「…そういう訳で、君にはこっちが指定した隊に入ってもらう。
期間はおよそ1年ぐらいだな」
俺は忍田さんの話を聞きながら、連れられる形で歩いていく。
「それぐらいなら全然構いませんよ。
俺の実力も伸ばせること出来そうですし」
俺が歩きながらそう話すと、忍田さんは「すまないな」と話してくる。
「こちらとしても君の持っているトリガーの危険性を考えると、こうせざるを得なくてな。
基本的にはボーダーのトリガーを使ってもらう形になる。
ポケトリアのトリガーは我々が指定した隊員の監督の元、ボーダーのトリガーだと対応しきれないというときや訓練時に使うようにしてくれ」
…まあ、そりゃそうだよな。
モーフィントリガーもコマンダートリガーも向こうからしたら危険性高いトリガーに変わりはないし。
所持と緊急時の使用を認めてくれるだけでもありがたい。
俺は忍田さんの言葉に「分かりました」と返し、忍田さんの後ろをついていった。
◇ ◇ ◇
「着いたぞ、ここだ」
忍田さんはそう言って、ある隊室の前で立ち止まる。
そして忍田さんは「私だ、入るぞ」とノックをして、部屋の中に入っていく。
俺もそれに倣うように「失礼します」と一礼して部屋の中に入る。
…部屋の中に入ると、中はきれいに整頓されており、ごみなども散乱していることはない。
「…忍田本部長、そいつが今回こちらに帰ってきたという隊員ですか?」
「ああ、…敷谷君。
これから君に入ってもらう隊の隊長、風間だ」
忍田さんがそう話して俺に紹介したのは、ソファに座っていた俺より一回り小さい少年。
年齢は俺より低い…だろう。
「風間蒼也だ、忍田さんから話は聞いている。
これからよろしく頼む」
「ああ、こちらこそ。
まだこっちのトリガーには慣れてないけど、できる限り頑張るよ」
俺が風間にそう返すと、風間は俺の頬をブニッと掴んでくる。
「…19歳だ、初めまして」
…19!?嘘だろ!?
「…あ、すみません…」
「構わん、慣れている」
そう話していると、忍田さんは「では、これからは風間の指揮のもと動くようにしてくれ。
ポケトリアから何か伝達事項があれば風間を通すか、私に直接伝達してくれても構わないよ」
「了解です。
いろいろとご配慮、ありがとうございました」
俺がそう頭を下げると、忍田さんは「これぐらいならどうしたこともないよ」と返して、隊室を後にしていった。
忍田さんが部屋を出たことを確認すると、風間さんは俺に話しかけてくる。
「敷谷、何か聞きたいことはあるか?」
「…えーと、他の隊員ってどんな感じなんですか?」
俺がそう聞くと、風間さんは「…宇佐美」と話し、「あいあいさー」という言葉と共に奥の部屋から1人の女子が出てくる。
「ウチのオペレーターの宇佐美だ。
実力は他の奴と比べても一線を画している」
「どうも、宇佐美栞です!
敷谷さん、お話は伺っています。
これからどうぞよろしくお願いしますね」
宇佐美はそう言って、俺に頭を下げる。
「ああ、こちらこそ。
よろしくな」
俺は宇佐美にそう返していく。
「…にしても、面白そうな感じになってきましたね風間さん。
あの2人に敷谷さんが加わることになれば、Aになったとしても相当いいところまで行くんじゃないですか?」
「…それはまだ先の話だ。
敷谷、後2人まだC級だがウチに内定している隊員がいる、来た時にまた紹介させてもらう。
…宇佐美、こいつにこっちのトリガーについて教えてやれ」
「はーい。
…じゃあ敷谷さん、こっち来てくれます?」
「ああ、分かった」
俺は宇佐美に連れられる形で、先ほどまで彼女が入っていた部屋へとはいっていった。