玄界に帰ってきた少年は少々特殊なようで… 改   作:W297

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 活動報告で話した通り、0からのスタートです。

 のんびり書いていきたいと思っているので、気長に待っておいてくれると嬉しいです。


レフォース①

 

「おーい、こっち来てくれー」

 

「あ、分かりました、すぐ向かいまーす」

 

 俺はそう言いながら開発に使用していた器具を一先ず置き、呼ばれた声の元へと向かう。

 

「…ちょっとトリオンの供給してくれないか?

 

 足りなくなってしまってよ」

 

「それぐらいなら喜んで」

 

 俺はそう話してその器具に手を置く。

 

 俺が手を置くと同時にキインッ!という音と共にトリオンがチャージされていく。

 

「オーケー。とりあえずは大丈夫だ。

 

 またよろしくな」

 

「りょーかいです」

 

 俺はそう言って自分の椅子の元へと帰る。

 

 そして俺は元の作業へと帰っていく。

 

「…にしても、お前もすっかりここの一員になったよな」

 

 俺の横にいたライザーさんがそう話してくる。

 

「…そうですね、まあもうそろそろ俺がこっち来てから1年ぐらい経ちますし、俺ももう慣れましたよ」

 

「そうだな…。翔哉がここに来てからもう一年たつのか…」

 

 ライザーさんはそう伸びをしながら俺に話してくる。

 

「…まあ、こんな手錠をされてたら、いくらトリガーの技術を知ったところでここから逃げられませんし。

 

 しっかりトリオン供給役として使命を果たさせてもらいますよ」

 

「…そりゃそうだな」

 

 ライザーさんは苦笑しながら、俺にそう話してきた。

 

 

 

 

 

 ここはレフォースと呼ばれる近界の国の一つ。

 

 俺、敷谷(しきたに)翔哉(しょうや)はここのトリガー開発室のトリオン供給役の捕虜として生かされている。

 

 俺の出身は玄界の三門市、…いつも通りの日々を過ごしていた学校からの帰り道、気づいたらこの場所へと拉致されていた。

 

 他に生かされた奴らもいたが、そいつらは兵士として運用されるため連行された。正直、今生きているかどうかは分からない。

 

 俺がこのトリガー開発室に行かされたのはトリオンが他の面々と比較すると多いから…らしい。

 

 …トリガー、この武器を使用するのにはトリオンを必要とし、またその開発にもトリオンが使用され、そして電気やガスなど、この国の日常生活にもトリオンが必要となる。

 

 そして、トリオンが多い人たちは戦闘員としての運用がされるため、このトリガー開発室のエンジニアの人たちのトリオンは総じて少な目である。

 

 俺はそんなエンジニアの人たちの補助をするため、ここに配属になった…というわけである。

 

 …こっちに来てからおよそ1年が経過し、捕虜…というよりは同僚という関係に近くなり、俺もある程度のトリガーの開発を行えるようになった。

 

 …正直、脱走をしようと思えばできるかもしれないが、それはできない。

 

 理由としては二つ。

 

 まずは俺のこの両手に装着されている手錠である、

 

 これはトリオン製であるため、ちっとやそっとでは外れない。

 

 そしてこの手錠には爆薬が仕込まれており、ボタン一つで簡単に吹っ飛ぶ。

 

 現在そのボタンを持っている開発室長に話を聞くと、「別にお前が俺たちを殺そうとしてこない限りは押さないよ」と笑いながら話していた。

 

 そしてもう一つは脱走したとしても三門の町へと帰れる保証がないこと。

 

 他の国へと渡るためには(ゲート)が必要であるが、それの発生には様々な装置が必要になってくる。

 

 そもそもそれを使用できないとこの国から出られないし、たとえ門を開けたとしてもその先が玄界だとは限らない。

 

 そういう訳で、さまざまなメリットデメリットを考えると、デメリットの方が勝ってしまい、このままトリガー開発を手伝う方が俺の身的な安全と考えられるため、俺はこの状況を受け入れている。

 

 …まあ、食事・睡眠が与えられない…というわけではないし、暴力を振るわれたりするわけでもないし。

 

 帰れる機会があるなら三門へ帰りたいとは思うが、今は生きてるだけでもいい。

 

 いつか帰れると信じて、今はのんびりトリガー開発を続けるとしよう。

 

 俺はそう思いながら仕事を終えて、寮へと戻っていった。

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