「はぁ…はぁ…し、死ぬ…」
「しっかりしろよイッセー俺の半分くらいしか無いんだからな」
隣でイッセーが、背中に冗談と思えるような量の荷物(俺より少ない)を背負い苦しそうに呟いていた。
「大丈夫ですか?イッセーさん、遼さん」
「あ、あはは…大丈夫だよアーシア…ぜぇ…ぜぇ…」
「大丈夫だ問題ないぞアルジェントさん」
俺は、取り合えず大丈夫だと告げると彼女は少し悲しそうな表情を浮かべていた。
「まだ名前を呼んでいただけないのですね…」
「あ、いや…すまない…あ、アーシア…」
「!はい…!」
アルジェ…アーシアさんは嬉しそうに笑顔で返してくる…何とかなったと安堵したのも束の間…。
「あらあら、アーシアさんばかりずるいですわ…私も呼んでいただけますか?」
「そうだね…僕達も名前で呼んで欲しいな?」
「……です」
アーシアさんとのやり取りを引き金に後ろから話しかけてくる姫島先輩、隣にくる木場…そして小さい声で袖を掴む塔城さん…まぁ…別に良いんだがな…。
「え〜と朱乃先輩…祐人…こ、小猫…ちゃん…」
だ、駄目だ…下の名で呼び慣れてない…特に小猫ちゃんと呼ぶと何か、ニュアンスが違う気がして恥ずかしい…。
「あらあら、うふふ…」
「ふふ…顔が赤いね?」
「…先輩…可愛いです…」
顔が熱い…多分、俺の顔は真っ赤になっているだろうな…うぅ…馴れない事をするもんじゃないな……おい、イッセーテメェ笑ってんじゃねえぞ!
途中でへばったイッセーを背負ったり(荷物込み)アーシアさんを抱えたり………ようやく…着いたな…。
「お、お疲れ様…遼くん」
労を労う祐斗に感謝をしながらリビングに荷物を置く。
「それじゃあ、私たちは着替えて来るわね」
部長を含める女性陣は着替えの為に二階へと上がり続いて祐斗も着替えを持って奥の部屋へと歩いて行く。
「遼くん、イッセーくん僕も着替えてくるから」
「ああ…」
「俺は疲れたから少し休むよ…」
「イッセーお前…後半俺に背負われてるのに何で疲れてんだ…?」
「あ、因み…」
「ん…何だよ木場?」
「おい、無視か!」
「覗かないでね」
「そのイケメンフェイスをぶっ飛ばすぞ!?」
「だから人の話を聞けよ!!」
その後、俺が着替え終わると全員が既に集まっていた…リアス部長が全員揃うと同時に口を開く。
「それじゃあ…早速特訓を始めましょうか」
「リアス部長…眷属でない俺は具体的どうすれば良いですか?」
「遼には、祐斗と小猫の相手をしてあげて…はぐれ悪魔を狩っているなら実戦経験もあるでしょうし…二人にも良い刺激になるわ」
「わかりました…よろしくな祐斗、小猫?」
「よろしく頼むよ遼くん」
「…お願いします」
アーシアとイッセーは朱乃先輩に魔力の訓練をするために別の場所へと向かった…。
俺と祐斗は木剣(&大剣)を携え広場へと向かい退治する。
「行くよ遼くん…」
「あぁ……来な!」
武器を構えると同時に祐斗が斬りかかる…。
「甘い!」
大剣を盾のように使い斬撃を防ぎ回転するように横へ凪ぎ払いを放つ……が祐斗はバックステップにより凪ぎ払いを回避…そのまま鋭い突き攻撃を繰り出してくるがその突きを俺に届く前に片手で掴み受け止めた。
「え…!?」
突きを止められ驚いたのか純粋な剣の勝負ができなかった事にショックなのかはわからないが目を大きく見開く祐斗に俺は大剣による斬り上げを繰り出し吹き飛ばされる祐斗。
「ぐ…ッ!」
地面に叩き付けられ顔を歪ませる祐斗…あたりどころが悪かったのか中々起き上がらない…。
「すまない…大丈夫か祐斗?」
「はは…大丈夫だよ…く…ッ!」
大丈夫と言う祐斗は立ち上がろうとしたがやはり痛むのだろう倒れそうになり咄嗟にささる。
「やっぱりキツいんじゃないか…」
「あはは…ごめん…」
「まあ…良いさっと…」
仕方ないなと呟き建物へと運ぶ為に抱き抱える事にした……何故抱き抱えたのかは何となくだからわからん。
「きゃッ!」
「きゃ?」
「い、いや少し驚いただけだから…」
「そうか…?」
抱えた時に聞いた甲高い声に疑問を覚えたまま俺は祐斗を運んで行った。
「…よろしくお願いします」
ソファへ運び終えた俺は次に小猫と特訓となった…正直…やりづらい…だが引き受けたいじょうは俺としても期待に応えなくてはならない…。
「来い…」
その一言と共に小猫は一気に距離を詰めるべく跳躍し飛びかかってきた…祐斗よりも遅いがそれでも速度としては文句はない…咄嗟に両腕をクロスさせ攻撃に備える
「ぐ…ッ!」
小猫から繰り出される拳を受け止めれば両手に鈍い衝撃と共に身体が数メートルほど吹き飛ばされる…成る程…"戦車の駒"は伊達じゃないな…。
「…考え事ですか?」
思考してる間に再び肉薄してくる小猫…ちぃッ!……前にリアスに言ったくせにな…。
直ぐ様思考を切り替えて拳をかわしこちらも反撃に拳を繰り出すが…身体を捻りこれを回避…そしてそこから蹴りを放ってくる。
「…なッ!?」
繰り出された蹴りを先程の祐斗に見せたもののように足を掴み受け止め優しく転けさせる。
「悪いな小猫…俺の勝ちだな…」
「…負けました」
転けた相手の手を取り立たせ相手を見る。
「…小猫はパワーとスピードは申し分無いが…攻撃が単調な所がある…もう少しフェイントを入れていくとよい感じだ…」
コクりと頷く小猫と再び特訓を再開する。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「お、おぉぉぉぉぉ!!!!!」
「こ、これを遼が…」
「す、凄いです…」
「あらあら…」
「すごいな…」
「…ゴクリ…」
ずらりと並べられた料理に全員が驚きと感動様々な表情を浮かべ見ている。
「遼…お前って料理出来たんだな…」
イッセーもいつの間にか俺を遼と呼びながらも意外な顔をしている。
「ちょっとたまにくる奴に作らされていたらな…」
「たまにくる…ねぇ…どんな人?」
「どんな人か……酒癖の悪いオッサンかな…?」
苦笑いしながら答えながらご飯を食べ始める。
「うおぉぉぉぉぉ!!…美味いぃぃぃぃ!!」
「確かに…美味しいね」
「…モグモグ…おかわり…」
イッセー、木場、小猫の三人は凄まじい勢いで食べていく…おいおい…俺が食う暇ないな…。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
それから何日も経過したある日…夕食を終えた後に俺は空気を吸いたくなり外へと繰り出せば空に満天の星空が広がっていた…。
「遼…」
「スカーレットか…どうした?」
「いよいよ…レーティングゲームの日ね…」
「そうだな…この十日間皆強くなったよな…」
「ねぇ…遼…貴方がライザーに挑むのは、自身の為?それとも…リアスの為?」
スカーレットは疑問に思ったのか俺に問い掛けてくる。
「よくわかんねぇよ…だけどライザーみたいな他人を見下すような奴が許せんだけだ…」
そう返答を返せば建物の中へ入っていきスカーレット一人が取り残される。
「ふふ…素直じゃないんだから……そろそろサーちゃんに連絡しないとね…"魔神皇帝"目覚めると…」
静かな呟きが夜空へと吸い込まれるように消えてその場には誰もいなかった。
次回がレーティングゲームです( ̄ー ̄)