玄界に帰ってきた少年は少々特殊なようで… 改   作:W297

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国近柚宇①

 

 4月を迎えて、俺の転入手続きも終わったので高校に通えることになった。

 

 ちなみにだが、高校1年の間の勉強は風間さんのスパルタ指導のおかげで最低限はできるようになった。

 

 …まあ、俺は玄界にいる時は六頴館に行こうとある程度決めていたので、比較的内容はすんなり入ってきた。

 

 風間さん曰く「あのバカとは大違いだな」とつぶやかれた。

 

 …おそらく太刀川さんのことだろう。

 

 そんなこんなで、俺は三門第一に通うことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…それじゃ、入りますかね」

 

 三門市立第一高校の2-B教室。

 

 若干の緊張感を持ちながら、俺は教室の扉を開く。

 

 …今までならこの景色もよく見る学校の教室だったが、2年近く近界に行ってた俺にとってはなんだか懐かしい景色である。

 

「席どこかな…」

 

 俺はそう呟きながら教室の中をキョロキョロと見渡す。

 

 …そうしていると、見知った顔と目が合った。

 

「…あ、翔哉くんだ~」

 

 そう言いながら近づいて来たピンク色の髪の少女は太刀川隊のオペレーター、国近柚宇。

 

 ここ数か月、出水との特訓で太刀川隊の隊室に通い詰めていた結果、太刀川隊の面々とも仲良くなった。

 

「…国近、お前このクラスだったのか」

 

「そうだよ~。

 

 ちなみに席は私の後ろだよ、よろしくね~」

 

 …そうなのか、まあ知り合いが近くにいるのは心強い。

 

「…それと、ボーダーの人もう1人いるから紹介しとくね~。

 

 こちらゾエさん!」

 

 そう言って俺に紹介して来たのは身長が俺と同じくらいでふくよかな体型の男性。

 

「…初めまして、ゾエさんだよ~」

 

 …これまたゆるい感じだな、おい。

 

「ああ、敷谷翔哉だ。

 

 5月から入隊する予定だから、よろしくな」

 

「こちらこそだよ。

 

 …それと、ウチの隊長のカゲも同じ学校にいるから本部かこっちで会った時に紹介するね」

 

 俺たちはそう言葉を交わしていく。

 

 …そんな中、ある一人の少女が教室に入ってくる。

 

 いたって普通の光景であり、俺もクラスメイトの1人…だと思い、そこまで気には止めなかった。

 

 …だが。

 

「…あいつって」

 

 その少女は俺が三門の町で生きてきた中で最も顔なじみがあった。

 

「…悪い、国近。

 

 ちょっと外す」

 

「…ん、いってらっしゃーい」

 

 国近はそう言って俺を見送ってくれる。

 

 …そして、俺はその少女の元へと歩いていく。

 

「…久しぶりだな、摩子」

 

「あ、久しぶりだね翔哉…、って翔哉!?」

 

 同じ三門市内に住んでいた俺の従兄妹、人見摩子は俺の姿を見てそう返してきた。

 

「アンタ、確か近界民に攫われて死んだはずじゃ、なんで…」

 

 驚きの表情を見せる摩子に俺は返していく。

 

「おいおい、勝手に死んだことにすんじゃねえよ。

 

 …運良く、生かされててな。

 

 こうして戻ってこれたっていう訳だよ。

 

 今はボーダーで世話になってる」

 

 俺がそう話していくと、摩子は「そうなのね」と返してくる。

 

「…それじゃあさ、昼休みにここ来てくれる?

 

 ちょっと伝えたいことがあるの」

 

「ああ、別にそれぐらいなら大丈夫だぜ」

 

 俺は摩子にそう返していった。

 

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