決めさせたいの」

 

「といいますと?」

 

ママは折れてくれるかもしれない。

 

「母親として、ティナ(この娘)にはしっかり自立してもらいたいんです。それに、自分の子供を使って人生ゲームをプレイするような親にはなりたくないんです」

 

「確かにそれも大切なことですが、母親として娘にちゃんと歩むべき道筋を示すことだって親として大切なことですよ? それに、マルちゃんはまだ5才じゃないですか。学童の、ガールズに入れるのは9才からですよ? その時に決めればいいじゃないですか」

 

「わかりました。ティナ、あなたはまだ小さいからもっとお姉さんになった時に、それでも野球がやりたいんだったらまた話しましょう。でもママ、ティナが野球やりたいっていってくれて嬉しいわ。だから最初はママとのキャッチボールから始めましょう。いい?」

 

「うん、わかった」

 

年齢が足りないことを理由に断られてしまったが親とのキャッチボールは野球への第一歩だと思う。これで女神殿のいうポイントが入ってくれば万々歳なのだが……そう思っていると縁里さんが悩みながら話してくれた。

 

「お母さん、マルちゃん。お芝居やアイドルをやってるお姉ちゃんやオバちゃんの中には、草野球チームを作っている人たちもいるから、試合にはまだ出してもらえないかもしれないけど、そういう人たちと撮影と撮影の間にキャッチボールなんかで遊んでもらうのはどう?」

 

「やりたいです!」

 

「まだやってくれるお姉ちゃんがいるわけじゃないからね?」

 

芸能人にも野球経験者はいる。レベルは低いかもしれないが今は入れるチームはそういった草野球チームぐらいかもしれないので入れるんなら入れてもらうことにした。

 

「でもマルちゃん、なんで急に野球やりたいって思ったの?」

 

「とにかくやりたいの!」

 

とにかくこの日の家族会議は終了。夜寝ている間にトイレに行きたくなったので行って布団に戻ろうとすると、再び女神殿が現れた。

 

「まあ5才にしては上出来じゃない?」

 

「もう、大変でしたよ……」

 

女神殿は少し嬉しそうな顔で要件を切り出す。

 

「『パワプロ成長』の使い方教えてなかったでしょ?教えとくから」

 

「なんでさっき教えてくれなかったんですかもう……」

 

「まま、いいじゃんいいじゃん。簡単だからすぐ終わるよ。基本的には軽く念ずると頭の中に今の能力値一覧、持っているポイントと各能力を成長させるために必要なポイントの一覧、特殊能力もおんなじ感じで今持ってるやつの一覧と獲れる奴と獲るために必要なポイントの一覧が何ページかになって出てくるから。今試しにやってみてよ」

 

私は試しにやってみた。

 

適正  
球速F
コントロールD
スタミナE
変化球
シュート1
シンカー2

 

対ピンチC対左打者D対ランナーD打たれ強さCケガしにくさE
ノビDキレDクイックD回復E安定度C
 
 
 
 
 
 

 

守備位置   
弾道2
ミートF
パワーE
走力D
肩力F
守備力D
捕球E

 

チャンスC対左投手DバントEキャッチャーケガしにくさE
盗塁C走塁C送球E回復E安定度C
 
 
 
 
 
 

 

守備位置   
走力D
肩力F
守備力D
E
捕球E

 

起用法おまかせ                    
国際試合○人気者
      
 
 
 
 
 

 

センス○
モテモテ
働き者
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

「あれ? もう持っている特殊能力がありますね?」

 

「まずセンス○は天才の入部届の効果で最初から持ってるものだよ。あとのはこれまでのすごし方で付いた感じだよ。芸能活動をしてきたから対ピンチ、打たれ強さ、チャンス、安定度のパラメータが少し上がってるんだよ。海外の仕事でも評判が良いそうじゃない。だから国際試合○が付いたんだし、人気者とモテモテはそれこそ人気子役の副産物ね」

 

しかし既に悪いパラメータもある。

 

「ケガしにくさと回復が低いのはどうしてでしょうか?」

 

「それも芸能活動の副作用ね。今回の命でも働きすぎなのよアンタ。だから働き者が付いてるけど子供のくせにあまり寝てないからそこが下がっちゃったのよ。要は身体が弱ってるわけ。反省しなさいよ?」

 

これに関してはぐうの音も出ない。

 

「バントと送球が下がっているのはまだ野球やっていないから仕方ないところではあるわね。そうそう、能力の上げ方と特殊能力の取り方。これも任意の能力や特殊能力に念を送ると習得したポイントが流し込めるようになるから」

 

「はい、わかりました」

 

試しにやろうとしてみたが今はまだポイントが入っていないのでできなかった。

 

「それで、ちょっち相談があるんだけど」

 

「なんでしょう?」

 

「基礎能力のパラメータなんだけど、上からS、A、B、C、D、E、F、Gの8段階評価だと大雑把だからもうちょっと細かくランクを分けてもいい?」

 

早速パワプロではなくなるのだが良いのだろうか?

 

「どんな感じにするんですか?」

 

「まずそれぞれのアルファベットごとに例えばAなら上からA+、A、Aʹ、Aʺ、A‴、A⁗、A-ってランクを分ける」

 

これだけでまず8段階評価から56段階評価になるので凄い増えるわけである。

 

「つまり、S+が一番上のランクということですか?」

 

「ノンノン、SランクはS+の上にS++、SS、SS+、SS++、SSS、SSS+、SSS++って順に付け加えるわ」

 

つまり63段階評価というわけになるが多すぎないだろうか?

 

「能力のインフレ防止的な意味合いだからあんまし気にしないでね」

 

「ということは、他の選手の能力も見れちゃったするってことなんですか?」

 

「私は見れるよー。でもあんたも見れるようにするかってのはまだちょっち考え中」

 

確かに自分以外の選手の能力を正確に把握できるというのはプロの一流のスカウトでもいないからおかしいだろう。

 

他人(ひと)の能力が完璧に分かるんなら、選手じゃなくてスカウトをしたほうが良さそうですね」

 

「そう思っちゃうか~……でもパワプロってそれが出来ちゃうからそこも準じたほうが良いかどうかってとこで迷ってんのよ。でもあんたが引いたカードにはそういう特殊スキルは入ってなかったでしょ?」

 

「この世界は元々パワプロの世界ではないんですから私は無くても良いと思いますよ」

 

女神殿が「う~ん……」と思案し、何か思いついたようでパチンと一回両手を合わせた。

 

「じゃあこれで決めましょう」

 

「500円玉ですか?」

 

「コイントスよ。漢数字で『五百円』ってあるのが表でアラビア数字で『500』ってあるのが裏ね。じゃいくよ~ほいっ!」

 

握った手の上に500円玉を乗せ、親指でピンと弾いて落ちてきたものをもう片方の手で上から蓋をする。

 

「どっち?」

 

「えっ……じゃあ、表」

 

除けられた手の下には『500』と刻印された面が光っていた。

 

「はい、裏でしたー。じゃあ他の選手の能力も見れるってのはナシね。外れたからこれ参加賞ね~」

 

女神殿が使った500円玉を手渡す。

 

「ま、あんた稼いでっから500円なんてはした金にもなんないっしょ」

 

「そのへんはママと縁里さんが管理しているんでまだ金銭感覚は壊れてないです」

 

「そ。じゃ使い方は教えたし、ランク分けの変更はオッケーするわよね?いやだって言ったら面倒だからオッケーしてくれれば終わりなんだけど」

 

「私は構いませんよ。ただ打ち込むものが変わるだけですから」

 

「そこが心配なんよね……ちゃんと休む時は休みなさいよまったくもう」

 

そういうと女神殿は「じゃまたねバヨヨ~ン!」といって姿を消したのであった。




一番こだわりを注ぎ込んだのは特殊タグで作った能力表だったりします。読者の皆様の閲覧環境によっては表が見れないかもしれませんが中々の出来だと思っているのでこの能力表は今後も登場させていくつもりです。
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