「…あの、城戸さん…?」
俺がそう話すと、城戸さんは「君はあくまで向こうが裏切らないようにするための捕虜だ」と話していく。
「…君にはこれからボーダーに入隊し、我々と共に戦ってもらう。
いいな?」
「ええ、それぐらいならいくらでも大丈夫ですよ。
俺の命と引き換えにポケトリアにこっちの様々な技術を伝えられるならお釣りがくるレベルです」
俺はそう城戸さんに返していく。
「…では、以上だな。
敷谷君、家についてはどうするつもりだ?
警戒区域内に住んでいた市民に対してはボーダーが住居を用意しているんだが…。
それとも本部内に最近作ったスカウト組用の部屋にした方がいいだろうか?」
忍田さんの言葉に俺は「そうですね…」と返す。
「それなら、本部内の方にしてもらっても良いですか?
そっちの方がいろいろと都合がいいでしょうし、そこまで広い部屋はいらないので」
「分かった、それで手配をしておくことにする。
…迅、敷谷君を案内してやってくれ」
「了解です。それじゃ、こっちだよ」
「はい、分かりました。
では、俺はこれで。
これからよろしくお願いします」
俺はそう頭を下げて、会議室を後にした。
◇ ◇ ◇
「…にしても、近界に攫われて生き残っていたのは奇跡ですねえ…」
メディア対策室長の根付はそう話していく。
「そうですね。今のところ向こうからの要求も十分に対応できそうなものばかりでしたし。
また彼に学力などを確認して編入をさせてもらいますが、その辺は任せてもらっていいですね?」
「ええ、唐沢さん、戸籍などの調整も引き続きお願いしていいですか?」
忍田の言葉に「大丈夫ですよ」と外務・営業部長の唐沢は返していく。
「それと鬼怒田さん、彼のトリガーの解析を開発室でお願いしてもいいですか?」
開発室長の鬼怒田は「無論だ」と続ける。
「彼奴が持ってきたトリガーは我々が見たことないものだ。
この前、最年少で開発チーフになったアイツに任せることにするわい」
「それと、城戸さん。
彼の入る隊については私に一任してもらってもいいですか?」
「そうだな。彼の強さを管理できる隊ならどこでもいい。
忍田君に任せることにする」
「ありがとうございます」
…忍田は城戸にそう返していく。
「…それで、どこか当てはついているのかね?
B級に上がったばかりだとは言え、三輪隊の3人の実力は群を抜いておるぞ」
「そうですねえ…、下手に弱い隊だと彼が裏切った時に対処ができないでしょうし…」
鬼怒田と根付はそう話していく。
「ええ、敷谷君についてですが。
…風間に任せようと思っています」
忍田は最近ランクが急上昇中のステルス部隊の隊長の名前を挙げた。