「…よし、これなら…!」
俺がそう話す通り、新トリガー開発は大詰めを迎えていた。
「ロトムさん!メタグロスさん!」
俺がそう言うと二人から声が返ってくる。
「内部エラーなし、いつでも行けるよ!」
「外部演算負担も許容範囲内、準備万全だ!」
2人の言葉に俺は「分かりました!」と返す。
「それじゃ最後に…、行ってこい!」
俺はそう話すと同時にEnterキーをダンッ!と押す。
そしてシステム設定画面には読み込み中のバーが徐々に進んでいく。
…そして。
『…システムオールグリーン、コンプリート』
「できた!」
俺はそう話すと同時に新トリガーを取り出す。
このトリガーはレプリカ先生にアドバイスをもらった通り、このトリガーの起動にはモーフィントリガーの起動が必須条件となっているが、システムは完全に別のものとなっており、出力を最大まで引き上げている。
このトリガーの構造はモーフィントリガーに接続し、モーフィントリガーの起動と同時に待機状態となる。
そしてモーフィントリガーを起動すると、俺の腹部のベルトにデジタルデバイスが装着され、それにカードトリガーの中に入っているトリガーを読み込むことで新トリガーを起動することが出来る。
…ここまで何回かトリガーの試運転をしてきて、何回かバグなどの不具合があったもののレプリカ先生にもらっていたデータをフル活用することで大幅に短縮、遊真たちが旅立っておよそ1か月で完成ということになった。
「…とりあえず、アルセウス様たちに報告してきます。
量産体制とかも聞きたいですし」
「うん、いってらっしゃい」
「ああ、頼んだぞ」
俺はロトムさんとメタグロスさんにそう送り出され、アルセウス様たちがいる部屋へと歩いて行った。
◇ ◇ ◇
「失礼します、翔哉です」
俺が大きなドアをノックすると、部屋の中からは「入っていいよー」という声が聞こえてくる。
俺は「ありがとうございます」と話して扉を開く。
中にいたのはアルセウス様、パルキアさん、ディアルガさん。
そして、パルキアさんたちと同じような髪の結び方をしている黒と灰色を基調としたディアルガさんに匹敵する大きい女性。
…そして、パルキアさんたちの周りで浮いているそれぞれピンク、青、黄色の髪の俺より一回り年下のような女の子がいた。
…もちろんだが、この面々にも俺は面識がある。
「ギラティナさんとUMAの3人も来ていたんですね、それなら話が速いです」
「うん、今日母様から呼び出しがあったから…」
俺がそう話す通り、黒と灰色の女性はギラティナさん。
パルキアさんたちと同じポケトリア四龍神の1人であり、基本的に部屋から出てこないので俺とは接点が少ない。
…そして。
「やっほー、翔哉!どうかしたの?」
「久しぶり、翔哉。その顔、何かうれしいことが起こったみたいね」
「お久しぶりです、翔哉さん。私たちもアルセウスさんたちに呼ばれたのでここに来たんです」
以上、アグノム・エムリット・ユクシー。
三人の合わせて、俺やアルセウスさんたちはまとめてUMAと呼んでいる。
この3人とはトリガー開発中、何か見てくる視線を感じていたので、俺が話しかけた。
そして、この3人はそれぞれ意思・感情・記憶を司っている。
いざとなればいつでもそれらを変更したりすることが出来るらしい。
「これを皆さんに見てもらいたくて」
俺はそう話しながら、新トリガーが入っているアタッシュケースを地面に置く。
「翔哉、ついに新トリガーができたのか?」
「ええ、不具合とかも削除したんで。
もう量産体制に入ってほしいと思って持って来たんです」
俺がそう言いながらケースを開けると、中には新トリガー、『コマンダートリガー』が入っていた。
「おおー、遂にできたんだね。
お疲れ様、翔哉」
アルセウス様はそう言って俺にそう話しかける。
「いやー、ホントレプリカ先生のおかげっすよ。
いなかったらどうなっていたことか…」
俺がそう呟くと、ディアルガさんも「確かにな」と話す。
事実として、この国の周りの近界の地図や他の近界の情報をもらっており、ポケトリアのトリガー技術回りは一気に伸びてきている。
「よし、じゃあこれは私が量産体制に入れておくよ。
…それと、ちょうど翔哉も来てくれたことだし、渡してもいいかなパルキア?」
「ああ、新トリガーもできたころだし、ちょうどいいな」
アルセウス様の言葉にパルキアさんはそう続けて、俺に話してくる。
「翔哉、お前に新たな任務を与えるぜ」
そう話してパルキアさんが取り出したのはモーフィントリガーと同じような大きさの何か。
「あ、それモーフィントリガーに接続できるよ」とアルセウス様が話す通り、俺がモーフィントリガーにコマンダートリガーの接続面とは反対側に貰ったものを接続する。
「…それは『ゲートトリガー』。ポケトリアと玄界をつなぐためのトリガーだよ。
それを装着していればたとえ玄界との距離がどれだけ離れていても、通話、移動ができるようになるんだ」
…はあ!?
「まあ、移動するにはお前のトリオンほぼ丸一日分を使ってしまうんだけどな。
まあたとえ遠くても移動できるのはうれしいだろ?」
「…レプリカから得た情報で玄界の軌道、そして位置を掴めたんだ。
あとは母様とパルキアが主体となって作った。
…もちろん、わたしとギラティナも手伝ったがな」
「…兄さんが君を連れて来た時の約束、忘れてないよね?
安全に君を玄界に送り届けるって。
私たちも忘れたわけじゃないよ」
「…そういう訳で、翔哉。
君に指令だよ」
パルキアさん、ディアルガさん、ギラティナさん、そしてアルセウス様はそう話して、改めて続けてくる。
「翔哉、玄界に行ってきてくれる?」