それからというもの、歌川と菊地原は次の日にはもうBに上がっており、風間隊がスタートした。
一方の俺だが、とりあえず風間さんに「射手について学びたい」と伝えた。
…そうしてみたところ。
「…太刀川隊の出水と連絡を取った、さっさと行ってこい。
射手ならトップクラスの実力を持ってる」
そう話してきたので俺は太刀川隊の隊室へと向かっていった。
「…ここだな」
俺は太刀川隊の隊室の前でそう呟く。
「…失礼しまーす」
俺がそう言って部屋の中に入ると、俺を出迎えてくれたのはもさもさしたイケメン。
「…どうされました?」
「ああ、風間さんに『出水に会ってこい』って言われたんだ。
出水はいるか?」
俺がそう話すと、「あ、敷谷さんっすね」と気づいたみたいである。
「…出水先輩、敷谷さん来られました」
そう彼が話すと、モニターの前に座ってゲームをしていた少年がソファから腰を上げる。
「お、もうこんな時間か、京介ありがとな。
…敷谷さんっすね、風間さんから話は聞いてますよ。
なんでも射手について教えてほしいってことで」
「ああ、お前も知ってると思うけど、俺は射手のことを何も知らねえ。
…頼む、この通りだ」
俺はそう言って出水に向けて頭を下げる。
「え!?敷谷さんいいっすよ、そんなことしなくても!?」
「…教わるときは教わる態度ってもんがあるだろ。
それに先を行ってる風間さんたちに追いつくために、なりふり構ってられないんだよ俺は」
頭を下げたまま、俺は出水にそう話していく。
「…分かりました、頭上げてください敷谷さん。
俺がアンタを一人前の射手にならせてあげますよ!」
「助かる」
俺は出水にそう返していく。
「それじゃ、準備しましょうか。
…柚宇さん、訓練室の準備お願いしてもいいですか?」
「りょーかーい。
2人とも訓練室に入りな~」
先ほどまで出水と共にゲームに励んでいた女の子はゆるふわな感じを醸し出しながら立ち上がった。
◇ ◇ ◇
訓練室に入り、黒いコートの隊服に身を包んだ出水は俺に話してくる。
「…とりあえず、射手について教えていきますけど…、どれくらいまで射手を知ってます?」
その言葉に「一応宇佐美から聞いた話だけどな」と続けていく。
「トリオンキューブを分割して、射程、威力、弾数とかを調整できる。
銃手と比較すると、射手の方が射出に手間はかかるけど、その分柔軟に放つことが出来る。
正直ただ撃つってだけなら銃手の方がいいな」
…そう話すと、「大体は分かってくれてますね」と話していく。
「…それで、今設定されているのは?」
「ハウンド。プロとして使い勝手はどうなんだ?」
「結構いいですよ。
トリオン探知で守備代わりにも使えますし、視線誘導でいろんなことできますし。
追尾性能を切ることで威力が低いアステロイドとして使えますし。
自由度はバイパーに比較すると少ないけど、結構使い勝手は高いってのが俺の評価っすね」
出水の言葉に俺は「なるほどな」と話す。
「…まあ、俺も理論とかで説明するのは苦手なんで。
実戦でやっていきましょうか。
仮想訓練モードにしてるんで撃ち放題ですし」
「ああ、頼む」
俺は出水に対してそう返した。