俺の体は開発室から現場へと転送される。
その場にいたのは対応していたポケトリアの人、そして小柄な白髪の少年とその横で浮かんでいる黒く丸っこいトリオン兵。
「…あとは、俺が話します。
対応ありがとうございました」
「ああ、後は頼むぜ」
そう言って対応していたポケトリアの人はその場を去っていく。
「…一応話は聞かせてもらったんだけど、経由地としてここを使わせてほしいんだって?」
俺がそう聞くと、少年は「そうだよ」と話してくる。
「…ある国を目指してて、そこに行くまでのルートでここがあったんだ。
結構重い装備してるみたいだけど、戦うつもりはないよ」
「…りょーかい。
まあこの装備は念のために持ってきただけだから、俺たちとしてもお前が何かしない限りは敵意見せたりしないよ」
俺はそう話しながら胸にある装置のエンブレム部分を押すと「Transport!」という音と共にバインダーと書類が転送されてくる。
「…それで、お前ら名前は?」
「クガ・ユーマ、それと」
「私はレプリカ、ユーマのお目付け役だ」
…え、お前話すの!?
「…珍しいな、トリオン兵が話すのなんて初めて見たよ」
「だろうな、他の国ではあまり確立されていない技術だ・
…そういうそちらも珍しい装置を使っているみたいだが?
その胸のRのマーク、レフォースのものか?」
「…ああ、俺はもともとレフォース出身でね。
そこの技術をこっちで発展させたんだよ」
俺がそう話しながら、書類に書き込んでいくとユーマが俺に話してくる。
「…アンタ、つまんない嘘つくね」
…え?
俺がそう驚いているとレプリカはそのわけを教えてくれる。
「ユーマは嘘を見抜くサイドエフェクトを持っている。
おそらく今の発言のどこかに、嘘をついていたのではないのか?」
…サイドエフェクト、トリオンが多いやつに稀に発生する超感覚…か。
少なくともレフォースでもいなかったし、ポケトリアでも話を聞かない。
見るのは初めてである。
「…それで、どこで引っかかったんだ、ユーマ?」
「もともとレフォース出身ってところかな。
そこ以外は本当のこと言ってるみたいだけど」
…見事に当たってるな。サイドエフェクト、嘘ではないみたいである。
「…ビンゴだよ。
俺はレフォースに攫われて捕虜になったんだ。
まあ捕虜って言っても監視されてる以外はただの技術者って感じだったけどな。
トリガーの技術はそこで学んだのは確かだよ。
そこからこっちに引き抜かれて今の状態になっているんだ」
俺はそう話して、改めて話していく。
「…俺は、敷谷翔哉。
玄界出身のしがない技術者だよ」
俺がそう話すと、2人は驚いた顔を見せる。
「…ショーヤ、玄界の出身なのか?」
「まあな。もう2年ぐらい前にレフォースに攫われて、それ以来帰れてねえけど」
ユーマの言葉に俺がそう話すと、レプリカは俺に話してくる。
「我々の旅の最終目的地は玄界なんだ。
まさか、こんなところで玄界の民に会えるとは…」
…玄界が目標なのか。
俺がそう話すと、ユーマはそのまま話してくる。
「…俺の親父がこの黒トリガーを残して死んだんだけど、「俺が死んだら玄界に行け。俺の知り合いがボーダーって組織にいるはずだ」って。
ショーヤは何か知らない?」
俺はユーマの言葉に対して首を横に振る。
「…残念だけど、俺は攫われるまで近界のこととか全く知らなかったんだよね。
ボーダーって組織も俺は知らないな」
「ま、玄界がいいとこってことは言えるけどな」と続けていく。
ユーマは「そうなのか…」としょんぼりした顔を見せる。
「力になれなくて申し訳ねえな。
まあ、このポケトリアにいる間だけなら、お前の安全は確保できると思う。
楽にしといてくれ」
俺はユーマにそう話していった。