「玄界…、ですか!?」
俺はそう大きな声で返す。
「そう。そろそろ君を玄界に行かせてあげようって思ってね。
新トリガーの開発も終わったのなら、ちょうどいいでしょ?」
アルセウス様はそう話してくる。
「…いや、まだ開発して試作品が出来たばっかりですし…」
俺がそう話すと、パルキアさんは「大丈夫だろ」と話してくる。
「…どうせお前のことだ。
もうすでにバックアップとかメンテナンス方法とか開発室にマニュアル置いて共有してんだろ?
お前が完成したっていうのはそのあたりしっかりさせてから言ってきてるに決まってんだからよ」
「ま、まあ一応準備はしてますが…」
俺がそう返すとアルセウス様は続けてくる。
「…別にこれからずっと玄界に住めってことじゃないよ。
時々定期報告も兼ねて帰ってきてほしいし。
何より、玄界の技術を私たちの星に使うことが出来ればさらに良くなるって思ってるんだよね。
もとより、私は玄界と戦争するつもりはないから、協力関係を結べたらって思ってるんだ。
パルキアやディアルガが行ってもいいんだけど、向こうを怖がらせることになりかねないし、戦争起こしかねないし。
その点君ならもともと玄界出身だし、いい感じに調整できるでしょ?
まあ、あくまで無理に言ってもらう必要はないけど、どう?」
…簡単に言ってくれるね、この人は。
俺はそう思いながら、改めて考える。
…玄界に帰れる。レフォースにいたころからの夢だ。
正直、俺の寿命は何億年生きるかってレベルだから玄界にいる時間は俺の人生の中じゃ数秒にも満たないだろう。
…だが、いくらこのポケトリアに充実した俺の居場所があるとはいえ、玄界という生まれの地に対する思い入れは変わらない。
…帰ろうか、玄界。
「…分かりました。
俺でよければ、喜んでその役目受けさせてもらいます」
俺は改めて、アルセウス様たちに対して片膝をつく。
「そう言ってくれると思っていたよ。
しばらくの間、よろしくね」
アルセウス様はそう話して、俺の頭に手をポンと置く。
「それでさ、アルセウスさん。
翔哉いつから行かせるの?」
アグノムがそう聞くと、アルセウス様は「そうだなー」と話していく。
「できるだけ早く…かな。
まあ準備とかもあるから、来週で!
行けるよね、翔哉?」
「…急ですね。
まあ何とかします」
俺はアルセウス様にそう答えた。
◇ ◇ ◇
それからというもの、俺はあわただしい一週間を過ごしていった。
やっぱり何かに集中している際の時間は早い。
…そして。
玄界への旅立ちの日はすぐにやってきた。
「…寂しくなるな」
「そうっすね。
まあ、定期的に帰ってくるんで、そん時はそん時で」
俺はそうメタグロスさんにそう話す。
「翔哉、玄界の技術とトリガー技術。
しっかり持ってきてね」
「りょーかいです。開発室を頼みますね」
ロトムさんは目をキラキラさせて話してくる。
まあこの人はそういうのには興味津々だからな…。
「翔哉、急に勝手に連れてきて悪かった。
今までありがとうな。これからしばらくの間頼むぜ」
「何言ってるんすか、パルキアさん。
俺が玄界に帰ることができたのはパルキアさんのおかげっすよ。
また帰って来た時はお願いします」
俺はそう話して、改めてアルセウス様に話していく。
「…それじゃ、そろそろ行きます。
向こうと話ができるってなったら連絡入れるんで、そん時は対応をお願いします」
「おっけー。しっかりね。
なんかあれば通話してくれたらいいから」
「分かりました」
俺はそう答えると、モーフィントリガーのサイドボタンを回して起動待機状態にする。
…一応言っておくと、俺のモーフィントリガーは近くに門が開いてなくてもトリガーが起動できるカスタム品(もちろんアルセウス様の認可済み)である。
It's morphin' time!
「レッツ、モーフィン!」
俺はそう話してサイドボタンを押し、モーフィントリガーを起動する。
…そして。
「ゲートオープン、界放!」
俺がそう叫ぶと同時に俺の目の前には門が生成された。
…アルセウス様曰く、「起動音声はなんでもいいんだけど、せっかくならかっこいいワードがいでしょ」とのこと。
「…それじゃみなさん、行ってきます!」
俺はそう叫んで門の中へと歩いていった。