…出水から多角的に降り注いでくるバイパーの雨によってハチの巣になりながら。
俺はボーダーでの日々を過ごしていった。
…基本的には開発室と自室、そして出水による特訓、そして風間さんからの英才教育を受ける毎日である。
そして、俺が三門の町へと帰ってきておよそ2か月。
「それじゃ、翔哉さん行きますよ!
…バイパー!」
いつものように訓練室の中での出水との特訓。
出水はいつものようにそれぞれの手からトリオンキューブを繰り出す。
「…これをある程度相殺出来たら、十分ハウンドはマスターできたって言っていいと思います。
頑張ってくださいねっと!」
その言葉と同時に不規則な弾道を描きながら、出水のバイパーは俺に向かって飛んでくる。
「…頑張らせてもらうぜ、ハウンド!」
俺はそう呟いて、右手からトリオンキューブを繰り出す。
「…そらよっ!」
そう俺が叫ぶと同時に、俺の弾速、追尾性能などを細かく設定したハウンドは勢いよく飛んでいく。
…そして、ハウンドはそれぞれ出水のバイパーとそれぞれぶつかっていく。
そして襲い掛かる出水のバイパーが段々と数えれるぐらいまで少なくなり、そのあとすぐに出水が放った弾丸は消え去った。
「…シャットアウト、完了っと!」
俺がそう話す通り、俺の体には傷一つなかった。
「おー…、さすがですね翔哉さん。
ついにここまでになれましたか。
ここまでできれば、B級上位のやつらにも匹敵する強さですよ」
出水は俺にそう話してくる。
「まあな、出水もここまで付き合ってくれてありがとうな」
「いえいえ、ウチの隊長は風間さんにはお世話になりまくっているんで。
『少しぐらい俺たちにも還元しろ』って言われたら返せる言葉ないっすよ」
出水は苦笑いをしながらそう話してくる。
「…それで、もうすぐ入隊式ですけど大体何ポイントスタートとか分かってるんですか?」
2月前に入隊し、今は4月に差し掛かるころ。
5月の頭に入隊式が行われるので後およそ1か月である。
…ちなみにだが、俺はこの4月から三門第一高校に編入が決まっている。年が一つ下の出水も三門第一らしい。
風間さんは六頴館卒で宇佐美も同じく六頴館、太刀川隊のオペレーターの国近も三門第一だそうだ。
そして現在の俺は隊員としては仮入隊の状態であり、この状態で目覚しい活躍を残すことが出来れば、通常1000ポイントスタートのところその分上乗せしてくれるらしい。
…もちろん、出水との特訓と並行して隠密行動訓練などの地形踏破訓練などの訓練も受けており、しっかりと上位の成績を残している。
戦闘能力試験も受けて訓練用のバムスターならほぼほぼ10秒以内にクリアできるぐらいにはなってきた。
「…どれぐらいになるんだろうな。
俺も何ポイントになるか知らねえよ。
出水、そういうお前はどれぐらいなんだよ」
「確か2500かそのあたりだったと思います。
その後2週間ぐらいでBに上がって太刀川さんにスカウトされて今に至るって感じっすね」
「…なるほどな」
俺は出水にそう返していく。
出水でも大体2週間かかったのか…。
「…風間さん、なかなかきっつい条件出してくれるぜ…」
俺はそう呟きながら天を仰ぐ。
「…まあでも、いまの翔哉さんなら1週間ぐらいあれば十分だと思いますよ。
スタートが俺とは違うんで」
「…そう言ってもらえるとありがたいよ」
俺は出水とそう言葉を交わしていった。