あの後、アルセウス様とパルキアさんが玄界に来て、正式にボーダーとポケトリアの間で友好協定が結ばれた。
お互いの不可侵はもちろん、お互いのトリガーデータを共有、並びにお互いのトリガー以外の技術も出来る限り伝達することなどが盛り込まれた。
アルセウス様には、俺の頭に手をポンと置かれて「よく頑張ったね」と伝えられた。
…話をしたのはアルセウス様だ。俺はほぼなにもできていない。
そう2人にも伝えたのだが、「それをしてくれるだけでも十分だよ」とアルセウス様から伝えられた。
…まあ、あの人がそう言ってくれるならしっかり受け取っておくことにしよう。
◇ ◇ ◇
「…これで、ウチのトリガーのセキュリティシステムは解除されたはずっ!」
これはPCを操作して、ディスプレイには『解析完了!』の文字が出て来る。
「とりあえず、これで解析するのには問題ないはずです」
俺は振り返り、後ろにいた開発室チーフの寺島さんにそう伝える。
「ありがと。にしてもこれなかなか複雑に作ったねコレ…。
君なしじゃ何日かかってたことか…」
俺は「…そう言ってもらえて光栄です」と返す。
「モーフィントリガーもコマンダートリガーも一般的なトリガーと比較したら結構強力なトリガーなんでね。
万が一奪われてもそう簡単には解析することが出来ないようにしているんです。
生体認証もついてるんで、そもそもそう簡単には起動できませんよ」
俺の言葉に寺島さんは「なるほどね」と返してくる。
「…にしても、このコマンダートリガー。
換装体に換装体を重ねるって…、負担凄いんじゃないの?」
「まあそれなりにはデカいですよ。
まだ開発して間もないトリガーですけど、ある程度トリオンを持っていることを前提にしたトリガーですから。
俺もトリオン量にはそこそこ自身はありますし、ポケトリアだとアルセウス様のおかげで事実上トリオンは無限に使えるんで。
ウチの開発システムの方がシステム上限に達して開発できなくなったんですよ。
別のトリガーにすることでそれを回避することが出来たんですが、その代わりに必要となるトリオンが多くなってしまったんですよね…。
そのあたりについてはアルセウス様たちに全て任せることにしたんですが…」
俺はそう説明していく。
「なるほどね。
まあウチもトリオン量で入隊させるかどうか決めてるから、似たようなもんか」
…聞かせてもらえば、実際に玄界のトリガーに装備されている緊急脱出システムがトリガーの大部分を食っているらしく、それを所持した上で…となるとトリオンをある程度所持していることが最低条件となるらしい。
「…まあ、これからこっちのトリガーを使用することになりそうですし。
そのあたりの話も聞かせてもらえるとありがたいです」
「そうだね、こっちとしても向こうのトリガー開発者がいるのはありがたいし。
持ちつ持たれつでやっていこうよ」
寺島さんは俺にそう話してきた。