「…迅悠一、ただいま到着しました!」
そう話して迅は部屋の中へと入っていく。
「…失礼します」
俺はそう軽く頭を下げて、部屋の中に入っていく。
部屋の中にいたのは合わせて6人、全員そこそこ年齢を重ねているみたいである。
「…迅、彼をここまで連れてきてくれてありがとう。
敷谷君、まずは座ってくれ」
俺はそう促される通り、「失礼します」と一声入れて椅子に座る。
「…本部長の忍田だ。
まずはウチの隊員の無礼、お詫びさせてくれ。
君の素性が分かっていなかったとはいえ、もともと敵意を見せていなかった君に刃を向けてしまい本当にすまなかった」
そう言って忍田さんは俺に頭を下げる。
「…いやいや!トリオン体使ってるのなら人型近界人となるのも仕方ないですよ。
どうやらアイツ、近界人にお姉さん殺されてるみたいですし。
ああなるのは仕方ないです、ややこしいことしたのは俺です。
顔を上げてください」
俺がそう答えると、忍田さんは頭を上げて「そしてだ」と俺に話してくる。
「敷谷君、良くこの玄界に帰ってきてくれた。
戸籍などの情報はこちらで照合済みだ。
ボーダーを代表して君を喜んで受け入れるよ」
俺はそれに「ありがとうございます」と頭を下げる。
「…にしても、良く生きていられたものですねえ…。
ただでさえ戻ってくるのだけでも大変だろうに…。
…近いうちに、近界から帰還できたことを報告する会見をしてほしいね。
準備は我々で全て行わせてもらうが、いかがかね?」
…それはちょっと違うな。
何か変なことを言わされそうな気がする、
「…それはお断りさせてもらいます。
どうせ『ボーダーのおかげで帰ってこれた』とでもする会見にしようとするんでしょうけど、俺は向こうの人間に送り出してもらいました。
ボーダーのおかげで三門に帰ってこれたのでは決してありませんので」
そう話した俺は「そもそもです」と続けていく。
「俺は今回、『帰ってこれた』のではありません。
俺はあなた達と『交渉をしに来た』んです。
そこだけはお間違えないよう」
俺がそう話すと、俺の体面にいた顔に大きな傷が入った人から「何?」と返される。
俺はその鋭い視線に負けずに話していく。
「この俺、敷谷翔哉は近界のうちの一つ、ポケトリアの使者として参りました。
目的はこの玄界とポケトリアの友好関係樹立、ならびにお互いが持つ近界の国々の情報共有です」
俺はそう話した後、『CALL MODE』という音と共にポケトリアに連絡をする。
「ここからはうちのトップが話した方がよさそうですね。
…あ、パルキアさん俺です。
アルセウス様に『交渉の席を確保できたのでお願いできますか?』と伝えてくれませんか?」
『りょーかい、母さんに伝えてくるよ』
…本当に玄界からポケトリアに通信出来てる。
おそらく、俺がポケトリアに来てからずっと秘密裏に開発してくれたんだろう。
本当に感謝である。
「誰と話しているんだい?」
「扱いとしては俺の仕事場での上司…ですかね。
その人が今、ポケトリアのトップを呼びに行ってくれてます」
そうして1分もたたないうちにアルセウスさんの声が聞こえてくる。
『もしもし、私だけど。
翔哉、もしかしてコンタクト取れた?』
「ええ、目的は先に伝えさせてもらいました」
俺がそう答えると、「上出来だよ」と帰ってくる。
『それじゃ、翔哉、ホログラムモードをONにしてくれる?』
アルセウスさんの言葉に、俺は「了解しました」と答える。
そして俺はモーフィントリガーにあるダイヤルを回転させる。
モーフィントリガーからは『HOLOGRAM MODE』という音声が流れてくる。
それと同時に、モーフィントリガーからは立体映像が投影され、そこにはパルキアさんとアルセウス様がいた。
『…それじゃ、話をしましょうか。
玄界のみなさん』
アルセウス様はそう話し始めた。