激しく降り続ける雨の中森の中を一人の男が走っていた。
「ハア…ハア…!」
よく見れば男の身体中の至る所から血を流し、本来あるべき左手が欠損していた。
暫く走り続けて入れば仲間との合流地点である廃墟が見え男は、少し安堵したのか扉の前で立ち止まり息を整え中へと入る。
「…ッ!?」
扉を開けば突如むせかえるような鉄の匂いが鼻をつき男は、思わず口元を片手で覆った。
「…!」
口元を覆った瞬間落雷が起きて部屋の中を一瞬だけ照した…そこには合流を約束した"仲間"であったものが転がっていた。
一人は手足を切断され、一人は頭部を失い、一人は腹部に風穴を開けられていた。
「遅かったな…もう仲間は先に逝っちまったぜ…」
「!!!!!」
男は背後からいきなり声が聞こえ跳躍し距離をとれば振り替える。
そこには顔を隠す程のフードコートを被った者がいた、性別は不明であるが、先程の声から男だろうと思われる。
「くく…随分と驚いてんじゃねえか…」
「き、貴様が…仲間を…!」
「あ、何だよ…はぐれ悪魔のくせに仲間って…くくく…これは傑作だ…」
フードコートの男は、悪魔という単語を強調し嘲笑いながらも何処からか無骨な大剣を握られていた。
「じゃあ…その仲間の元へ逝きな…」
その言葉と同時にフードコートの男は、大剣を男めがけ投擲した。咄嗟の事であったが飛来する大剣をかわし、反撃に片手に魔力を集束させ炎を放つ。
「甘ぇんだよ…」
冷徹な声を発しながら炎をかわしたフードコートの男の両手に二挺の紅を強調とした銃が握られていた。
それを見た悪魔の男の脳内では、あれはまずい!くらってはいけない!と警告のように頭の中に響き渡るが時すでに遅く。
「ギャアアアアア!!!」
男は片足に弾丸をくらい悲鳴に近い叫び声を上げのたうち回る。
「おいおい…情けねぇ声を出すなよ…たかだか足を撃たれただけじゃねぇか?」
笑いながら相手の髪を鷲掴み無理矢理顔を上げさせ覗き込みながら問い掛けてくる。
「や、止めてくれ…助けて…くれ…」
「今のセリフ…何処かで聞かなかったか?」
笑っていた口元が戻り静かに、そしてゆっくりと問い掛ける。
「な、何を言って…」
突然の態度の変化に戸惑いながらも質問に質問で返してしまう…それが不正解であるとも知らずに…。
「そうか…それがお前の答えか…」
「!!!!!!」
男の胸に先程投擲された大剣が突き刺さっていた。
「さっきの質問だがな…お前が生きるために殺したとある家族の言葉だよ…助けてといった時にお前は止めたか?」
「ぐ…うぅああ…ッ!」
「しなかったよな?なら…お前の運命は………わかるよな?」
そのまま大剣を上へと振り上げ男はあえなく絶命した。
大剣にへばりついた血を拭き取ればフードコート内にしまわれ、辺りは静寂に包まれる。
「これで依頼は完了か…」
フードコートの中から取り出した瓶の中にある透明な液体を床にまき、巻いた紙に火をつけて床に投げ一瞬にして建物は炎に包まれた。
男はフードをとり燃え盛る建物を暫く眺め続けた、そして踵を返し森の奥へと消えていった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「またの…ようね…」
「えぇ…またです…」
深夜近くの時間に二人の女性が焼け落ちた建物を見上げていた。
一人は紅い髪でモデル顔負けなスタイルの女性とこちらもスタイルは紅髪の女性にひけをとらない黒髪の女性である。
「一体…何者かしら…」
「わかりません…ですがはぐれ悪魔複数を相手に戦えるとなると…かなりの実力を持っているかと…」
「私の領地で暴れるなんて…良い度胸ね…必ず後悔させてやるわ」
プロローグでした。
最後の二人は誰かな〜?